3月議会 代表質問 森尾嘉昭議員

 私は、日本共産党市議員団を代表して、以下質問を行います。
 最初の質問は、辺野古新基地建設反対が7割を超えた沖縄県民投票と沖縄弁
護士会からの要請についてです。
 沖縄弁護士会から本市議会に送られてきた決議文は、次のようなものです。
「辺野古新基地建設が、沖縄県民にのみ過重な負担を強い、その尊厳を踏みにじるものであることに鑑み、解決に向けた主体的な取り組みを日本国民全体に呼びかけるとともに、政府に対し、沖縄県民の民意を尊重することを求める決議」であります。この決議文は、全国に発信されたものであり、しっかり受けとめなければなりません。
 沖縄では、先月、新基地建設について賛否を問う県民投票が行われ、その結果、辺野古新基地建設「反対」が7割を超えました。沖縄県民の民意が示されました。
 これに対して、安倍首相は、「真摯に受け止める」と述べながら、新基地建設について県民に理解を求めていくと表明し、基地建設の工事を進めていくとしました。「理解」しなければならないのは、安倍首相です。県民の民意を重く受け止め、辺野古新基地建設を中止すべきです。強権な政治には、未来はありません。
 この工事は、地盤が軟弱であり、埋め立て工事そのものが困難であること。建設工事費用が莫大であり、工事の期間が長期にわたること。
建設工事の変更について、玉城・沖縄県知事は、許可しないことを表明していることなどを考えると工事そのものが困難となっています。
 その上で、県民投票の結果は、辺野古新基地建設「ノー」との民意が示されただけでなく、「日本の民主主義はこれでよいのか」と問いかけています。
 圧倒的な民意を無視して新基地建設を強行する国は、もはや民主主義の国とは言えません。
 市長は、今回の沖縄県民が示した辺野古新基地建設「ノー」との結果についてどのように受け止めておられますか。見解を伺います。
 小林節・慶応大学名誉教授は「安倍政権には、住民投票の結果に拘束される憲法上の義務がある」と述べ、政府は移設断念を決断しなければならないことを明らかにしています。そして、憲法は、権力を縛って、国民の人権を保障し、幸福を増進するためにある。と述べています。
 市長!あなたは。今議会の提案理由の説明の中で、「権利意識の偏重や経済格差の拡大など、戦後社会における負の側面が、人々の生き方にまで影響を及ぼし、他者への思いやりや、損得を超えた価値観、公徳心など、日本人の誇るべき美徳が次第に失われつつあることを、少なからず憂慮する」と述べています。
 安倍首相は、日本の外交、安全上の権限は、政府にあり、沖縄県民の民意によって、そうした国の権限について左右されるものではない。と繰り返し、表明し辺野古の新基地建設を強行しています。
 市長が述べた戦後社会の負の側面と倫理観、人生観からすると沖縄県民が示した辺野古新基地建設「ノー」との民意はどのように受け止めるのですか。
 市長の見解を伺います。
 質問の二番目は、今年10月からの消費税10%導入について、中止を求めると共に、本市の対応についてです。
 賃金統計の不正・偽装にとどまらず、多数の政府の経済統計で不備や誤りが相次いでいます。
 政府に対する国民の信頼は、失われ、ウソとごまかしの安倍政権に対して国民の怒りと失望が広がっています。安倍首相は、経済が成長し、消費は、持ち直している。賃金も上がり、雇用が拡大していると都合の良い数値を持ち出し、この10月から消費税を10%引き上げるとしています。
 しかし、大多数の国民が景気回復の実感はまったくありません。
内閣府が7日発表した景気の現状を示す数値が発表されました。国内の景気は、後退局面に入ったことが明らかとなりました。消費や実質賃金の落ち込みが明らかとなり、消費税増税の根拠が総崩れとなり、景気の後退です。もはや、消費税増税どころではありません。
市長。消費税10%増税を中止するよう国に求めるべきと考えますが、その見解を伺います。
 市民生活の現状や本市経済の実態は深刻です。
 年金生活を続けている高齢者は、介護保険料が引かれ、手元に残る年金額が減り続けています。物価の値上がりが続き、もう暮らしていけないと悲鳴の声が上がっています。私が訪ねた市内の和菓子店、牛乳販売店、ふとん店、家電の店などいずれの店主も共通して、店を継続すること自体が困難であり、消費税10%増税はとんでもないとの声が相次いでいます。
