2013年金沢市議会3月議会 森尾議員反対討論

金沢市議会3月議会 討論

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。
わが党は、提出された議案46件の内、議案第1号、議案第3号、議案第5号、議案第9号、議案第10号、議案第12号、議案第16号、議案第23号、議案第24号、議案第27号、議案第29号、議案第30号、議案第36号及び、議案第41号の議案14件に反対であります。その主な理由について述べます。安倍内閣が発足して3ヶ月が経過しました。その経済政策である「三本の矢」いわゆる「アベノミクス」のもとで、マスメディアの影響もあって、「ミニ・バブル」的な景気浮揚感が現れています。しかし、「三本の矢」といわれる大幅な金融緩和、大型公共事業を中心とする大幅な財政支出、規制緩和を軸とする成長路線という方策は、使い古され、「壊れた矢」にすぎません。彼らが隠して言わない「二本の毒矢」。すなわち、消費税大増税と社会保障の大改悪が一体となって強行されれば日本経済の危機は、打開するどころか、さらに深刻にならざるを得ません。
自民党政権によって、行われてきた大型公共事業への巨額の投資は、何をもたらしてきたでしょうか。22年前の1991年に打ち出した、430兆円の公共投資計画、1995年の630兆円の大型公共事業計画といずれも、アメリカからの強い要請によって、実行されたものです。その結果、国民生活と関係のないむだな公共投資によって、大幅な財政赤字を生み出し、自民党政権崩壊の原因の一つになったものです。こうした大型公共事業へ投資する方策を再び、安倍政権が打ち出したものです。
市長は、こうした安倍政権の施策について、「政府はもとより、日本銀行、地方自治体、経済界など総力の結集が求められる時はありません」と述べ、全面実践を打ち出しました。今回の補正予算と新年度予算は、こうした方向に沿ったもので、市長自ら「最終補正予算では10年間で最大規模となる公共事業費を追加し、当初予算と合わせて対前年度比25%増の事業費を確保した」と述べました。国の補正等に伴う追加事業分43億円を含め、普通建設事業費は、224億円にものぼりました。その内容は、これまでの大型公共事業を軒並み追加するものが中心となっています。
金沢港建設事業には、補正予算と合わせ、9.3億円。金沢外環状道路建設事業には、15.4億円。金沢駅西広場再整備事業には、7億円。海側幹線道路建設とセットされ進められている大友、直江、大河端の3つの区画整理事業には、5億円。新たな工業団地造成事業である金沢森本インター工業団地造成事業には、5億円。などこれまで問題を指摘してきた大型公共事業に巨額の予算が投入されました。
市長は、これまでの市政の根幹部分は、しっかり継承すると述べました。それが都心軸中心の大型開発事業です。駅西、駅前、武蔵、香林坊・片町と連なる地域で区画整理事業や再開発によるビル建設など大型開発事業がこれまでの市政によって進められてきました。これまでに投ぜられた総事業費は、3225億円にのぼります。 その一つである駅武蔵北地区再開事業が36年を経て事業の終結を向かえました。金沢駅から武蔵間を36m道路で結び、その両側に5つの再開発ビルを建設するという事業で、本市施工で総事業費は、531億4千万円に上りました。国・県・市の負担金は、220億5千万円で、そのうち本市は、125億6千万円を負担しました。最初の再開発ビルであるライブ1は、入居者が決まらず、約10億円の赤字となり、まちづくり事業基金から借入しました。現在も保留床は全部埋まってはいません。 第5工区は「名鉄5番街」が、当初保留床を購入しましたが、結局撤退し、その購入費の残金5億6千万円は、その金額に相当する床2270㎡が市に返還されました。現在も市が所有し、貸している状況です。 第2工区は、保留床を本市が20億円で購入し、福祉用具情報プラザを設置しました。 第4と3工区の事業が始まる頃には、地域の商店や地権者は、ほとんど地区外に移転してしまいました。まちのにぎわいをつくりだすとしていた再開発ビルの計画は、つぎつぎに破綻し、保留床の売却が進まず、入居した店も次々に契約解除や転居が続いてきました。そして、とうとう本市は、再開発ビル建設を丸投げともいうべき、特定建築者を公募して進めるに至りました。 ところが、選定された業者は、第四工区の建設で撤退。その第四工区再開発ビルの一階は、当初から入居者が決まらず、空いたまま6年が経過しています。 最後の再開発ビルである第三工区は、マンションと福祉施設が入居し、この事業での商業施設はありません。賑わいのあるまちづくりとはほど遠い実態です。 しかも、この二つの再開発事業では、本市が土地を先行買収した費用と特定建築者である企業に売却した費用の差額は、実に15億5千万円に上りました。 36年間を経て事業が終結したものの、保留床処分事業は、本市が保留床を購入するなど一般会計から25億円を投入してもなお、現時点では、5億円の赤字であり、今後、所有している床を売却しなければなりません。また、市が再開発ビルの管理運営などに一般会計から投入したのは、この10年間で約3億円に上り、今後も市街地再開発事業特別会計に繰り入れが続くことになります。まさに、矛盾と破たんしつづけた事業の実態です。 同じように先端産業を誘致するとして280億円を投入した金沢テクノパークは、いまだ4分の1が売れ残り、3社が利用するに過ぎない工業用水道事業については、一般会計から約6千万円が毎年投入され続けています。 こした事業に大きな予算を投入しながら、市民生活にかかわる高齢者バス回数券支給事業をバッサリ廃止しました。年間予算は、730万円です。60歳以上の方を対象に、本市にある3つの老人福祉センターと卯辰山にある健康交流センター、駅西にある高齢者障害者体育館を利用する方で帰りのバス回数券を支給するもので、年間約2万人がこの制度を利用していたのです。 冷たい市政の姿がここに示されています。

