12月 |日本共産党 金沢市議員団 2013 |日本共産党 金沢市議員団

2013年12月

議会議案 第6号 

日本国憲法の改正についての議論の促進を求める意見書(案)の反対討論

 日本共産党金沢市議会議員 広田 みよ

ただ今、上程されました議案第6号 日本国憲法の改正についての議論の促進を求める意見書(案)について、共産党市議団を代表し、反対の立場で討論を致します。

 

憲法は立憲主義における「権力を縛るルール」です。立憲主義というのは、一言で言えば、「国民の自由と権利を守るために、憲法を制定して国家権力を縛る」という考え方です。

市民が圧政に苦しめられた経験から、権力が好き勝手なことをして市民の権利と自由を侵害しないように、権力を縛らなければならない、と考えられるようになりできたものです。

 

このように「国民が国家権力を縛る法」である憲法を、縛られる側の時の権力が憲法を都合の良いように変えてはならないのです。

それどころか、憲法第九十九条に示されるように、国会議員や公務員、地方自治体は憲法を守り活かす義務を負う立場です。

 そして「この憲法の規定さえなければ民主主義がうまくまわるのに」などという世論の高まりもありませんし、制定されて70年近く経ちましたが、憲法が古すぎて保障すべき人権が保障されていないなどという例はありません。たとえば、プライバシー権や環境権という言葉は憲法に載っていませんが、そのような新しい人権は憲法13条後段の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」として保障されているのです。

 

 東日本大震災を引き合いに、自民、民主、公明などの国会議員でつくる「新憲法制定議員同盟」が、「非常事態規定」のない現憲法の欠陥が明らかになった、緊急の憲法改定が必要だなどと気勢をあげましたが、政府が「非常事態」に対応できていないのは憲法のせいでしょうか。福島原発事故が起きたのは憲法の責任でしょうか。責任は、安全対策をとらないまま原発大増設をすすめてきた政治の側にあります。

 

 また憲法はおしつけられたものだから変えなくてはいけないと言われたりもしますが、それこそ、議論をしたいという本質とかけ離れますし、日本国憲法はGHQが突然「今日からこの憲法が君たちの憲法だ」と言って発付したものではなく、帝国議会での審議と議決を経て制定されたものでありおしつけられたものではありません。

 

 むしろ、70年経ってもまだ憲法に追いついていないと言うべきです。

戦後の民主主義と平和を守ってきた憲法を、もっと学び、わたしたちのくらしのすみずみにまで活かすことが今、国民から求められている課題です。

 よって、こうした方向に沿ったこの意見書には、反対です。以上で討論を終わります。

議会議案 第5号議案 

寡婦控除を非婚の母子家庭まで適用することを求める意見書(案)の提案理由説明

                               日本共産党金沢市議会議員 広田 みよ

 

 ただ今、上程されました議案第5号 寡婦控除を非婚の母子家庭まで適用することを求める意見書案について、共産党市議団を代表し提案理由説明を行います。

 

寡婦控除とは、女性が所得税法上の寡婦(つまり夫と死別、若しくは離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死が明らかでない者)で、扶養親族や所得金額など一定の条件を満たす者の場合、27万円もしくは35万円が所得から控除されるという制度です。

そのため、婚姻歴のない非婚の母子家庭は、法律婚をしていないという理由だけで寡婦控除が適用されず、同等の収入でも課税所得は多くなり、死別や離婚の母子家庭と比べ、所得税、住民税を重く課されています。また、課税だけでなく、保育料、公営住宅入居資格及びその賃料といった生活や子育てに関わる支出において不利益を余儀なくされています。

 東京都八王子市の試算によりますと、『年収201万円で、2歳の子どもがいる』というシングルマザーのケースでは、婚姻歴がある場合と比べて、非婚のシングルマザーは、所得税・住民税・保育料の負担が年額20万円以上も多かったということです。

そこで、婚姻歴のないひとり親家庭が控除を受けたと「みなし適用」して、保育料や公営住宅の家賃を割り引く取り組みが、自治体単位でも広がっています。

そんな中、日本弁護士連合会は「非婚の母」に寡婦控除を適用しないことは、合理的な理由もなく差別するものであり、法の下の平等を保障した憲法第14条等に違反するとして、本年1月11日総務大臣に対し、この現状を改善するよう要望書を提出しています。

