2011年金沢市議会6月議会 一般質問 森尾 嘉昭

2011年6月

 金沢市議会6月議会 一般質問

                 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。

 最初の質問は、東日本大震災から3ヶ月半が経過し、支援の強化と災害に強い町づくりをどのように進めていくか。具体的に伺いたいと思います。

 先日福島から避難されている方がいらっしゃるので訪ねてほしいとの連絡が入り、訪問し、お話を伺いました。

 福島原発から10キロ圏内にある浪江町に住んでおられた方でした。職場も避難区域にあり、工場が閉鎖されたため、関連する会社が本市にあると言うのでご主人だけがまず民間のアパートを探し、避難生活を始めたとのことです。奥様は、いったん他県に避難しましたが、長引くことから本市での二人の生活がはじまったのです。浪江町にある自宅は、ローンが残り、子どもさんたちは他県での生活、親や兄弟たちなどは、別々の避難を余儀なくされています。故郷に戻れる事を願い、新しい土地での生活に不安を抱えておられました。今後の生活の見通しが立たないことや福島原発の放射能漏れ事故に対する怒りが止めどもなく会話のなかで述べられていました。

 本市では、市営住宅が提供され、家賃の減免がされています。しかし、民間アパートに入居された方には、支援がありません。ところが、調べてみると「借り上げ住宅」の制度があって、災害救助法にもとづいて応急仮設住宅として被災者に提供され、入居日にさかのぼって支援がされるとの事です。政府によると広域避難者は、全都道府県にわたり約5万人にのぼっているとのことです。この制度は、被災のあった3県だけでなく、青森など5県ですでに実施し、この6月補正予算で対応が予定されているのは、11県に及んでいます。

 市長!この制度の適用をはかり、民間アパートに避難されている方々に対する支援を行う考えはありませんか。その見解を伺うものです。

 また、現在、本市に避難されている方々の人数と居住場所について、明らかにしていただきたいと思います。

 第二に、本市での避難指示と避難場所についてです。

 震災から70日が経過した5月下旬に私は、仙台市の若林地区に4日間のボランティア活動に出かけてきました。この地区にある六郷中学校が避難場所で体育館と武道場で220人の方が避難生活を送っておられました。

 避難所では、プライバシーの確保、トイレやシャワーなどの対応、洗濯場の確保など避難生活の長期化と共に、生活環境の問題が課題となっていました。

 本市の防災計画では、震災直後の短期避難者を19万人とし、屋内避難施設として収容できるのは、合計で22万人とのことです。しかし、校下ごとに見てみると34%にあたる20校下では避難場所が不足します。大地震によっては、避難する人数が大幅に増えることが予想されます。改めて、本市における避難場所とその生活環境の整備に向け施設の改善が求められています。

 地域ごとにどのように避難指示を行うのか。これも検討が必要です。木越団地やみずき団地では、海岸にさらに近くに位置する大浦小学校が避難場所となっています。

 市長!災害の発生と共に、どのように避難の指示を行い徹底するのか。市民のいのちに関わることだけに今回の大地震の教訓を生かしていかねばなりません。また、避難場所の設置と施設の改善を進めなければなりません。今後の具体的取り組みについて見解を伺うものです。

 第三に、消防力の強化についてです。

 金沢港に位置する金石消防署臨港出張所は、コンビナートなどが集中する沿岸部の災害に対する重要な役割を担っています。ところが、もともと、消防署であったものが、平成21年度に人員の削減を行い、出張所へ格下げしたわけです。

今回の大地震は、地震と津波と火災によって、壊滅的に被害をもたらしました。こうした教訓から、消防力の強化が求められています。金石消防署臨港出張所は建物も古く、海に面した位置にあり、津波対策からも移転新築を視野に消防署として整備することが必要です。今後の役割と強化策について、市長から答弁を求めるものです。あわせ、消防局長から消防部局としての津波対策について伺うものです。

 質問の第二に、本市での不正経理が明らかとなり、1900万円を国に返還する事についてです。

 昨年11月に国の会計検査院が65都道府県市に対する検査結果を公表し、各自治体での不適切な経理について指摘し、改善を求めました。この中に、本市での不適切な会計について明らかとなったものです。

