広田みよ 2014年12月定例月議会 一般質問2014.12.17

金沢市議会2014年12月議会一般質問                      

金沢市議会議員  広田 みよ

 

このたび、質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一人として質問させていただきます。

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①市長の政治姿勢を問う

まずはじめに市長の政治姿勢について伺います。

 

・総選挙について

14日に投開票で行われた総選挙は、アベノミクスと消費税増税の失策が国民の前に明らかになり、安倍政権が追い込まれ衆議院解散となった選挙でした。国民の9割近くが世論調査で答えているように、アベノミクスによって庶民へはなんの恩恵もなく、むしろ円安や物価上昇でさらに生活は苦しくなりました。実質賃金は16か月連続で減少し、特に消費税8%増税による影響は顕著です。中小企業も7割が赤字、円安倒産が急増しています。その一方で、大企業や大株主は大変な利益を得ています。アベノミクスの2年で資産が100億以上増えた株主は100人以上、大企業の内部留保も285兆円まで膨らんでいます。また安倍政権は国民の声を無視して暴走を続けてきました。集団的自衛権では閣議決定という民意を無視したやり方で戦争する国づくりをおしすすめ、秘密保護法は反対の世論が過半数を超えていたにも関わらず強行採決されました。原発再稼働も電力会社が電気の買い取りを拒否してまで進めようとし、沖縄の新基地建設では反対派の知事が圧倒的得票で当選したにも関わらず、安倍首相は基地建設を進めるなどオール沖縄の声を無視するもので許せるものではありません。

このことに怒りをもった国民の思いが現れたのが今回の選挙結果ではないでしょうか。自民・公明与党の獲得議席は2/3で自公大勝との報道もありますが、実際の民意とは異なります。民意をもっともよく反映する比例代表での得票を見ると、自民公明とも昨年の参院選より票は激減しています。にもかかわらず自民が大きな議席を得たのは、比較第一党が議席を独占できる小選挙区制の影響です。というのも、全有権者の中での自民党の絶対得票率を見ても、比例代表で16.99、小選挙区でも24.49%しかありません。とうてい国民の信任を得られたとはいえません。一方で、明確な反対票である共産党が得票も得票率も増やし、議席を8から21議席にも増やしたこと、沖縄で自民に1議席も与えなかったことはアベノミクスや数々の暴走を許さない証です。きわめて重要な民意として重く受け止めるべきです。

市長!今回の選挙結果に示された民意についてどうお感じになっておられるか見解を伺います。

 

・アベノミクスや消費税増税について

 この間、山野市長もアベノミクスとして進められた公共事業拡大の方針にそって、昨年度は25%増しの公共事業を予算化し、消費税増税もやむなしとしてきました。一方で、国民健康保険料は引き上げ、市民税増税、年金や生活保護費引き下げは容認するなど市民には負担を強いてきました。その結果、市民生活も地域経済もよくなったと言えるでしょうか。

 数値であきらかなのは、生活困窮者数の目安である生活保護。毎月保護者数が増えており、国民健康保険料は65000世帯のうち1万2千世帯が滞納をせざるをえない現状です。わたしのところにも、アベノミクス、消費増税が行われてからというもの、生活相談がさらに増えています。賃金はあがらない、安定した仕事がない中で、少しでも病気になるなどすれば貯蓄もなく途端に行き詰まるなど、市民のくらしは先が見えないのが実態です。それも特別な方ではなく誰もが明日は我が身と不安を抱く状況です。

市長!市民世論からも、そしてさまざまな経済指標でも明らかなように、アベノミクスはすでに破たんし、増税不況は深刻です。市長の所信表明での「選挙戦を通じて、諸課題の解決・前進に向けた確かな道筋が示されることを期待いたす次第です」と悠長なことを言っている場合ではないのです。「消費増税やアベノミクスについて国民の真意を問う」と言ってはじめた選挙ですが、増税への批判で解散せざるを得ない状況こそが国民の真意です。自公政権が消費税増税は中止ではなく、2年後に確実に上げると言っているのはとんでもないことです。金沢市の地域経済にとってもアベノミクスや消費税10%への増税は中止するべきと考えますが、市長の見解をあきらかにしてください。

 

・市政刷新NEXTについて

 そんな中、市長が2期目の政策として打ち出し、市内各所にはためいている「市政刷新NEXT」で市民の生活が改善するのか、問われています。

地域を元気にすると言いながら、その中身は、新幹線頼み、金沢港整備や片町A地区など大型開発、再開発ビルや企業立地などの企業呼び込み型中心で、地元の中小企業や金沢に暮らす市民の懐があたたまり元気になるという要素が見当たりません。市長、日本経済の6割をしめるのは家計消費であることはご存知かと思います。金沢に住む人々が日々はたらき、くらすことが地域経済をまわすのです。市長の市政刷新は都心や海外から来た企業と大手ゼネコンに利益が集中する、これまでの手法の延長に過ぎず、日々のくらしをよくしたいと願う市民の願いとはかけはなれています。