寡婦控除には、経済的に苦しいひとり親世帯を救済するという目的があります。非婚の母の経済事情は、ほかの母子家庭と変わらないどころか、より深刻だと言われています。よって、国におかれましては、所得税法上の寡婦控除制度を改正し、婚姻歴の有無にかかわらず寡婦控除を適用するよう強く求めます。

みなさんにご賛同お願い申し上げ提案理由と致します。

2013年12月

議会議案 討論

 

日本共産党金沢市議会議員 升 きよみ

 私は、日本共産党市議員団を代表して議会議案第4号、消費税増税4月実施の中止を求める意見書(案)について、提案理由を述べます。

 東日本大震災、福島原発事故以来、地域経済はなかなか不況から脱出できない中で、政府がアベノミクスと叫んでいたその中味も一部の大企業や富裕層だけが恩恵を受け、結局国民の深刻な生活実態は変わらず、いやむしろ厳しくなっており、盛んに「経済は好転している」と言われても、空虚な思いで聞いているのが、中小企業や勤労者です。

 この様な時に、来年4月からの消費税8%に引き上げることを、自民・公明両党で、合意し、税制大綱要綱を発表しました。その改定案では、来年4月から自動車取得税を軽減する一方、減税分の穴埋めのため、軽自動車税を増税、更に控除の縮小という形で、年収1000万円超えの勤労者に向けての所得増税をするとしております。又、目玉的なふれこみの消費税軽減税率の問題も、消費税率10%時に導入することを決めておりますが、その時期は曖昧なままでの決着となっております。大綱によると社会情勢の変化を踏まえつつ、担税力に応じた新たな増税の検討を進めると明記され、将来の新たな増税の検討も示唆する内容となっており、一方企業の飲食の為の交際費を50%まで非課税にする等や、復興特別法人税の前倒しの廃止等、今回の与党内容が如何に企業優遇と大企業に手厚いものか、そして庶民への家計負担増となるものか、その内容を知ると一層国民の怒りの声が増し、広がっております。それ故に国に向かって、今日益々消費税増税中止を強く求めていく事の重要性があります。

 消費税が、社会保障の財源、国の財政再建のためにと、それを政府が理由にしても、医療・介護・年金などで社会保障の改悪が進んできている事実からも、国民は増税の目的が如何にごまかしかを見抜いております。少なくとも今日の経済情勢下のこの時期に消費税増税を行う事が、どれ程に家計を冷え込ませ、ますます消費を落ち込ませるか、地方の経済をどん底に突き落とすものか、その事を考えるなら、色々消費税増税に対する考えの違いがあろうとも、増税が必要だと思う立場の方でも、この時期、来春の4月からの実施をやめることは、賢明な措置であり、様々の方からの要望でもあります。スーパー業界をはじめ、各種様々の業界の方々からも、暮らしや経済に壊滅的な打撃が想定されることから、国に対し、4月からの増税の中止を求めることが急がれております。今こそ国民・市民の願いと思いに応え、是非みなさまには御同意下さいますよう訴え、提案にかえます。

2013年12月

 領土・領海・領空に関する正しい知識を次世代に伝える教育を求める意見書

反対討論

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 

 私は、日本共産党市議員団を代表して議会議案第8号領土・領海・領空に関する正しい知識を次世代に伝える教育を求める意見書について、反対討論を行います。

 この意見書が述べている領土・領海・領空に関して、何が問題であり、どのような解決が求められているのか。述べておきたいと思います。

 まず、中国が去る11月23日に一方的に設定した「防空識別圏」についてです。

わが党は、二つの重大な問題があるとしてその撤回を求めました。

 第一に、今回の措置が日本の実効支配下にある尖閣諸島を中国の「防空識別圏」に包含していることです。尖閣諸島を中国領土のように扱い、その上空を含む広い空域に対して「防空識別圏」を設定することは、国際慣行上、絶対に許されない不当な行為です。

