お知らせ |日本共産党 金沢市議員団

お知らせ

 わたしは、提出者を代表し、議会議案第29号「企業・団体献金の禁止を明記するよう政治資金規正法の改正を求める意見書」の提案理由を述べます。

現在、政治資金規正法について国会で議論が行われています。昨日、政策活動費の全面廃止については与野党の一致をみたとのことです。政策活動費を抜け道なく全面廃止するのは当然です。しかし、肝心の「企業・団体献金」については来春まで結論を持ち越すとされていますが、こちらこそ国民の最大の関心事です。

 ことしの新語・流行語大賞でトップテン入りした裏金問題は、政治資金パーティー券収入について政治資金規正法上の会計処理をせず、政治家が自分のポケットに入れて非課税かつ使途非公開の資金として流用していた問題です。自民党の主要派閥がパーティーを利用して約9億7千万円を裏金にし、少なくとも約100人の国会議員が5億8千万円以上の裏金を手にした組織ぐるみの政治資金規正法違反です。

それなのに、なぜ政治家が起訴されないのかという怒り、あわせて、企業と自民党政治家が、パーティ券購入を巡って癒着し、それによって政治が歪められているのではないかという国民の疑念が広がりました。その結果が総選挙での自公過半数割れという厳しい国民からの審判です。

先月の共同通信の世論調査でも、「企業団体献金を禁止すべき」は67.3%にのぼっています。

かつてリクルート事件、ゼネコン汚職事件、東京佐川急便事件など汚職事件が相次ぎ、1994年に成立した政治改革関連法で、政治家個人への企業・団体献金は禁止されました。ところが、政党本部、政党支部への献金と政治資金パーティー券の購入という2つの抜け穴がつくられ、企業・団体献金が温存されてきました。

 現在、総務省に届けられている各党の支部は9,000以上にのぼり、この党支部を受け皿に、企業・団体献金を受け取っています。さらに、パーティー券は、その大半を企業・団体が購入しているのが実態であり、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。

 

 企業・団体からの政治献金は、本質的に政治を買収する賄賂であり、ただちに全面禁止すべきです。

 営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力で、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。

 

 政治のゆがみをただし、国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止がどうしても必要です。そして、わたしたち政治家が自ら襟を正すためにも、各議員にご賛同をお願いし提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表し、反対討論を行います。
わが党は、上程された議案17件のうち、議案第47号 令和6年度金沢市一般会計補正予算、議案第52号 金沢市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例の一部改正について 議案第53号 特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について 議案第55号 金沢市職員退職手当支給条例等の一部改正について 議案第57号金沢市就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について。以上5件について反対です。その主な理由を述べます。
第1に、デジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算が計上されました。来年4月から小中学校における「デジタル科」を新設に向け事前準備するというものです。内容としては、プログラミング学習用機用材の調達、メタバース体験に必要な独自のコンテンツの作成としています。
 「デジタル科」を新設し、デジタル教育推進によって、教育現場に悪影響がもたらされていることが明らかとなっています。
 IT先進国といわれるスウェーデンでは、18年前から学校に学習用端末の「一人一台」配備が始まり、デジタル教材による教育が行われてきました。ところが、昨年紙による教科書や手書きを重視する「脱デジタル」へと大きく転換しました。その理由として、子どもたちの集中力が続かない。考えが深まらない。長い文章の読み書きができない。画面ばかりに目が向くなど教育現場からの声が大きくなったことからでした。
 教育のデジタル化が果たして教育現場になじむのか。実態をよく把握すべきだとの声が上がっています。佐藤学・東大名誉教授は、次のように述べています。
「教育のデジタル化は、教師がいない授業が可能になるリスクをはらむ。コンピューターによる教育効果は乏しく、深い学びにならないことを認識すべきだ」と指摘しています。現場の教師からも「児童が静かに端末に向き合う教室はまるでオフィスのようだ。教師とのコミュニケーションも減った」と訴えています。
 教育のデジタル化がもたらす影響を考えるとデジタル科教材整備費として9900万円の債務負担予算には同意することはできません。
第2に、人事院勧告及び石川県人事委員会の勧告による金沢市職員の給与を引き上げることには、賛成ですが、市長、教育長、議員など特別職に対する引き上げには物価高騰などによる市民生活の現状から同意することはできません。
 第3に、金沢市職員退職手当支給条例についてです。
 雇用保険法改定に伴い金沢市職員の退職に伴う支給内容が改正される内容となっています。その一つは、退職後、不安定な仕事に就職した場合に支給される就業手当が廃止されます。もう一つが、就業促進定着手当の内容が後退することです。再就職したが以前より給与が低くなった場合、低下した賃金の6か月間分が支給されていましたが、40%上限が20%上限に下げられます。よって、こうした内容を盛り込んだ条例改正には反対です。
 第4に、マイナ保険証への切り替えが強行にすすられています。従来の保険証発行の中止によって、各種医療費助成制度を利用する場合、保険証で保険者の確認ができなくなる状況が発生するため、マイナンバーの利用が必要となり、行政業務の煩雑化を招くもので反対です。
 第5に、幼保一元化に伴う条例改正です。幼稚園と保育所を一体化するとして始まったのですが、職員の配置基準を低い方にしたり、施設要件などを後退させたりするなど問題となってきました。今回の内容は、職員の幼稚園教諭と保育士資格に関して、資格要件の特例が設けられてきましたが、さらに、2年間延長するものです。現場との矛盾があらわになった結果だと言えます。子どもたちにふさわしい保育・教育の内容や環境の充実に向け、当面、幼稚園には、保育機能を、保育所には教育的機能を拡充・強化して、教育・保育の内容の接近を図ることが求められており、働く職員の待遇改善と体制の充実こそ改善をはかるべきです。
  次に、陳情についてです。
 陳情第12号は、政務活動費領収書等のネット公開についての陳情書です。市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。
 政務活動費の領収書その他の支出に係る事実を証明する書類について、すでに見ることができるが、さらに、ネットでの公開を求めるもので、賛成です。
 陳情第13号金沢市におけるコミュニティーバスの導入促進に関する陳情書です。金沢市にコミュニティーバスを走らせる会の代表から提出されました。
 金沢市の郊外地域において、コミュニティーバスのさらなる導入・充実を行うことを求めるもので賛成です。
 陳情第14号は、金沢市の子ども医療費を通院について18歳まで完全無料化するよう求める陳情書で、新日本婦人の会金沢支部支部長から提出されました。
金沢市の子どもの医療費助成制度の対象年齢を、通院についても18歳までに拡充すること。窓口負担を、通院についても無料にすることを求めるもので、賛成です。
  陳情第15号は、金沢市内の消防分団機械器具置場(消防分団小屋)の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求める陳情書で、生活者目線で金沢方式を考える会の代表から提出されました。
 老朽化の著しい市内の消防分団小屋の現況から、一日も早く全額公費により整備し災害に備えることが必要であるとして金沢市内の消防分団機械器具置場の移転新築について全額公費負担による至急の整備を求めるもので、賛成です。
 以上いずれの陳情も審議した常任委員会、議会運営委員会で否決されました。その結果に反対し、それぞれの陳情に賛成することを表明するものです。
 以上で討論を終わります。

