金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団

金沢市議会

本日、坂本議長に以下のことを申し入れました。

2026年7月 9日


金沢市議会議長 坂本 泰広 様


金沢市議会が予定している韓国全州市への海外視察中止を求める申し入れ


日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
山下 明希


 金沢市議会がこの10月 1日~10月4日韓国全州市(10月 2日から10月 4日までビビンバ祭りが開催される)への海外視察が予定されている。
 現在、16名の市議が参加予定との事である。
 金沢市議会は、令和8年度、姉妹都市であるロシア・イルクーツクヘの海外視察を韓国・
全州市へと変更しました。さらに、姉妹都市の中国・蘇州市への海外視察についても、変
更し、韓国・全州市へ合流する計画となつたもので、今回の海外視察にかかる経費は、総
額1100万円の予定である。
 こうした変更は、ロシアによるウクライナヘの軍事侵攻による影響や、高市首相の発言か
ら中国との関係が悪化し、訪間が困難となつたためである。
 わが党市議員団は、当初計画された海外視察とは異なってきたことや、市民生活と営業を
めぐって、物価高騰や資材不足、原材料費の値上がりなどの影響から厳しい状況が続いて
いることから、金沢市議会が予定している韓国・全州市への海外視察を中止するよう申し入れ
るものである。

私は、日本共産党市議員団を代表し、議会議案第3号教育基本法第14条第2項の運用方針及び認定基準の明確化を求める意見書の反対討論を行います。                          

沖縄辺野古沖での小型船転覆事故は、研修旅行中の高校生と船長がなくなり、高校生たちがけがをされるという重大事故となりました。ご遺族をはじめ関係者の皆様に心から哀悼の意を表します。事故原因の徹底究明を行うと共に、二度とこのような事故が起こらないよう対策を講ずることが求められます。

一方、今回の事故を受け、去る5月22日文部科学省は、研修旅行の学習内容が教育基本法第14条第2項に反するとして学校側を指導しました。この意見書は、このことに係って提出されました。

そもそも、教育基本法は、日本の教育に関する根本的・基礎的な法律であり、教育に関するさまざまな法令の運用や解釈の基準となる性格を持つことから「教育憲法」と呼ばれる場合もあります。憲法が制定された1947年(昭和22年)同じ年に公布・施行されました。そして、現在の教育基本法は、2006年(平成18年)12月22日、改正されたものです。

その前文では、「たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願う」とした上で、この理想を実現するために教育を推進するとしています。

この教育基本法は、18カ条で構成され、第1章から第4章までに分けられており、それぞれ「教育の目的及び理念」「教育の実施に関する基本」「教育行政」「法令の制定」について規定されています。

こうした内容をもつ教育基本法は、戦前の教育が軍国主義のもとで戦争へ子どもたちを送り出していったことへの深い反省のもとで、自主的で自由闊達な主権者を育てることを目的に制度化されたものです。

したがって、教育基本法第1条では、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と教育の目的について明記しています。

今回の事故を受け、文部科学省は、研修旅行の学習内容が教育基本法第14条第2項に違反するという対応を行いました。

この点について、元文部科学省事務次官の前川喜平氏は、「文部科学省が個別の学校の、個別の教育活動に直接指導するのは越権行為だ」と指摘し、「教育権の独立」は戦後民主教育にとって大切であり、文部科学省は教育内容に対し国家的な介入は抑制的であるべきだとの見解を示しています。

私どもは、この文部科学省の対応は、「教育内容に対する行政による介入」であり、許されることではないと見解を明らかにしています。

なお、2006年5月小坂文部科学大臣は、国会答弁の中で、「私は教育内容に対し国家的な介入については、政党政治ということでありますからこれは抑制的であるべきだというふうにおもっております」と述べています。

この意見書は、今回の事故を受け、文部科学省が、研修旅行の学習内容について教育基本法第14条第2項に違反するとの見解について「今回の認定の撤回を求める声もある」とし、あいまいにしたうえで、教育基本法第14条第2項の運用方針と認定基準の明確化を求めるに至っています。

教育基本法は教育の目的やあるべき姿を明記したものであり、この法に違反したかどうか判断し、罰則することを目的にしたものではありません。したがって、この法律の運用方針や認定基準は必要ありません。

戦後の教育は、二度と戦争はしないとの決意のもと、教育の自主性、教育権の独立を築いてきました。

よって、文部科学省は教育内容への国家的な介入については抑制的であるべきです。

教育基本法第16条は、「教育は、不当な支配に服することなく」と明記し、国、行政による教育への「不当な支配」を禁じています。

今回の文部科学省の判断について、上方平和教育研究所共同代表の平井美津子さんは、「教育基本法第16条が禁じている不当な支配ともいえる文部科学省の判断だ」と抗議の声をあげています。

一方、この意見書は、この法律の運用方針や認定基準を明確化することを要望しています。仮に、政府の思い通りの運用指針や認定基準が設けられると、国家による教育への介入を拡大する恐れがあります。

この意見書の内容は、教育基本法の求めている内容ともかけ離れ、教育関係者をはじめ、国民の願いに沿ったものではありません。

最後に、提案説明の中で、4人に1人が亡くなった沖縄戦の教訓から二度と戦争を起こしてはならない。との決意を述べられました。

戦前の教育が軍国主義のもと戦争へ子どもたちを送り出したことの反省から教育基本法がつくられました。今回の文部科学省のとった対応は、まさに国家的介入であり、断じて許さない立場を明らかにすべきです。

ところが、この意見書は、そうした立場とはかけ離れ、運用方針などを求めています。その点をあえて述べておきたいと思います。以上で反対討論を終わります。

私は提出者を代表し、議会議案第5号「非核三原則の堅持及び防衛費のGDP比3.5%への増額に関する意見書」について、提案理由をのべます。 

政府は1976年、防衛費を国内総生産GDP比の1%以内に抑えるという原則を確立し、日本は軍事大国にはならないという姿勢を政治的・外交的に示してきました。

しかし、2022年に策定された安全保障関連3文書を境に、日本の防衛政策は大きく転換しています。政府は2023年度から2027年度までの5年間で、防衛費をGDP比2%、約11兆円規模に拡大する方針を掲げ、2026年度当初予算では、GDP比1.9%に相当する10.6兆円が計上されました。その財源として、法人税やたばこ税に続き、2027年1月からは所得税の増税が予定されています。

さらに、高市政権のもとで、自民党は安全保障調査会の提言を取りまとめました。その中では、北大西洋条約機構NATO加盟国や、韓国、オーストラリアなどが軍事費をGDP比3~3.5%に引き上げる動きにふれ、「自国を守る覚悟のない国を助ける国はない」と強調しています。こうした各国の軍事費増額の背景には、トランプ米政権からの強い要請があることも見過ごせません。

仮に日本の防衛費がGDP比3.5%となれば、年間の防衛費は約23兆円に達すると試算されます。これは、国民一人当たり年間約20万円の負担に相当し、2020年と比較して5倍近い規模となります。このような大軍拡は、国民生活や社会保障、教育などに充てるべき財源にも大きな影響を及ぼします。

防衛費の大幅増額に加え、高市政権は武器輸出解禁を行い、さらに非核三原則の見直しにも言及しています。これは戦後日本の平和国家としての歩みと国際社会への信頼を揺るがすものです。

日本は戦後一貫して「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」という非核三原則を掲げ、唯一の戦争被爆国として、被爆者とともに核兵器廃絶を国際社会に訴えてきました。非核三原則は1971年以来、「国是として堅持する」との国会決議によって確認されています。

核兵器をめぐる国際情勢が厳しさを増している今だからこそ、日本は非核三原則を貫き、「核兵器のない世界」の実現に向けて積極的な役割を果たすべきです。

また、各地で戦争が長期化し、国際社会の緊張が高まる中、その解決を軍事力の増強に求めることは、かえって緊張を激化させ、軍拡競争の悪循環を招きます。日本に求められているのは、憲法第9条の理念を生かした平和外交を推進し、対話と外交による戦争終結に力をつくすことです。

この意見書は、国に対し、平和憲法のもと国是としてきた非核三原則を堅持するとともに、防衛費のGDP比3.5%への増額を行わないよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いし、提案理由といたします。

私は、日本共産党金沢市議員団を代表して今6月定例月議会に上程されました議案24件のうち、議案第1号の一部、議案第7号、議案第8号、議案第22号の計議案4件に反対です。

その主な理由を述べます。

今議会は、村山市長2期目最初の議会であり、未来共創計画策定後の2年間である前進期の評価を踏まえ、今補正予算とも連動し、追加・拡充を図った施策が提案されました。

しかしながら、その未来共創計画については、市民から厳しい評価が下されたのにも関わらず受け止めや見直しについてはこれまでの政策を進めるうえで都合がよいように解釈し施策の見直しや新規事業の予算化を行っており、市民の願いを実現するものとは言えません。

金沢市、金沢市民全体を見渡し、安全安心のまちづくりや物価高騰や中東情勢で苦境に立つ市民のくらし、中小事業者応援の施策を進めるべきであるにも関わらず、議案第1号の補正予算では、中東情勢を踏まえた対策も不十分でありながら、都心軸再興に大幅な予算を割いています。

およそ7億3千万円の武蔵が辻A地区市街地再開発事業への支援費です。これは都市再生緊急整備事業の一環として、民間主導で進められている事業です。60m級のビルが3棟、低層に商業施設、高層にはそれぞれマンション、ホテル、用途未定の施設が入る予定とされています。私は、本会議で民間大手企業の利益の最大化を目的にマンションやホテルばかりが増えるまちづくりでよいのかと質しましたが、金沢市はホテルやマンションの受け皿を増やしてきたことで、賑わいの創出や定住人口の増加に一定の貢献をしてきたとしか答えることができませんでした。さらに、これまでの市街地再開発のつけを市民の税金で補っている実態やプレーゴの土地が民間に買われてしまったことについての反省や総括もありません。

さらに本会議では、森本・富樫断層の存在に加え、都市計画審議会での決定を受けていないことも明らかとなりました。市民の命と安全が確保できるのでしょうか。また、3棟のうち1棟の上層部分は用途未定とされている中で、ITプラザ武蔵の権利変換についても明確でないなど、市民へのさらなる負担への懸念は拭えず、今後の事業費も見込めないことなどから賛成できません。

また、かねてから申し上げている金沢港建設事業費についてです。

今回の補正予算におよそ3億7千万円が計上されました。この事業は大手企業コマツが進出し、大型機械を輸出するために大浜ふ頭を大水深岸壁に改良する事業とクルーズ船を金沢港に呼び込むとして無量寺岸壁などの改良事業として進められてきました。

結果、全体事業費は2006年から2036年までの30年間で622億円となる予定であり、そのうち金沢市の負担は115億円にのぼります。一部大手企業のために巨額の税金を投入することには反対です。

その一方で、市民に必要な公共施設の廃止や業務の民間委託、PFIの導入等の効率化や予算の削減が進められています。

市民センターについては、駅西市民センターの混雑解消のため、広岡の企業局内に市民センターを設置するとのことです。その一方で、近江町交流プラザの市民センターの廃止は行政サービスの縮小であり反対です。

障害福祉サービス事業所に対する運営指導業務の一部に外部委託を導入することに反対です。障害福祉サービスの運営指導は、サービスの質の確保や不正請求の防止、虐待など不適切な事案防止に関わり、事業者への助言・改善指導など、いずれも利用者の権利を守るために行政が責任をもって担うべきものです。小規模で軽微な業務を委託するとしていますが、業務を外部に委ねれば、行政の知識や経験の蓄積がされず、将来の指導力が弱まることも懸念されます。本来は、必要な人員確保と体制強化をすすめるべきです。

次期LED防犯灯管理運営検討費については、町会の防犯灯をLEDに更新し維持管理を行うESCO事業について、来年度末で契約が完了することから、今後PFIの導入検討を行うものです。しかし、この間の資材高騰や電気代の値上げによって、ESCO事業の見通しは厳しい状況となっています。PFIではその影響をさらに受けることとなり、リスク分担によって結局は市民の税金でそのツケを賄う恐れがあることから反対です。

同様の状況は、議案第22号「公共施設LED照明導入推進事業」においても現れ、PFIによる事業が始まり1年半で1%以上も基準金利があがったため、リスク分担によって今回の補正予算で事業費を増額するものです。わが会派が指摘してきたPFIのリスクが顕在化しているもとで認められません。

さらに今予算では文化スポーツ施設利用料金あり方検討調査費が盛り込まれ、「市民割引制度」という表現で施設利用料の引き上げの可能性も否めない状況です。

文化施設については、博物館法においては入館料等に関する無料の原則があり、採算ベースや受益者負担の視点からの料金設定はふさわしくありません。また、金沢市には「金沢市における文化の人づくりの推進に関する条例」があり、市民が多様な文化を鑑賞・体験できる機会の充実を掲げています。金沢市スポーツ文化推進条例では、「市は、スポーツ文化を推進するための施策を総合的かつ計画的に策定する」「市民や事業者、スポーツ関係団体の意見を十分反映させる」とあり、施設利用料だけを取り上げて検討することもふさわしくありません。今後、庁内のワーキングチームでの調査・検討や行政経営プラン推進委員会からの意見聴取を行い進めるとしていますが、市民に開かれた審議形態ではありません。

以上のことから、あり方検討調査費については同意できません。市民や誰もが身近に文化やスポーツに親しみ、その発展に寄与できてこそ公立施設の存在意義があります。

市民の理解と合意が得られていない事業に反対です。

子ども未来拠点施設整備基本構想策定費についてです。

この間の南部地区教育・福祉施設再整備事業においては、幅広い市民の意見が十分に反映されてきたとは言えず、特に、教育プラザ富樫の再整備が建物の老朽化の有無で分離されることは、これまで培ってきた子育て支援の拠点として、機能の役割を後退させるものです。この基本構想は、教育プラザ富樫を分離移転整備する方針のもと策定されるものであり反対です。

環境エネルギーセンター再整備基本構想策定費についてです。現在、西部と東部の2か所ある環境エネルギーセンターを西部1か所体制にして、新しい施設を西部に建設する方向性が打ち出されました。本市がごみの有料化を導入する際の市民への説明や東部環境エネルギーセンターの延命化をすすめる方向性から大きく転換するものです。これまで、庁内での検討にとどまり、議会に詳細な説明がされてこなかったこともあり賛成できません。