 第二に、今回の措置が公海上の広い空域をあたかも自国の「領空」のように扱っていることです。

 「防空識別圏」は、領空に接近してくる航空機を識別して、不審機が領空に入ることを防ぐためのものですが、中国が今回設置した「防空識別圏」は、こうした措置を超えて、公海上空の広い範囲を、自国の権利が及ぶ「領空」であるかのように扱うものであり、空の基本原則である「公海上空の飛行の自由」に反するものです。今回の措置は、この地域の緊張を激化させ、東アジアの平和と友好関係をめざす努力とは相いれないもので撤回を求めるものです。

 次に、領土・領有権問題です。

 この解決には、歴史的事実と道理にたつた外交交渉が必要であり、緊張を激化させるような行動ではなく、話し合いと冷静な外交努力が求められます。

 まず、尖閣諸島の問題です。歴史的にも、わが国の領土であります。

 第一に、日本は、1895年に国際法に基づき、領土として宣言したものであること。第二に、1895年から1970年までの75年間、中国が一度も日本の領有に異議申立ても抗議もなかったこと。第三に、日本が戦争で不当に奪ったものではないこと。日清戦争で日本が不当に奪ったのは、台湾とその付属する島であって、尖閣諸島は、入っていません。

したがって、第二次世界大戦によって、侵略戦争によって奪った領土の返還を求めた「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」では、台湾、満州などの返還を行うよう求めていますが、尖閣諸島は、入っていません。

 問題は、これまでの日本の政府が、この尖閣諸島が固有の領土であることを堂々と明らかにして主張せず、「領土問題は存在しない」として棚上げしたことにあります。

 次に、竹島問題です。

 日本は、1905年日本の領土として島根県に編入しました。

戦後、1951年のサンフランシスコ平和条約の中でも、日本が朝鮮に対して放棄する島の中に竹島は、含まれていませんでした。したがって、日本が竹島を領有することは、歴史的にも国際法からも明確な根拠があります。

 しかし、この時代には、日本が韓国を武力支配していく過程にあり、韓国の外交権は奪われ、異議を唱えることもできませんでした。したがって、こうした歴史的経過を踏まえ、韓国併合への反省の上に話し合い、解決していくことが求められます。

 この意見書では触れていませんが、もう一つ、いわゆる北方領土の問題です。

 択捉、国後、の南千島はもちろん千島列島全体が日本の領土です。ところが、旧ソ連が「領土不拡大」という第二次世界大戦の戦後処理の大原則を破って、千島を占領したのです。これに対して、日本政府は抗議をせず、1951年のサンフランシスコ平和条約で、これを放棄してしまったのです。

したがって、戦後処理の不公正をただし、全千島返還を求め交渉を進めてくことが求められます。歯舞、色丹は、千島ではなく、北海道の一部であり、これは即時返還されるべきです。

 以上のように、領土・領有権の問題は、歴史的事実と道理にたった外交努力、冷静な話し合いによって解決を図らなければならないと考えるものです。

 この意見書は、領土・領海・領空に関する現状認識と解決の方向も示すものではなく、ただ、領土教育の必要性を述べるだけでは解決にはなりません。しかもこれまでとってきた政府の見解や対応では解決に至らないわけですから、その問題点を指摘し、解決の方向を示してこそ意見書にふさわしいものだと考えます。

 以上をもって、反対討論を終わります。

2013年12月

 金沢市議会12月金沢市議会 討 論

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 

 私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

 わが党は、提出された議案のうち、第5号金沢市学校設置条例の一部改正について

反対であります。

 この議案は、野町小学校と弥生小学校を統廃合し、泉小学校とするとともに、俵小学校を廃校にし、田上小学校に統合するというものです。

 学校統廃合は、こどもの教育と地域社会の存続の双方にかかわるだけに、統廃合による影響などについて、こどもや住民ともよくよく話し合い、合意することが不可欠だと考えるものです。しかし、多くは自治体側が統廃合計画を策定し、それを住民に押し付けるというのがほとんどとなっています。