 日本共産党市議員団を代表して、議会議案第27号 高等教育の無償化に向けた取組を求める意見書について、提案理由説明をおこないます。
 いま大学の学費が国立大学、私立大学を問わず値上げされようとしており、学生の学ぶ権利が脅かされています。日本経済新聞社の全国国公私立大学の大学長を対象に実施した調査では、2025年度以降の授業料引き上げについて、536校のうち4割にのぼる215校が、すでに引き上げを実施したか検討中であると回答しています。
 私立大学の納付金は平均約148万円、国立大学でも約82万円となっており、今でさえ世界と比較し、高い日本の大学学費が値上げされれば、すでにアルバイトと奨学金で学業と生活をやりくりしている学生とその家族は、さらなる負担を強いられます。
 欧州の国々では、学生の学びで利益を受けるのは社会全体であり、社会が費用を負担するのは当たり前と考え、教育費が無償化されています。その一方で日本は「受益者負担」が根強く、高等教育予算はOECDの中でも長期にわたり最低水準であり、国立大の授業料への公的負担の割合は32%と、OECD加盟36カ国中ワースト2位となっています。
9月、東京大学が年間約11万円の授業料値上げを発表しました。大学が学費値上げに踏み切らざるを得ない原因は、大学ではなく政治にあります。20年間で国立大学の運営費交付金は1600億円も削減され、私立大学においては、私学助成を経常経費の1割以下に抑制したままです。今日の相次ぐ学費の値上げは、国が高等教育の責任を投げ捨て、大学側に押しつけている結果だと言えます。
 日本国憲法には「教育を受ける権利」がうたわれています。そして、教育基本法は「教育の機会均等」のなかで、どのような経済的条件でも平等に教育を受ける権利を保障しています。
また、日本も批准している国際人権規約では、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」としています。学費を値下げして無償化にすすむことは、日本政府の国民と国際社会への公約であり、未来を担う世代に対する公約です。
 先の総選挙では、主要政党の全てが高等教育の学費無償化や負担軽減などを公約に掲げました。石破首相も自民党総裁選で「国立大学・高専の無償化」を公約しています。
いまこそ高等教育の無償化へと踏み出すときです。
この意見書は、国に対し、国の責任で高等教育の予算を増やし、ただちに学費を半額にするとともに、世界に例のない日本独特の入学金を廃止し、奨学金を借金ではなく給付型中心に改めるなど、高等教育の無償化をすすめるよう強く求めるものです。
議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号 令和5年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、理由を述べます。

第1に、水道事業についてです。令和5年度決算では、2億3825万円の黒字となりました。昨年は6億6016万円の黒字、一昨年は、7億9600万円の黒字となっています。その大きな要因は、平成27年度より責任水量制が7割から6割に引き下げられたこと。平成28年12月、7回目の県水受水契約が変更されました。その結果、契約水量が引き下げられ、その契約水量で10年間継続されることとなりました。このことによって、県水受水費用が軽減され、黒字が続いてきました。わが党は、市民に水道料金を引き下げし、黒字額を還元することを求めてきました。

