「金沢市歯と口の健康づくり推進条例」の賛成討論

賛成討論   広田みよ

 

わたしは、日本共産党市議員団の一人として、ただいま上程されました議会議案第8号「金沢市歯と口の健康づくり推進条例」に関し賛成討論をいたします。

2011年の「歯科口腔保健の推進に関する法律」によって、全国の自治体で「歯と口の健康を推進する条例」が拡がっています。

本市では、「健康プラン2013」において、「自分の健康は自分でつくる」という考えのもと、10年間の市民の健康づくりに関する目標と方向性が明確化され、その中に「歯・口腔の健康」についても書かれています。

今回の条例案では、市民だけではなく、第3条で市への役割も明記したうえ、第7条では関係者との連携や協議をすることなどが盛り込まれており、市民のいのち・健康に大きく関係する歯科口腔保健行政、健康プランのさらなる推進のため意義のあることです。

近年、むし歯自体は減少しているものの、経済格差や貧困が影響する、むし歯の健康格差が表面化し、個人や家庭だけの問題ではないとう共通認識が広がり、健康日本21でもむし歯の地域格差をはじめとする健康格差対策に取り組むことが明記されています。

本市の歯科医院からもお話を伺いましたが、非正規労働者や失業者、一人親世帯の親や子、無保険、低年金受給者など、労働環境が不安定であったり、経済的に困難な方が、極端にむし歯が多かったり重度化した状態である、口腔崩壊を起こしてから来院する、治療を始めても経済的な理由で中断するという事例が多数存在しています。

特に成長過程にある子どもへの影響は深刻な問題です。

金沢市医師会の勉強会でもご報告があった通り、子どもひとり平均のむし歯は減少していると言われますが、健康格差はむしろ拡大し、一人で多数のむし歯をもつ子どもが増えています。先日のNHKの番組で子どもの歯の健康の二極化、口腔崩壊について特集があり、福岡市内でのアンケートの結果、「口腔崩壊」状態の子どもがいる学校が3割以上に上っていたとのこと。

「前歯は歯ぐきから上の部分がなくなって、根っこだけになっている。」

市内の病院に通うひとり親世帯では、3歳の子どもが20本の乳歯のうち17本が虫歯になっていました。販売員をする母親は忙しい生活の中で、歯磨きが行き届かず、虫歯ができても、なかなか歯科医院に連れて行けなかったのです。

本市学校健診の結果では、28年度のむし歯罹患率が小学校41.4%、中学校 50.4%のうち、「う歯未処置者」すなわち、むし歯の処置を完了していない子の割合は、小学校 23.4%、中学校は19.3%であり、罹患者の半数近くにのぼります。

学校現場に伺うと、年度当初の検診で虫歯があった子どもには受診促進をするけれども、夏休み明けの9月になっても治療されず何本もむし歯のままの子どもたちがおり、その家庭は複雑な背景を抱えていることが多い、とのことでした。

内閣府が発表した2014年度子ども・若者白書では、健康格差の背景には増え続ける子どもの貧困があることが指摘されています。

歯と口の問題は個人、家庭だけの問題ではなく、労働環境の悪化、格差と貧困、地域の環境整備の差に、歯と口の健康を阻害する原因があるということはあきらかで、今回の条例化で「市の役割」や各課と関係機関との連携で健康格差、子どもの貧困について具体化することが期待されます。

 子どもの医療費助成制度の拡充や一人親家庭などへの支援、無料定額診療事業所の拡大などが必要ですし、労働者にも、検診、保健指導を受けることができるように職場環境の整備の推進が必要です。

 尚、この条例が提案された背景には、歯科医師会のみなさんなどの取り組みがありますが、よりよい条例にするため、議会として歯科現場や、関係機関、そして市民にパブリックコメントなどでさらに広く意見を聴くべきであることをわが会派は主張してきました。今回それは叶いませんでしたが、今後この条例の実行にあたっては、第7条を活かし広く意見を聴いてすすめていくよう求め討論を終わります。

 

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