 消費税導入と共に、打ち出した軽減税率は、複雑で混乱をもたらすだけです。ポイント還元は、キャッシュレス決済の手段を持たなければ何一つ還元はありません。そのキャッシュレスもほとんど普及されていませんし、地域の店舗では、疑問の声が広がっています。
 市長。市民生活や本市の地域経済の実情から考えても消費税10%増税するべきではないと考えますが、その見解を伺います。
 本市の対応について伺います。
 第一に、本市新年度予算において、消費税10%増税導入を踏まえ、本市手数料、使用料55件を引き上げる提案がおこなわれ、その総額は、790万円です。この引き上げを中止することを求めます。
 第二に、本市のガス料金、水道料金、下水道使用料に消費税10%が転嫁されます。その影響額がどの程度か明らかにしていただきたいと思います。その影響額を料金の引き下げを行い市民生活への負担をなくす考えはないか。見解を伺うものです。
 第三に、本市配食サービスについてです。消費税増税に伴って、一食あたり、500円の利用者負担を510円に引き上げるとしています。一方本市の補助金については、一世帯当たりの見守りとして一回150円の補助金はそのままだとしています。配食サービスを行っている事業所からは、市からの説明もなく、利用者負担の引き上げをやめるよう要請が行われました。配食サービスを利用されている方の生活実態からしても、到底利用者負担を引き上げる環境にはないと訴え、事業者が配食サービスを継続するために、市として支援を強化し、150円の補助を引き上げるのが本来の市がやるべきことではないかとの意見です。
 市長。昨年、一人に対して150円の補助を行ってきたのですが、事業者や議会にも知らせることなく、夫婦で配食サービスを利用した場合、二人分の見守り補助から1回の見守り補助へと削減されました。すなわち、一人分の見守りから、一世帯あたり、150円の補助に変更しました。今回は、利用者負担を引き上げるとしています。今回の一方的な利用者負担の引き上げはやめるべきです。市長の見解を伺います。
 質問の三番目は、新年度予算についてです。
 私どもは、市民生活の現状や地域経済の実態から、新年度予算の中で優先すべきは、市民のくらしを応援し、地域経済を元気にする施策だと考えます。具体的な提案を行い、市長の見解を伺います。
 第一に、市民生活に直接かかわりのある負担を軽減することです。
 まず、国民健康保険料についてです。
 国民健康保険料が高く、市民生活に重くのしかかっています。給与所得が年間400万円の子ども2人を含め4人家族の場合、保険料は、年間40万円です。20歳代の単身者で給与所得が年間240万円の若者では、保険料は、年間20万円近くになります。一方、国民健康保険会計は、黒字が続き、今年度末での基金残高は、30億円近くに上ります。新年度その一部を活用する予算が提案されていますが、17億円の基金が残ります。こうした財源を活用すれば、保険料を引き下げることは可能です。子どもの人数にかかる均等割りについて、なくすよう求める声が広まっています。本市の場合、18歳未満の均等割りをなくすとした場合、どの程度の財源が必要か明らかにしてください。すでに、加賀市では、子どもにかかる均等割り額を半額に軽減しています。本市の対応について伺います。
 次に、介護保険料についてです。
新年度予算では、本市の65歳以上の方の介護保険料について、2億円の基金
を投入し、13段階ある介護保険料のうち、第一段階の方の介護保険料を年間約6千円、第二段階の方の介護保険料を年間約1万円、第三段階の方の介護保険料を約2千円引き下げ、11万7千人の対象者のうち、約28%の約3万3千人の方の介護保険料を引き下げる提案がされています。基金は、2億円を取り崩しても、なお、11億5400万円あります。この財源を活用し、さらなる介護保険料の引き下げは可能だと考えます。その見解を伺います。
 都市計画税についてです。
本市の都市計画税の税率は、0.3%です。これを野々市市の0.15%まで、段階
的に引き下げることを提案します。住み慣れた地域で暮らし続けたいとの願い
にこたえ、都市計画税の負担を軽減することは、市民の願いに沿ったものと考
えます。市長の見解を伺います。
 第二に、子どもの貧困をなくし、子育て支援の強化に向けて、3つの無料化