次に、新たな大規模共同調理場の建設方針が打ち出されました。規模は、一日4500食から7000食規模で西部方面を視野に今年度基本方針を策定するとしています。代表質問でも明らかにしたように本市の学校給食は、自校方式から共同調理場方式へ切り替え、しかも、大規模化し、調理業務は民間に委託するといういわば、経済的効率化を急速に進めてきました。今回、小規模、中規模共同調理場が建設されてから30年以上経過したことから、新たな方針が打ち出されたわけです。その内容は、残っていた自校方式をすべて廃止し、小規模共同調理場を統合し、新たな大規模共同調理場を建設するというものです。
あたたかく、おいしい学校給食を子どもたちも保護者も願っています。 そして、地産地消の観点からも食育教育を進めていくうえでも、さらに災害の際の備えとしても、各学校で給食を作るという自校方式の良さを生かしていく上からも、こうした方針の見直しを求めるものであります。  また、大規模共同調理場における調理業務の外部委託についてです。この業務委託が偽装請負ではないかとの指摘があいつぎ、全国の自治体の中には、その導入を中止する事態も起こっています。 平成20年5月15日付けで石川労働局は、本市教育委員会に対して、文書通知が出されました。この「指導票」と呼ばれるもので、次のように述べています。 「西部共同調理場調理業務の委託について、総合的には、労働者派遣事業に該当するとは判断できないが、請負により行われる事業との区分の明確化に関し、下記の問題点があげられる」と述べ、6項目について具体的に指摘されました。そして、さらに、「適正な業務委託と判断できず労働者派遣となる場合」「必要な措置を講ずるか」「区分基準を満たす適正な請負に改善するかまたは中止すること」と文書が出されました。当時、本市教育委員会は、こうしたことがあった事実すら議会と市民に明らかにしませんでした。この問題は、本議場でも取り上げてきました。 今回、私の代表質問に対しても、教育長は、あたかも何も問題はなかったような答弁でした。子どもたちに真理と道理を教える立場にある本市教育委員会が問題点や指摘に対して真摯に受け止め対応することが求められます。 そして、その解決のために、大規模共同調理場における調理業務の外部委託をやめるよう強く求めておきたいと思います。