 毎日、市民が利用している水道は、半分が自己水で、半分が県水となっています。

自己水に比べ4倍も高い県水を膨大に受け入れ、安くておいしい自己水を3割しか使用していません。契約水量の6割を支払うという責任水量制によって、県水を受け入れてきた結果です。

 安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば水道料金の引き下げは可能です。よって、決算について認定できません。

第2は、工業用水道事業です。

 この事業は、先端産業を誘致するとして造成された森本テクノパークに立地した企業へ工業用水道を供給するものです。森本テクノパークは、立地した最初の企業が操業開始してから29年が経過し、ようやく、今年度、立地完了の見通しとなりました。

この工業用水道事業において、水道料金収入などでは賄えず、収支不足を一般会計からの繰り入れが行われてきました。令和5年度では、収益的収支と資本的収支併せて一般会計から3110万円が補填されました。利用しているのは3つの企業にすぎません。

一方、工業用水道の単価は、当初から今日までこの工業用水道の単価は変わっていません。

この工業用水道を維持するために、年間3千万円を上る一般会計から補填を続けていることに市民の理解を得ることはできません。以上で討論を終わります。

認定第1号 令和5年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、主な理由を述べます。

2023年度は、5月に新型コロナウイルス感染症が2類から5類へ移行しましたが、その後も感染拡大は繰り返されました。また、異次元の金融緩和による円安や、ロシアによるウクライナ侵攻など世界情勢が不安定なもと、物価の高騰が続いています。そして1月には能登半島地震が発生し、市民生活に大きな影響をもたらしました。厳しい状況にある市民生活と生業を守り福祉の向上を図る、自治体本来の役割が問われる1年でした。

以下、反対理由を3点述べます。

第1に、長引く物価高騰のなかで、市民の経済的負担軽減がなされなかった点です

国民健康保険や介護保険などの高すぎる保険料は、市民の暮らしにおいて大きな負担となっています。

国民健康保険加入者には、年金生活者や非正規雇用者が多く、加入世帯の7割が年収200万円以下という家計状況にあるにもかかわらず、保険料は他の医療保険と比べて約2倍の保険料になっています。国民健康保険財政調整基金は年度末で、21億9千万円余積み上がっています。基金を保険料の引き下げに活用することを求めるとともに、国へ国庫負担割合の引き上げを要望することを求めます。

介護保険においては、実質収支は6億6千万円余の黒字となり、介護給付費準備基金に1億1千万円余を積み立て、年度末の基金残高が29億5千万円余となりました。基金を活用して保険料の引き下げを強く求めます。

第2は、市民の理解と合意のないまま事業がすすめられた点です。

国は、マイナンバーカードをめぐる個人情報の漏洩や誤登録などトラブルが相次いでもなお、普及の推進や利用の拡大を進めています。従来の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一本化するという突然打ち出された方針に対して、国民の不安と疑問が払拭されないでいるなか、2023年度もマイナンバーカード交付事業に1億2千万円余、支出されました。国の方針を批判することなく受け入れる本市の姿勢は問題です。

城北市民運動公園整備事業として、金沢スタジアムが2024年2月から供用開始されました。当初、改修計画だった市民サッカー場が、議会での議論や市民的な合意形成が不十分ななか、移転新築となり、本体工事費総額は82億2千万円とふくれ上がりました。今後も南駐車場の整備や旧サッカー場跡地に本田クライフコートを再設置するほか、多目的広場を設置するなど、こうした事業費の総額は100億円を超える規模と見込まれますが、市民の理解と同意が得られていません。

また、巨大な共同調理場建設についても、市民の理解と同意があったでしょうか。市内泉本町地内に8,000食規模の共同調理場建設が進められています。2025年8月完成予定ですが、開設されると、市内に4か所あった単独校調理場が吸収され、本市の調理場は全て共同調理場となります。さらに今後の計画では、駅西・臨海地区に1万1000食の大規模共同調理場を建設する計画があります。巨大な共同調理場ばかりの自治体は全国でもまれであり、食の安全・安心や食育の観点、また地産地消や災害時の対応などにおいても、単独校調理場を増やすことが望ましいと考え、計画の見直しを求めます。

宿泊税については、本来租税制度は担税力に応じた制度であるべきであり、宿泊税はその原則に沿わないものです。また税の使途については、一般会計の事業と変わらないものとなっており、税収が増えれば使途が拡大解釈され限りなく増えていくことは問題です。目的税として、その正当性と使途に対する同意が必要です。

令和5年度の最終補正で、被災宿泊施設改修支援事業費補助に5千万円、能登避難者食事支援費に9千万円、能登応援・震災復興キャンペーン事業で450万円と、合計で1億4450万円、宿泊税があてられました。本来であれば被災地、被災者支援費については、災害救助法が適用されるよう、国や県に要望するべきです。

第3は、大型開発と公共性が損なわれる事業が進められた点です。

金沢港建設事業については、多額の税金投入が続いています。大手企業コマツの工場を誘致や、クルーズ船の誘致のために岸壁改良工事や施設整備など、金沢港の港湾整備事業の全体計画額は2006年から2026年の20年間で463億6千万円であり、そのうち本市の負担金は88億にものぼります。市民の暮らしが厳しさを増す中で、一部の大手企業のために多額の税金投入が行われたことは認められません。