の実施を求めます。
一つは、子ども医療費助成を18歳まで拡充し、自己負担を無料とすることです。二つには、保育料の無償化を実施すると共に、本市独自で主食・副食費の無料化を進めることです。三つには、学校給食費の無料化実施です。市長の見解を伺います。
 第三に、活気ある地域経済をつくりだすことです。
 地域経済の落ち込みが続き、存続・継続への危機を迎える事態となっています。
 問題が指摘されているのは、ムダな大型開発や大手企業を「呼び込む」ための企業誘致に多くの税金がつかわれ、地域の中小企業や地場産業への支援が後回しにされていることです。
 本市においても、大手企業を「呼び込む」ための企業立地に税金が投入されてきました。さらに、今度は、外資系ホテル誘致のために利便を図り、さらに、屋根つきの通路、融雪装置の設置など8億数千万円の税金投入がされ、建設がすすめられています。
今、必要なことは、地場産業への振興策の強化です。
 具体的には、住宅リフォーム助成制度を実施し、本市中小企業への仕事出しを進めることを提案します。
 人口8万人規模の日光市では、住宅リフォーム等工事に要する費用の一部を助
成しています。市によると平成24年度から平成29年度までの6年間で助成金は、
約9千万円に対して、経済効果は、22億5千万円と25倍にひろがっているとの
ことです。本市での実施を求めます。また、伝統産業など地場産業への支援策を
強化するよう求めます。市長の見解を伺います。
 第四に、市民の理解と合意づくりを基本に予算の使い方を切り替えることを提案します。
 まず、家庭ごみ有料化を中止し、市民の協力のもとで、ごみの分別・資源化を進め、環境改善を進めることです。
宿泊税がこの4月から導入するとしていますが、宿泊事業者の理解がいまだ十分得られていません。さらに、導入実施された京都市では、簡易宿泊事業者の4割が宿泊税を肩代わりせざるを得ない状況が報告されています。
4月からの導入を中止することを求めます。
また、小学校・中学校の移転・統廃合を中止し、教員や補助員さらには、旧の校務士さんを増員し、教育環境の充実を行うことが求められています。
新年度予算では、旧の校務士さんが定年を迎え、7人が不補充とし削減されています。その結果、正規の校務士さんは、45人となり、市内の小学校、中学校に正規の校務士さんが配置されているのは、6割を切っています。定年退職による不補充との方針を中止し、少なくとも各学校に正規の職員を一人配置すべきです。本市教育委員会は、今後どのような対応を考えておられるのか伺います。また、教員の負担軽減進めるため、教員の事務業務を担当するスクール・サポートスタッフが全県で50人を超える配置がされるとのことです。本市の対応と配置について明らかにしていただきたいと思います。
この質問項目の最後に、こうした施策を進めていく上で、財政運営の転換が必要です。
本市の財政は、地場産業のねばり強い活動に支えられ、他の都市と比較しても、豊かな財政運営が続けられてきました。
したがって、こうした財源を今こそ、市民生活を支える分野に使われ、地場産業の振興・支援にこそ使うことが求められています。
  市長は、次々に大型の事業を打ち出しています。まさに、箱物事業のバブル到来とも言える状況です。
市長が打ち出している1万人規模のサッカー場建設、歌劇座の新築、中央卸売場の新築、市立病院の新築などは、市民的議論を最優先に急がないこと。
今、求められることは、市民のくらし、営業を守り、振興する施策を最優先に進めていくことです。このことを強く求めるものです。市長の見解を伺います。
  質問の最後に、本市庁舎等管理規則と言論の自由、政治活動の自由を保障することについてです。
 市長。あなたが市長に就任して以来、これまでになかった事態が起こっています。これまで許可を受け、続けられてきた市役所前の広場での護憲集会が、一転不許可となり、開催ができなくなりました。本市庁舎等管理規則の一部を勝手に変更し、この規則を適用して許可しなかったことをめぐって、現在、裁判で争われています。
今度は、政治活動の自由を保障し、尊重されてきた市役所庁舎内での政党機関紙の購入・あっせん行為が本市庁舎等管理規則の禁止行為であるとの考えを表明したことです。さらに、この2月19日から28日までの期間で課長補佐級以上の一般職667人を対象に政党機関紙の購読・勧誘に関する初めてのアンケート調査を行ったことです。