議案第9号と第36号は、国民健康保険に関する議案でわが党は、反対であります。本市は、国民健康保険料の算定方式は、一貫して「住民税方式」を採用してきました。所得税から基礎控除・扶養控除・配偶者控除・社会保険料控除など各種の控除を引いて計算される住民税額を基礎にして国民健康保険料の所得割額を計算してきたのです。ところが、国が国民健康保険事業を都道府県単位にするとの方針から保険料の算定方式を統一するため、法令を改正し、新年度から「旧ただし書き方式」を実施するとしました。保険料の計算方式は、所得から基礎控除33万円しか引かれずに国民健康保険料の所得割額を計算することになります。これによって、多人数世帯や低所得者を中心に各種控除を受けている世帯の国民健康保険料が大幅にはね上がることになったわけです。今回本市は、激変緩和措置を打ち出しました。しかし、これによっても、加入世帯の約4割にあたる2万4千世帯で年平均2万円の保険料が引きあがることになります。しかも、経過措置を受ける一般家庭では、今年も、来年も、再来年も続くことになります。障がいのある方や、母子、父子の家庭で寡婦控除を受けている世帯では、4年間連続値上げとなるものです。実に過酷な保険料の引き上げです。したがって、名古屋市などで打ち出した「独自控除額」を実施すべきです。 厚生労働省の政令内容をしっかり受け止め、新たな計算方式である「旧ただし書方式」であっても、より住民税方式に近づけるよう「独自控除額」を採用するとともに、それでも、保険料が増えることになるだけに独自の減免制度を拡充するよう強く求めるものです。
後期高齢者医療制度は、高齢者を区別し、亡くなるまで負担を押し付けるものであるとしてこの制度を改めるよう求めてきました。また、介護保険制度については、この4月から行われた介護報酬の改定によって、訪問介護の生活援助の時間短縮が利用者や事業所に大きな影響をもたらしています。介護職員処遇改善が国による直接的財政措置から介護報酬に組み込まれたため、利用者の負担を求めることにもなり、必要な改善が進んでいません。こうした立場からこれらの予算議案に反対するものです。 本市立病院に関して地方公営企業法の規定を全部適用するための関連議案に反対であります。医療の質の向上と経営の効率化をめざすとして導入するものですが、公的病院としての役割や、地域住民や地域の開業医の期待に応え、かかりやすく、安全・安心を提供することが何よりも求められます。地方公営企業法の規定を全部適用によって、こうした機能が後退しかねないとして反対であります。

職員の定数条例、給与と退職金に関する議案に反対であります。
本市職員は、10年前に3757人でしたが、現在3385人と372人が削減されました。今回さらに、職員定数を9人削減するとしています。また、給与削減は、この7月から来年の3月までで一人当たり、約29万円の削減となり、削減額は、11億6千万円にも上ります。さらに、国家公務員に準じて退職金の削減が実施されようとしています。安倍政権は、景気回復を掲げ、一部大企業に「賃上げ」を求めながら、公務員の賃金下げを強行しました。こうした公務員の賃下げは、すべての働くものの賃下げにもつながるもので到底納得できるものではありません。しかも、政府が、地方公務員の賃下げを前提に相当額を地方交付税から削減するなどは事実上の「強要」であり、地方自治への介入として許すことはできません。

議案第41号の財産取得について反対であります。
内川第1建設発生土処理施設建設事業は、山川、小原地区で総事業費30億円を投入して行われるものですが、環境影響調査によって、猛禽類などが確認されるなど環境への影響が明らかとなったものです。埋め立て区域の縮小などが行われたものの、この地域での事業はやめることを求めてきたものです。

次に、請願、陳情についてです。 請願第19号は、年金2.5%削減中止を求めるもので、全国年金者組合金沢支部執行委員長からから提出されたものです。今年10月から3年間で2.5%年金を削減するとしていますが、これが実行されれば、高齢者の年金収入が大幅に減ることになり、地域経済へも影響をもたらすものです。不況を打開する上からも、年金の削減中止を求めるこの請願には、わが党は、賛成であります。

請願第20号TPP交渉に参加しないことを求める意見書提出に関するもので、農民運動石川県連合会会長から提出されたものです。 安倍首相は、TPP交渉に参加することを表明しました。しかし、新規参入国には対等な交渉権もなく「守るべきものを守る」交渉の余地すらないことが明らかとなっています。これでは聖域とされてきた農林水産品940を含む品目も関税撤廃が求められることになります。すでに政府試算ですら関税撤廃で農業生産額が3兆円も減るなど甚大な被害が生まれることになるだけに、TPP交渉に参加すべきではありません。よって、わが党はこの請願に賛成であります。