議案第7号「金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正」についてです。

金沢市内で本社機能の立地などに対し、税法上の優遇措置を行うもので、今回期間の延長が盛り込まれました。対象はいずれも大手企業に限られています。地域経済を支える地場の中小企業への支援拡充こそ求められており、議案に反対です。

議案第8号「金沢市児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正」についてです。障害児支援や医療的ケア児支援のための理学療法士等を活用すること自体は専門職が児童の保育・教育に関わるという点で同意はできます。しかし、多職種を保育士1名として換算することは保育士不足の対策として専門職への置き換えを進めることにつながりかねません。

また、あらたに主務保育教諭、主務養護教諭を設置することは、保育教諭間に上下関係を生むことになることや役割や責任が特定の教諭に集中することにもつながります。保育の質の向上には、保育士の確保や配置基準の改善が必要です。よって、この条例改正には反対です。

請願・陳情についてです。

請願第8号は「「防衛装備移転三原則」及びその運用指針を改定する閣議決定の撤回を求める」意見書の採択を求め、石川県平和委員会から提出されたものです。

高市政権は今年4月21日に「防衛装備移転三原則」とその運用指針の改訂を強行しました。これは国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという、憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するというものです。

1976年三木内閣が「平和国家としての立場」「国際紛争の助長回避」を理由に宣言し、1981年の衆参本会議で武器輸出全面禁止を全会一致で決議し、国是としてきたものです。

今回の政府決定は、国会決議によって国是としてきた原則を、国会での議論もなく時の政権の一方的な決定で投げ捨てることは議会制民主主義を蹂躙するものです。

世界で無法な戦争が相次いでいる今こそ、日本は国際紛争を助長するのではなく、日本国憲法に基づく「平和国家」としての行動をとるべきです。よって、この請願に賛成します。

請願第9号「デジタル社会における『創造力』を育む教育体制整備に関する請願」についてです。

金沢市では、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備やデジタル教科書の導入に加え、「デジタル科」の新設や生成AIを活用した授業を進めています。

しかし、デジタル機器の活用が授業の質を高めるとは限りません。教育の本質は、教員の教材研究や子ども同士、教員との対話を通じた学びにあり、デジタルはあくまで補助的な手段であるべきです。また、近視やネット依存などの健康面への懸念や、思考力の低下を指摘する声もあります。

さらに、協働的な学びを充実させるためには、ICT機器の活用以上に教員の増員や少人数学級の実現が重要です。

生成AIについても、偽情報の拡散や安全性への懸念が指摘されており、EUでは厳格な規制や監視体制が整備されています。一方、日本では活用推進が先行しており、慎重な対応が求められます。

以上のことから、子どもの成長・発達と健康を最優先に考える立場から、デジタル教育を現状のまま推進する本請願には賛成できません。

陳情第35号「金沢市の子どもの医療費助成制度において通院についても18歳まで完全無料とするよう求める陳情」についてです。

子どもの医療費助成制度の自己負担をなくすことは、経済的な不安を抱くことなく安心して必要な医療を受けられる環境を保障し、受診控えを防ぐためにも重要です。県内の金沢以外の市町はすでに完全無償化を実現させています。本市も早急に行うことが必要です。よって、本陳情に賛成です。

陳情第36号「市役所駐車場利用料金の減免を求める陳情書」は、生活者目線で金沢方式を考える会から提出されました。

この陳情は、金沢市議会の本会議および委員会を市民が傍聴する際に、金沢市役所・美術館駐車場および第二本庁舎地下駐車場の利用料金について、無料または割引の措置を行うよう求めるものです。

市民の政治参加を促し、市民に開かれた議会にするため、必要な対応であり賛成です。

以上の陳情・請願について委員会での採決結果に反対です。

以上で討論を終わります。

-山下委員

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。

ジェンダー平等社会について

本市では今年度、男女共同参画推進行動計画の改定に向けた取り組みが予定されています。日本では、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法など法整備が進められてきましたが、ジェンダーギャップ指数は148か国中118位と未だに低位で、とりわけ政治や経済分野での格差が指摘されています。

市長は、20年先、30年先を見据えたまちづくりをすすめるため、未来共創計画を策定しています。そこで、充実期において、ジェンダー平等の視点からどのような施策の充実を図っていくのでしょうか。市長が描く男女共同参画社会とは、どのような社会なのか、お聞かせください。

-村山市長

未来共創計画の充実期におきましては、働きたい女性への職場復帰の支援や、家事についての適切な役割分担の啓発など、仕事と家庭の両立を促進し、性別に関わらず活躍できる環境の整備を図ることとしております。本市では、金沢市男女共同参画推進条例におきまして、すべての人が性別に関わりなく個人として尊重され、家庭生活、地域活動、職場や学校などあらゆる分野において対等な立場で参画し、責任を分かち合う社会を目指すことを掲げておりまして、この実現に向けて各施策を着実に推進していきたいと存じます。

-山下委員

政府は今年3月、第6次男女共同参画基本計画を閣議決定しました。国の基本計画は、自治体が取り組みを進める上での方向性にも影響するものです。その基本計画は、国連女性差別撤廃委員会が日本に対して再三改善を求めてきた、選択的夫婦別姓の導入や長時間労働、男女賃金格差の改善、ハラスメント対策などの課題が十分反映されていないとの指摘もあります。こうした国の計画を、市長はどのように受け止めているか伺います。

-村山市長

国の第6次男女共同参画基本計画では、意思決定過程への女性の参画拡大や、固定的な性別役割分担意識の解消などを取り組むべき事項として掲げております。国際的な流れや社会構造の変化、国民の意識・価値観の動向等も踏まえながら策定されたものと捉えています。なお、この基本計画では、夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方については、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進めるとされております。引き続き注視したいと考えております。

-山下委員

やはり国連から指摘されている課題について、国任せではなくて市民の実態から市が今後どういう計画を作っていくかということが問われるというふうに思います。

男女雇用機会均等法施行から40年が経ちました。女性の就労は、非正規雇用や低賃金などからみられるように未熟な労働者、家計の補助的な担い手というふうに扱われてきました。しかし本来は、一人ひとりが希望する働き方を選択し、経済的に自立できる環境の整備が求められています。 そこで、補正予算の「働きたい女性復帰サポート事業」についてうかがいます。どのような課題を踏まえて実施されるのか、具体的な内容についてもお聞かせください。

-布島商工労働課長

本事業は、子育て中の女性や再度の就業を希望している女性などを対象に、情報不足や時間的制約などにより就業に対して行動に移せていない女性の背中を後押しし、新たな就業機会の創出に繋げることを目的としております。事業の内容といたしましては、女性社員が実際に働いている職場の見学会や、働く女性の生の声を聞く座談会を実施することとしております。

-山下委員

実際に働いている方のお話を伺えることは、貴重な機会だと考えます。ただ、参加する企業が限られてしまうということで、一部の企業だけが注目されてしまうというような可能性もあるのかなと思いますが、そこで、事業の効果をどのように検証し、今後の女性の就労支援策につなげていくのかお聞かせください。

-布島商工労働課長

本事業におきましては、参加者数や就業に至った件数の把握はもちろんのこと、参加者や協力企業に対してアンケートを実施し、これまで業種に持っていたイメージや参加者の業種に対する理解の深まり、就職に対しての気持ちの変化などを調査したいと考えております。これらをもとに企業の女性採用に向けた課題などを整理することで、今後の施策に生かしていきたいと考えております。

-山下委員

就労を希望しながら働くことができない背景には、家事や育児、介護負担の偏りや、保育・学童保育の不足、職場環境など、個人の努力だけでは解決できない課題があります。先日も「小1の壁」に悩む保護者の声を聞きました。下校時間や学童保育の利用時間の制約により、正社員を続けられないかもしれないとの悲痛の声です。退職や非正規労働を選ばざるを得ないケースは少なくありません。そして多くの場合、女性がその対応を迫られます。働く保護者が仕事と子育てを両立できるよう、時短勤務を導入する企業に対して支援を行っている自治体もあります。本市においても、女性が安心して働き続けられる環境づくりに、企業への支援も含めた施策の充実が必要だと考えますが、見解をうかがいます。

-布島商工労働課長

女性社員にとりまして、子どもの小学校進学を機に生じる、いわゆる「小1の壁」や、育児だけに限らず各々の事情に伴い、家庭と仕事の両立のために勤務形態や雇用形態を変更せざるを得ないという問題があることは、十分に承知しているところであります。本市におきましては、子連れ出勤スペースの設置など女性が働きやすい職場環境の整備や、テレワークや時差出勤の導入に対する支援を行っているほか、中小企業が必要な際には専門的知識を持つアドバイザーを派遣し、業務改善や働き方改革を進めており、引き続き女性が働きやすい職場づくりに取り組んでまいります。

-山下委員

女性が安心して働き続けるためには、長時間労働や低賃金の改善、保育園や学童保育・介護サービスの充実など、社会全体の構造的課題の対応も欠かせません。引き続き市として積極的に取り組むことを求めて、つぎの質問に移ります。

包括的性教育について

-山下委員

市職員による性暴力、性犯罪事案が相次ぎ、市長は「高い倫理観を持って公務を遂行し、綱紀粛正を徹底していく」と述べられました。規律も大切ですが、さらに予防も大事だというふうにも思います。性加害については、個人の倫理観だけの問題ではなく、性別による差別意識や権力関係を背景とした支配構造の中で生じる人権侵害だと、専門家は指摘しています。そのうえで、加害者にさせないために、他者の尊厳や対等な人間関係、性的同意の重要性などを学ぶ包括的性教育が重要だと言われています。

今議会で、かがやき発信講座において包括的性教育をテーマにできないか検討するとの方向が示されました。大切なことだと思います。子どもや大切な人を守るためにも、まずは大人が継続的に性と人権について学ぶ機会が必要です。性暴力、性犯罪の予防、そして人権尊重のまちづくりの観点から、包括的性教育の必要性をどのように認識しているのか、市長に伺います。

-南市民局長

市長にお尋ねということでございましたが、まずは私の方から現状についてお話をさせていただきます。まずは委員ご指摘の包括的性教育につきましては、性と生殖に関する知識のみならず、ジェンダー平等や暴力と安全確保等の幅広い内容を含んでおるものでございまして、人権尊重の観点からも大変重要なテーマであると捉えております。本市では性教育に関するオンライン講座などで啓発を行っているところでもございますし、ご指摘のかがやき発信講座などでの普及啓発も検討していきたいと思っております。

-村山市長

ただいま局長から答弁したとおり、重要なテーマだと考えております。

-山下委員

重要なテーマだというふうに答弁いただきましたので、ぜひこの市役所の組織の中でも、社会の中でも、加害者を生まないという社会を作るために、大人が学べる機会を市としても充実させていただきたいと思います。

しかし日本では包括的性教育がなかなか進まず、プレコンセプションケアが推進されている現状です。プレコンセプションケアは、米国疾病管理予防センターが提唱し、WHOが、「妊娠前の女性とカップルに対し、医学的・行動的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しました。将来の妊娠の有無にかかわらず、一人ひとりが自分の身体や健康について正しい知識を持ち、主体的な人生の選択ができるよう支援する取り組みとして位置付けられています。一方日本では、こども家庭庁がプレコンセプションケアを所管し、少子化対策との関連の中で推進されています。若い世代に対して、妊娠や出産を前提とした価値観の押しつけにつながるとの懸念も指摘されています。実際に、一部の自治体が啓発冊子のなかで「卵子の老化」を強調したり、男性には肉食化を勧めるような不適切な表現が用いられ、物議をかもしました。本市においては、こどもまんなか未来プランの基本施策「こどもを持ちたい家庭への支援」のなかでプレコンセプションケアが計画されています。国の推進5か年計画では、人権的アプローチや包括的性教育を踏まえた取り組みが重要だとあります。こうした点を踏まえ、本市は、プレコンセプションケアの目的をどのように位置づけているのか伺います。

-山口福祉健康局長

国のプレコンセプションケア推進5か年計画の中に、包括的性教育の仕組みを参考とすることと記述があることは承知しております。従いまして、プレコンセプションケアは、身体や生殖の仕組みだけではなく、性の多様性など様々な価値観があることを踏まえて推進すべきものというふうに認識しております。そのうえで、性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくことを目的としております。

-山下委員

今、局長から答弁があったように、本来プレコンセプションケアは、性と生殖に関する健康と権利の視点に基づく取り組みです。しかしその内容が「健康な妊娠、出産」や「リスクの回避」といった啓発になれば、結果として障害や疾患のある方への価値判断や選別につながりかねません。さらに、妊娠や出産に関する結果を、個人の努力や準備不足として捉えられ、自己責任を強める危険性もあります。こうした懸念をどのように認識し事業を行うのか伺います。

-山口福祉健康局長

プレコンセプションケアですけれども、今ほど答弁しましたけれども、あくまでも性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくことを目的としております。一方で、ご指摘されたような様々な懸念が示されていることも承知しております。多様な意見があることを踏まえまして、事業を推進していきたいと考えております。

-山下委員

性教育に携わる助産師からは「妊娠や出産を前提とした話ではなく、あなた自身の人生と健康について考える機会であることを伝えたい」「自治体には包括的性教育を推進してほしい」という声をうかがっています。プレコンセプションケアは少子化対策のためではなく、一人ひとりがありのままの自分で人生を選択し、幸せに生きていくための人権施策として位置づけるべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

当然、個人それぞれが持つ価値観については尊重されるべきであると考えております。そのうえで、性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくということを目的として、プレコンセプションケアを推進していきたいと考えております。

-山下委員

ぜひ、そのことを守っていただきたいと思います。行政が行う事業がやはりこの結婚や出産を押し付けるようなことがあってはならないというふうに思います。多様な性のあり方、多様な人生の選択を尊重するものであることを、改めて強く求めて次に移ります。

空き家対策について

-山下委員

能登半島地震では、管理不全の空き家が倒壊し道路をふさぐなど、地域の安全確保や復旧活動にも影響を及ぼしました。空き家対策は防災・減災の観点からも重要な課題です。私も地域を歩きながら困りごとや気になることなど伺っていますが、除排雪や道路問題に続いて多いのが、空き家に関する相談です。「隣の空き家の草木が伸びて困っている」「動物が出入りしている」「所有者がわからない」など、すでに町会から市へ相談を出しているケースもあれば、どこへ相談してよいかわからないまま不安を抱えている住民も少なくありません。