市長。憲法に基づく言論の自由、集会の自由及び、政治活動の自由は保障されねばなりませんし、民主主義の根幹であり守らねばなりません。
憲法を守らねばならない立場にある市長が、憲法が明示した言論の自由、集会の自由及び、政治活動の自由にかかわって、それを制限したり、禁止したりすることはあってはなりません。市長の見解を求めるものです。
第二に、庁舎内での政党機関紙の購読・勧誘に関することです。
 これは、全国でも、本市でも決着がついた問題です。4年前の6月、本議会において、自民党の議員から質問が行われ、同じ年の9月議会でも再び取り上げられた際に、市長は、答弁の中で、庁舎内での政党機関紙の購読・勧誘に関する調査は行わないとしてきました。
ところが、先の本議会の中で、これまでの答弁を翻し、調査を行う事を表明し、調査を実施しました。先の本会議での自民党の質問と市長のやり取りは異様なものでした。自民党議員が電話によって、100人の市幹部職員を対象に政党機関紙の購読調査を行ったことを公然と述べました。これは、職員の内心の自由にまで立ち入り、思想調査ともいうべきもので、憲法違反との指摘も受ける行為です。 政党機関紙の購読に関わるとしながら、公然としんぶん赤旗について名指し、こともあろうに関連質問の中では、日本共産党に対する誹謗・中傷まで発言は及び市役所内でのしんぶん赤旗の購読をやめるよう求めました。
私は、先の12月議会で緊急動議を行い、この中で、こうしたやり取りの中での発言には、憲法が保障している言論の自由、政治活動の自由に違反しており、発言の削除と修正を求めました。
市長ご自身がたびたび、発言の中で取り上げた市長名による議長への文章の中で「政党が機関紙の購読を職員に勧誘することや、職自らが個人の思想及び良心の自由に基づき機関紙を購読することは自由であります」と述べています。
こうした経緯からすると今回のアンケートを実施したことによって、政治的なやり取りに市職員をまきこんだことになりませんか。アンケート内容は、政党機関紙の購読の有無にまで及んでいないものの、政党機関紙の勧誘を受けた際に市議会議員から心理的な圧力を感じたかどうか。を問う内容となっています。漠然としたものでありますが、市職員の内心にまで及ぶ内容となっています。この調査は、まさに職員を萎縮させ、その思想・信条の自由を「制約」しかねないものであり、憲法が保障する思想信条の自由を侵害する恐れのある重大なものだと言えます。したがって、こうしたアンケート調査について、調査の集計・公表などは、ただちに中止すべきです。
市長。川崎市で同じような問題が起こり、市長が実施したアンケートに対して市職員から提訴する事態となりました。判決は、訴えた側の敗訴となりましたが、裁判所は、アンケートを実施した市長に対して、「適切な判断がされたとは認め難いところもあることを付言する」と述べました。今回のアンケートの理由・目的に合理性があるのか。法的に問題がないのか。問われる事態となっています。
市長の見解を伺うものです。
第三に、本市庁舎等管理規則と憲法が定めた言論の自由、集会の自由、政治活動の自由についてです。
本市庁舎等管理規則は、そもそも市役所庁舎内の管理運営について、内規とし定めたもので条例などと異なり、議会議決されたものではありません。
したがって、市役所庁舎内での禁止事項を第5条で定めている一方第6条では、特別な理由があり、庁舎等の管理上特に支障がないと認めるときは、許可することができるとしています。先の12月議会での答弁の中で、総務局長は「今のところ大きな支障もない」と述べています。したがって、これまで、憲法が定めた言論の自由、集会の自由、政治活動の自由を保障する立場から本市庁舎等管理規則の運用を行い、そのことで問題がなかったことを明らかにしています。
市長。あなたには、別の考えでもあるのですか。これまで培ってきた本市の対応を変更しなければならないことがあるとの判断ですか。見解を伺うものです。
たとえ少数であってもその意見に耳を傾け、政党機関紙を通じて色々な政党の考えを知り、自由に読み、発言できる市役所であるべきです。
そのことによって、市民に寄り添い、公正・中立の行政が進められると考えます。何よりも、憲法を守り、尊重する行政と議会であることを強く求め、代表質問を終わります。

