2018.3.20 3月議会 連合審査会 広田みよ


①民泊について

 

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として質問をいたします。

まずは、民泊についてです。

いわゆる民泊は、二つの定義があります。資料の①をご覧ください。

すでに存在しているのは、旅館業法にもとづく「簡易宿泊所」などであり、旅館業法と金沢市の旅館業法施行条例なで対応されています。

そして、6月から施行となり、すでに先週の3月15日から届出開始されたのが、住宅宿泊事業法にもとづく「民泊」です。本市ではまだ条例が可決していませんし、まだ動きは少ないようですが、京都市では、開設した窓口にも人が押し寄せ、問い合わせの電話が殺到したとのこと。市は数千件の届け出を見込んでいるそうです。

これまで民泊については、先日大阪の違法民泊に監禁、遺体遺棄した事件など、全国で相次ぐ事件や、騒音・ごみ出しなど住民被害が問題となっています。こうしたもとで住民や自治体の不安、違法民泊の現状を鑑みつくられると思ったいわゆる民泊新法である住宅宿泊業法ですが、さらに規制緩和となる中身にみなさんも驚かれたのではないでしょうか。これまでの旅館業法では作ることができなかった、住居専用地域など完全な住宅街にも作ることができる、しかも手書きの図面をつけた届出だけでよい、など規制を強めるどころか緩和した中身となっています。

国は、インバウンド政策、空き家の利活用と言う経済優先の目的で、地方自治体や旅館ホテル業界の声を聴かず進めましたが、実際に民泊を受け入れるのは自治体であり、住民の命とくらしをどう守るのか、都市の姿をどうしたいのか、問われるのも自治体です。

民泊政策を通してこの金沢をどうしたいのか、市民のくらしと宿泊者をどう守るのか、市長に伺いたいと思います。

まずは、本市の簡易宿所は、2月末現在で119件を超えました。新幹線開業後、資料④のように、2年で3.3倍になるなど急速に増え続けています。しかし、この件数はあくまでも、本市の保健所に申請があり許可をした件数であり、許可をうけておらず、およそ100部屋が違法営業で存在するのが実態です。

急速に民泊が増え、どこで営業しているのかさえわからないという実態、夜間の騒音やごみ出しについて住民の不安や苦情が本市でも聞こえています。本市のこの現状について、市長はどうお感じになっているでしょうか。

 

 

住宅宿泊法の施行に向けて、自治体独自で規制ができるとして、今回本市でも条例案が提案されました。しかし、資料③にあるように、日数と用途地域の制限だけの条例です。資料②で、宿泊施設は足りている、住宅環境を守るという方針だとは言うものの、全国的な事例を考えると住民や宿泊者の安全安心を守れるとは言えません。

規制をかけなければならないことはまだまだあるのではないでしょうか。

まず、用途地域の制限だけでは、たとえば小学校の隣でも民泊は可能です。狭い路地や袋小路、住宅密集地でも民泊は可能です。こうした、学校や公共施設の周辺、火事のとき、消防車も入れないような狭い路地や住宅密集地は制限することも必要ですが、いかがですか。

 

また、ゼロ日規制をした都市もあります。東京都大田区、兵庫県神戸市は住居専用地域の「民泊」を「通年禁止」とする条例を制定しました。わが党の国会質疑に対し大臣は「住宅宿泊事業法18条にそって自治体において条例の内容を検討いただく」と答弁し、地方の判断にゆだねる考えを示しています。条例制定権がある自治体が自主的に判断するのが基本です。本市でもゼロ日規制のお考えはありませんか?

 

次に、家主不在型の民泊についてです。

まずは、本市の現在の簡易宿所が119件ですけれど、そのうち、家主不在の施設はいくつあるのかあきらかにしてください。

 

次に消防局にお聞きしたいのですが、消防のみなさんが火災現場にかけつけた際には当然、宿泊者の状況について関係者に確認をすると思いますが、家主不在の施設の場合はどうされるのか、あきらかにしてください。

 

消防のみなさんは誰一人取り残さないよう最善をつくされるはずです。しかし、宿泊者の状況を知ろうにも、家主や従業員がなければ聞けません。電話連絡もするでしょうが、外部にいれば宿泊者の詳細な状況はわかりません。