空き家は突然発生するものではなく、住んでいた方の施設入所や転居、相続、家族間の調整など、さまざまな事情があり、結果として管理が難しい状態になるという複雑な経過があります。危険な状態になってから対応するのではなく、早期の把握と予防的な支援が重要だと考えます。今年度、危険空き家の現状を調査する事業が盛り込まれました。今回の調査はどのような内容で実施するのか、また調査結果を今後どのように活かしていくのか、お聞かせください。

-高木都市整備局長

今年度は、市が主体となって危険な空き家を把握するため、空き家等管理・活用計画の中で空き家対策を優先的に取り組む区域として位置付けているまちなか区域におきまして、管理が行き届いていない空き家の状態を把握することとしております。現在、個別の空き家調査を行っている金沢市シルバー人材センターに委託をして、約1,000軒を対象に、外観から建物の劣化や草木の繁茂等の状況を目視で確認をして、写真撮影や調査票の記入を行うものでございます。この調査結果を元に、屋根の破損や外壁の剥落、建物の傾き等に応じて空き家の危険度を点数化していきます。このうち、管理不全空き家または特定空き家の基準に達した建物につきましては、金沢市空き家等管理・活用推進協議会の特定空家専門部会における協議を経て認定する予定でございまして、所有者に対して改善に向けた助言や指導を行ってまいります。またこの調査を通して、保安・衛生・景観・生活環境など、様々な観点から確認した現況を庁内関係部局と共有することで、引き続き危険な空き家の解消に努めていきたいと考えております。

-山下委員

今補正予算には、空き家の管理費に対する助成支援が盛り込まれました。市が発行する空き家パンフレットにも、適切な管理の重要性が示されています。この制度を設けた理由と、どのような目的ですすめられるのか伺います。

-新保建築指導課長

令和5年に行われた住宅土地統計調査の結果によると、本市の空家数は前回の調査より増加に転じており、今後さらに増加が見込まれ、適正な管理が行われない管理不全空き家や、特定空き家の増加も懸念されております。そのため、空き家の所有者に対して点検・除草などを業者に委託する費用の一部を支援し、適正な管理を促す補助制度を今議会にお諮りしているものでございます。また、空き家の管理を通じて売却や賃貸、解体など空き家を今後どうするか、所有者の方に考えていただくことも期待するものでございます。

-山下委員

制度を設けるだけでなく、実際に必要な方に活用してもらうことが重要です。所有者や地域住民に対して、どのような周知や働きかけを行っていくのか伺います。

-新保建築指導課長

周知の方法は、市ホームページやSNSでの発信や町会を通じた班回覧、かがやき発信講座の受講者や福祉関係団体への説明のほか、空き家の相談を受けることの多い空家等管理活用支援法人や不動産業界団体を通じた周知を予定しております。

-山下委員

支援制度が積極的に活用されて、管理不全空き家の予防に繋がることを期待しています。

公共交通について

-山下議員

近年、人口減少や高齢化に加え、運転手不足の深刻化などにより、地域公共交通をとりまく環境は厳しさを増しています。一方で、市民にとって通学や通勤、通院、買い物などの日常的な移動手段を確保することは、行政の重要な責務であり、国においても「交通空白」の解消に向けた取り組みが進められているところです。

そこでふらっとバスについて伺います。ふらっとバスは運行開始以来、市民の身近な移動手段として利用されてきました。当時、どのような課題や市民ニーズがあり、どのような役割を担う交通手段として導入されたのか、改めてお聞かせください。

-高田交通政策課長

本市のまちなかには細街路や坂道が多く、大型の路線バスが通行できない公共交通不便地域が存在していたことから、こうした地域の高齢者をはじめとした市民の移動手段を確保するとともに、中心市街地の活性化を図ることを目的として運行を開始したものでございます。

-山下委員

当時と比べて高齢化は進み、移動に不安を抱える市民は増えています。こうしたなかで、ふらっとバスのような福祉的な役割を担う移動手段を求める声は、市内各地で高まっています。策定を進める第4次交通戦略においても、交通空白の解消や移動困難者への対応を重要な柱として位置づける必要があると考えます。今年度、菊川、材木ルートについては、地域住民とともに今後のあり方を検討していくということです。やはり公共交通の利用と利便性を高めるためには、住民とともに取り組みを進めていくということが重要だと考えます。第4次交通戦略において、こうした市民ニーズをどのように反映していくのか伺います。

-高田交通政策課長

次期金沢交通戦略の策定にあたりましては、分科会を設置いたしまして検討を進めることとしております。委員には交通事業者や観光の関係者のほか、各種市民団体からも参画をいただく予定といたしております。加えて、これまでと同様に戦略策定時にはパブリックコメントの方を実施いたしまして、広く市民の意見を伺いたいというふうに思っております。

-山下委員

各地域によって公共交通の要望というのはかなり差があるというふうに思います。今このふらっとバスの件で、地域にかなり丁寧に入って検討するということがありますから、戦略を立てるうえでもやはりもう少しコンパクトな地域に絞ってニーズを汲み取っていただきたいというふうに思います。

今年度から次期石川中央都市圏地域公共交通計画の策定に着手するとのことです。現計画では、広域的公共交通網の構築に、コミュニティバスの相互乗り入れが位置付けられ、白山市と野々市市では相互乗り入れが継続されています。こうした広域連携の取り組みが進められるなか、地域の生活圏の実態に目を向けると、額・四十万地域では、買い物や通院などで野々市市方面へ移動する市民も多く、地域からは「のっティ」の乗り入れを求める声も寄せられています。現行の運行形態では、周回時間や費用負担などの課題があるとも聞いていますが、生活圏の実態をふまえ、「のっティ」の南部地域への乗り入れについて、野々市市と改めて協議を進めてはどうか、見解を伺います。

-本島都市政策局長

現計画におきましては、石川中央都市圏内をスムーズに移動できる公共交通サービスの実現や、広域的な公共交通網の構築を目指し、4市2町が連携して様々な交通課題の解決に取り組んでいるところでございます。お尋ねの野々市市のコミュニティバスである「のっティ」の本市への乗り入れにつきましては、ルートを延伸した場合、今委員ご指摘の通り、1周当たりの所要時間が長くなることや、利便性の低下に繋がるなど課題も多いと認識しております。次期計画の策定にあたりましては、コミュニティバスを含めた各種交通課題について関係市町と協議していきたいと考えております。

-山下委員

課題が多いのは十分承知をしております。ただ、公共交通は市民の暮らしを支える基盤ですので、ぜひこの知見を結集して取り組むようお願いいたします。

教育プラザ富樫の分離移転整備について

-山下委員

次の質問です。私たち会派はこれまでも、教育プラザ富樫の整備について、市民や利用者への十分な説明や合意がないまま、移転ありきで進めることは重大な問題だと指摘をしてきました。4月に報告された、庁内横断プロジェクトチームによる必要な機能等に係る検討調査結果では、教育プラザ富樫は、学校教育センター、幼児教育センターは三馬小跡地に移転し、こども相談センターは現状のまま活用する分離移転が示されました。まずは、この理由を明らかにしてください。

-佐野企画調整課長

昨年度、教育プラザ富樫の移転を見据えまして、改めて教育プラザ富樫の有する機能や各建物の現状などをより詳細に調査・分類するとともに、それぞれの事務を所管する担当課と意見を交わし検討した結果、児童相談所機能が入る5号館6号館はいずれも建物の建築年次が浅いということから移転せず、現状の建物を活用することが望ましいと結論付けたものであります。

-山下委員

昨年12月議会で教育次長は、再整備事業について「学校教育センター、こども相談センター、幼児教育センターの3つの部署が密接に連携し、新たな研修や相談体制の強化を図ること、施設利用者の目線から利便性を確保することなど、再整備にあたって意見を述べた」と答弁しています。教育プラザ富樫を利用する保護者からは「育児や教育で困ったときの拠り所になっている、子育ての拠点施設として現地で一体的にあり続けてほしい、自然豊かな環境なので気持ちも落ち着く」などの声が寄せられています。分離移転という調査結果は、これまでの教育委員会の意見や利用者の声を踏まえたときに、整合性のあるものと言えますか。見解をうかがいます。

-熊谷教育プラザ総括施設長

昨年度開催されました庁内横断プロジェクトチームにおきまして、不登校や不適応、発達障害への対応に関してあくまでも機能面で学校教育センター、こども相談センター、幼児教育センターの連携が引き続き重要であると、教育委員会としての意見を述べたものでございます。児童相談所機能を残し、他の機能が移転したといたしましても、これまで同様に教育委員会とこども未来局、福祉健康局が連携し、ひとりの子どもの成長を見守るために、合同でのケース会議や症例検討等を行っていくことは重要でありまして、3つのセンターの密接な連携は必要不可欠なことから、昨年12月の答弁との整合性は保たれていると考えております。

-山下委員

教育プラザ富樫は「金沢こども条例」の理念のもと、子どもの育ちを支える拠点として設置された施設です。補正予算には「こども未来拠点施設整備基本構想策定費」が計上され、多世代交流機能を付加した施設整備が示されています。この多世代交流機能とは、どのような考え方に基づき整備されるのか伺います。

-佐野企画調整課長

先程も答弁いたしましたけれども、昨年度の機能検討調査におきまして、教育プラザ富樫で現在行われている活動のうち、子どもの健全な育成を図るための各種団体の活動の場、それから子どもの遊び場としての機能、こちらにつきましては新たな拠点施設においても必要と結論付けたところであります。また、地元からの多世代が集える施設の要望も踏まえまして、これらの機能の複合を見据えながら、新たに子どもからお年寄りまで交流できる多世代交流機能の付加を検討すべきということとしたところであります。詳細につきましては今年度策定いたします基本構想の中で検討していくこととしております。

-山下委員

「金沢こども条例」には、子どもの育成に関わる市の責務が定められています。「市は、策定する施策に市民の意見を十分に反映させるよう努め、市民の理解と協力を得るよう努めなければならない」とあります。しかしこの間の南部地区教育・福祉施設再整備事業において、幅広い市民の意見、とりわけ教育プラザ富樫を利用する市民の意見が、十分に反映されてきたとは言えません。今後、基本構想を策定するにあたり、年間10万人をこえる利用者や市民の意見をどのように反映していくのか、明らかにしてください。あわせて市民・利用者アンケートの実施、公募委員を含めた検討体制を求めますが、見解をうかがいます。

-木谷こども未来局長

基本構想策定に向けた検討懇話会のメンバーとして、保育や教育の分野における有識者や地元関係者に加えまして、施設を利用する子育て支援関係者や学生等の参画も予定しております。幅広い分野からご意見をいただくことといたしております。また教育プラザ富樫では、日頃から不登校支援を行っている「そだち」教室であったり、また子育て広場などの利用者と接する中で様々なご意見をお聞きしておりまして、こうした声についても基本構想の中に反映させてまいります。

-山下委員

ぜひ市民や利用者のアンケートを行っていただきたいと思います。

これまでの議事録を確認すると、地域住民の要望は、旧郵政跡地を活用した、三馬小学校、三馬保育所、三馬公民館の整備でした。しかしその後の議論の中で、教育プラザ富樫が再整備に組み込まれ、市民の声も聞かずに事業が進んでいます。新たな施設をつくるために既存施設を壊すのではなく、その施設の価値を生かしながら機能を高めていくことが求められる時代です。教育プラザ富樫については、分離移転ではなく、現地での再整備に方向転換するよう改めて求めますが、見解をうかがいます。

-本島都市政策局長

教育プラザ富樫の施設全般が老朽化しておりまして、将来的な更新が避けられない中で、不登校や不適応、発達障害な細心の配慮が必要な児童・生徒の通所ケアを行っております。現地で建て替える場合はこれらの児童・生徒が毎日過ごす環境への影響を配慮いたしますと、現地建て替えは困難であると判断し、令和7年2月に策定をいたしました南部地区教育・福祉施設再整備基本構想において三馬小学校移転後の跡地に移転整備することとしたものでございます。今後地元の方はもとより、子育て世代や教育関係者等の意見もお聞きしながら、年度内に新たな施設の基本構想を取りまとめたいと思っておりまして、三馬保育所と教育プラザ富樫の移転とともに、子育て支援や幼保小連携等の機能強化を図りつつ、多世代交流の機能も兼ね備えた拠点施設の整備を目指してまいります。

-山下委員

意見を聞くということはこの間も答弁の中にありましたけれども、本当に利用者は何も聞かれていない状況です。基本構想の中でしっかり聞くように求めます。

生活保護費引き下げ訴訟にかかる追加給付について

-山下委員

最後の質問です。2013年から開始された生活保護費基準引き下げについて、最高裁が違法であると判決を出しました。国は違法に減額された分について追加支給をするということで、本市においても先日の市民福祉常任委員会で報告がありました。なにより重要なのは、対象となるすべての方に確実に給付が届くことです。制度を知らないまま取り残される方が生じないよう、本市としてどのような姿勢で取り組むのか伺います。

-太田福祉健康局次長

生活保護費引き下げ訴訟にかかる追加給付につきましては、生活保護受給中の世帯は今月よりプッシュ型で支給を行い、生活保護廃止済みの世帯は、今後国から示されるスケジュールにより申請受付を行い、支給することとしております。給付対象世帯に確実に支給するためには、広報による幅広い周知が必要であると考えており、本市として国と連携しながら丁寧な情報提供に努め、法定受託者として適切に給付手続きを進めてまいりたいと考えております。

-山下委員

そのうえで、今回は単なる給付事務ではなく、生活保護利用者の権利回復に関わる重要な問題です。生活保護は、憲法が保障する生存権に基づく権利であって、基準引き下げは違法と判断されたわけです。しかし今回の給付は、違法とされた減額分の全額回復には至っていません。市長は今回の国の対応について、生活保護利用者の権利回復がなされていると考えているのか、伺います。

