質問の全文(大桑議員)

金沢市定例第3回市議会               10,9,16            
                         大桑 進                      
 私は、日本共産党市議員団の一員として市長並びに関係者に質問をいたします。
質問の初めは、農業に関してで、あります。
今年は、米価の下落そして、記録的な猛暑により全国的に、米や果樹、夏野菜への生育不良や病害虫など、大きな影響が出ています。
まず、米価の連続下落への対応について伺います。
猛暑の続くなか、稲刈りの作業が進んでいます。9ヶ月連続下落の米の価格にも連動し、農家に不安が広がっており、緊急の対策が求められています。
コシヒカリ1等米60キロが一昨年は、1万2千850円でした。昨年は1万1千850円に下落、今年の新米は1万円前後で更に下落するといわれています。これでは農業はやっていけません。
9月8日、農民運動連合会の方が武蔵ヶ辻の街頭で、米を500ミリリットルのペットボトルに詰めて配布、「一本80円~90円、水より安い米の売値ではやっていけない」「政府は米価下落への対策をただちに取るべきだ」と訴えました。10日には、農民運動全国連合会と、国民の食料と健康を守る運動全国連絡会が、農水省前で「米、作って めし飯えねえ」と決起集会を開催、40万トンの「過剰米」を買い上げて、米価暴落対策を緊急に取るよう、農水省に交渉をおこないました。
農水省の米生産費も作り続けるためには、60キロ1万6千500円かかるとしています。国の「戸別補障は1万3千700円で、低すぎる。米価が下がれば、生活ができない」「息子がいるが、これでは農機具も買い変えられず、農業を継げといえない」「米を作る農民がいなくなり農業を離れる世帯が増える」などと訴えています。
全国農業協同組合中央会(JA全中)は、米価暴落が続くなかで、政府が過剰米を買い上げ「主食市場から隔離する」など、緊急に「米需給調整対策」をとるように求めております。
JA全中の「政策提案」では、2009年産米が昨年秋の収穫期の価格に比べ、農協などと卸しとの相対取引価格で60キロ当たり千円近く下落したうえ,30万トン以上が古米として持ち越される見通しだと指摘しています。
今年の新米についても、「過剰作付け」や 豊作基調から,09年産米と合わせ60万~80万トンもの過剰が生じかねないとしています。そして緊急対策として、
1,今年度産米の価格が、大幅に下落する事態を招かないようにする。
2,今年の過剰米を主食用市場から隔離する。
3,政府による緊急対策を早期に決める。
4,政府棚上げ備蓄は、今年度産米から前倒しして早期に実施する。
など、4項目を提案しています。こうした農業関係者の要求をどう認識されていますか。
市長、政府に対して、新米40万トンを備蓄米として買い入れ、米価下落対策をただちに講ずるよう強く求めるべきと思いますが、市長の見解を伺います。
また、本市としても学校給食の米食を増やすことや、米粉パン食を実施すべきではないですか、教育長に見解を伺います。

 次に、異常気象の中、夏野菜、果樹への被害を調査し対策を進めることについて伺います。
記録的な猛暑で、全国的にも農作物の生育や品質への影響が出ています。
金時草も例年の30~40%に減少し、秋野菜への影響も心配されています。ぶどうは着色不良が多く発生していると、いわれていました。
なしは、交配の大事な時期に長雨に加えて、気温が平年より2~3度低かったために、実の付きが悪く、出荷量は昨年より30%近くも減少、また近年になかった黒星病が発生し、その被害もでています。
 ナシやリンゴは、旧盆を過ぎても夜の気温が下がらず夜露がないために、色付きが遅れ、出荷にも影響していると聞きました。
トマトも、気温が高く、夜露もないことで、夜になってもハウス内の温度が下がらないために実が異常に変形、熱で葉が丸まり実に直射日光が当たったことで不良品が多く、出荷は平年の半分以下に落ち込んでいます。
専業農家のNさんは「一反分を超えている農地で60年トマトを作っているがこんなことは初めてや」と嘆いていました。
 農業は自然の影響で収穫が大きく左右されるだけに、直接現地にも入り調査をされていると思いますが、被害状況について伺います。また、具体的な対策についても合わせて伺っておきます。