 今回、会計検査院による検査の対象となったものは、平成16年度から20年度の5年間で、国土交通省と農林省の所管する国庫補助事業にかかわる事務費についてです。本市が不適切だと指摘されたのは、この5年間で3611万5813円にのぼり、このうち国庫補助金相当額は、1777万3143円です。指摘されたその主な内容としては、国庫補助事業とは直接関係のない部署に納品されていたり、事業とは直接関係のないものまでが計上されていたこと。物品について、翌年度に納入されていた物が、現年度に納品されていたこととして会計処理がされていたケースや、逆に、前年度に納入されていた物が、現年度に納品されたこととして会計処理がされていたこと。さらに、「差し替え」と報告された事です。納品した物とは別の品目の請求書類等を提出させ支払いをしたものや、「預け金」と報告された事です。契約した物品が納入されたこととして支払いを済ませ、後の物品購入等の代金として業者に管理させていた事。「一括払い」と報告された事です。契約手続きを行わず、随時、物品を納入させ、後日、納入された物品と別の品目の請求書類等を提出させ、一括して支払いをした事などが明らかとなりました。

 市長!こうした実態をご存じだったのですか。パソコンなのかデシカメなのかどんな物品だったのか。それらの物品は、使われたのか。すでになくなってしまったのか。把握されましたか。伺いたいと思います。

 本市は、独自に、対象外となった事務費と21年度分について調査をした結果、不適切な経理処理が、190万2207円で、その内国庫補助金相当額は、122万6209円との報告がされました。

 市長!国の会計検査院と本市独自の調査で、不適切な会計処理は、3801万8020円にのぼります。どのように受け止めておられますか。伺うものです。

他都市では、第三者の方を入れての調査委員会を立ち上げ、報告書と再発防止策に取り組んでいます。ところが、本市では、昨年の総務常任委員会に一枚の用紙での報告と今年6月に、一枚の用紙での報告がされたにすぎません。これでは、具体的にどのような内容なのか。どこに問題があったのか。その全容が議会にも市民にも明らかにされないまま、職員の処分はしました。国庫補助金の返還についても今議会の補正予算に計上しました。これで終わりです。といわんばかりではありませんか。

 市長!あなたには、今回の問題について、全容を明らかにし、市民と議会に報告する責任があります。調査委員会を立ち上げ、全容をあきらかにすると共に、再発防止に向けた対策を市民と議会に報告する責任があります。明快な答弁を求めます。

 ところで、今議会に今回の不正経理に関わる国庫補助金の返還等として補正予算に計上しました。金額と内容について、具体的に説明を求めるものです。

 市長!この事について、あなたは、全く提案説明の中でも触れませんでした。あなたの在任期間に起こったわけでないから、責任は、ないというのでしょうか。

一体、あなたが掲げた「市政刷新」は、どこに行ってしまったのですか。問題を明らかにすることも、責任をとることも忘れ去られたのでしょうか。

市長としてこの問題についてどのように考え取り組むのか。今後の対策をどのようにとっていくのか。責任ある答弁を求めるものです。

質問の第三に、特別養護老人ホームについてです。

 住み慣れた自宅に住み続けたいと望む高齢者は、多いのですが、身体の衰えと共に、自宅か、医療施設か、それとも、介護施設かと探すことになります。それも、年金などお金との相談です。選択の幅は、そんなにいくつもあるわけではありません

 先日、ある新聞が「終(つい)のすみかはどこに」と題して特集が組まれました。その中に本市に住む79歳の女性の話が取り上げられました。「夫を家で世話するのに疲れました」と語ったこの方は、87歳になる夫と二人暮らしです。認知症を患った夫の介護の負担は重く、夜中、2回から3回トイレに連れて行く。睡眠は、いつも細切れで、こうした生活が7年も続いているとのことです。特別養護老人ホームに入居を申し込んで4年が経過するが未だ入居はできない。

 本市では、特別養護老人ホームの入居できる枠は、約1900人に対し待機者は、約1600人で毎年増加を続けています。入居できないまま亡くなるという事態が生まれています。

 市長!本市のこうした現状についてどのように受け止めておられるのか伺うものです。

 本市では、有料老人ホームや高齢者専用住宅、サービス付き住宅などが相次いで建設されています。要支援など介護度の軽い方を対象としたものでその負担は、月に家賃が5万円から6万円で、食事などを入れると月に15万円前後、20万円にのぼる施設もあります。介護サービスなどは別料金となります。どんな市民がこうした施設を利用できるのでしょうか。

 介護保険制度は、そもそも必要なサービスが誰もが受けられ、介護が社会化されていくというのが原点でした。しかし、現実は、継続的で必要な介護を受けようと思っても、結局はお金しだいとなっています。

 市長は、自らのマニフェストで、「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設など高齢者介護施設を充実します」と述べました。市内にあるこうした施設は、ほとんどが民間の施設です。本市が自ら建設したものは、一つもありません。