-村山市長

追加給付につきましては国に権限があります。本市は法定受託者として国の決定に基づいて、必要な支給手続きを執行する立場であると考えています。

-山下委員

権利回復がされているのかというふうにお聞きをしています。

追加給付の内容に対して今、全国で審査請求が行われています。石川県の原告も提出しています。しかし審査請求や裁判が続けば、権利回復は一層遅れることになります。長年にわたり苦しい生活を強いられてきた方々の生活再建と権利回復のためにも、市として国に対し全額補償を強く求めるべきではないでしょうか。見解をうかがいます。

-村山市長

今回の追加給付につきましては、原告にのみ追加給付とは別に特別給付金を支給すると国が判断したところであります。国に対し、すべての受給者に全額補償を求めることは考えてはおりません。本市としては、対象の方々へ追加給付が確実に支給されるよう努めてまいります。

-山下委員

人間らしく生きたいという原告の声に対して、ぜひ市としても全額補償を強く求めると答弁してほしかったです。

金沢市議会(2026年6月17日)森尾よしあき市議の質問と答弁

-森尾議員

 私は、日本共産党市議員団の一人として、以下質問いたします。

 最初に、市営住宅の環境改善と老朽化対策についてです。今予算に「市営住宅あり方検討費」が計上されました。金沢市には160棟、3300戸余りの市営住宅があります。老朽化が進み、社会環境の変化の中、今後の整備・管理方針を検討するとしています。

 二つの点について伺います。

 市営住宅の管理戸数についてです。金沢市は、建て替えを通じて戸数の縮減を進め、平成27年4月に3477戸だったものが、令和8年4月には3328戸と11年間で149戸・4.3%縮減しています。必要な住宅戸数を維持する考えが求められますが、今後、市営住宅の管理戸数をどの程度と考えているのか伺います。

-村山市長

 本市の市営住宅につきましては、建物の老朽化による修繕等の維持管理費や、空き住戸が増加している状況であります。こうしたことを受けまして、今後の少子高齢化・人口減少社会を踏まえ、将来の需要を見据えた適正な管理戸数について、国が示す手法を用いて推計を行うとともに、単身高齢世帯の増加や住宅確保要配慮者の状況も考慮し、学識者や福祉関係団体等で構成されるあり方検討会の委員のご意見も伺いながら、検討を行っていきたいと存じます。

-森尾議員

 市営住宅の管理運営について伺います。平成28年3月の「高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会・報告書」の中では、市は指定管理者制度について導入しない。と明記されました。当然、この点は今後も堅持していかなければならないと考えます。市長から良好な市営住宅を金沢市が責任を持って市民に提供していく決意を伺います。

-村山市長

 指定管理者制度につきましては、公営住宅の公共性・非営利性を保つために、入居者の個人情報の厳格な管理が必要であるほか、入居決定、家賃や減免の決定などの公営住宅業務の一部は法令によって指定管理者に移管できないなど解決すべき課題が多いことから、前回のあり方検討におきましては導入しないという結論になりました。一方その後、県営住宅ほか全国の他都市や県内市町でも指定管理者制度の導入が進んでおりますことから、今回改めて他都市の状況を調査したうえで、本市における導入の可能性を検討していくこととしております。

-森尾議員

 市営住宅の環境改善について伺います。今予算の中に、金石新本町住宅における照明器具のLED化が計上され、当初予算には、金石あけぼの住宅における照明器具のLED化予算が計上されています。市内の市営住宅の照明器具のLED化について、現状と今後の方策について明らかにしていただきたいと思います。

-高木都市整備局長

 本市の市営住宅159棟における照明のLED化につきましては、昨年度までにすべての共用部分について整備を終えております。また住戸内については国の補助金を活用して進めているところでありまして、今回補正予算でお諮りする金石新本町住宅を含め、今年度末までに42棟の整備を終える予定でございます。LED照明につきましては、入居者の宅内工事への負担軽減を考慮し、住棟の全面的改善工事や建て替え工事に合わせて整備を行っているところでもありまして、引き続き財源確保に努め、計画的に進めていきたいと考えています。

-森尾議員

 次に、市営住宅におけるエレベーターの設置、浴槽・給湯器設置について、現況の到達と今後の改善方針について伺います。

-高木都市整備局長

 市営住宅159棟のうち、37棟は共用廊下の片側に住戸が並ぶ片廊下型で、うち25棟でエレベーターの利用が可能となっております。一方、残りの122棟は、共用廊下がなく、階段の両側に住戸が配置された階段室型で、エレベーターは設置しておりません。片廊下型、階段室型、いずれの場合もエレベーターや共用廊下を新たに設ける敷地が確保できないことや、住戸の玄関位置を変更する大規模な改造が必要となるなど課題が多く、改修による設置は難しいと考えておりますが、これまでも建て替えに際してはエレベーターを設置してきておりまして、今後も建て替え時に整備を図っていきたいと考えております。

-森尾議員

 市営住宅の浴槽・給湯器の設置は非常に不十分です。早急にすべての市営住宅での浴槽・給湯器設置に向けて取り組んでいただきたいと、強く求めておきたいと思います。

 この質問の最後に、市営住宅の耐震対策について伺います。

 先に示した「高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会・報告書」の中では、耐震化していない住宅が14棟あるとして、安全安心の確保が重要課題という内容となっています。その後、どのような対策が行われたのか、伺います。昭和56年の建築指導法の改正で耐震化が明記されましたが、それ以前の市営住宅は光が丘、額新町、緑、大桑町にあります。対策について伺います。

-高木都市整備局長

 昭和56年以前に建築し、耐震性が不足するとされた市営住宅34棟のうち、20棟につきましては鉄骨ブレースによる耐震補強を行いました。残りの14棟につきましては、建て替えによる耐震化を順次進めてきたところでありまして、令和7年度末時点で耐震化されていない市営住宅は4棟残っておりますが、引き続き計画的に建て替え等による耐震化を図ってまいります。

-森尾議員

 緑には、高層の住宅があります。耐震診断は30年前のものです。能登半島地震を経験したことから、最新の耐震診断が必要だと考えます。その実施について、見解を伺います。

-高木都市整備局長

 平成25年11月に施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に際しまして、国土交通省は、過去に実施した耐震診断の有効性を認めております。加えまして、建物の適切な維持管理として計画的な外壁改修工事や、防水改良工事を実施することで、コンクリートの劣化を防止し、構造耐力の維持に努めておりますことから、耐用年数までは躯体の健全性が維持されるものと認識しておりまして、耐震診断を行う必要はないととらえております。

-森尾議員

 市長に見解を伺っておきたいと思います。今指摘したように、緑H棟は昭和49年に建築されたもので、昭和56年に打ち出された耐震基準以前に建てられたものです。平成8年の耐震診断が行われました。別に有効性を否定したいわけじゃないんです。あれから30年が経過しているんです。その間に建物の劣化が進んでいます。能登半島地震を経験しています。 30年前の耐震診断はH棟1棟を抽出して行われたものです。住民からは、地震が発生した場合、この建物は大丈夫なのかと不安の声が出されているんです。私はしっかりこれに市は応えなきゃいけないと思います。市長からの見解を求めておきたいと思います。

-村山市長

 ただ今、都市整備局長が答弁したとおりであります。

-森尾議員

 では市長は、市のこの住宅が安心安全だと、住民にしっかり述べられるんですか。伺います。

-村山市長

 局長の答弁を繰り返しますけれども、基本的には耐用年数までコンクリート強度は設計基準強度以下になることは考えにくいということです。コンクリートの劣化を防止するために計画的な外壁改修工事等の建物の適正な維持管理を行っているということで、耐用年数までは構造耐力が維持されるものと認識しておりまして、耐震性は保たれていると考えております。

-森尾議員

 市長、私はちょっと調べてみたんです。これまでの耐震診断は、一般的外形等の状況を見たうえで対応すると。しかし最近の耐震診断は、建物の構造物を抽出して診断を行うという手法に大きく変わっているんです。より精度を増した耐震診断が行われていると、私は認識しました。住民の不安にしっかり応えるように求めておきたいというふうに思っています。

 質問の第2に、環境エネルギーセンター再整備について伺います。

 現在、西部と東部の2ヵ所にある環境エネルギーセンターによって市内のごみ焼却処理が行われています。これを西部1ヵ所体制とし、新しい施設を建設するという方向を打ち出しました。これは、どのような検討によるものなのか。市長からの説明を求めたいと思います。

-村山市長

 これまでごみ処理基本計画に基づいて、本市のごみ量の推移やごみ質の変化に加えて、近年全国で建設された焼却施設の現状や最新のごみ処理技術の動向等を調査しまして、今後の適正で効率的なごみ処理体制の確保のためには、環境エネルギーセンターの再整備について、このごみ処理体制の構築のために検討を行ってまいりました。その中で、廃棄物処理技術に関する有識者からなる検討会で議論を重ねまして、ごみ量が大幅に減少していること、ごみ処理技術が進歩していることなどを踏まえ、ごみ処理規模に大きな差がある2施設での処理体制によると安定的なごみ処理が困難であるということから、将来的に現在の2施設を集約し、新たな施設を整備することが最適な手法と判断したところであります。

-森尾議員

 今年4月28日、経済環境常任委員会に提出された資料によると「将来を見据えた環境エネルギーセンターの再整備について、これまで廃棄物処理技術に関する学識経験者等のご意見をいただきながら検討」との報告が行われました。いつ、どのような会合でどんな検討がされたのか伺います。

-川端環境局長

 令和6年度から廃棄物処理技術や廃棄物行政について高い専門性を有する学識経験者などで構成する検討会を5回に渡り開催してまいりました。検討会では、環境エネルギーセンターの現状と課題等を踏まえ、今後も安全かつ安定にごみを処理できる施設とすることを最優先に、処理体制や処理方式、建設候補地について検討してまいりました。

-森尾議員

 市長、これは内部の検討会なんですよ。一切内容は知らされておりません。我々も報告を聞いておりません。そこで、8年前、家庭ごみの指定ごみ袋収集制度が導入された際に、金沢市は市民にどんな説明をされたのか。ごみの量を減らし、東部環境エネルギーセンターの施設を新しくする際に規模を小さくできると。だから今からごみの量を減らす取り組みをしないと間に合わない。こう言って、家庭ごみの指定ごみ袋収集制度を導入したんですよ、市民に、我々にも。一体、この説明は何だったのでしょう。市長、説明を求めます。

-村山市長

 8年前の家庭ごみの指定ごみ袋収集制度を導入した当時、東部環境エネルギーセンターの建て替えにつきましては、指定ごみ袋収集制度の導入以降、ごみ量の推移等を十分に見極めたうえで、必要となる施設の規模等を決定するということとしておりました。現在の燃やすごみの量は、市民のごみ減量意識が向上し、制度導入時見込んでいた平均削減率14%を大きく上回る26%と大幅な削減効果が表れてきております。施設規模はかなり縮小できることとなりましたが、現状の2施設での処理体制では処理規模に大きな差が生じるため、安定的なごみ処理を行うには施設の集約化が最適であると判断いたしました。

-森尾議員

 今度は東部環境エネルギーセンターの延命化を打ち出しました。47億8800万円を投じて、令和7年度から10年度の4年間をかけて三度目の基幹的改良を行っています。50年間の延命だと、あと15年間この施設を維持したいと、こう言ってきたんです。3回に及ぶ基幹的改良に投じた費用は、85億3000万円です。今回、東部環境エネルギーセンターを廃止し、西部1ヵ所体制で新しい施設を建設すると、今度はこういう方針を打ち出したんです。市の方針転換というのは一体どうなっているんですか。説明を求めたいと思います。

-村山市長

 燃やすごみ量が大幅に減少したことに伴って、東部環境エネルギーセンターの焼却炉の運転負荷が軽減されましたため、今ある施設を少しでも長く大切に使ったうえで再整備を検討することは、将来世代の負担軽減につながるものでありますことから、延命化の方針を決定したところであります。新たな環境エネルギーセンターの整備にも基本構想環境影響評価などに10年以上の相当の期間を要します。新たな施設が稼働するまでの間も、東部環境エネルギーセンターが安定的に稼働するためには延命化は必要でありまして、整合性は取れていると考えています。

-森尾議員

 ごみの減量化に取り組み、東部環境エネルギーセンターのリニューアルにおいては規模の縮小に取り組むと、こう打ち出したんです、8年前。次にこの東部環境エネルギーセンターの延命化方針を打ち出したんです。そして今度は、東部環境エネルギーセンターを廃止して、西部1か所に新しい施設建設を打ち出しました。市長。議会での議論も行われてきませんでした。もちろん、市民への内容の説明も合意もありません。重要な施設である環境エネルギーセンターの再整備について、一体今後どう取り組んでいかれるのか伺います。

-村山市長

 先般、廃棄物処理技術に関する有識者のご意見をいただきながら、将来のごみ量に応じた処理体制や処理方式等について本市が検討した再整備の方向性をお示しさせていただきました。今後は新たな施設の建設候補地周辺地域のみなさまへ丁寧に説明するとともに、新たな施設の整備方針や熱利用のあり方、整備スケジュールなどを盛り込んだ基本構想を策定することとしております。議会への報告のほか、学識経験者や町会・婦人会・関係団体等の代表者で構成される金沢市廃棄物総合対策審議会における議論、またパブリックコメントの実施など、広くご意見をお聞きしながら、環境エネルギーセンターの再整備に取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 質問の第3に、浅野町公民館・児童館の移転整備について伺います。

 地元では、この移転整備事業をめぐって苦悩と不安が拭い去れません。当初計画段階では地元が用意した負担額は9300万円でした。ところが、建設段階を迎えるとその額は1.8倍に跳ね上がり、1億6700万円準備しなければならなくなりました。公費負担額が75%から80%となったにも関わらず、物価高騰、資材費の値上がりによる建設事業費が跳ね上がったためです。そのため、建物の規模を当初から約7割にまで縮小せざるを得ませんでした。それでも地元が準備しなければならない額は、9600万円にのぼり、300万円を追加して準備しなければなりません。市長。「地元からの要望」ということで済まされるのですか。見解を伺います。

-村山市長

 昨年の秋、ご地元からの建設要望をお受けいたしました。その後、地元建設期成同盟会の方々と協議検討を重ねた結果、地元負担の見込み額を含めた建設概要に同意をいただきまして、今補正予算の計上に至ったものであります。建築資材の高騰など、昨今の社会経済情勢を受けまして、地元関係者が不安を抱かれることも理解はしております。これから実施設計を進めることとなりますけれども、引き続き丁寧な協議を続けながら、事業を進めていきたいと考えています。