市長、局長答弁

30番森尾議員にお答えをいたします。
 
まず、辺野古新基地の問題、沖縄県の弁護士会からの要請のことについてお尋ねがございました。どう受け止めたのかということでありました。基地の移設は国の安全保障に関わる重要な問題であると思っています。報道の限りではありますけれども、首相は県民投票の結果を真摯に受け止めるというふうにおっしゃっています。そしてまた一方では、国のことを考えた上で、国民の安全のことを考えた上で、普天間の全面返還を一日も早く実現するため、辺野古新基地の建設を継続するとの考えを示されました。あわせて、沖縄の基地負担の軽減、さらにはさらなる振興策の充実に意を用いていくという旨のご意見もおっしゃっているところであります。我が国をめぐる安全保障環境が一段と厳しさを増す中、私は首相のそうした判断を尊重したいというふうに思っています。

 消費税率のことについてお尋ねがございました。消費税率の引き上げにつきましては、国家財政の再建、少子高齢社会への対応を進めていくために、ある程度避けられないことであるというふうに思っています。しかしながら森尾議員のご懸念がありましたように、地域経済や市民生活への影響は最小限にとどめなければいけないと思っています。補正予算への前倒し分と合わせ、一般会計で285億円の公共事業規模を確保するとともに、国に呼応したプレミアム付き商品券の発行や、中小企業の資金繰りの円滑化を行うとしたところであります。
本市の消費税率引き上げに伴う使用料・手数料の改定を見送るべきではないかということでありました。使用料及び手数料は、算定基礎に基づき設定をしているものであり、消費税率の引き上げ分を反映しない場合には税でこれを補うことになりますことから、国からも消費税率引き上げに伴う負担の円滑かつ適正な転嫁を求められているところであります。従って、それらを踏まえ、適正に反映されたものであり、ご理解をいただきたいと思っております。

 配食サービスの利用者負担額のことについてお尋ねがございました。本市の高齢者等への配食サービスは、平成12年度の制度開始以来、利用負担を1食500円としてきましたが、消費税率の引き上げを踏まえ、今月10日から510円に改定するものであります。消費税率の引き上げが実施をされますので、中止をする考えはございません。

 国民健康保険料、基金を活用してさらに引き下げるべきではないかというご意見でありました。今後の国保の財政は、被保険者の高齢化の進展に伴う1人当たりの医療費の増加などにより、厳しい状況が見込まれます。基金につきましては、今後保険料の引き上げが必要となった場合において、急激な引き上げとならないよう、負担緩和のための財源として効果的な活用を図っていくこととしており、一時的な保険料の引き上げに使用することは考えてはいません。

 介護給付費準備基金を活用し、さらなる介護保険料の引き下げを、というご提案でした。今年度改定した第7期の介護保険料につきましては、第6期末までの介護給付費準備基金を全額活用し、3年間のサービス給付費を賄えるように算定をしたものであります。今後、高齢者の増加、介護報酬の引き上げなど、給付費が増えることも想定されるため、今期中の引き下げを行うことは考えてはいません。なお明年度、消費税率の引き上げに伴う財源を活用し、市民税非課税世帯の介護保険料を軽減することとしています。

 都市計画税のことについて、野々市市同様0.15%に引き下げるべきではないかということでした。都市計画税は都市計画で定められた市街地開発事業など、都市基盤の整備に充当する目的税であり、都市インフラが一般的な都市より充実している中核市クラスでは、多くの都市が0.3%となっているところであります。その都市インフラの更新が大きな課題となっている本市の現状を考えると、現行の税率は維持すべきものであるというふうに考えています。

 こども医療費の助成について、18歳まで、さらに自己負担もなくすべきではないかということでした。本市のこども医療費助成につきましては、平成27年7月に現物給付化を行うなど、子育て世代が安心して医療を受けることができる体制が整っていると考えています。さらに明年度から、現物給付の対象に接骨院等を追加することとしておりまして、現時点で年齢の拡大は考えてはいません。また安定した制度運営と適正な受診のため、一定の自己負担は私は必要だというふうに思っていますし、医療関係者とお話をしていても皆さん同様のことをおっしゃいます。県の制度にも基づいておりますことから、市独自で無料化することは現在のところ考えてはおりません。

 幼児教育の無償化に伴い、本市独自で主食・副食の無償化を、ということでありました。給食費につきましては、これまでも実費徴収あるいは保育料の一部として保護者に負担いただいているところであります。加えて幼児教育の無償化の実施に伴い、副食費の免除対象が生活保護世帯やひとり親世帯等から年収約360万円未満の世帯に拡充をされ、低所得世帯への配慮がなされますことから、本市独自の給食費の無償化については考えてはいません。
 学校給食費のことについてもお触れでした。学校給食費につきましては学校給食法により、人件費や施設整備費は設置者の負担とされていますことから、本市では給食の食材費のみ保護者にご負担をいただいています。就学援助制度により経済的に困っている方に対しましては給食費の全額を支援しているところであり、学校給食費の無償化については考えてはいません。