 これまで、国は、小中学校の「適正規模」を12から18学級としてきましたが、少子化が進み、地方の過疎化などから小中学校の存立が改めて重要となってきました。

 子ども同士や教師との人間的つながりの深さ、少人数だからこそできるあたたかさのある教育活動など小規模な学校の良さが輝き、その存在の大切さが改めて浮き彫りとなっています。

 また、学校は、運動会やお祭り、文化祭などを含め、地域の拠点としての役割を担っています。こどもが少なくなったからと言って安易に統廃合をすすめれば、集落や地域コミュニティーが崩壊し、地域社会の荒廃へと急速に進み、取り返しのつかない事態を招きかねません。

 「おはよう。おかえり」と歩いて通学するこどもたちと住民が声を掛け合うことがこどもたちの成長にとっても欠かすことはできません。ですから、歩いて通う学校の存在を大切することを改めて考えていただきたいと思いますし、地域住民もそのことを願っています。自分たちが学んだ学校が地域から亡くなることほどさびしいことはありません。

 今回、野町小学校と弥生小学校の統廃合は、古くなった学校を建て替え、耐震対策を進めてほしいとの願いを逆手にとり、小中一貫校という新しい学校をつくるからという打ち出し方で、この二つの小学校を統廃合し、泉中との小中一貫校を建設するというものです。

 実は、学校統廃合が目的なのですが、それを前面にすると反対の声が大きくなるので小中一貫校という新しい学校づくりを前面に押し立てて、立派な学校を作りますと言って進めてきたものです。しかも、この小中一貫校というのは、子どもの発育発達に応じて作り出された6・3・3制という戦後教育を大きくくつがえす内容を持つもので、全国で取り入れた学校でも問題点があいついできています。

 本市は小学校での英語教育、二学期制や学校選択制などをいち早く取り入れながら、問題点が教育現場からも出され、二学期制はもとの三学期制に戻す方向となっています。しかし、小中一貫教育を進めるとして学校建設を進めたとすると戻すことが困難です。大いなる実験となるような学校統廃合と小中一貫校の建設は慎重であるべきだと考えるものです。

 具体的に、学校の規模の問題です。現在、弥生小は児童が405人で15学級、職員数22人です。野町小は児童が168人で6学級、職員数15人です。統廃合されると児童数が573人、20学級、職員数も30人を超えることになります。国が示す「適正規模」である12から18学級を上回ることになります。さらに、泉中との小中一貫校となると同じ敷地に児童生徒数は、1000人規模となり、職員も60人前後となります。かつてのマンモス校のようなものです。

 同一敷地内に、幼児期の課題を残している小学校1年生と思春期に入り、第2次性徴も著しい中学3年生までが一緒に生活することや、こどもたちの成長や教育内容、指導方法などについて教育的にも検討され構築されたものとは言えないと指摘されているのが、小中一貫教育です。

 テレビドラマ「金八先生」のモデルとなった元中学校教師で教育評論家の三上満さんにお話を伺いました。

 三上さんは、小学6年生は、小学校の最上級生としての責任と下級生の面倒を見る中で、成長していくことの大切さを述べておられました。そして、新しい中学生となり、さまざまな出来事に出合い、学び歩んでいくことになる「乗り越え体験」が人間として成長していくうえでとても大切です。と話され、6・3・3制の優れた面をいかして、どの子も学び、成長していくためによりよい教育環境を整えていくことが大切です。と述べておられました。

 以上の点から、この条例改正には反対であります。

 次に、請願、陳情についてです。

 請願第27号要支援の保険外しや要介護1・2の特養ホーム入所除外の撤回を介護保険部会に求める請願で、特別養護老人ホーム入居待機者家族会代表から提出されたものです。特別養護老人ホーム入居待機者は、全国で42万人、石川県で4千人、本市では、1400人に上っています。この待機者家族会が『老いを支えて』と題する手記・その三が発行され、拝見させていただきました。その中に、「100歳を祝ってもらった母」と題する家族の手記があります。その中で、「母は95歳まで一人暮らしでした。脳梗塞で片マヒになった父を20年近く介護して、気丈な母でした。異変を感じ、もう限界と施設への入居を申し込みました。特養ホームを待っている間4年間、毎日食事を届けました。その間、タクシーで徘徊したり、ソバや天ぷらを5から6人前注文したりと、色々気の休まる事がありませんでした。大腿骨を折り、手術後2か月で退院を求められ途方に暮れ、2~3週間ごとに転々としていた時、入居が決まりました。涙の出る程うれしかったです。母は100歳を入居者の皆さんに祝っていただき、その1か月後に永眠いたしました」と言うものです。