-森尾議員

 イラン戦争に起因する物価高騰、資材費用の値上がりなどによる建設事業費が増額しました。これは、金沢市が全額を負担し、責任を果たすべきじゃないでしょうか。市長の見解を伺います。

-村山市長

 現時点での資材価格等を元に積算した概算額に基づいて、地元の同意をいただき、今補正予算に実施設計費を計上した次第であります。

-森尾議員

 浅野町公民館も浅野町児童館も金沢市立の施設なんです。したがって、その移転整備について金沢市が責任を持って進める事業です。地元は苦悩し不安がつきません。建設事業費がさらに引きあがった場合どうなるのか。地元が準備する金額が300万円の追加にとどまらないのではないか、そうなったらどうするのか。さらに建物の規模を縮小しなければならなくなるのかなど、深刻な事態に直面しています。市長。「地域が一定の負担をしてでも公民館を建ててほしいということから始まった金沢方式によるもの」との説明で市の責任を免れることはできません。少なくとも、物価高騰、資材費用の値上がりなどによる建設事業費の増額は、金沢市が全額を負担し、責任を果たすべきではないかと考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

 建設事業費が未確定の現段階で、今後の物価高騰等による増額分を想定するということは難しいですが、本事業を進めていくにあたっては建築資材等の物価高騰など、社会経済の変化について注視していく必要があるというように思っております。引き続き、地域の方々と協議を行っていきたいと思います。

-森尾議員

 社会教育法第21条は「公民館は市町村が設置する」と明記されています。この法律に基づいて行政を進めていく責任が市長にあると思います。振り返ってみると、金沢市は公設公営で新たに8ヵ所の公民館建設を打ち出し、野町公民館だけを建設しただけでこの方針を中止しました。これに代わって、地区公民館の建設に当たって公費負担を導入しました。最初は約5割でしたが、毎年公費負担を増額し、9年後には75%まで改善しました。ところが、その後48年間増額が行われてきませんでした。仮に、同じテンポで増額が進めたならば、すでに20年前には公費負担100%が実現されていたはずです。社会教育法に基づき公費負担100%実現を早期に行い、行政としての責任を果たされる決断が必要だと考えます。市長の見解を伺います。

-村山市長

 本市の地区公民館は、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館がほしいという地域住民の強い要望を受けて設置してまいりました。地域主導、ボランティア、地域による一定の負担といった、金沢の地域コミュニティの特徴と一体となって、地域の自主性や連帯意識の醸成に大きな役割を果たしてきた公民館の設置運営方式、これを本市のまちづくりの文化として継承していくことも行政の責任であると考えております。

-森尾議員

 令和7年11月、市長に提出された「金沢方式あり方懇話会・報告書」の中で、地元負担軽減について次のように述べています。「約40年以上前から大きな変化がない」と指摘し、「過去20年と比較し多額の地元負担が発生する見込みであることから、地元負担を軽減することが必要である」と、こう述べています。市長、昨年公費負担を80%にしました。これをもって金沢市の責任は果たされたという見解ですか。公費負担100%、地元負担ゼロに向けて、その方針を示してこそ、先の指摘を実施したことになるのではありませんか。市長の見解を伺います。

-村山市長

 今ほど申し上げたとおり、地元が費用の一部を負担してでも各地区に設置を望む地域住民の要望を受けて地区公民館を設置した、このことによって現在金沢市では、61の地区公民館が身近なコミュニティ活動の拠点として運営をされております。一方で、地域コミュニティを取り巻く環境の変化を踏まえて、昨年度47年ぶりに施設整備や運営にかかる地元負担の見直しを行ったというところであります。今後もさらなる社会環境の変化等に対応するため、地域の声をお聞きしながら、持続可能なコミュニティを支える基盤の強化に向けて、議論検討を続けていきたいと考えています。

-森尾議員

 物価高騰など社会的な状況が大きな負担を強いることになっています。この事実と現状をしっかり見据えたうえで、市長、これから新たな負担を地元には負わせないように、市として万全の対策をとっていくと約束できませんか。伺います。

-村山市長

 中東情勢に伴う物価高騰について、これは市の方の責務であるということにはならないというように思っています。ただ社会経済情勢を踏まえて対応を考えていくということは、必要なことというように理解しております。補助基準額あるいはその見直しといったところは、鋭意進めていかなければならないというように思っております。

-森尾議員

 沖縄辺野古沖での小型船転覆事故をめぐる文部科学省の見解と平和教育について伺います。今回の事故によって、研修旅行中の高校生と船長がなくなり、高校生たちがけがをされるという重大事故となりました。ご遺族をはじめ関係者の皆様に心から哀悼の意を表し質問いたします。

 今回の事故を受け、去る5月22日、文部科学省は研修旅行の学習内容が教育基本法第14条2項に反するとして学校側を指導しました。教育基本法が禁じているのは、特定政党を支持、または反対するための政治教育や政治的活動であり、極めて限定されるものです。学校で政治教育を行ってはならないというものではありません。この点での教育委員会の見解を伺います。

-野口教育長

 沖縄県辺野古沖での事案に対して、今回国として初めて教育基本法第14条第2項違反との見解を示したことにつきましては、教育行政に携わる者としてこれを真摯に受け止めたいと思っております。なぜ真摯に受け止めたいということに至ったのかということを自分なりに整理してみましたけれども、私事で恐縮ですが、私はこの3月末で教育という仕事に携わって50年という節目を迎えました。この間でありますけれども、教育基本法違反というこうしたものに接したことはなく、今回の事案を教訓にして、同じ悲劇が繰り返されることのないように、安全管理、安全確保の取り組みを徹底することの大切さや、教育基本法、学校指導要領の関係法令に則り、平和に関する学習を行うことの重要性を、教育行政に携わるものとして改めて強く認識したかたちでございます。今お触れになられました、教育基本法第14条第2項の規定につきましては、それをもって政治教育を禁止しているのではないと私も認識しております。

-森尾議員

 教育基本法は、戦前の教育が軍国主義のもとで戦争へ子どもたちを送り出していったことへの深い反省のもとで、自主的で自由闊達な主権者を育てることを目的に制度化されたものです。したがって、現在の教育基本法第1条では「平和で民主的な国家及び社会の形成者として育成する」ことを明記しています。教育長は、教育基本法に基づく教育の目的についてどのような見解か伺います。

-野口教育長

 教育基本法第1条には「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と記されています。この第1条が示しております人格の完成、また平和で民主的な国家および社会の形成者として必要な資質の育成、心身ともに健康な国民の育成といった教育の目的は、私は戦後教育の原点であると考えておりまして、この考えにつきましては今も全く変わっておりません。

-森尾議員

 そこで、教育内容に対する行政の介入について伺います。歴史を紐解くと、1976年最高裁学力テスト判決では「教育内容に対する国家的介入はできるだけ抑制的であることが要請される」という判決内容が下されました。2006年5月26日、衆議院教育基本法特別委員会において、当時の小坂文部科学大臣は次のように述べています。「私は教育内容に対し国家的な介入については、政党政治ということでありますから、これは抑制的であるべきだというふうに思っております」こう答弁しています。教育基本法第16条は「教育は不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と明記しています。教育長は、教育行政にあたって、この点についてどのような見解をもっておられますか。

-野口教育長

 私は、教育の中立性や独立性を定めた教育基本法はもとより、日本国憲法や学校教育法等を遵守し、国や県ならびに市町との適切な役割分担および相互の協力のもとで、地方教育行政の組織および運営に関する法律に則り、公正かつ適正に教育行政を進めてまいりましたし、これからも進めてまいります。

-森尾議員

 そこで、金沢市の平和教育について伺います。8月6日と9日ヒロシマ・ナガサキ原爆投下の日です。8月15日終戦の日です。この日の取り組みを含め、金沢市での平和教育の取り組みについて現状を伺います。

-野口教育長

 私は毎年4月の定例校長会議におきまして、広島や長崎に原爆が投下された日や、終戦を迎えた日、東京や富山に大空襲が行われた日などの節目をきっかけとして、平和や命の尊さについて学ぶ機会を確実に設けるように求めております。各学校におきましては、教科等の学習や学校行事など教育活動全般において、国際社会の平和と発展に貢献する態度が身に付くよう、平和教育を行っております。

-森尾議員

 文部科学省の松本洋平大臣は、去る5月22日記者会見の中で、全国の学校を対象に近く校外活動の安全確保や教育活動の状況についてフォローアップ調査を実施する考えを示しました。元文部科学省事務次官の前川喜平氏は、「文部科学省が個別の学校の、個別の教育活動に直接指導するのは越権行為だ」と指摘をされています。「教育権の独立」は戦後民主教育にとって大切だと、こう述べています。先に紹介したように、文部科学省は教育内容に対し国家的な介入は抑制的であるべきだとの見解を示しています。今回の調査に対し、教育委員会はどのように対応されるか伺います。

-安宅教育委員会事務局長

 現時点では、そのような調査にかかる通知は本市の方に届いておらず、内容についても承知しておりませんが、通知が届き次第、適切に対応してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 憲法と教育基本法が掲げる「平和主義」に基づき、教育の実践が行われるよう期待を述べて、質問を終わります。

戦争できる国づくりについて

平和都市宣言と現状についての市長の見解

-広田議員

私は、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問いたします。

 はじめに戦争できる国づくりについてです。アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃から3ヶ月以上が経ちました。ホルムズ海峡が事実上封鎖状態に陥るなど、世界経済と国民生活に深刻な影響を及ぼしてきました。昨日、戦闘終結に向けた「覚書」について合意されたと報道があったところですが、戦争がいかに人々の命やくらしを犠牲にするかはあきらかです。

 ところが、高市政権はアメリカに追随し「戦争できる国づくり」に突き進むような動きを加速させています。防衛費は5年間で43兆円を予定し、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルを各地に配備、4月には閣議決定で殺傷・破壊能力を持つ武器輸出を全面解禁しました。非核三原則については「持ち込ませず」の廃棄を狙っています。5月末には国家情報会議の設置法が可決。9条をはじめとした憲法の「改正」に対しても高市首相は来年の党大会までに取りまとめる意向を示しています。

 一方で、憲法の前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意する」とあります。今、政府がしようとしていることは、再び日本が戦争の惨禍へ近づくよう陥れる行為ではないでしょうか。

 その不安や懸念から全国各地、金沢でもスタンディングやデモなどで「戦争反対」「憲法守れ」と連日のように声があがっています。「戦争できる国づくり」ではなく、日本が戦争による惨禍に見舞われることが二度とないよう、外交努力と平和憲法を守り活かすことこそが必要です。世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶を求める平和都市宣言をかかげる金沢市の市長として見解を伺います。

-村山市長

 核兵器の廃絶と世界の恒久平和は、人類すべての願いであり、憲法で平和主義を掲げる我が国としても世界の平和に貢献していく必要があると考えています。また本市では平和都市宣言において、本市固有の歴史・文化を発信し、世界の人々と友好関係を高める中で、恒久平和に貢献していくということを宣言しており、世界の恒久平和の実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと思っています。

公務員における予備自衛官等への任用拡大について

-広田議員

 一方で、自衛官の定員割れが続き、予備自衛官も含めて充足率が不足する中「予備自衛官等兼業特例法」が6/9の参議院で可決されました。この法律は予備自衛官を兼業する公務員が自衛隊の招集に応じる際、招集の都度の任命権者からの許可を不要とし、職務専念義務も免除するものです。憲法が規定する公務の上に予備自衛官としての任務を置き、国家に事実上自治体を従わせるものです。公務現場の混乱、公共サービス低下を招く恐れもあります。この法案は全国知事会や市町村長会とも協議せず、提出されたそうですが、市長は問題をどう認識していますか。 

-村山市長

 予備自衛官等兼業特例法は、国会での十分な議論を踏まえ、過日成立したものと認識しております。なお、予備自衛官の兼業の承認は、任命権者が行うことから、本人の意思を尊重しつつ自治体業務への支障をきたさぬよう、法律の規定に沿った適正な運用が必要と考えております。

18歳になる市民の個人情報の自衛隊への提供について

-広田議員

 さらに金沢市は、2019年から18歳になる市民の個人情報を自衛隊に電子データで提供しています。この名簿提供に基づき、毎年本人あてにダイレクトメールが送られています。今年度分は4130名ものデータがすでに提供され、7月に自衛隊石川地方協力本部からはがきなどが届く予定です。昨年度届いた複数の保護者からご連絡をいただきました。「なぜ子どもの情報が自衛隊にもれているのか」「議事録を見たら金沢市が情報提供していると知った。やめさせてほしい」「今こんな時だから送られてくるのか?不安を感じる」などです。金沢市のほうにも問い合わせがあると聞いています。

 市長、これまでも議論を重ねてきましたが、このデータ提供はあくまで協力の範囲内であって法的義務はありません。改めて行わないように求めますがいかがですか。

-村山市長

 自衛官の募集につきましては、これまでも議会で説明してきたとおり、自衛隊法や個人情報保護法等の法令に基づき、適正にデータ提供を行っているものであり、今後もその考えに変わりはありません。

-広田議員

さらに、ホームページ上で周知を行っている自治体や、そのうえで除外規定を設けているところもあります。私の調査結果では、中核市ではおよそ62%がホームページで周知、50%が除外規定を設けています。少なくとも早急に、ホームページでの周知と除外規定の創設を行うべきですがいかがですか。

-村山市長

 情報提供を希望しない方からの除外申請につきましては、制度化している市が一定数あることは承知しており、こうした状況も踏まえて検討していきたいと考えています。

未来共創計画と今補正予算案について

未来共創計画への市民評価について

-広田議員

 つぎに未来共創計画と今補正予算案について伺います。

 3月8日に投開票が行われた金沢市長選挙において村山市長は2期目の当選を果たされました。およそ45万人の金沢市民だれもが安心してくらせる金沢市にするため取り組んでいただきたいと思います。しかしながら、1期目の前進期についての市民評価はきびしいものです。未来共創計画の市民意識指標では、市が進めている施策の目的について「そう感じる」「ある程度感じる」と答えた方の割合が、31項目のうち2割しか2023年度比では上昇していないのです。市は「取組の効果が市民の意識や行動に十分に浸透していない」と分析していますが、市民が市の施策を評価していない結果であると真摯に受け止めるべきです。しかも、基礎自治体の基本である市民のいのちやくらし、子育て、教育にかかわる項目についてはほぼ50%を切っています。市長は市民の評価をどのように受け止めますか。