質問の二点目は、不況が長引く中で、深刻化している生活困窮者の改善対策についてです。
1つには、離職によって住居を失った方や
雇用保険受給資格がなく生活に困難を抱えた
方への支援策についてです。
 新しいセフティネットには、解雇や雇用期間満了など、雇い止めで解雇され、住居も無くされた方への就労機会の確保など、支援することを目的にした「就職安定資金融資制度」と、住宅の確保及び就労機会の確保を支援することを、目的にした「住宅手当の支給制度」があります。
昨年10月から開始され1年を迎えようとしています。これまでの利用者の状況をみますと、昨年10月~今年の8月までの申請件数は437人、支給決定数は327人、その内、常用就職者数は54人、率にして13.6%になっています。
支援をうけられた方は職を求めてハローワークに通っていますが、求人企業は少なく、紹介は1件くらいしかありません。会社に 訪問すると50半ばなのに、「高齢者はいらない」と門前払いされることも多いといわれています。  求人情報を見て訪問をしても、「検討して連絡します」とだけで、数日してから断りの電話があるとのことです。
仕事につけた方でも、時間給のパート、1日2~3時間の勤務実態とのことです。常用就職者数の54人の内訳には、こうした   パートの方も含まれているのではないかと 思われますが求職者の実態について伺います。
生活保護受給申請も増えているのではないかと思われますが、合わせて伺います。
また、この制度を利用して生活をされている方、そして就職がきまらないままに支援の 期限を迎える方が、今後増える状況にあると思われますが、そうした方への対応は今後どうなるのですか、伺います。
金沢公共職業安定所管内の雇用情勢の7月の有効求人倍率は、0.59%です。全国の0.53%をやや上回っているとはいえ、深刻な状況です。
国として積極的な雇用対策を早急に打ち出すことが切実に求められています。

次に、本市として、公営住宅のリフォーム対策など、中小業者への仕事だしについてです。
市長は、提案説明の中で「円高が続き国内生産が急速に落ち込み、厳しい状況になり、公共事業の早期発注、中小企業への融資、雇用の確保などに全力を挙げている」と言われました。今日の市民の状況は、「仕事を出してほしい」、「働きたい」と切実に願っています。 この声にこたえていく、市のさらなる努力と責任があると私は考えます。
その点では、まず政府に対して景気対策、雇用対策を強く求めていくことです。
また、本市としても市長が先頭に立って、中小企業への仕事だし、雇用対策に全力を尽くすことではないでしょうか。
この点では、本市の公共施設の緊急修繕などの有効な仕事だしを積極的におこなうことです。中小事業者のどなたでも参入可能な、簡易小額工事制度を生かして、公共施設の修繕や老朽化が進んでいる、市営住宅のリフォームや修繕・改善の工事の発注によって、零細企業に対して幅広く仕事がいきわたるようにすることではないですか。
市営住宅の改善工事は、簡易小額工事制度を使っての発注件数が規模からして多いと思いますが、これまでの工事件数、支出額など発注状況について、また、発注が特定な業者に偏ることなくされているか伺います。
今後の予定なども合わせて伺います。

質問の三点目は,公共交通についてです。
市長は、提案理由の説明でまちなかの交通アクセスの向上策について「2次交通としての路線バスの定時性や速達性の向上につながる方策を検討している」と言われ、利用者側の視点から公共交通の利用促進策等について、検討を進める」と述べられました。
そして、公共交通利用者会議(仮称)を今月中にも設置するとのことですが、検討課題等について明らかにしてください。
 私は、利用者の声を聞く場は適切だと考えますが、実際の利用者にとどまらず、利用したくても公共交通がなくて利用できないでいる方や高齢者の方などの、意見が反映されることも大切であると考えます。巾広く利用者の意見を聞いてどのように生かされますか、当局の見解を伺います。
 この10年余りの中で道路網が海側・山側、中環状線と整備され、それに伴う区画整理事業による街づくりが進められました。広大な農地が宅地化となり、大型店がいたるところに張り付き、住居とともに人口も急増してきました。
昨年新たに作成されました金沢市都市計画マスタープランでは市内を14の地域にわけてゾーンに指定、三和、安原、みどりの3校区は西部地域のゾーンとしています。この地域は、区画整理事業で宅地化が最も進んだ ところです。
保育所の園児の入所数、学童保育児童数、小学校の児童数増でクラスが増えるなど人口が急増しています。幹線道の自動車道路は整備されました。しかし、公共交通の路線が整備されていません。その為に、たとえば県庁や病院の通院などは、金沢駅で乗り換えなければなりません。往復でバス代が1,180円必要です。バス路線が香林坊中心に放射線状になっているため、片町香林坊を経由し、金沢駅で乗り換えることになるからです。
また、この地域には、65歳以上の人口は約3千700人です。高齢者の方が楽しみにしている、ふれあい入浴券の安原市民センターでの受付数は、年間で400人ですが、これは他の地域より少ない利用状況です。最大の理由として、金石や上荒屋団地に銭湯がありますが、利用したくても公共交通がないために利用できないと、あきらめている方が多くいるからです。
 高齢者の方は、大きな道路は怖くて運転できないと、最近では免許所を返還する方も多くなっています。
気軽に乗れる1コインバスの充実、低料金の敬老パスの発行など、公共交通網の整備を進めることが今、切実に求められています。
市長の見解を伺いまして、私の質問を終わります。

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