 なかなか入居できずに亡くなってしまう方も多く、この会でも昨年140名の会員の内16名の方が入居できずに亡くなったとのことです。こうした現状にも関わらず、特別養護老人ホームの建設を進めるのではなく、入居申し込みを制限する今回の対応に怒りが広がっています。こうした点からもこの請願には賛成であります。

 請願第28号は、「秘密保護法」制定に反対する意見書の提出を求めるもので、石川憲法会議代表委員ほか5団体から提出されたものです。去る12月6日深夜、参議院に於いて、政府与党の自民、公明によって強行に採決が行われ成立しました。しかし、憲法の基本原理に違反し、国民の目、耳、口をふさぐ重大な弾圧法であるとして、多くの方々が批判し、撤回を求めています。

 共同通信が実施した世論調査では、この法律を修正・廃止と答えた方が82%に上っています。よって、この請願には賛成を表明すると共に、国民の大多数がこの法律を修正・廃止することを求めていることを明らかにしておきたいと思います。

 請願第29号TPP交渉に関するもので、交渉内容の開示と交渉から撤退を求めるとして農民運動石川県連合会から提出されたものです。
 すべての関税撤廃を貫くかどうかが交渉の中心的な課題だとされながら、その内容は、公表されず、一切が秘密のベールとなったまま先の交渉がまとまらなかったとだけ報じられました。すでに日本側は、95%まで関税撤廃を表明したと報じられ、農産物重要5品目さえも守られない状況にあります。よって、日本の食料と安全を守る立場から、この請願に賛成を表明します。

 陳情第63号子ども・子育て支援制度についてのもので、石川保育運動連絡会と保育労働組合の代表から提出されたものです。関連する法律が成立し、「子ども・子育て支援制度」がスタートします。これによって、保護者の就労を基本に保育の必要性と必要量を認定し、保護者に対して直接保育を提供するとしています。それだけに、この実施に当たって、現行の基準や制度を後退することなく、保育現場の声を反映し、十分な議論と国をはじめ、行政の責任を果たすよう求めるもので、わが党は、賛成であります。

 以上の各請願・陳情は、それぞれの対応する常任委員会で否決されました。わが党は、こうした議決に反対を表明し、討論を終わります。

2013年12月議会

平成24年度公営企業会計決算討論

日本共産党金沢市議員団

升 きよみ

 私は、日本共産党金沢市議員団として認定第2号平成24年度公営企業特別会計について簡潔に討論を行います。

 我党は、公営企業特別会計決算のうち、水道事業会計及び工業用水道事業会計の2事業について承認できません。

 

 まず、水道事業についてです。

 本市の水道料、下水道使用料の高いことに対する市民の訴えは、ネット上でも「なぜ金沢市の水道料等は高いのですか」と疑問や率直な声が寄せられる程、市民にとっては、高い実感となっております。特に水道料は、中核市の平均より少々下回ったものの、富山市や福井市に比べて高く、同時支払いとなる下水道使用料の高いことも相まって、市民には家計の負担感強いものがあります。

 そしてこの高い水道料となっていることの原因の一つであり、水道事業の最大の問題が、県水受水契約による費用と量にあることは、これまで度重ねて指摘してきたところです。今も、県水受水単価は99円/㎥と、自己水単価の3倍となっていることは変わらず、その上24年度も節水などから、市民への配水量全体が減少しているものの、県との膨大な契約水量となっているため、その7割を支払うという責任水量制が大きく重くのしかかっており、経常費用に占める県水受水費の割合は、前年度の35.5%から36.1%と増えているなど、依然として県水受水が水道事業に大きな負担であることも明白です。