金沢スタジアムにおいて、本市で初めてネーミングライツが導入されました。施設維持管理への新たな収入源の確保を目的としていますが、税金を使用して建設している公共施設を、特定の企業が広告・宣伝に利用することは、公共性に大きく反します。また、本市のネーミングライツは、特定企業が提案した愛称に対して、議会の議決を必要とせず、市民的な合意形成をはかる手立てもないことは重大な問題です。 最後に、本市の税収は昨年度より増加したものの、長引く物価高騰の影響もあり、市民生活は厳しさが増しています。2023年度は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金32億9774万8千円と、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金 45億4453万9千円を活用し、合計80億1350万円余の感染症対策事業、物価高騰対策事業を行いましたが、市の一般財源の投入は1億4563万円余にとどまりました。新年度に向けて、物価高騰から市民生活と生業を守る積極的な政策と財政支出を打ち出すことを求めて、討論とします。

-山下議員
 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問をいたします。
 最初の質問は、誰もが安心できる介護保険制度の構築についてです。国は、市民や介護関係者の抗議の声を聞かずに、訪問介護に対する基本報酬引き下げを強行しました。日本医療労働組合連合会が5月から9月に行った訪問介護の基本報酬引き下げに関するアンケート調査では、既に経営が悪化している事業者が7割に上り、今後考えられる影響には、経営の悪化、一時金の減額、新規職員採用が困難など、既に報酬引き下げの影響があるという回答が見られています。3月議会で市長は「今回の報酬改定は、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善を推進するもの」と答弁をされましたが、現場の実態は既に深刻です。報酬改定によって事業者がどのような影響を受けているのか、本市では調査を実施しているのかをお聞かせください。

-山口福祉健康局長
 国におきまして、次期の介護報酬改定のための検討資料といたしまして、今年9月に地域の実情等を踏まえたサービス提供のあり方に関する調査を行っております。従いまして、本市独自の調査を行うことは考えておりません。

-山下議員
 東京商工リサーチの2024年度上半期老人福祉介護事業の倒産調査によると、24年度4月から9月の倒産が95件で過去最多となっています。そのうち訪問介護が46件と半数を占め、その多くが地域型の小規模事業者になっています。ヘルパー不足や高齢化、燃料代などの運営コストの上昇に加えて、介護報酬マイナス改定の影響が出ている可能性があると分析をされています。マイナス改定のままでは事業所が存続できず、高齢者の命と生活は守れません。改めて国に対して、緊急的にも訪問介護報酬引き下げ撤回をと求めていただきたい。市長、いかがですか。

-村山市長
 今ほど福祉健康局長が一部申し上げましたけれども、国において介護報酬改定の検討を始めております。また、介護職員の賃上げに対する補助金の補正予算も計上されておりますので、本市としては、訪問介護の基本報酬引き下げ撤回を求めることは考えておりません。

-山下議員
 地域のホームヘルパー業を55年も担ってきた秋田市社会福祉協議会が運営するヘルパー事業所が、今年度末で閉鎖をするという新聞記事もありました。県社協の担当者は、経営悪化要因に「今年度からの介護報酬の基本料引き下げが最も大きい」というふうに語っています。老舗のそうした市社協でさえ閉鎖に追い込まれるような報酬の改悪ですので、引き続き撤回を求めていきたいと思います。

 次に、基準緩和型訪問サービスについてお尋ねをします。2014年の介護保険法改悪で、介護予防・日常生活支援総合事業が盛り込まれました。介護費用の抑制を狙い、介護度の軽い方を保険給付から外し、その受け皿を市町の事業に任せるというもので、本市においては2017年度から開始されています。本市の基準緩和型訪問サービスにおいては、予算が年々縮小し、長寿安心プランで見込んでいる利用数にもなっていません。その要因についてお尋ねをします。

-山口福祉健康局長
 令和2年度から基準緩和型訪問サービスの利用者数が減少していますことは承知しております。その理由といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響によるサービスの利用控えなどが要因と考えております。

-山下議員
 基準緩和型訪問サービスは、資格を持たないケアサポーターが従事をでき、介護予防型に比べ利用料が安く、利用者には利用しやすいですけれども、その反面、事業者には報酬が低いものとなっています。現場からは、基準緩和型を依頼しても断られる、利用者の生活を支えるため受けているけれども、有資格の職員が行くので経営的に厳しいという声があります。介護予防型を提供する事業者は、事業者全体の8割に対して、基準緩和型は全体の4割にとどまっているところを見ても、基準緩和型訪問サービスが現場の実態に合っていないのではないでしょうか。基準緩和型が、利用者はもちろん、介護職員や事業者にとっても有益な制度なのか見直しが必要です。市として実態調査を行い、実態に合った誰もが安心できる制度の構築を求めますが、見解を伺います。

-山口福祉健康局長
 明年度に、次期長寿安心プランの策定のための基礎資料といたしまして、介護労働実態調査及び在宅介護実態調査を実施する予定でございます。その中で、この基準緩和型サービスの利用状況等の調査を考えております。