先日京都へ民泊について勉強に行ってきました。そこで、1月に民泊で火災が起きたことを知りました。東山区の簡易宿所で、はなれのトイレから出火。管理者不在で、近隣住民の通報によって発覚をしたとのこと。しかも、管理者がたどり着いたのは、出火から42分後、所有者が到着したのはさらに30分後です。その後わかったのは、この簡易宿所は定員2名のところ、3名が宿泊していたとのことです。

 家主や従業員がいるのといないのとでは大きく異なります。市長の本会議での答弁では、家主不在でも、管理業者に委託をして同等な管理義務がある、というような答弁でしたが、それは業者任せにすぎず、しっかりやれる保証はどこにもありません。第一、チェックインでは人数を確認したとしても、その後夕食から帰ってきた後の人数、泥酔していないかなど、宿泊者の状況を確認するものでもありません。

家主や従業員が常駐すること、また出入りや宿泊者の状況についてきちんと家主や従業員が対面で確認するという条件が必要ではないでしょうか。

 

これらの規制緩和は、28年の4月1日から、旅館業法上もフロント設置義務がなくされたことからはじまります。これを受けて、台東区では区議会決議により、旅館業法に基づく宿泊施設では、従業員の常駐と、フロントの設置を義務付ける条例を定めたそうです。

大きな旅館やホテルでフロントをなくすなんてことは非現実的ですが、簡易宿泊所や民泊では、主流です。しかし、家主や従業員もいなくてよい、チェックインのときでさえ、対面ではなくICTでOKだなんて、これまでの日本の安全安心な宿泊制度を大きく逸脱していると言わざるをえません。

市長、フロントもない、従業員もいない、対面ではなくICTで確認、本当に安全な宿泊施設と言えますか?

 

次に、「事前の立ち入り」について伺います。

資料①にもある通り、これまでの旅館業法では、保健所と消防が事前に立ち入ることになっていますが、今後はどうなりますか。

 

消防は民泊についても事前立ち入りを行うということでしたが、保健所は開業してからの立ち入りということでした。しかし、なにか起こってからでは遅く、開業前に立ち入って適切な整備がされているか点検することが必要ではないでしょうか。換気設備とか、照明とか、水回り、調理施設など事前に見るべきものはたくさんあるはずです。旅館業法のもとでは事前に立ち入り検査をしなければ許可が下せないのですから、同様に行うべきですがいかがですか。

 

市長、消極的なご答弁が多かったのですが、このような法律や条例で、住民の命と日々のくらし、宿泊者の安心安全を守れると言えますか。

なにか起きてからでは遅いのです。条例の内容について再考を求めますし、業務上の点についても6月の施行前に改善を求めておきたいと思います。

 

 

②ごみ有料化について

 

次は、ごみ有料化についてです。

市長は本会議の中で、2月の家庭系燃えるごみと埋め立てごみの数値だけを見て、有料化で「大きな成果」があったと述べられました。

資料⑤を見ながらどうぞ。たしかに、スタート時の2月は、例年にくらべ家庭系の燃えるゴミは24.3%も減っていますし、家庭系の埋め立てごみは41.4%も減っています。

が、2月実施直前の1月はどうだったのでしょうか。2月の経済環境常任委員会では、1月のごみ量は増えなかったというご答弁がありましたけど、再度、数値であきらかにしてもらったところ、お手元の資料⑤のようになりました。

あきらかに1月は増えているのです。

燃えるごみ、17.3%、埋め立てゴミにいたっては187.6%であきらかに駆け込みがあったと考えられます。

市長は、この1月の量を見てどのようにお考えになりますか。

 

1月にまとめて出したら、2月が減るのは当然です。しかも、大雪の中で市民はごみをステーションに持って行くのも困難でした。というわけで、2月のひと月だけを見て、「大きな成果」という市長のご答弁はあまりにも軽率ではありませんか。また、これまでは事業系と家庭系の量は必ずセットでご説明されてきたのに、今回だけは家庭系のみの評価というのも都合のよい話です。

一部のデータだけを見て、ことさらに有料化を強調して「大きな成果」とするお考え、市長、改めていただくよう求めますがいかがですか。

 

だいいち、みなさんが目標数値として減らしたいのは資源なども含んだ「ごみ」量です。その量はつかめたのですか?