 この間、我党は、県との間での受水契約について、責任水量制や単価の見直しを求めることを、一貫して主張してまいりました。市当局は24年度においては、関係市町村間で、事務レベルの協議をされたとの事ですが、そこにとどまらず、27年度契約更新期を待たずとも、本市が自己水中心の水道行政に切り替える姿勢と立場を明快にすることが最優先であると考えます。

 又、24年度水道事業においては、7000万円の純利益を出し、当年度末利益剰余金は、11億2000万円となっており、当然水道料金の引き下げは可能でありました。しかし、料金引き下げは、実行されませんでした。とりわけ今日、貧困が加速し、生活困窮者が増え続けている中で、生活保護等低所得の方々への水道料減免状況をみると、本市ではわずか42世帯12万750円の実績しかありません。都市規模は違うものの、仙台市での水道料減免実績は、24年度で約22,000世帯、金額では2億1564万円です。本市の減免要綱があまりにも市民の生活実態に即さないものであるかを示すものです。あらためて改善を求めたいと思います。

 

 次に、工業用水道事業特別会計についてです。

 この工業用水道事業も、本市森本山間地に先端産業の事業所を誘致することを目的にした金沢テクノパーク工業団地に工業用水を低廉な価格で供給する、即ち便宜供与的な施設となっています。この間、テクノパーク工業団地は、必死の売込みセールスを致しておりますが、平成24年度も進出企業はなく、5事業所のみの実態でした。

 この間、18年余りにわたって、当たり前のように一般会計からの繰入れをもって、工業用水道事業が営まれていますが、売れ残り用地への新たなる企業誘致にこそ力を注がれるべきであり、よって本事業には承認できないことを表明し、討論を終わります。

2013年12月議会

 平成24年度金沢市歳入歳出決算認定 反対討論

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭 

 私は、日本共産党市議員団を代表して認定第1号平成24年度金沢市歳入歳出決算について討論を行います。

 わが党は、この決算について認定できないことを表明し、その主な内容を述べます。

 この年は、東日本大震災と福島原発事故から2年が経過し、いのちと安全を守ることがなにより、最優先課題であることがあらゆる分野で問われました。

 地方自治体にとって、こうした点からも、安全、安心を第一に、そこに暮らす住民のいのちと福祉向上に努める事がなにより求められました。

 こうした点からこの決算を見てみると

 第一に、これまで進められてきた大型開発事業が見直されるどころか、一層進められてきたことです。

金沢駅西広場再整備事業、駅武蔵地区開発事業、そして、海側環状道路建設事業と合わせ進められた北部直江、大河端、大友地区の土地区画整理事業などが積極的に進められてきました。

金沢駅武蔵北地区再開発事業は、金沢駅東口から武蔵まで、36㍍道路を直線で結び、その両ぎわに5つの再開発ビルを建設する事業として進められ、36年を経て終結しました。総事業費533億円にのぼり、国、県、市の負担は、221億円となりました。本市の負担は、一般会計による施設などの設置費用を含め、約151億円となりました。多くの地権者が地区外に移転し、ビルの入居者も二転三転し、現況では、全体の利用率が8割台にとどまり、空いているフロアーが目立っています。

ところが、本市は、この事業が多くの矛盾を抱え、計画通りとはならなかったにもかかわらず、その破綻ぶりを取り繕うための対応を行ってきました。

決算審査の中で、市当局は、この事業全体では、6千万円の黒字になった。と述べました。しかし、実際は、第5工区において、名鉄5番街が当初保留床を購入したのですが、残額5億6千万円は支払われず、その金額に相当する床2270㎡を市に返上したわけです。ところが、この金額を保留床の処分金として入ったことにして、計算上6千万円の黒字としたのです。したがって、実際は、5億円の赤字となっています。

事業終結に伴い、会計決算の処理をどのように行ったかを見てみると、第三工区のビルの完成にあたって、大和ハウスに市が先行買収した土地に相当する床を4億円で売却し、第5工区のビルにある市民センターなどの施設床を一般会計で、4億6千万円で購入しました。その合計金額8億6千万円でまちづくり基金に返金する決算処理を行いました。

この事業の決算処理は行ったものの、売れ残った床を本市が持ったままです。第5工区に入居した「もしもしホットライン」もこの7月末に撤退し、空きフロアーが一層目立ったままです。まちの賑わいどころか閑散としています。