 市長!自ら掲げた公約を実行する立場からするなら、本市が自らこうした施設を建設するという考えはありませんか。その見解を伺うものです。また、今後の特別養護老人ホームの建設計画について、具体的に明らかにしていただきたいと思います。

 合わせ、本市の特別養護老人ホームの待機者の現状とその中で、介護度4と5の方が占める割合さらには、自宅待機者がどの程度か明らかにしていただきたいと思います。

 質問の最後に、地震、津波、福島原発の放射能漏れ事故について、教育現場はどのように対処するのか伺います。

 宮城県石巻市は、地震、津波と火災によって、市の中心部が焼け野原といった状態でした。私は、4日間にわたるボランティア活動で仙台市若林地区を回り、5月22日石巻市を訪れました。立ちこめる焼けた臭いと一面が焼けただれた町は想像を絶する光景でした。石巻市での死者は、約3000人です。未だ行方不明者は、約2800人に上ります。人口が16万人ですから、本市にたとえるなら亡くなった方が8600人となります。一つの小学校下で全員死亡した数になります。学校も大きな被害を受けました。

 中でも、市立大川小学校では、全校児童の7割にあたる74人が死亡・行方不明となりました。痛ましい事態となりました。地震が発生すると教師の指示で生徒は、校庭に集められました。学校は、避難所となっていたため、地域住民が押し寄せ、教師はその対応にも追われることになったわけです。防災無線からは、大津波警報がなり、避難を呼びかける声が響いていましたが、「山へ避難できるか」など話し合っている間に時間が経過し、近くの河川堤防付近の高台へ避難を始めたときに津波が襲い、その高台ものまれてしまいました。

 津波被害を受けた周辺の5つの小中学校のうち、1校には、避難マニュアルがなく、作成していた4校のうち1校は、避難場所を「校庭」としていたとのことです。

 こうした事を教訓に、本市の学校現場では、子供たちのいのちを守る事を最優先に、災害の際の避難場所、避難マニュアルと誘導などの再検討、避難訓練などの見直しをはかるべきと考えますが、教育委員会の見解を伺うものです。中でも、金沢港周辺の学校では、2.5メートルの津波でも水没してしまう恐れがあるだけに避難対策の見直しが必要です。その見解を伺うものです。

 第二に、福島原発の放射能漏れ事故についてです。

 小学生向けの副読本「わくわく原子力ランド」や中学生用副読本「チャレンジ!原子力ワールド」さらに、中学生、高校生用の「見てふれてよくわかる原子力・エネルギー学習施設ナビ」など多くの教材が文部科学省の原子力教育支援事業によって作られてきました。その予算は、平成22年度で4億8600万円です。しかも、原子力発電施設が立地している道府県には年間1000万円が交付され、石川県も対象となっています。内容を見ると「大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないよう設計しています」とか「原子炉は、放射性物質を閉じ込める五重のかべで守られている」「大きな地震や津波にも耐えられるよう設計されている」など原発は安全だとの安全神話に埋め尽くされています。今回の福島原発の放射能漏れという事故によってこうした安全神話が崩壊してしまいました。

 子どもたちは、今回の事故を通じて様々な疑問を持っているだけに、科学的で事実に基づいた事を提供することが大切だと考えます。

 教育委員会は、今回の福島原発の放射能漏れという事故について、子どもたちたちにどのように伝え、子どもたちのいのちを守って行かれるのか伺うものです。 第三に、国語の教科書に出てくる津波の教材についてです。

 本市が使用している小学校5年生の教科書に「百年後のふるさとを守る」と題する津波を教材とする内容が書かれています。この内容は、戦前の国定教科書で使われた「稲むらの火」と題する物語が64年ぶりに復活したものです。この物語は、大きな地震が起こり、津波が来ることを積まれた稲のわらに火をつけて村人たちに知らせたと言うものです。そして、教科書が取り上げているのは、その後の話として、この人物が私財をなげうって、堤防を作ったという話が、この人物の伝記として取り上げられています。

 ところで、東北地方では津波防災の伝承の一つとして「津波てんでんこ」という話が伝えられています。「津波が来たら、肉親に構わず、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」と言うものです。

 釜石市での学校では、こうした話が伝えられてきました。その結果、今回の地震と津波に対して、各自高台へと避難し、学校における児童・生徒の犠牲はなかったとのことです。

教育委員会は、子どもたちに津波に関して何を伝えようとしているのか。

 教育長の所見をお伺いし、私の質問を終わります。

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