委員会で確認したところ、まだ把握できていません。そして、民間の資源量はこれまでもだし、これからも掴めないと以前からみなさん方はっしゃっています。それでは、本当のごみ量とか資源の量は図れないのではないですか。

 

 

そうなると、結局有料化の成果ってはかれないのではないですか。

本市のごみ量はそもそも減ってきていましたし、それはなによりも市民のみなさんが協力したことと、環境局のみなさんが町会のステーションで古紙を出せる仕組みをつくり、スーパーに働きかけたりするなど、資源の受け皿づくりを市民とともにがんばったからです。有料化は一つの方策だと市長は言いますが、有料化は損得勘定で人々を動かすもので、自治体がやるべきものではありません。

続いて、基金の使い方について伺います。資料⑥をみながらどうぞ。

まず、市民の素朴な疑問として、なぜごみ有料化の袋代から得たお金をごみの収集や処理につかわないのかという声がありますが、なぜですか?税金の二重取りという批判をのがれるためですか。

 

みなさんの論理だと、ごみ処理にあてたって、他の事業にあてたって同じ一般会計ですし、税金の二重取りとの批判にどのように答えるのですか?

 

そして、基金を使うとされた事業についても、基準はあるのですか?

防犯灯のLED化をすすめるESCO事業は、毎年基金からおよそ1憶ずつ10年間支払う予定だったはずが、なぜはずされたのか。

 

逆にききますが、今年の当初予算のときにコミュニティ基金充当事業に入っていたら、コミュニティ計画に入れるものじゃないんですか。市民から集めたお金を、毎年好きなように組み替えて使う。結局は都合のよい第二の財布にしているのではないですか?

他にも、昨年入っていたけど抜けた事業があります。学童保育の指導員の処遇改善とか市営住宅に関するものとか。そして新しく盛り込まれたのは、消雪装置の補助費など、これまでずっと道路管理の予算としてつけられてきたものです。この基金は都合よく使われているようにしか見えないのです。

 

 

雑紙回収袋について

都合のよい使い方と言えば、2700万円かけて、150万枚、あらたに雑紙を集める袋をつくる。あらたに資源を使って袋をつくるのはごみ減量化と矛盾していますし、いったい誰が配るのでしょうか?

 

 

ごみの量について科学的な検証もできない、集まったお金についても不透明な使い方。やはり、ごみ有料化は自治体の取り組みとしてふさわしくありません。廃止すべきです。

要援護者支援事業これはごみの有料化とは切り離して積極的に進めるべき事業についてです。そのうえに、要件まで厳しくなってしまった。要支援者は切り捨てられ、「その他」の「準ずる方」という部分がなくなっています。

しかし、資料の⑦と⑧をみてください。この制度は、市民や議会の声を受けて、25年から、ふれあい収集として議論が重ねられ、27年の3月に市長へ提言が出されました。そして、28年1月の廃棄物総合対策審議会の資料でも「ふれあい収集」と書かれていたのに、いつのまにか、モデル事業では収集支援事業と名前をかえ、今は要援護者支援制度となりました。

検討会を2年にわたって行い、出された提言書なのに、簡単にかえられてしまうものなのですか?

もともとあった「ふれあい収集」に戻すべきですがいかがですか。

 

総合事業とか言いますが、出されたのは27年の3月で総合事業の方針もわかっていたときにあえて、「要支援」入れたのではないですか。

 

そして、現在実施してるモデル事業ではたった2件。なぜそんなに少ないのか、もともと該当する方は何人いて、辞退した方はなぜ辞退したのか、調査していますか?

 

ご利用対象になる方に聞いても、「地域にわかるとはずかしい」とか「申し訳ない」という思いもあるそうです。であれば、なおされ厳格な制度ではなく、要件を緩和して誰もが受けやすいものに、するべきです。まさに、もともとの「ふれあい収集」であれば、名前は「要援護者」と特定していないし、基準も幅広くて受けやすいのです。「ふれあい収集こそ今おこなうべきですがいかがですか。

 

 

市民だれもがごみ分別し出しやすい、弱者にやさしいごみ行政こそ、市民が求めていることです。有料化は直ちにやめるよう求め質問をおわります。

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