粉飾決算まがいの処理を行い、この事業が破綻したにもかかわらず、成功したように見せかけるという偽装工作まがいの対応を行ったのです。

書類審査の中でも、手書きによる説明文を記載し、決算書類には、議会の質問への対応文書まで添付されていました。

次ぎに、金沢森本インター工業団地造成事業です。

総事業費は、34億円にのぼり、用地費23億円、造成事業費8億4千万円で、進められています。来年1月には分譲開始なります。この工業団地のすぐ上には、金沢テクノパークがあります。280億円を投じて、先端産業を誘致するとして造成された工業団地です。最初の企業立地から24年が経過しましたが、6区画8.5haが売れ残り、全体の4分の1、東京ドーム1.8個分に相当します。この5年間立地はゼロです。その売れ残った用地と同じ規模の8.5haを工業用地として造成するのが、今回の森本インター工業団地です。

大手企業等の企業誘致による経済対策から、本市の小規模事業から成り立つ事業所の現状に対して振興策にこそ、力を注ぐことが求められています。

そして、市民生活の点では、国民健康保険料や介護保険料の引き上げが実施されました。とりわけ、介護保険料の引き上げは、その基準月額が4750円から5680円へと2割近く引き上げられました。その結果、41ある中核市の中で、高い方から5番目となりました。一番低い宇都宮市の4064円と比べると1.4倍にもなります。

この特別会計の決算では、2億7889万円の黒字となっています。基金は、当初4億6千万円があり、決算では、9千万円が取り崩しただけです。また、拠出した安定化基金も、2億5千万円のうち、わずか、3千万円の取り崩しとなっています。大幅な保険料の引き上げを回避する対策こそ、取るべきであります。

次に、職員の定数削減です。減員したのは25人で、増員は19人で、前年度に比べ、6人が削減されました。この5年間では、定数が3470人から3385人へと85人が削減されました。一方、平成24年度末で、非常勤職員は、836人、臨時職員は、302人で、合計1138人となり、そのうち、女性は、81%を占めています。職員の定数を減らし、非常勤や臨時職員を増やすという施策を見直すことが必要です。

なお、旧石川県菓子文化会館を現地視察しました。当初予算では、1億6800万円で用地と建物を購入するとしました。しかし、用地330㎡は、森八と賃貸契約を結ぶとしました。現地で確認すると借地は全面駐車場と建物の用地の一部にまで及んでいました。建物は、すでに築47年となっています。しかも、森八の看板まで残すというのです。多額の税金を投入して確保しなければならないものなのか。将来まで問題を残ることになるだけに必要な解決策の実行を求めておきたいと思います。

以上で討論を終わります。

2013年12月議会 一般質問

日本共産党 金沢市議会議員  升 きよみ

最初に、山野市政3年目を迎えましたが、市政運営にあたって、市長のお考えをお聞きします。

来春の知事選の出馬問題が取り沙汰されておりました。市長もまた多選批判をして市長選を勝ち抜き、今任期残すところ1年となってきました。あらためて、市政への思いを強くされていらっしゃると存じます。IMG_0689

さて、先に市長が示された「世界の交流拠点都市金沢」の重点戦略について、色々議論が重ねられ、本市議会、金沢魅力発信・都市像特別委員会による提言書も出され、もっとわかりやすく、他都市との違いがわかる都市をめざすこと等が提起されております。9月議会でも私は、遠来の客を中心とした交流拠点都市ではなく、住民主体の街、即ちこの街に住む人、一人ひとりが幸せになる都市をめざすべきことを主張してきましたが、あらためて、「本市の都市像」をどの様に考えておられるか、どんな都市をめざすのか、伺うものです。私は、これまでの先人達が作り上げてきた歴史と文化の息づく風格ある街、藩政時代から天下の書府と言われ、それを受け継ぎ、他都市に先んじて、四高や美大を有し、5つの大学を有する地方都市として、学術、文化に力を注がれ、そして能楽や茶道などが盛んな街、アンサンブル金沢に象徴される市民の芸術性の高い街としての存在は名だたるものであり、その特徴がしっかり打ち出せる都市をめざすべきと考えますが、市長の御所見を伺います。