 住宅リフォーム助成制度のことについてですけれども、本市ではこれまでも市民生活の安全・安心を確保する住宅の耐震改修、高齢者や障害者の生活自立のためのバリアフリー改修など、目的を持ったリフォーム等への助成制度をすでに導入しているところであり、地元建設事業者等への仕事出しにも大きく繋がっていると思っています。また新年度予算におきましても、耐震改修に係る支援制度を拡充したほか、住宅の取得、街中の空家及びマンションの改修に対する助成制度を創設するなど充実に努めていることから、一般的なリフォームへの助成は考えてはいません。

 伝統産業の支援を強化していくべきだというご提案でした。私はここは全く同感であります。伝統産業は消費者のライフスタイルの変化などにより、大変厳しい状況にあるということは森尾議員と共通の認識であります。本市ではこれまでも基金を活用した後継者育成、新製品に対する助成、さらには新たな工房を開設する作家への支援など、様々な施策を講じてきたところであります。明年度ですけれども、若手工芸作家の海外派遣、飲食店が伝統工芸の器を購入する際の補助制度の新設、宿泊施設内での工芸品展示への支援など、販路開拓・人材育成を一層強化することとしており、今後も業界の皆さんと連携をしながら伝統産業の振興に向け積極的に取り組んでまいります。

 家庭ごみのことについてお尋ねがございました。新収集制度の開始によりごみ量の大幅な削減効果が現れてきているところであります。市民の皆さんに心から感謝をし、更なるごみの減量化・資源化を図っていく必要があります。多くの市民の皆さん、事業者の皆さんとこれからも連携をしながら取り組んでいかなければなりません。すでに明らかな効果が見込まれているところでありますので、指定ごみ袋収集制度の中止は考えてはいません。

 宿泊税の導入を中止すべきではないかというご意見でした。これまで宿泊事業者や関係団体等へ説明を行い、意見等をいただくとともに、パブリックコメントを得て昨年3月定例議会で条例を可決していただき、さらには総務大臣の同意を得たうえで事務説明会も開催を行ってきているところでもあります。丁寧に手続きを踏んできているところでもあります。導入の中止は考えてはいません。

 旧校務士の退職不補充を改めるべきではないかということです。正規の校舎管理員につきましては、他の技能労務職と同様、中期人事計画において退職不補充を基本としており、この方針を変更するつもりはありません。なお正規職員が配置されない学校では、非常勤職員とシルバー人材センター派遣職員を配置し、適切に学校施設の管理を行っているところであります。
県のスクール・サポートスタッフのことを受けて、市としての対応についてお尋ねがございました。県のスクール・サポートスタッフの増員に伴い、本市には今年度の2名から明年度は増員されると見込んでいます。これに加え本市では、教員が本務に専念する時間の確保のため、すでに今年度から県の基準を上回る独自の基準により、学校事務補助職員を拡充配置しているところであります。

サッカー場の建設、歌劇座、中央卸売市場、市立病院の新築などについて、市民の議論を優先すべきではないかということでした。ご指摘の施設はご案内の通り、いずれも老朽化が進んでいるところでありますし、早晩、建て替えを含めた抜本的な対策が課題となっているところでありまして、有識者等による検討会等を設置し、今後求められる機能・規模など施設の在り方について、検討を進めてきているところであります。サッカー場につきましても、本市の第1次スポーツ施設整備計画に位置付け、スポーツ推進審議会の答申を得ているところでもあります。なお、このサッカー場、中央卸売市場等々につきましては、先の私の市長選挙のときにも市民の皆さんに説明をしながらご理解をいただく努力をしながら、進めてきているところでもあります。なお各施設の整備につきましては、必要となる事業費を中期財政計画等に的確に盛り込み、計画的な整備に努めてまいります。
市民の暮らしを最優先にした財政運営に意を用いるべきだということであります。今申しました、老朽化が進んでいます。公共インフラの再整備も、私は市民の暮らしにとって大切なことであるというふうに思っています。本市の将来に欠かせない投資であり、市民の暮らしにとっても欠かせない投資であると思っています。まちの拠点性を高め、活力と賑わいをもたらすと同時に、地域の活性化・雇用の創出にも繋がり、市民生活の向上にも寄与するものであります。もちろん、福祉・教育など市民の暮らしに密着したサービスの充実に配慮をしていくことは当然のことであり、均衡をはかりながら取り組むことが大切であるというふうに思っています。