-山下議員
 名古屋市では、実態調査をして、今年度から総合事業の生活支援型訪問サービスの報酬を9.4%引き上げをしています。本市でもぜひ、利用者に跳ね返らない報酬の引き上げを含めた改正を求めます。

 この質問の最後は、緊急の対策が必要な介護職員の確保についてです。介護職は、全産業平均と比べ月7万円も低く、人手不足の大きな要因になっています。特にホームヘルパーは賃金が低く雇用も不安定なため、有効求人倍率が15倍になるほど不足しています。低賃金では人が来ないことは明白です。しかし、今の介護報酬では職員確保や定着のための十分な賃金が払えないなど、一事業所だけでは職員確保に厳しい現状があります。そこで、市独自で介護職員への援助金等の処遇改善を行い、積極的な職員の確保や定着促進策を図ることを強く求めますがいかがですか。

-村山市長
 介護事業所等へ就労する方、介護職員の確保についてでありますけれども、UJIターンの支援、就職情報交換会などの人材確保策に加えまして、資格取得支援、ハラスメント防止研修などの人材定着を支援する事業につきまして、本市独自で実施をしてきたところであります。今後も国や県と連携しながら、効果的な人材確保とその定着策に取り組んでまいりたいと存じます。

-山下議員
 ぜひ積極的にお願いいたします。そして、処遇改善策がやはり保険料や利用料の負担増にならないように、私たちは国に対して介護保険の国庫負担を増やすことを求めていますが、市独自の施策も引き続き求めていきたいというふうに思います。

 質問の2つ目は、有機フッ素化合物PFASの調査についてです。発がん性など、さまざまな健康への影響が指摘される有機フッ素化合物PFASをめぐって、その深刻な実態が全国各地で明らかになっています。これまで、米軍基地や自衛隊基地、関係工場、産業廃棄物処理場の周辺の河川や湧き水、土壌、飲用水から高濃度の汚染が確認され、国も全国調査に乗り出しました。今年5月から9月にかけて初めて全国の水道事業者に調査を要請し、11月29日、その結果を公表しています。そこで、本市の水道水における有機フッ素化合物の調査状況とその結果を伺います。また、市民の皆様にはどのように報告したのかもお聞かせください。

-松田公営企業管理者
 令和2年4月にPFASが国の水質管理目標設定項目に追加されて以降、年2回検査を行っております。これまで、暫定目標値であります50ng/Lをはるかに下回る定量下限値未満となっております。結果につきましては、企業局のホームページで公表しております。どうか安心してご利用ください。

-山下議員
 これから基準値、目標値も見直されるということですので、今後も徹底した調査と分析をお願いいたします。金沢市では、2023年に有機フッ素化合物PFOS及びPFOAの測定を主要な6河川で開始していますが、河川において測定に至った経緯を伺います。

-越山環境局長
 河川水の定期的な水質測定は、水質汚濁防止法の規定により、石川県水質測定計画に基づき実施することとなっておりますが、PFOS、PFOAにつきましては、全国的に検出される地点が多く見られたことから、河川水の監視を強化するため、昨年度より本市独自で主要な6河川の水質測定を開始した次第でございます。

-山下議員
 今年度実施した6河川の水質調査において、伏見川橋付近の伏見川で国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物が検出されました。また、国が実施した水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査において、市内にある専用水道55施設と簡易水道5施設に検査を依頼したところ、検査を実施した専用水道19施設のうち3施設で暫定目標値を超過したことが確認されています。伏見川と専用水道3施設で暫定目標値等を超過した原因は解明されているのでしょうか。

-越山環境局長
 原因や汚染範囲を把握するためには、伏見川橋の上流や伏見川に流入する支流とともに、暫定目標値を超過した専用水道周辺の井戸水について追加調査を行う必要があることから、今般、その調査費用に係る予算をお諮りしている次第でございます。

-山下議員
 河川の水質調査については、どの河川が暫定指針値を超えたかということは公表されています。しかし専用水道についてはどの施設か公表していないということですが、その理由をお聞かせください。

-山口福祉健康局長
 今回の水質調査ですけれども、国からの通知に基づくものであります。各専用水道の管理者からの回答を取りまとめたものになります。現時点で、PFASにつきましては規制となる水道水質基準ではなく、かつ今回の調査は自主的に御協力いただいたものでございますので、公表することは考えておりません。なお、超過した施設につきましては、浄水装置の取り付けなどの改善措置によりまして基準値内に低減しているところでございます。

-山下議員
 では、暫定目標値等を超過した河川の周辺の住民や3施設の利用者等への水質調査の結果の周知は個別に行ったのか、お聞かせください。

-村山市長
 本市が実施いたしました河川の水質測定結果につきましては、暫定指針値を超過した伏見川橋の測定結果も含め、測定したすべての地点におきまして本市のホームページで広く公表しております。また、専用水道施設につきましては、施設側が自主的に検査を行ったものであります。利用者等に通知するかどうか決定するのは、管理者の判断であると考えております。

-山下議員
 暫定目標値を超えた施設にはやはり飲用水を避けるよう指導を行ったということも聞いています。健康被害への影響が明確でないにしても、やはり飲まないというように指導するような水質状況であるならば、やはり周辺住民や利用者等に知らせないというのは問題だというふうに考えますので、ぜひ、今後周知するような検討をしていただきたいと思います。