陳情第58号特別養護老人ホーム建設等の陳情は、特別養護老人ホーム入居待機者家族会の代表から提出されました。 現在、特別養護老人ホームへの入居待機者は、全国で42万人、石川県4500人、本市では、約1300人にも上ります。介護保険制度が開始されてから13年が経過しましたが、減少するどころか、1.5倍にも増加しています。 一昨年本市が実施した待機者調査の結果からも深刻な現状が明らかとなりました。介護の負担が大きく、もう限界との訴えは、半数を超えています。ケアーマネージャーから見ても、申込みしてから1年以内に入居した方が良いとの方は、在宅・施設の待機者と併せて53%に上っています。 待機者の実態は深刻です。その一つの例として、全国で介護殺人が年間50件近くに上っています。その事件の4割は、「制度などが不十分でやむを得なかった行為」だとして執行猶予判決が下されています。 こうした現状からこの陳情は、特別養護老人ホームへの待機者数に見合った特養ホーム建設などを求めています。その声にこたえるのが、政治の責任です。わが党は、この陳情に賛成であります。
以上の各請願と陳情は、付託された各常任委員会で不採択されたものであり、わが党は、各常任委員会の不採択に反対するものです。

陳情第55号は、自転車スポーツ振興のためのサテライト金沢開設の陳情で、金沢市自転車スポーツ振興会の会長から提出されたものです。 この陳情の中で、場外車券売り場である「サテライト金沢」の開設を強く望んでいます。陳情人である小嶋敬二会長は、参考人として出席した際に、「サテライト金沢」の設置場所は、やはり集客のことを考えると郊外ではなく、市内の近郊だと述べ、大徳地区のゼノンビルについても、すべてにおいて未定だと述べました。 なお、付託された常任委員会で、付帯意見が議決されましたが、あくまでも、付帯する意見であります。 この陳情は、場外車券売り場である「サテライト金沢」の開設を強く望んだものであり、大徳地区の住民はもとより、市民の理解と合意が得られたものでなく、わが党は、反対であります。

陳情第56号は、金沢市大徳地区における競輪場外車券売り場設置計画に反対を求める陳情であり、駅西地区を住みよい町にする会の代表者から提出されたものです。この陳情は、3740名の署名が提出されるとともに、大徳地区の町会をはじめ、各方面からの設置反対の要望書が提出されました。また、大徳小学校育友会と木曳野小学校育友会からも設置反対の要望書が提出されました。その中で、次のように述べています。
「大徳小学校育友会としては、子どもたちの安心・安全な社会生活を推進する意味で今回の場外車券売り場を始めとする公営ギャンブル施設の今後の大徳小学校校下への新規開設に関し、反対いただけますよう要望いたします」と述べています。また、「木曳野小学校育友会は、会員過半数の同意を得て、設置断固反対を要望します。理由①開設場所を明示しない設置推進の陳情は、地元の声を封殺する行為であり、児童保護者の不安を一層煽るだけです。②開設場所から松村1丁目のゼノンビルが一旦削除されたとは言え、設置推進の陳情が通った後に、再度候補地として復活する可能性は否定できません。③木曳野小学校は、大徳小学校児童数の増加により新設されたものであり、現在も公民館を共有する大徳地区として活動しています。また、保育園や学童クラブ、進学する大徳中学校や高校もあります。よって同一地区の問題と捉えており、公営ギャンブル場を設置すれば、児童の安全安心な生活に大きな影響を受ける事は明白です。④周辺地域の治安悪化が考えられます。仮に施設に警備員を配置しても、その周辺地域までには目が届かず、治安悪化の可能性は否定できません。⑤サテライト金沢の売り上げが増えるという事は、ギャンブルで負ける金額が増えることを意味します。それがスポーツ振興に繫がると、私たち大人は子どもに教育できるでしょうか。山野市長が掲げられた、まちづくりの理念である「責任と誇りを持てるまち金沢」の根幹であるはずの、子育てや教育に、公営ギャンブル場が未来への投資であるとは、到底思えません。」と述べています。 わが党は、こうした広範な住民の設置反対を求めるこの陳情に賛成であります。以上を持って討論を終わります。

 

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