政党機関紙のことについてお尋ねがございました。ご指摘のように、言論・集会・政治活動の自由は憲法の中で保障をされています。ただこれはあくまでも公共の福祉を阻害しないという範囲の中で認められているところであります。そうしたことから、庁舎内での全ての行為は庁舎等管理規則において管理上支障がない場合において認められており、過去の判例においてもその旨が示されているということをご理解いただきたいというふうに思っています。平成28年2月以降毎年度、政党機関紙の購読・勧誘に係る配慮について、私は議長に文書で申し入れお願いをしてきたところであります。ただ残念なことではありますけれども未だに職員が心理的圧力を受けながら購入のやむなきに至るという例を聞き及んでいるところであります。直接何人もの職員から言葉でも聞いています。手紙でも来ています。メールでも来ているところであります。私は良識ある金沢市議会ではそんなことはないというふうに固く信じたいというふうに思っておりますが、先の12月議会の議論もありました。そういうことも踏まえて今回のアンケート調査を行ったところであります。今回のアンケート調査は、あくまでも心理的圧力を感じる勧誘の実態を把握するために行ったものであり、回答につきましても無記名であります。提出も任意としているところでありますので、ご懸念の問題は生じないと思っています。現在そのアンケートは集計中であります。集計中でありますので、心理的圧力を感じる勧誘があったとの回答も散見されるというふうにお聞きをしております。残念なことですけれども。結果につきましては公表をしていきたいというふうに考えています。庁舎内において未だに心理的圧力を感じる勧誘があるように聞き及んでいることから、他の自治体の事例、さらには判例も踏まえ、弁護士の先生にも相談をしながら行ったものであり、法的にも問題はないというふうに思っています。庁舎内の政党機関紙の購読勧誘行為は、過去の判例等からも庁舎等管理規則第5条第1号及び第15号の規定に基づく禁止行為に該当するものであり、従前の規則においても考え方は同じであります。解釈を変えたわけではありません。庁舎における様々な行為は規則に基づき管理上支障がない場合に限り認められており、公務の中立性・公平性を確保する観点からも政党機関紙の購読勧誘行為は認められないものと考えています。

私の方からは以上です。

-桶川公営企業管理者
 ガス・水道料金・下水道使用料における消費税の増税額についてお尋ねでございました。消費税率の引き上げに伴う平成31年度の増税額は、ガス料金が約8000万円、水道料金が約5000万円、下水道使用料が約4700万円であり、合わせて1億7700万円と見込んでおります。
 次に、消費税増税分を料金の引き下げで対応できないかとのお尋ねでございました。本市は消費税の納税義務者であり、法に基づいて今回の税率見直しによる増税分を適正に料金に加算することとしたものであります。仰せの料金の引き下げは、消費税率とは別の事柄であり、ガス・水道・下水道事業のいずれもが老朽化の進展に伴い今後施設の更新費用が増加し、経営状況が一層厳しくなると見込まれますことから、値下げは考えておりません。以上でございます。

-西川保健局長
 国民健康保険料の18歳未満の均等割りを廃した場合に必要な財源と今後の対応についてお尋ねがございました。18歳未満の均等割りを廃止した場合、約1億9100万円の新たな財源の確保が必要となります。これまでも18歳未満の均等割り保険料を軽減する支援制度の創設について、全国市長会を通じて国に要望しており、今後とも国に強く働きかけてまいります。以上でございます。