-村山市長

 未来共創計画につきましては、前進期が2年という限られた期間であるとはいえ、施策の進捗度を図る施策指標の約7割が上昇した一方で、アンケートによる市民意識指標は約2割の上昇にとどまったことから、取り組みの効果が市民の意識や行動に十分浸透していないと評価したものであります。充実期を迎え、こうした課題への対応を強化し、施策をより一層充実していかなければならないと認識を新たにしたところであります。計画に定める施策の追加・拡充を図るとともに、丁寧かつ戦略的な広報にも取り組みながら、引き続き目標の達成を目指してまいります。

中東情勢の影響や物価高騰への対応について

-広田議員

 こうした市民の評価を受け、市民のくらしの大変さや願いに答える予算編成となっているでしょうか。今回の予算は選挙前2月の義務的経費を中心とした当初予算に対し、政策的経費を肉付けする形の予算です。一般会計でおよそ46億円ですが、都心軸の開発等には7億3千万円など多くの予算をさく一方で、物価高騰や中東情勢の影響であえぐ市民や中小業者への予算は不十分です。

 中東情勢の影響に関しては、国から交付された臨時交付金およそ1億5千万円に予備費を加え2億5千万円分の支援を行う追加提案がありました。しかしその中身は従来の枠にとどまっています。私がお聴きした限り、市内各分野で影響が出始めています。断熱材やベニヤ板、バストイレ用品、防水資材、包装資材などが手に入りにくい。仕事ができず雇用への影響も出始めているとのお声もあります。医療機関では手袋やエプロン、マスクが値上がりしているという話です。

 市民のくらしの厳しさや中東情勢の影響を市長はどのように認識していますか。また、金沢市は中東情勢に関して実態調査や中小企業の相談窓口の設置を行っています。市内が今どのような状況なのかあきらかにしてください。

-村山市長

 中東情勢の緊迫化を受けまして、エネルギー価格や石油由来の原材料費等の高騰が市民生活や企業活動に及ぼす影響について、関係部署による情報収集を図るとともに、商工会議所などの関係機関からの意見聴取を通じて、地域経済の現状把握に努めてまいりました。その結果、幅広い業種で原材料の調達コストが上昇しているほか、塗料など材料によっては調達が困難となっている状況から、今後の見通しへの不安が高まっており、地域経済や市民生活に影響を及ぼしている実態が確認されましたことから、今回、中小企業の資金繰り支援や低所得世帯への給付も含んだ物価高騰対策にかかる予算をお諮りした次第であります。

-広田議員

 政府は資材不足に対して「目詰まり解消」と言うだけで、具体的な対策が乏しいのも問題です。国の補正予算は、電気・ガス料金支援だけの中身ですが、本来は中小企業を倒産させない、労働者を守るために、休業補償、光熱費や家賃など固定費への補助、税・社会保険料の支払い猶予措置などの具体化が必要です。金沢市としてもさらなる対策を求めますし、国へも対策の強化を求めて声をあげるべきですがいかがでしょうか。

-村山市長

 国の補正予算に関して、これまで国の物価高騰対策に積極的に呼応してきたところであります。今後も中東情勢や物価の推移、国の動向等を注視しつつ、地域経済の活性化と市民生活の安定に向け、時勢をとらえた効果的な対策を講じてまいります。また、先般の全国市長会におきまして、国際的な緊張緩和に向けて外交面を含めあらゆる努力を傾注することや、石油関係製品の安定供給の確保、物価高騰対策の強化を国に求める決議を採択したところであり、引き続き状況を見極めながら全国市長会等を通じて国に働き掛けてまいりたいと存じます。

有料ごみ袋の価格設定や今後の対策について

-広田議員

 次に、本市の有料ごみ袋については中東情勢の影響で製造委託料が1億4千万円の追加補正となり、当初予算で年間分1億2千万円のところ2億6千万円と跳ね上がることになります。一部で販売価格もあがるのではないかと不安の声もありますが、そもそも有料ごみ袋の値段は開始当初、市民への動機づけとして1㍑1円で設定されたものであり、市場価格よりも高い値段で販売をしてきましたし、製造単価があがった今でも同じです。こうした制度趣旨からすれば、値上げはできないはずなのです。お考えをあきらかにしてください。

-村山市長

 指定ごみ袋製造販売費につきましては、中東情勢の影響によりナフサ等の原材料費が高騰し、ごみ袋の製造費用が上昇したことから、必要な経費についての予算を追加補正したものであります。指定ごみ袋の販売価格については、市民の過度な負担とならず、ごみの減量効果が見込まれ、かつ周辺自治体とのバランスを総合的に勘案して設定したものでありまして、値上げは考えてはおりません。

-広田議員

 また、今後仮にごみ袋の製造がストップまたは店舗の在庫の偏在などで、市民が有料ごみ袋を容易に入手できない場合の対策についても伺います。

-村山市長

 多くの市民が指定ごみ袋を購入できない事態となれば、他自治体と同様に臨時的な措置を講じなければならなくなりますが、現時点におきまして本市では指定ごみ袋の製造供給体制が整っており、十分な在庫量を確保しております。ただし、指定ごみ袋の過度な買いだめが続くと、一時的に販売店の在庫が不足し、必要な方に行き渡らなくなることが懸念されるため、現在ホームページや公式LINEなどで市民に対し「必要な量を購入する」よう呼び掛けているところであります。引き続き、指定ごみ袋の安定的な供給に努めてまいりたいと存じます。

子どもの医療費助成について

-広田議員

 一方、肉付け予算の中で、子どもの医療費助成について改善が図られました。しかし対象年齢は18歳まで拡大したものの、窓口での一部自己負担についてはそのままとしています。

 市長。市長は公約で「高校生までの医療費(通院含む)を原則無償化」としていたではありませんか。公約違反ではないですか。認識を伺います。

-村山市長

 子育て支援医療助成費につきましては、まちの未来を担う次世代への投資として、安心して子育てできる環境を整えたいとの思いから、子育て世帯のさらなる負担軽減のため、公約に「高校生まで、通院を含む医療費を原則無償化する」ことを掲げました。現在、入院にかかる医療費は高校生まで無償化しており、今回通院について月1,000円の一部負担は継続しながらも、助成対象を高校生まで引き上げることで、入院通院あわせ子どもの医療費を原則無償化したものであり、公約違反という指摘は当たらないと考えています。

 私が市長に就任して以降、保育料の第2子無償化や児童クラブ利用料の支援拡充に加え、保育所・児童館等での情操教育の推進に取り組むとともに、子どもの貧困解消に向け、金沢版子ども宅食の本格実施や、ひとり親家庭等の子どもの大学受験料を助成するなど、子ども子育て施策の強化になし得る限りを尽くしてきており、教育環境の整備やスポーツ文化に親しむ機会の創出も含め、本市の子育て環境は県内でみても充実していると思っています。

-広田議員

 しかも報道では一部負担を残した理由を「適正な受診を促すため」としています。「適正な受診」とは一体なんなのでしょうか。医師が診察しなければなにもわからないのではないかと考えますがいかがです。自己負担は経済的に困窮する家庭の受診抑制になると同時に、市長が「適正な受診を」と過度に呼びかけることは、保護者にとって受診のためらいにつながります。子どもの命を守るための制度です。自己負担をなくすよう求めると同時に「適正な受診」のご発言についての真意を伺います。

-村山市長

 経済的に困窮するご家庭に対してはまず、一定の所得未満のひとり親家庭など、特に配慮が必要な世帯には無償化をすでに行っております。今回の自己負担の存続をもって経済的に困窮する家庭で受診抑制が起こるとは考えておりません。子どもは急激に体調が悪化することがありますため、重症化を防ぐためにも早期の受診が必要であります。一方で、医療費を完全に無償化すると、市販薬の購入に代えて医療機関を受診するなど、医療機関への負担が増大し、急を要する重症患者への対応が遅れる恐れがあることも想定されます。医療資源は限られておりますことから、救急医療体制も含めた円滑な医療体制を維持するためには、患者が適切に医療を利用することが不可欠であり、一定の自己負担を残すことで救急医療と地域医療の確保につなげたいと考え、「適正な受診」と発言したものであります。

-広田議員

 そして、あとどれほどの財源で窓口を完全無料にすることができるのか伺います。

-山口福祉健康局長 

 窓口での負担を無料化した際の費用につきまして、通年ベースではございますが、およそ2億8千万円と見込んでおります。

中学校の給食無償化について

-広田議員

「中学校給食の無償化」については2月議会で「2027年度の実施を念頭に検討する」と答弁がありました。今予算にはなにも計上はありませんが、実施に向けて進めているのでしょうか、伺います。

-村山市長

 学校給食費の無償化については、義務教育の観点から、かねてより国が全国一律で実施すべきことだと申し上げてきましたが、本年度の国の給食費負担軽減交付金が交付されることから、この4月から小学校の給食費を無償化したところであります。一方で、保護者の経済的負担が中学校へ進学するにつれ相対的に大きくなると認識しており、中学校給食の無償化の早期の実施が必要と考えています。実施時期につきましては、今年度無償化の対象となった小学生が中学校に進学する令和9年度がひとつの目途ではないかと捉えており、引き続き検討を進めるとともに、国に対しても中学校給食の無償化について求めていきたいと存じます。

都心軸の再整備と持続可能なまちづくりについて

都心軸の再整備について

-広田議員

次に都心軸の再整備と持続可能なまちづくりについて伺います。

 市長は、都心軸の再整備を行うにあたり「かつてのようなにぎわいと活力あふれる都心軸を目指す」としています。しかし3月に市が主催した「今、まちなかの求心力を高めるためには」というシンポジウムに私も参加しましたが、結局なんのためになにをしたいのかがよくわからず、とにかく日銀跡地の開発をにぎわいのきっかけにしたいというまとめで終わった印象です。参加者からも「まちなかは観光客で充分賑わっているではないか。市はなにがしたいのか」といったご意見も出されました。また、車社会の推進や郊外の大型店舗を進出させる規制緩和を進め、まちなかから市民をいなくさせたのは国や行政自身です。

 まずは、市民がまちなかに来なくなった要員をどう分析しているのか。そして都心軸のみに、民間の開発を呼び込むため、規制緩和や税金の優遇、たくさんの補助金などの税金投入をして進めようとしていますが、市民がまちなかに来てほしいという理由だけでは説得力はありません。市民全体の福祉向上にとってどのような効果があるとお考えかあきらかにしてください。

-村山市長

 都心軸の再整備につきましては、都心軸は都市の発展を支える背骨として、買い物や食事を楽しむ空間として賑わっておりましたが、大型商業施設の郊外進出や電子商取引の拡大とともに、コロナ禍を経験した人々の価値観や行動様式が変化する中で、かつての賑わいが薄れつつあると感じています。また都心軸は、商業・宿泊・業務・居住など、多様な都市機能が集積する本市経済の中心地でありますことから、このエリアの価値向上を通じて、まちの将来に欠かせない投資となる発展基盤を整備していくことが、都市の魅力を高め、地域の活性化や雇用の創出にもつながり、ひいては市民生活の向上に寄与するものととらえています。

都ホテル跡地について

-広田議員

 都ホテル跡地について市長は、選挙公約で「都ホテル跡地の民間再開発に石川県と連携して文化発信拠点を設置する」としました。すでに報道などで示されている計画は、地上160m級の高層ビルに高級ホテルと富裕層向けのマンション、そして公共施設が入るというものです。この公共施設が、市長の公約である「文化発信拠点」にあたるのですか。現在この計画は事前協議中とのことですが、隠さず計画をあきらかにしてください。

-村山市長

 金沢都ホテル跡地は、緊急整備地域における金沢駅周辺区域に位置し、地域整備方針の中には開発に必要な機能として、文化芸術活動や創造的な活動を生み出す交流機能の充実、質の高い文化芸術に触れる機会の充実、本物の魅力の創造発信による文化観光の推進、などを求めており、文化都市金沢にふさわしい複合ビルの開発を期待し、公約の中で文化発信拠点の設置を掲げたものであります。現在所有者である近鉄不動産に対し、双方の実務者レベルでの協議を行っている段階であり、現時点で計画をお示しすることはできませんが、地域整備方針に沿った早期の開発を求めているところであります。

-広田議員

 これまで高さ規制60mを除外することへの反対や疑問の声が市民からも寄せられてきました。金沢市では昭和43年に全国初となる景観条例を制定しこのように書かれています。「本市の個性と魅力を磨き高め、後代に継承することを目的とする」。そのうえで平成17年には都市計画法による高さ規制をかけ、収益を最大化しようとする開発から金沢市の都市環境を守ってきました。最終決定は石川県ですので山野県知事ということになりますが、歴代市長から受け継いできたルールを前市長と現市長でなし崩しにしてしまうのでしょうか。山野知事は選挙中には高さ規制の除外について疑問をお持ちのように語られていました。村山市長は選挙アンケートで尊敬する人は山出元市長だと書かれています。市民、県民をあざむくことなく県知事と連携して、これまで受け継いできたまちづくりを継承するため、守るべきものは守るよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 どうしてもビルの高さが話題になりますが、従前から申し上げているとおり、何より大切なことは開発の中身であります。その方向性は山野知事とも共有しております。石川県が都市再生特別地区の決定権者でありますことから、これまで以上に県との情報共有を密にしながら、県と金沢の玄関口に相応しい開発となるよう、近鉄不動産との協議を加速させていきたいと存じます。