市内の専用水道55施設のうち、検査を実施した施設は19施設と、全体の35%にとどまっています。簡易水道5施設については検査をしていません。全国的には検査を実施しない理由に、PFASについて測定する義務がないと挙げられているようですが、市民の健康を守るためにも全市的な調査が必要です。検査をしていない施設に対して追加検査等を依頼すべきと考えますが、市の対応を伺います。

-山口福祉健康局長
 PFASの検査を実施していない専用水道の36施設及び簡易水道の5施設の事業者に対しましては、11月中に国や本市におけるPFASに関する情報の提供を行いますとともに、検査の実施について検討を依頼したところでございます。

-山下議員
 検査を実施しない理由に「検査費用が負担だ」というものもあります。水質検査について公費負担が必要ではないですか。

-山口福祉健康局長
 現在PFASにつきましては、水道法に基づく水質基準項目となっておらず、検査義務もないことに加えまして、ほかの水質検査項目との整合性も考慮いたしまして、公費負担を行うことは難しいと考えております。

-山下議員
 国も全国的な調査に乗り出しているという状況ですので、ぜひ公費負担も検討していただきたいというふうに思います。

PFASの汚染については、その汚染の実態とともに、発生源の調査が必要です。日本共産党の山下よしき参院議員が今年3月の環境委員会で、PFASを製造、販売、使用している事業者が、少なくとも全国で43都道府県200自治体に所在することを明らかにしています。市は、PFASを製造、販売、使用している事業者が市内に所在しているか把握しているでしょうか。今後調査が必要だと考えますが、いかがですか。

-越山環境局長
 PFASは1万種類以上の物質があると言われております。そのうち、現在、暫定目標値や暫定指針値が示されているPFOS及びPFOAにつきましては、いずれも既に製造、輸入、使用等が原則禁止されております。その2つの物質以外については、国内においてその毒性などが評価されておらず、現在、国でPFASの環境中の存在状況に関する調査を行うなどの検討をしているところでございます。まずはその動向を注視していきたいと考えており、PFASを製造、販売、使用している事業所を調査することは考えておりません。

-山下議員
 やっぱり汚染の実態とともに発生源を突きとめるということは必要ですので、ぜひ国の動向も見ながら、調査が必要であれば進めていってほしいと思います。

国は、全国調査の結果を受けて、目標値の変更を検討するとしています。欧州連合EUでは、昨年2月に、1万種類以上ある全てのPFASの製造や使用を禁止する規制案を出しました。一方、日本で禁止されているのはPFOS、PFOAなど3種類のみです。また健康への影響の懸念から、基準値を1リットル4ナノグラムに強化したアメリカと比べても、現在国が設定している1リットル当たり50ナノグラムという暫定目標値は大変緩い基準です。健康被害と環境汚染を防ぐためにも、規制するPFASの種類も含めて基準を厳しくするよう国に求めるべきと考えますが、見解を伺います。

-村山市長
 現在、国の方で、PFASの暫定目標値の見直し、そして水道法上の水質基準項目に格上げすることを検討していると伺っております。そのことから、その動向を注視してまいりたいと存じます。

-山下議員
 市民の生活と健康に大きく影響することですので、今後の調査とその結果について、また市民の皆さんに十分な説明と周知をお願いをいたします。


 次に、教育のデジタル化についてお尋ねをします。ギガスクール構想のもと、全小中学校に一人一台端末が導入されて4年になります。次年度、金沢市でデジタル科が新設をされますが、教育のデジタル化が教育本来の目的に沿って行われているかを問い直す必要があるのではないでしょうか。教育はこどもの人格の完成、こどもの尊厳を守りながら成長と発達を支える営みです。しかしGIGAスクール構想には「安心と成長の未来を開く経済対策」と銘打つ経済産業省の「未来の教室」や、学術的根拠のないソサイエティ5.0の実現という国家戦略が背景にあり、公教育に民間企業を参入させ教育を市場化し、デジタル社会に対応する人材を育成するという財界の狙いがあります。そこで、金沢市における教育のデジタル化は教育の本来の目的に沿って行われているのか、お伺いをします。

-野口教育長
 はい。お答えいたします。情報活用能力の育成というものが現行の学習指導要領に示されたことに加え、個別最適な学びと協働的な学びを実現するためには、教育のデジタル化が必要であると考え、取り組むことといたしました。ICT機器の活用というものはあくまでも手段であることに留意した上で、明年度から始まる新金沢型学校教育モデルにおきまして、こどもたちが社会の変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を蓄え、持続可能な社会の作り手として予測困難な未来社会に自律的に生きていくために、デジタルを活用して新しい価値や最適解を生み出すことができる人材の育成を目指していきたいと思っております。