再質問

-森尾議員
 新年度予算に関して、再度質問をいたしたいと思います。地方自治体の一番の存在意義は、そこに住む住民の生活を支えることだと、これは地方自治の原点であり本旨であると。従って、市政の在り方が予算に現れる、その予算が一体どっちの方向を向いているんだろうかというのは問われる点だと、これは私が提案する形で先程質問いたしました。今回の新年度の予算の中で、救護施設の入居者に対して夏と年末に見舞金として1人3000円ずつ出していたんです。これを新年度予算ではバッサリ削ると。予算は約100人で60万円です。一方、私が指摘しました金沢駅西口の広場ゾーンに市長自ら外資系ホテルを誘致するんだと言ったこの事業、駐車場になっていた市有地を売却し、ホテルへのルートに屋根つきの通路を作ると、そして融雪装置を含めた道路環境整備だと言って、規模は8億円を上回るという予算が盛り込まれています。そうすると一体、市長自らの考えと視点はどちらに向いているんだろうかということが問われると思うんです。私は改めて、市民の暮らしや地域経済の振興策を優先せよということを質問で問うたわけですが、改めて伺っておきたいと思います。

-山野市長
 給付金のことについてお尋ねがございました。すでに多くの都市では廃止をしている制度であります。それでなくても様々な福祉施設であったり充実等々に多額の予算がかかっているところでもありまして、インフラ整備をする形で使っていくのが、私は正しい在り方だというふうに思っています。ご理解をいただきたいというふうに思っています。
駅前のホテルのことについて、また駅前の開発のことについてお尋ねがございました。外資系ホテルを誘致することにより、そのホテルの持つネットワーク、利用者のネットワークを通して、私は金沢という都市が国の内外に発信をできると思っております。駅前を再開発するということにより、快適な環境を作ることもできるというふうに考えています。いずれも大切なことだというふうに思っています。

-森尾議員
 地方自治体のもう一つの側面に、地方自治へ参加を通じて住民が民主主義の在り方を学ぶという、地方自治体は民主主義の基盤であり民主主義の学校であると言われています。この視点に立つと、地方自治体として憲法に基づき、行政を進めるということは、大変大切であり、これも私は地方自治体の原点だと思います。その意味で、私は政党機関紙問題のやり取りを聞いていますと、本当に憲法を守り民主主義を守っていく内容としてやり取りがされているんだろうか、そのことが問われている、こう考えるものです。政治活動の自由というのは、何人たりともこれを侵してはなりません。まさに民主主義の基本中の基本だと私は考えています。従って、今回のやり取りを通じてこのことが私は非常に問われているというふうに考えています。32年間議員をやってきましたけれども、こんなやり取りをした覚えは一度たりともありません。それが本市議会の伝統であり誇りとするべきところだと、私は議員活動を通じてそのことを一番思っています。そう考えると、本市の庁舎等管理規則を理由に集会の自由を制限したり政治活動の自由を制限するなんてことの議論は一度たりともありません。私は改めて、市長にこの憲法に基づく、そして地方自治体の在り方とはどういうことかという立場に立って、今回の問題に臨んでいただきたいし、市民の負託に応えていただきたいというふうに考えるものです。その点を改めて伺っておきたいと思います。なおですね、憲法第21条は、「集会結社及び言論出版その他の一切の表現の自由はこれを保障する」と述べています。市長の引用した公共の福祉云々というのは、自民党が憲法改正案の中で入れようとしている内容なんです。そのことを指摘しておきたいと思います。また、辺野古の基地の建設に対して県民投票で7割がNOだということに対して、市長が安倍首相の見解を尊重するなんていう、私はこうした見解はあってはならないというふうに思います。本当に、沖縄県民の皆さんの思いに寄せて考えを述べるのが本来市長としての立場ではないかというふうに、あえて述べておきたいというふうに思います。

-山野市長
 憲法の文言が今手元にあるわけではないので、詳しい正確な文言ではありませんけれども、森尾議員がおっしゃるように言論の自由・表現の自由、私は大切だと思っています。憲法にも明記されています。ただそれは、人様に迷惑をかけないことだというふうにも、正式な文言は忘れましたけれども憲法に明記されているところでもあります。多くの職員が心理的圧力を感じているということを、直接・間接ではありますけれども声を出して言っているところであります。ここは私は、職員を守る立場として毅然とした対応をしなければいけないというふうに思っています。平成28年2月、私は申し入れをさせていただきました。実は私の中では、自分でできることはしているという思いもありましたけれども、それ以降残念な言葉を多く聞くところでもありますので、ここは今一度、確認をさせていただきたいというふうに思っています。様々な自由は大切ですけれども、それは人様にご迷惑をおかけすることのない自由だということを、ここは共通認識を持っていきたいというふうに思っています。
 辺野古基地移転のことにつきましては、先程申しましたように総理の決断を私は尊重したいというふうに思っています。

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