都市戦略の計画は、初めに書けないとの事ですが、どんな金沢をめざすのか、そのために、どう進めようとするのか、ここが明確にされてこそ市民が一体となってまちづくりが出来るものではありませんか。 … 続きを読む →

12月議会 一般質問         

                             広田 みよ

 

わたしは日本共産党の一員として、以下数点にわたり質問いたします。

①保育園・学童保育の現状と子育て新支援制度の問題点について

まずは、保育園・学童保育の現状と子育て新支援制度の問題点についてです。IMG_0502-2

全国的に子どもの数は減少していますが、賃金の減少や働く女性の増加、長時間労働、核家族化、地域コミュニティの変化により、保育園や学童保育の需要は増え、増設・整備が求められています。本市もこの間、保育園の入所希望が年々増えるなど、「男女共同参画」時代において、保育園や学童保育など子育て支援事業を充実させることは女性の社会進出にとっても重要です。

しかし、民間にビジネスチャンスを与え、国の負担を減らすため、国会では子ども・子育て新システムが拙速に決められ、消費税率10%とセットで2015年の実施をめざしています。しかしその中身は、認可保育所の増設や環境整備という根本的な解決は図られず、これまでとられてきた企業参入の解禁や保育所入所定員の弾力化など規制緩和による対策にさらに拍車をかけることが懸念されています。

 

本市はこの新制度について検討する「子ども・子育て審議会」の第1回目を先月末に開いたところです。

 

●構成メンバーについて現場の方から、関係者や公募を多く入れてほしいという要望が出されていました。

実際決まったメンバーや会議の構成、公募の方は何名なのか、今後のスケジュールについて明らかにしてください。

●また先日子育て世代に行ったニーズ調査についてはどのように活かし、地域に反映させるのでしょうか。結果を地域の保育部会や現場にも降ろしフィードバックする必要があると思いますがいかがですか。

 

先月、保育士や保護者などが子育て支援策の充実と保育・学童保育の予算増額を求めて要望書と賛同署名3426筆を市長あてに提出しました。

また、社会福祉協議会の保育部会からも、新制度の充実を求め要望書が議会に出されています。

本市は市民や保育関係者の声をしっかり受け止め、児童福祉法に示された保育実施責務を果たすために力を尽くさなくてはなりません。 … 続きを読む →

2013年12月

 金沢市議会12月議会 一般質問

                 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団のトップバッターとして以下質問致します。IMG_0377-2

 平和と民主主義、人権までも奪うとして、批判の声が広がる中、去る6日深夜、秘密保護法が、参議院本会議で、自民・公明の強行採決によって、成立しました。

 審議すればするほど憲法と相いれないこの法律の本質が明らかとなり、国内外から批判の声が広がる中での暴挙であり、断じて許すことはできません。

安倍政権の強さの表れではなく、世論の広がりに追い詰められた中での強行であり、大義は国民のたたかいの側にあります。

 ある地元紙は、「世論は屈しない」という論説を掲げました。その中で、「政治が民意、世論とかけ離れるのなら、国家運営は早晩行き詰まる。これほど広範な世論は決して屈することなどあるまい」と述べています。

 この法律による「特定秘密」が、政府にゆだねられている上に、10年以下の重罰などによる弾圧法であり、言論・表現の自由を脅かし、民主主義の土台を掘り崩すことになるとして批判が相次ぎました。ノーベル賞を受賞した益川敏英さん、日弁連会長の山岸憲司さん、元内閣官房長官の武村正義さん、慶応大学教授の小林節さん、アニメの宮崎駿監督、そして、女優の大竹しのぶさん、吉永小百合さんなど各界各方面から多くの方々が反対・慎重審議を求める声が広がりました。本市議会にも、石川憲法会議をはじめ、6団体から制定に反対する請願が提出されました。短期間で急速にこうした声が広がったことは、平和と民主主義を求める巨大なエネルギーを示しています。まさに、たたかいは、これからです。この法律の施行は、一年後です。憲法違反の秘密保護法の撤廃に向け奮闘する決意です。 … 続きを読む →

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