-山下議員
 本格的にデジタル教科書も配布され、今後は全国学力調査をオンライン方式で実施するなど、ICT化が更に進んでいきます。一方で、日本よりも先にICT教育を進めてきたスウェーデンやフィンランドでは、こどもらの学力低下や身体への影響、教員の指導力低下が問題視され、紙と鉛筆を使う伝統的な教育方法に戻す脱デジタル化の動きになっています。ICTの活用が効果的な面もあり、全てが否定するものではありません。しかし、ICT教育がこどもたちの成長や発達にどう影響し、学びにもたらす効果と影響については真剣に検証する必要があります。そうした検証を行って、新設する「デジタル科」も含めてICT化を見直せるような体制があるのか、伺います。

-野口教育長
 今大切なことを述べられたと思っています。私は理科を研究教科にしてきた人間でありますので、やはり物事を進めるためには評価とか検証はとても大事なことだと思っております。明年度は、全小中学校の学校評価の重点項目にデジタル化に関する項目を設定し、児童生徒や教職員を対象にするアンケートや各種教育活動データなど、複数の指標を基にして検証していきたいと考えております。また加えまして、新金沢型学校教育モデルにおきましては、日々の学習を通して自分は何ができるようになったのかを振り返る金沢リフレクションを位置づけており、児童生徒1人1人がデジタル力を身につけることができたかどうかについて振り返り、相互評価を行いながら、その結果につきましては、児童生徒が学びの成長を自覚できるように活用していきたいと思っております。

-山下議員
 ぜひ十分な検証を行っていっていただきたいと思います。

 今回補正予算の教材整備費は、プログラミング学習用教材の調達とメタバース体験に必要な独自コンテンツの作成というふうにあります。メタバースは急成長の産業というふうに言われていますが、仮想空間の体験や既成の教材を使うことがこどもたちの主体的で継続的な学びにつながるのか、また教員とこどもたちの生きた学びにつながるのか、大変疑問に感じます。ユネスコの2023年グローバル教育モニタリングレポートでは「教育テクノロジーに関する良質かつ公正なエビデンスはない」「エビデンスの多くは製品を売り込もうとする側から提供されている」と指摘をされています。義務教育におけるプログラミングや最先端技術を体験することでどんな効果を期待しているのか、その教育的意義は何か、お伺いをします。

-野口教育長
 今、目の前に生きて勉強しているこどもたちが、これから20年、30年生きていった時に、おそらくメタバースのような仮想空間の中における活動というのは、さらに広がりを見せていくのではないのかなと思っております。文部科学省の小学校プログラミング教育の手引きにおきましては、プログラミング教育は、こどもたちの可能性を広げ、想像力を発揮し、将来の社会で活躍できるきっかけとなることが期待できると示されています。明年度から始まるデジタル科におきましては、まずは小学校では生活や地域の課題を解決するために、またドローンなどのロボットを有効に活用するためにプログラミングを作成いたします。中学校では、金沢の街並みを再現したメタバース空間による地域の活性化策を考案することなどを学んでいくこととしております。先端技術を通して、児童生徒が主体的にデジタル社会と関わるデジタル力を育成していきたいと考えております。

-山下議員
 補正予算の教材整備費は9900万円、そして2024年度のICT支援専門員の派遣は大手民間企業に1億1500万円で委託をしています。これを見ても、既に財界の狙いどおりというふうに私は感じます。教育のデジタル化については、教員の負担軽減やこどもの個人情報、データ活用など課題は多くありますので、また今後も引き続き議論をしていきたいと思います。

 最後の質問は、不登校支援の現状についてです。文科省が2023年における児童生徒の問題行動や不登校などの実態調査の結果を公開しました。不登校児童生徒数は全国で34万6482人と過去最多となり、11年連続増加をしています。特に小学校は10年前の10倍となっている現状です。不登校の定義に当てはまらない、何とか登校しているという子も含めて、学校が安心できる場ではないというふうに感じている児童生徒が増えていることは、学校のあり方そのものが問われているのではないでしょうか。金沢市の不登校児童生徒数は、小学校では498人、中学校は823人で、全国同様、前年より増加をしています。何が根本的な要因だと捉えているか、伺います。

-野口教育長
 国の調査結果によりますと、学校が不登校児童生徒について把握した事実からは、生活のリズムの不調や学校生活に対してやる気が出ないなどの相談が多く挙げられておりまして、本市におきましても国と同様の傾向が見られるというふうに考えております。

-山下議員
 今回の全国調査では、不登校のきっかけが児童生徒と学校側との認識に大きな開きがあったことから、回答する方法を見直して調査が行われました。市内では、9月に発行された金沢市医師会の「すこやか」という冊子に「不登校の背景にあるもの~こどもたちからのメッセージ~」の中でその認識の差が紹介をされていて、大変大きな反響がありました。2021年の文科省が示す不登校の原因の約50%が「本人の無気力・不安」、いじめは0.2%、教職員との関係をめぐる問題が1.2%となっている一方で、専門外来を受診したこどもたちの声をまとめたものでは、対人関係による社交不安が19%、いじめが19%、先生との関係が12%となっています。「この認識の差こそが不登校の最大の原因になっている可能性を考える必要がある」とも指摘をされています。学びの多様化学校設置検討委員会で、教育委員会は「不登校要因の主たるものでは本人に係る状況が主な要因」だと状況報告をしていましたが、今回の実態調査も踏まえ、児童生徒と学校側とで認識に差があったと捉えているのか、お聞きをします。