-広田議員

 わが会派は160m級の官民複合ビルの建設は中止するよう求めます。

日本銀行金沢支店跡地について

-広田議員

 日本銀行金沢支店跡地については、21世紀美術館仮移転中の暫定利用のため、およそ8億円かけて改修を現在進めています。あれだけ大騒ぎした地下金庫室に、結局一般の方は入れないなど矛盾もあきらかになっています。さらに、暫定利用後はどのように活用するのか。お考えをあきらかにしてください。市議団としては46億円で市が購入したこと自体に反対ですが、その後解体して再開発ということになればさらに莫大な予算が必要です。開発ありきの議論は行わないよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 日本銀行金沢支店跡地については、令和5年度のあり方検討懇話会で取りまとめられた4つの機能、「魅力・品格」「回遊・交流」「多様・滞留」「文化・活動」この4つの機能を踏まえつつ、将来の本格整備に向けて様々な利活用策を実践する中で、効果検証を行いながら検討していくこととしております。私の思いとしては50年、100年といった将来にわたって市民が愛着をもち、まちなかの賑わいや交流に資する都心回帰の象徴となる場所としたいと考えています。まずは金沢21世紀美術館の仮移転先としての活用に万全を期すとともに、様々な機会を通じて市民の皆様の思いをお聞きしながら、本格整備に向けた議論を深めてまいりたいと存じます。

市街地再開発の支援について

-広田議員

 市街地再開発の支援については、今予算案で武蔵A地区市街地再開発について基本設計等に7億3千万円の支援費が計上されています。建物の概要は今の所、高さ60mの3棟で構成され、それぞれ低層に商業施設、それより上に高層マンションやホテル、その他となっています。今回は、全体総額12億円のうち、7億3千万円もの税金が投入されます。税金を投入するからにはこの施設が市民福祉の向上にどのように役立つのか、特にホテルやマンションが市民のためになるのか、今後の税金投入の計画も合わせあきらかにしてください。

-村山市長

 武蔵地区は、都市再生緊急整備地域に位置するとともに、本市の中心的な商業地であり、本市のまちづくりにとって非常に重要な場所でありますことから、老朽化に伴う今回の再開発事業により、まちなかの賑わい創出や防災機能の向上等が大いに期待されます。また商業のみならず、宿泊や居住などの発展基盤を整備していくことは、このエリアの価値向上を通じて都市の魅力を高め、地域活性化や雇用創出にもつながるものであり、市民生活の向上に寄与するものと考えています。この再開発事業にかかる今後の補助金額については、明年度以降に行う実施設計において事業費が確定した後、国の法令や補助金の算定基準に従って決定されるものであります。今後国および県と調整を行ってまいります。

-広田議員

 そして金沢市もITビジネスプラザ武蔵が存在しており権利者のひとりですが、どの部分に入るのか、あきらかにしてください。また保留床の売れ残りがあった場合に金沢市が尻ぬぐいをするということにならないのか。「その他」部分がなぜ確定しないままの支援となるのかもあわせてお答えください。

-村山市長

 ITビジネスプラザ武蔵の再入居および保留床の規模等については、明年度以降に策定される権利返還計画をふまえ、検討することとしております。今回の市街地再開発事業について、事業者からは現段階では低層階に商業施設、高層階にホテルおよびマンション、その他部分に需要に応じた施設を入居させると聞いております。都市再生緊急整備地域の整備方針に沿った賑わい創出に繋がる施設となるよう、今後事業者側と鋭意協議を進めていくこととしておりまして、国・県と調整しながら適切な支援を行っていきたいと存じます。

これまでの開発について

-広田議員

 市長のいう都心軸の再開発は、市民のための開発に見せかけながら実態は、収益の最大化のためにホテルや高層マンションの建設が主であり、まちづくりというよりも大手の不動産会社やデベロッパーなどが最も利益を得る構造となっているように見受けます。金沢市が現在活用している都市再生特別措置法およびその事業は、都市の国際競争力を強化するといって2002年に定められ、全国各地で多額の税金の減免や補助金を使って開発が進められてきました。しかし「失われた30年」と言われるように、日本は一人当たりGDPの国際順位は長期的に低下傾向にあります。都市再生緊急整備地域などを指定して特定の場所に高層建築などを建てられるようにしていますが、その実態は民間事業者を主とする無法地帯を作り出すものとなっているに過ぎません。

 金沢市でもかつて昭和57年より金沢駅前から武蔵ヶ辻にかけて市施工の再開発を行いましたが、マンション建設がほとんどで賑わいは生み出さず、リファーレやライブ1にはいまだ売却すべき市の保留床が、2024年度決算では金額で5億6,000万円分が残り、その維持管理費などで一般会計から4200万円の税金を投入しています。市は沿道の土地の高度利用によりオフィスや店舗が新たに進出したと言いますが、駅から武蔵ヶ辻にかけて空いたままの路面店が目立ちます。それらの現状と対策をどうするのかあきらかにしてください。

-高木都市整備局長

 金沢駅から武蔵ヶ辻にかけて見られる空いたままの路面店の現状と対策についてお答えをいたします。金沢駅から武蔵ヶ辻を直線でつなぐ金沢駅通り線の整備を含む金沢駅武蔵北地区市街地再開発事業の実施によりまして、来街者の歩行環境が改善されますとともに、道路交通が円滑化し、低層密集住宅を解消することで、地区の防災性が向上いたしました。このことから、オフィスや商業テナントの入居が進んできたものととらえております。市施工の再開発ビルにある市所有床につきまして、現在ライブ1では全15区画のうち2階の1区画が、またリファーレでは全4区画のうち2階の1区画が空床となっているものの、いずれも1階部分は満床となっております。その他の再開発ビル等の路面店に一部空き床があることは承知しておりますが、民間の所有でありまして、管理会社等がテナント誘致を進めていると認識しております。引き続き、駅から武蔵ヶ辻沿線の賑わい創出に向け、その動向を注視していきたいと考えております。

-広田議員

 片町きららも前市長肝いりで行われた市街地再開発ですが、5000万円ずつ補助金を出して誘致したテナント2店舗は5年で移転し、現在は当初予定していた姿とは大きくかけ離れています。プレーゴに関してはゼネコンに底地が買われ、ホテルの建設が始まっています。

 市長、中心市街地の開発をして、市民のにぎわいが戻り町は活性化するという実績が見当たりません。実態はホテルやマンションばかりが増えており、現状は売れる建物でないと採算が取れない、現在の社会情勢と資本の論理によるものであって、まちづくりとはほど遠い状況ではないですか。これまでの都心軸の開発の振り返りと、都心軸のホテルやマンション建設の推移についてあきらかにしてください。

-高木都市整備局長

 これまでの都心軸の開発の振り返りと、都心軸のホテルやマンション建設の推移についてお尋ねがございました。本市は昭和44年に都市再開発法が施行されてから、土地の高度利用の促進や都市計画道路の新設等の公共施設整備を合わせて行う市街地再開発事業などの手法を用いて、都心軸の基盤整備や魅力向上を図ってきております。その成果として、本市が支援する市街地再開発事業によって、この50年間でホテルでは約800室、居住としては約500室の受け皿を作り出しておりまして、賑わいの創出や定住人口の増加に一定の貢献をしてきたと考えております。

資材高騰の影響やこれまでの取り組みについて

-広田議員

 そして市長、現在、資材高騰などによって東京や名古屋など大都市の一等地でも開発が進まない現状をご存じだと思います。開発の規模が大きいほど工期が長くなり建設の見通しが立たず計画の見直しや中断が起こっています。

 先日のNHKの番組では、片町海側の市街地再開発についても物価高騰や、工事が多く業者の取り合いの中で苦悩する権利者の姿が放送されていました。開発の危機とも言える状況についてご認識を伺います。

-村山市長

 片町四番組海側地区市街地再開発事業につきましては、権利者で構成する準備組合が資金計画を作成し、適時事業収支の検証を行っておりますが、昨今の急激な社会情勢の変化によって、資材や人件費の高騰など、予測不可能なことが重なり、組合において事業の遂行に一部支障が生じていることは承知をしております。建設業界は、技術者の高齢化や担い手不足などの課題を抱え、工事の受注を控える傾向にあるなど、厳しい状況下ではありますが、本市としてはこれまでと同様に組合や権利者の意向に寄り添いながら、助言や支援を続けてまいりたいと存じます。

-広田議員

 一方で、今回の予算案で都心軸も含め非木造建築の耐震化などの補助が大幅に拡充されました。建物の老朽化や耐震化について、もっと早い対応が必要だったのではないですか?なぜこれまで建物所有者に対し地道な改修や建て替えなどを促すことができなかったのか、見解を伺います。

-高木都市整備局長

 本市の都心軸におきましては、旧耐震基準の建築物が半数以上を占めており、防災性向上の観点から老朽建築物の建て替えや耐震化が大きな課題であると捉えております。このことから、昨年度の都市再生緊急整備地域の指定を機に、建て替えについてはこれまで活用してきた国の補助制度に加え、国の要件を満たさない建築物に対する市独自の支援制度を創設したところでございます。また耐震化につきましては、過去の大規模地震や法改正の機会をとらえて、補助制度を拡充し、建物所有者への周知に取り組んできましたが、昨年度開催した耐震改修促進計画の策定委員会での議論を踏まえ、都心軸を含む緊急輸送道路沿道における建築物の耐震化を促進するために、耐震改修工事等に対する支援の拡充に必要な予算を今議会にお諮りしているところでございます。

-広田議員

 市長、開発すればなんとかなるという開発幻想で市民を惑わすまちづくりは終わりにして、市民とともに持続可能なまちづくりを進めるべきです。

-村山市長

 都心軸の再興を含めた都市の発展基盤の整備は、まちの拠点性を高め、活力と賑わいをもたらす本市の将来にとって欠かせない投資であります。引き続き財源の確保に工夫を凝らしながら、計画的に推進してまいります。

市民の命とくらし守る公共事業について

-広田議員

 今必要なのは、金沢市内全体の大災害に備える整備であり、市民のくらしに身近なインフラ、公共施設の再生です。小中学校もすでに耐用年数を超えている、もしくは近づいている学校も多くありますが具体的な整備計画はありません。市営住宅は深刻で、老朽化対策を検討すべき35年以上経過した棟数は67%にのぼります。また、県内市町のうち、法定耐用年数が40年を超えた水道管の比率は金沢市が最も高くおよそ48%に上るとされ、市民からも心配のお声が寄せられています。また、冬期の除雪や消融雪は抜本的な拡充が必要です。大型開発よりも、こうした市民の身近な暮らしに直結し地元中小業者のみなさんも活躍できる事業こそ持続可能なまちづくりに資すると考えますがいかがでしょうか。そして、市民のくらしに必要な施策にこそ予算をまわすべきです。

-村山市長

 もちろん、市民の暮らしに身近な小中学校や市営住宅の再整備をはじめ、上下水道等の公共インフラの老朽化対策などは市民生活の安定と安全・安心の確保に必要不可欠な事業であります。私としては先の当初予算と今補正予算の双方を通じて、将来への確かな布石を打つことに心がけながら、市民に身近なサービスの充実や中小企業の振興を含め、あらゆる面に意を用いたところであります。引き続きまちの発展と市民福祉の向上に最善を尽くしてまいります。

市民のくらしに必要な施策について

保育・学童保育施策について

-広田議員

保育、学童保育施策についてです。

 未来共創計画の市民評価では「子どもを産み育てやすい環境が整っている」と感じる市民の割合は45.3%であり、前回より下がっています。

 先に述べた子どもの医療費完全無料化はもちろんのこと、保育料の第1子からの無料化や放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の育成支援事業の拡充など課題になってきました。今予算には上程されませんでした。どのようなお考えかあきらかにしてください。

-村山市長

 子育て支援につきまして、昨年度から3歳未満児の第2子保育料の無償化を実施するとともに、放課後児童クラブについては人材確保のため、放課後児童支援員の処遇改善を実施いたしましたほか、施設の安定運営を図るため、物価高騰対策として事業費単価の増額を行いました。繰り返しになりますが、このほか情操教育の推進、金沢版子ども宅食の本格実施、ひとり親家庭等の子どもの大学受験料の助成など、子ども子育て施策の強化になし得る限りを尽くしてきております。教育環境の整備やスポーツ文化に親しむ機会の創出も含めると、本市の子育て環境は県内でみても充実していると思っております。引き続きこれらの施策を推進していくことで、子どもを生み育てやすい環境づくりに努めてまいります。

補聴器の購入助成について

-広田議員

 また、加齢性難聴に対する補聴器の購入助成制度については3月現在、全国で620の自治体が制度化しており、白山市ではいよいよ来年度から実施予定です。市長は検討するとしてきましたが、今予算には盛り込まれませんでした。その理由と今後の計画を伺います。

-村山市長

 加齢性難聴を対象とした補聴器購入補助制度につきましては、全国市長会を通じて国に対して制度の創設を要望しているところであります。一方で、中核市におきまして徐々に補助制度を設ける自治体が増えてきていると承知しておりまして、補助制度を設ける市町への支援に向けた石川県の動向も注視しながら検討してまいりたいと存じます。

能登半島地震被災者支援について

-広田議員

能登半島地震被災者支援についてです。

 発災から2年半が経ちましたが、金沢市内でもおよそ90世帯が公営住宅、およそ930世帯がみなし仮設でくらしています。今回の石川県の予算案で復興公営住宅の家賃が3年無償であること、それに伴い公営住宅も同様に無償で、お風呂設備の導入支援にも最大50万円と書かれています。

 家賃やお風呂支援について金沢市の市営住宅についてはどのような対応をされるのか伺います。また、みなし仮設住宅に住み続ける場合は適用されるのかあきらかにしてください。

-高木都市整備局長

 能登半島地震で被災した方を対象とした公営住宅使用料の無償化、風呂設備の導入支援、およびその対象者の範囲につきましては、現在県議会においてこのことにかかる補正予算等が審議されておりまして、議決後詳細な説明があると聞いております。その内容を確認したうえで、市として適切に対応してまいります。

学生への支援について

-広田議員

 学生への支援についてです。今予算で「金沢学生まちなか回帰検討会議」なるものを設置するとのことです。学生がまちなかに来れば愛着がわいて就職・定住するという発想ですが、安易ではないですか。かつてはお城の中に大学があり、まちは学生で賑わっていたと聞きます。なぜいま学生がまちなかに来ないのか、また卒業後なぜ本市に残らないのかをどう分析しているのか現状も含め伺います。

-村山市長

 金沢は大学進学のために18歳を超えてから人口が増える全国でも数少ないまちであります。一方で、大学が郊外に立地していることに加え、学生の価値観や行動様式の変化などを要因として、まちに訪れる機会が少なくなっていると考えております。就職に合わせて多くの学生がこれによって首都圏などに転出する状況が続いていると把握をしております。若者の定着に向けては、就職先はもちろんでありますが、学生が抱く金沢への誇りや愛着の度合いや、若い世代にとっての暮らしやすさなど、仕事以外の要素も重要になると考えておりまして、これらを踏まえたうえで施策を講じる必要があると考えております。