しかも、最初の「市政刷新」に盛り込んでいた「市民税・固定資産税の見直し」「特別養護老人ホームなど高齢者介護施設の待機者をなくす」という施策はどこへいったのでしょうか。市民のくらしと社会保障を切り捨てる、これが市政刷新NEXTなのですか?あきらかにしてください。

 

市民の懐を温める政策について

 今、必要なのは市民ひとりひとりの懐をあたためる政策です。

 私どもは、消費税に頼らない別の道があるとして対案を示してきました。国の段階では応能負担原則にもとづいた税制度と大企業が溜め込んだ285兆円にのぼる内部留保の活用で賃金や下請け単価をあげることで財源40兆円が捻出できるとしています。

本市については、大型開発や大企業呼び込み型ではなく、地元の中小企業や市民ひとりひとりの懐を温める政策をわが市議団が提案しています。

 

・中小企業支援について

まずは、企業につとめる国民のうち9割が働く中小企業を支援することが重要です。地元の自営業者のみなさんと一緒に何年も前から提案している、住宅リフォーム助成制度を再度要望しますがいかがですか。これは、家屋の中でも外でも、改修工事をする際に地元の業者に依頼すると助成を受けられる制度で、内灘町や川北町などは予算を超えて申請があり、地元での経済効果が何倍にもなっているというものです。このように、地元の商店や中小零細企業を支援する施策こそ必要ではないかと考えますが見解をあきらかにしてください。

 

・市民負担を減らす

また市民に重くのしかかっている、市民税や国民健康保険料や介護保険料、保育料など払える額であることが大前提です。行政の責任として、払える料金で安心安全なサービスを提供する必要があると思いますがあきらかにしてください。国民健康保険料については、計算方式の変更で毎年引き上げが行われている状況です。独自の減免制度を設けるべきと考えますがいかがですか。介護保険料については来年度の事業計画の見直しに伴いさらなる引き上げが予想されています。これらを引き下げるよう求めますがいかがですか。

 

③子育て・教育支援について

次に、子育て・教育支援について伺います。

麻生副総理は今月7日、少子高齢化について「子どもを産まないのが問題だ」などと発言しました。批判を受けて、「女性が子どもを産みやすくするために保育施設の充実などの環境整備を進めることが重要だという趣旨だった」と釈明しました。

 

出産を促すためにも、現役子育て世代のためにも、制度・環境整備や支援の充実は言うまでもなく、それは国や自治体の責任です。

 

現在、日本の子どもの貧困率は過去最悪の16.3%、つまり子ども6人にひとりが貧困状態という結果です。OECD加盟国34か国中ワースト10の深刻さです。貧困率の急増は、政府がすすめてきた雇用、福祉、社会保障の切り捨てによる「貧困と格差の拡大」が要因です。

このことを受け、昨年6月には子どもの貧困対策推進法が成立、8月には「子どもの貧困大綱」が閣議決定されました。「親から子への貧困の連鎖を断ち切る」ことをうたい、「教育支援」の課題もかかげています。

 

生活保護の基準引き下げの中止や就学援助制度の拡充、児童扶養手当の削減を撤回、給付型の奨学金創設など国へ声をあげるべきことも多いのですが、自治体独自でも取り組むべきこともあります。

 

具体的に伺います。

 

・就学援助

まず、就学援助についてです。義務教育の子どもの給食費・学用品代・修学旅行費などを援助する就学援助利用者の割合が、全国では過去最高水準となっています。しかし生活保護の基準引き下げにより、就学援助の基準も連動して引き下げる事態が各地で起こっています。本市では市民の要望により連動されずにとどまっていますが、来年からはどうなるのか不安の声があがっています。絶対に引き下げるべきでないと考えますが、あきらかにしてください。

 

・生活保護世帯の奨学金制度

次に奨学金制度についてですが、本市にも高校生対象の奨学金制度がありますが、お隣の富山市では大学など進学のための制度が創設されています。生活保護世帯や児童養護施設の高校生らを対象に、大学進学を支援するため給付型の奨学金をもうけ、入学準備金として30万円、学費奨学金として年間50万円、生活費補助として毎月4万円の支給です。本市でもこうした制度を創設し、貧困の連鎖を断ち切る必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。

 