-広田議員

 学生の現状はこの不景気・物価高騰で大変です。仕送りも減り、奨学金も借りバイトもしてなんとかくらしています。学都と標ぼうするこの金沢で学生にすべきことは、少しでも安心して学べる環境を整えることです。さきの市長選挙の討論会の際、金沢大学の学生が行った学生へのシールアンケートでは、群を抜いて公共交通の改善を求めるシールが多く、枠外にはみ出しているほどでした。今予算でバイト帰りの支援もありますが、あくまで商店街支援の予算です。大学に通うことにすら支障が出ている状況を改善すべきです。金沢市が学びくらしやすいと思えば自然と愛着はわくはずです。大学へ向かうバス停での乗りこぼしがある現状をどのように認識し対策を考えているのか。また定期券の補助などを支援する考えはないか伺います。

-村山市長

 金沢大学周辺のバス停におきまして、特定の時期・時間帯で満車による乗りこぼしが発生していることは承知をしておりますが、交通事業者からは深刻なバスの運転士不足であり、増便等の対応が困難であると聞いております。バスの運転士不足は喫緊かつ深刻な問題でありますため、今議会におきましてバス運転士確保に向けた支援制度の創設にかかる予算をお諮りしているところであります。なお、定期券などの支援につきましては、北陸鉄道が学生向けに通常より安価な角間地区フリー定期券を発行しておりますことから、学生の定期券購入に対する補助までは考えておりません。

金沢方式の見直しについて

-広田議員

 さいごに金沢方式についてです。市長は選挙実績の中で、金沢方式の地元負担見直しをかかげていましたが、実際それが活かされているのでしょうか。

まず、公民館運営費の地元負担の軽減については、1年経ってみて各公民館において地元負担が減ったのかどうか伺います。

-安宅教育委員会事務局長

 各地区公民館運営費の昨年度収支決算および今年度の収支予算につきましては、5月末日が締め切りで提出をされているところでございまして、現在内容を精査しているところでございます。なお、公民館運営費にかかる地元負担額につきましては、実情に応じてそれぞれの地域で決定されるものでございまして、金沢方式による負担割合の変更を受けての対応も必ずしも一様ではないというふうに思っております。

-広田議員

 さらに整備費についてはどうでしょうか。今回、浅野町公民館と児童館の移転整備実施設計費が計上されました。設計費用は金沢市が全額負担しますが、物価高騰の影響で工事費における地元負担の増加が懸念されているところです。

 2月議会では材木消防分団機械器具置き場の工事は資材高騰で工事費が跳ね上がり、着工できないという事態に陥りました。金沢市が所有する公共施設をつくるために、住民が身銭を切るだけでなく、資材高騰のリスクまで背負わなければならないのが現状です。

前段に述べた民間開発には湯水のように税金で支援を行う一方で、必要不可欠な公共施設には予算をつけない。金沢市は支援すべき優先順位を間違えています。市民のための公共施設にこそ全額責任をもって十分な予算をあてるべきです。

 中断している材木分団の機械器具置き場建設は住民の命とくらしに関わる施設です。金沢市が予算、事業の実施ともに責任をもって行うよう求めますがいかがですか?

-村山市長

 消防分団の施設整備、これを地元主体で行うことは住民自治の意識を高め、地域防災への主体的参画を促すという重要な意義を持っております。事業主体のあり方については長年培われた地域コミュニティの歴史や絆を尊重することを大前提にしつつ、地域防災力の維持発展という観点も含め、消防団や町会連合会等のご意見も伺いながら引き続き今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。

-広田議員

 市長、市民は「まちなか」どころか金沢市自体に住みやすいかどうか考える局面にいます。市内全体をみわたし、市民のくらしの大変さに対し、誰もが住みやすい金沢になるよう施策予算の見直しを求め、私の質問を終わります。

【再質問】※2回まで可能

子ども医療費助成の自己負担を残した点について

-広田議員

 たくさんのご答弁ありがとうございます。

 市長に、子どもの医療費助成についてですけれども、今回の予算案変更で原則無償化した、公約通りだと先ほどおっしゃったと思いますが、選挙前は入院について窓口負担のない完全無償化だったんですね。それに加えて「(通院含む)原則無償化」と書けば、それは入院に合わせて通院も原則無償化、つまり窓口無償化だと、これは誰もが思ったんです。私たち対立候補でしたけれども、全候補子どもの医療費助成については完全窓口無償化だと喜んでいた面があります、市民のみなさん。それが蓋を開けてみたら「原則ってなんだったの」ということに今ようやく気付いたのですが、つまり、もう一度お聞きしますけれども、市長の公約の書きぶりは「窓口での負担なし」ということは最初から含んでいなかったと、そういうことでよろしいですか。

-村山市長

 今広田議員がおっしゃったとおり、「完全無償化」という書き方をしておりませんでした。「原則無償化」という形で、この小児医療費、高校生までの原則無償化ということをさせていただきました。思いとしては、入院の際は突然多額の出費が出てくる、これに対する負担が出てくるだろうとというように思っていた、一方で通院についてはそこまで大きな負担ではないのではないかという私の認識があった中ではありましたけれども、子育て家庭の中から、特定難病であればそれは治療費がかなり支援されるという制度がありますけれども、そこまでにいかないような治療を続けていた、たとえばホルモン治療などのご家庭について、金沢市に住んでいるから中学までで治療をやめてしまう、そのような事情を知った、そうした中で、中学までは月1,000円の負担がありました、それでは治療は続けられるけれども、高校生までは負担はできないということで、そこの部分についても通院のところ負担していただきながらも原則無償化のかたちで、治療は続けていただきたい、そのような思いを持ちました。そうした中で今回、高校生まで拡大というかたちにさせていただきました。これは中学生までのものを高校生まで拡大するという意味で、原則無償化させていただいた次第であります。

-広田議員

 報道等を見ましても、窓口負担も通院について無償になるというような書きぶりだったものもありますね。だから、誤解を招く書き方、もしくは、私は、最初は窓口も含んで完全無償化と市長は思っていたけれども、何かの力が働きできなかったのではないかというふうに感じるんです。

 先程の適正受診のお考えを述べられましたが、大変重要なお考えですので確認しますが、「医療業界の混乱を招く(医療現場の負担が増えると言いたかった)」とかですよね、これは正式に医療分野のみなさんから出されたご意見なんでしょうか。例えば金沢市医師会などからお話を伺って、そうやって政策判断をされたのかということがひとつと、県内の他の市町はすでに窓口でも無料なんですよ。適正な受診ができていないなんていう話は聞かれていませんし、何か市長の方で実態をお調べになって、そう感じたので今回政策判断されたんでしょうか。

 合わせて言っておきますけれども、2011年に山野前市長と子ども医療費助成のことでここで議論を同じように交わしたんですが、そのときはまだ、「現物給付」でもない「償還払い」だったんですね。この「現物給付」の求めに対しても、山野前市長は「安易な受診」を課題のひとつにしていたんです。だけどもその4年後、「現物給付」になったんです。そのとき「安易な受診」を払拭できたなんて話、一つも聞いていません。だから結局、前へ進めようとするときの言い訳に過ぎないのではないかと思います。しっかり根拠があるのか、2点、教えてください。

-村山市長

 追加の質問であったためにしっかりと調べられていないところもありますけれども、金沢市医師会の方から子どもの医療費助成、高校生まで無償化にしてくれというところ自体の要望がなかったと把握をしております。ありませんでした。ですので、これを完全に1,000円負担をなくしたときにどうなるかということについては把握をしておりません。一方で、「原則無償化」ということではなくて「完全無償化」になると、先程申し上げたとおりの市販薬に代えての医療機関の受診、あるいはジェネリック医薬品ではなくてその他の高価な医薬品を受ける、そのような要望も出てくる可能性もあると考えておりますし、3日間分の薬でいいのに10日間出してくれ、これも無料になります。さきほど2億8千万円というように答弁した内容についても、そこから膨れあがる可能性があります。一方で、ここの2億8千万円というものは、その他の市の事業をなくしての予算になっていきます。無償化というと非常に聞こえはいいと思いますけれども、なんでもタダになればいいということではなく、これまでの中学生までの月々最大1,000円、これを廃止するという要望も、私のところには届いておりませんので、この制度自体が悪いことだとは考えてはおりません。

-森尾議員(関連)

 市長、この医療助成についての考え方というのを一言聞いてみたいと思うのですが。金沢市に住む子どもたちが健やかに安心して暮らしてほしい、これが私は行政の長たるものの子どもさんへのメッセージだと思うんですよ。そのために、様々な制度を工夫しながらより良いものにというのが、私はこの医療助成に込められた、行政の長たるものの考え方だというふうに思うんです。したがって、県の制度が改善されたならば、これは通院も入院も原則無償化しようじゃないかと、というふうに私は市長の公約を受け止めました。ここで、少なくともこの制度についてさらなる改善をしていきたいんだというんだと、このくらいのメッセージにしてもいいんじゃないですか。

-村山市長

 子どもの健やかな成長を願う気持ちは一緒です。その中で、これから県の方から子どもの医療費助成が未就学児から小学校まで上がるということ、そちらによって県の方からはなるべく子育て支援の方にこれを利用してほしい、そのようなメッセージの通知をいただきました。この使用の仕方については様々な方策があるというように思っております。来年の4月から、令和9年度からの実施ときいておりますので、そこまでの時間をかけて、どのような子育て支援施策ができるか、充実できるか、ということを検討していければというように思っています。

(クリックするとPDFが表示されます。)

私は日本共産党市議員団を代表し、議会議案第36号「日本国憲法を守り、戦争しない国づくりを求める意見書」について、提案理由をのべます。

アジア太平洋戦争の終結から80年がたちました。多くの犠牲のうえに、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」という強い決意のもと制定された日本国憲法は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を掲げ、戦後日本が民主的で平和な国として歩む道を示してきました。

1月16日の毎日新聞では、今年90歳を迎える福田康夫元首相が取材に対し、「この80年、これだけの経済力がありながら戦争をしなかった国は日本くらいでしょう。朝鮮戦争やベトナム戦争、イラク戦争にも参戦しなかった。これは今の憲法があったから。平和憲法の力は偉大です」と語っています。

しかし今、その「戦争をしない国」の土台が揺らぎつつあります。2月8日の総選挙後、高市首相は、憲法改正に強い意欲を示しています。選挙期間中には、憲法に自衛隊を明記する考えも明らかにしました。9日の記者会見でも、「憲法改正に向けた挑戦もすすめていく」と表明し、国民投票の実施に向けた姿勢を明確にしています。さらに、武器輸出の拡大については、自民党の安全保障調査会が、殺傷能力のある武器の輸出を原則解禁とする「武器輸出三原則の運用指針見直し」に向けた提言をまとめました。政権中枢からは、核保有論や非核三原則の見直しに関する発言も聞こえてきます。

これらの動きは、憲法の平和主義にもとづいて軍事大国とならず、戦争しない国づくりを進めてきた戦後日本の基本方針を大きく転換するものです。トランプ米政権の「力の支配」があらわになる国際情勢の中で、軍事的抑止力の強化は、軍事対軍事の悪循環をうみ、平和と安定を損なう危険性を高めます。

日本国憲法はその前文において、「日本国民は、恒久の平和を願い、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持する」と宣言し、全世界の国民の平和的生存権を確認しています。憲法第9条は、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定め、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにする国民の強い決意を示しており、長く国際社会からの信頼を支える基盤となってきました。

この意見書は、国に対し、軍拡や戦争できる国ではなく、平和主義を掲げる日本国憲法を守り、戦争しない国づくりをすすめていくよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いし、提案理由といたします。

わたしは、日本共産党金沢市議員団を代表し、議会議案 第34号大学入学に係る経済的負担軽減を求める意見書の提案理由説明を行います。

大学の入学金は他の先進国にはない日本独特の制度で、私立大学で平均約25万円、国立大学は約28万円と高額です。よって当然ながら、今回の意見書に盛り込んだ大学の入学金二重払いの仕組みは、先進国では日本にしかありません。

これは、第一志望の合否判明前に、先に合格した大学の納付期限がくるため担保として支払い、入学しなくても返還されないという仕組みです。全国大学生活協同組合連合会の調査では、入学しない大学に平均26万3800円を支払っているというデータもあります。

入学金調査プロジェクトの調査では、受験生の27パーセントが実際に二重払いを経験し、二重払いを避けるために受験する大学を諦めた人を含めると4割に達することが判明しました。

こうした調査や当事者の声、国会での論戦を受けて、文部科学省が2025年6月に「入学しない学生の入学金の負担を軽減するよう」通知を発出しました。

さらに文科省は2025年末、入学しない大学に納付する入学金の負担軽減策に関する全国の私立大学と短期大学へのアンケート結果を公表し、2026年度に入試を行う私立大学836校のうち25%にあたる210校が負担軽減策を行う方針だと回答。負担軽減策を行う210校のうち、26年度入試で対応するのは83校、27年度入試から対応する予定は39校、対応する方向で検討中は88校でした。

しかしながら、負担軽減を進める上での課題を複数回答で聞いた質問には、60%が「大学経営上の影響」をあげ、入学金などに頼らざるを得ない実情もあきらかとなりました。

その一方で、国の2026年度予算案では、私学への予算はほぼ横ばいです。もともと日本の高等教育予算はOECDの中でも「最低水準」という状態が長期にわたって続いています。しかも政府は、2004年の国立大学法人化後、1,600億円も運営費交付金を削減しました。私立大学への私学助成は経常費の1割以下に抑制されたままになっています。その結果、大学は物価高騰を含め教育コストの増額などから“財政難”にあえいでいます。二重払いをなくすには各大学の対応に任せるのではなく、入学金に頼らなくても経営できるよう私学助成などを増やすことが必要です。

あわせて、入学金だけではなく高額な学費の引き下げや給付型奨学金の拡充など、誰もが経済的な状況から大学進学を諦めることがないよう、大学進学に係る経済的負担軽減のための対策を講ずることが必要です。

この意見書へ多くの議員のご賛同を求め提案理由といたします。

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