・保育料について 

保育料については、先月、金沢市議会主催で行われた意見交換会で「保育料が高すぎる。下げてほしい」という親御さんからのお声が多く相次ぎました。しかしながら、来年度からはじまる新制度においては保育料の計算方式が変更され、上がる方もおいでる可能性があります。新制度実施にあたっては、どの所得階層においても、上がることなく負担が軽減されるよう調整するべきと考えますがいかがですか。

 

・学童保育について

学童保育については、新制度の条例化に向けて、この間、金沢市学童保育連絡協議会などから現場の実態を踏まえ、まとめられたご要望が出されています。そのひとつ「学童保育の耐震化など施設整備への支援拡充」については、本市の84クラブ中、23クラブが耐震化できていないという危険な実態であり、早急に必要です。また「指導員の処遇改善」のご要望は、若い指導員さんが熱意をもって働いても暮らしていけない現状を是正しなくてはならず必要です。「クラブの延長時間分の運営費補助」は現場の声に即して具体化をすすめていただきたいと思います。今回の新制度移行で学童保育事業が、市町村事業として位置づけが明確になります。その自覚をもってこれらのことを取り組むべきと考えますがいかがですか。

 

・子どもの医療費窓口無料化

そして子どもの医療費窓口無料化いついてですが、県との調整がはじまったと聞いています。輪島市ではすでに11月から実施されています。本市でも早期に実施すべきです。その見解を伺います。その際1000円の自己負担分はなくすべきと考えますがあきらかにしてください。

 

・ひとり親家庭について

そして、子どもの貧困の、中でも深刻なのはひとり親家庭世帯で、その相対的貧困率は54・6%にもおよびます。毎年行われている本市の母子寡婦福祉大会では、市長も母子寡婦世帯の生活の大変さを述べておられます。そうであるならば言葉だけでなくしっかり政策として支援をするべきではないでしょうか。国に児童扶養手当削減方針の撤回や扶養控除廃止の見直しを求めるべきと考えますがいかがですか。

 

④市民からの相談対応について

 最後に、市民のみなさまから日々本市へ寄せられる相談への対応について伺います。

 65歳未満の方で以前と比べ言動に異変がある方の相談事例です。市立病院に入院歴もあり保健センターにも外部の方から相談があったにも関わらず結局は行政が動く前に、知人が生活保護の申請にこちらを頼って来られたという方です。本人のお体は無事でしたが、経済的な面などもっと早く気づけなかったかと悔やまれます。

 

・65歳未満の対応について

このご相談を通じてわたしが感じた問題点としては、まずは65歳未満の成人の方についての窓口や支援の不足があげられます。65歳以上であれば、介護保険や地域包括ケアセンター、病院などが連携をできるのですが、若くて病院にもかかっていない、生活動作的な自立はできている方の場合、精神や成人保健業務を担う保健センターとして即座に対応しずらいという側面もあるのではないでしょうか。しかし最近、社会情勢の変化で大人のひきこもりが252万人と言われるなど、65歳未満の方々が抱える問題について、専門家の支援が必要です。地域包括支援センターのような形で、若い世代を見守り支援をする機関や機能の充実を求めますが、いかがですか。

 

・他機関との連携について

そして、情報が寄せられたり気づいたりした際に、他にも情報が寄せられているか確認したり、専門的な支援を行うためにも、他部署他機関と連携をさらに強めるべきと考えますがいかがですか。

 

・専門職の増員について

結局今回のケースでは、生活支援課が最初の窓口になりましたが、さまざまな問題を抱えた相談者の状況を掴むだけでも大変な労力であり、専門的スキルが要求されます。1人で100名近くの受給者を受け持っているケースワーカーでは元々もっているスキルも発揮されません。まずは石川県内でもっとも受け持ちの多い本市の現状を打開するため、国の方針で定められた一人あたりの受け持ち80世帯という基準に沿うよう支援課のケースワーカーを増員すべきです。現場からは増員を求める声が上がっています。少しづつではなく早急に大幅に増員することが必要ではないでしょうか。

そして地域のあらゆる世代を対象に日々対応している保健センター等の保健師さんについても、中核市の中で人口あたりの人数が最も少ない現状です。親身に相談対応ができるよう増員が求められます。その見解を伺います。

 

・窓口での対応や周知について

また、これだけ市民の生活実態が大変な中ですから、お困りごとを抱えた方が多いはずです。どの窓口・部署でもなにか困っていることはないか、市民本人が気づいていない場合もあろうと思いますが、敏感に察知する必要がありますし、地域や身近な方でお困りだったりご様子が変わられた方がいらしたら、「若い方についてもぜひお知らせください」、というような市民向けの周知も積極的に行うべきと考えますがいかがでしょうか。

 ※答弁と再質問は後日掲載します。

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