-野口教育長
 令和4年度までの調査では、不登校の要因を1つ選択するものでありましたけれども、令和5年度の今回の調査におきましては、学校が判断した要因ではなく、学校が把握した事実を複数回答することに変更されました。そのことによって、児童生徒の実態がより反映されているものになっていると考えています。本市ではこれまでも、担任や教職員による面談、家庭訪問、学校独自のアンケートの実施など、児童生徒の声が学校に届く体制づくりを整えておりまして、不登校の要因につきましては、学校と児童生徒の認識はそれほど差はないというふうに考えております。

-山下議員
 当事者からすると、本当にこの報告というのが大変認識に差があるというふうに感じます。認識に差があれば、適切な対応や支援につながっていかない可能性が生じます。先ほども、生活のリズムの乱れだとか、やる気が出ないということもありましたけれども、こどもたちを無気力や不安にさせているものは一体何なのか、そこをぜひ見ていただきたいというふうに思います。

次に学びの多様化学校についてお尋ねをします。今年度設置された学びの多様化学校設置検討委員会での審議を経て、「設置が望ましい」という答申が出ました。支援の選択肢が増えることは望ましいというふうに考えます。どのような学校の設置をどこでどのように決めていくのか、お聞かせください。

-野口教育長
 学びの多様化学校設置検討委員会からは、現在の不登校児童生徒数の状況から、学びの多様化学校を設置することが望ましいとの答申を受けたところでございます。合わせて、設置するにあたりましては、講習等の検討、教育課程等の工夫、関係機関との連携、立地環境の検討、施設や設備の充実、人材の確保、不登校児童生徒やその保護者等の実態把握等に留意して、さらに議論を深めることが必要であるとの答申内容でありました。今後、教育委員会におきまして、示された検討課題に対するさらなる議論や、設置に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。

-山下議員
 市長提案説明では、旧馬場小学校跡地が候補地になり得るということでした。これから検討が始まるという段階で、金沢経済同友会との懇談で報告をし、その後に議会へ提案というのは、余りにも議会軽視ではないでしょうか。こどもたちが歩いて通える既存の施設は学校跡地以外にも存在しますし、自然豊かな学校跡地はほかにもあります。地元への説明や合意があったのか。何よりも、不登校児童生徒や保護者から声を聞くこともせず、当事者をないがしろにした提案に大変憤りを感じます。確認しますが、旧馬場小学校跡地が既に第一候補なのか、お聞きします。

-村山市長
 教育委員会で、今後、設置場所のほか、学校の形態、カリキュラムなどの詳細について検討を進めていくと聞いております。そのことを踏まえるとともに、まちづくりや地域の活性化などの観点も含めて検討することになります。旧馬場小学校については候補地の一つとなり得ますけれども、設置場所についてはそういった観点も含めて最終的に判断してまいりたいと考えております。

-山下議員
 ぜひですね、こどもたちや保護者の声、そして地元の声を十分に聞いて、適正な過程を経て進めていっていただけるように求めたいと思います。

 2023年、NPO法人多様な学びプロジェクトが「不登校のこどもの育ちと学びを支える当事者実態ニーズ全国調査」を行いました。「安心して休みたい」「不登校の偏見をなくしたい」というこどもの率直な思いとともに、不登校の初期から回復期までそれぞれの時期に求めていた支援や、支援の利用実態など、児童生徒と保護者のニーズも明らかにしています。そのニーズは、教育、福祉、医療と多岐にわたり、実際に利用した支援の課題も明らかになっていました。今後、金沢市が既存支援の拡充や新たな支援を構築するに当たって、やはり当事者のニーズを把握することは重要だと考えます。支援者も含めた当事者ニーズの調査を求めますが、見解を伺います。

-野口教育長
 不登校児童生徒1人1人の状況に応じた多様な支援を図るために、各学校におきましては、これまでも教育相談票や1人1台端末等を活用して、不登校児童生徒の実態やその保護者の思いについて把握し、組織的・計画的な支援を行っておりますけれども、依然として不登校児童生徒数が増加している現状がございます。昨年度の実数から考えますと、これまで金沢市の増加率というのは国や県よりも増加の伸びが大きかったと思っています。ただし、ようやくその伸びが今年度、令和5年度の数値から参りますと、これは国や県よりもこの増加率がなだらかになってきています。ただ、増えているというその事実はあります。したがいまして、その事実をしっかりと受け止めなければならないというふうに思っています。先般、学びの多様化学校設置検討委員会から、不登校児童生徒の思いや要望等を把握するため、実態調査について参酌すべきとの方針がありました。これは非常に大事にしていかなくちゃいけないと思ってます。今後、実施に向けて検討してまいります。

-山下議員
 ぜひ、実態とあわせてニーズも調査していただいて、必要な支援の整備とその支援につながる手立てをお願いいたします。先の全国調査では、不登校をきっかけに4割の保護者が収入が減ったと回答し、9割が支出があったと回答しています。行政に望むものにフリースクールなど学校以外の場に通った場合の利用料減免や、家庭への経済的支援が上位に挙げられています。私も保護者から、食費や塾代など出費が増えて経済的に追い込まれていたという話を聞いています。経済的な理由でこどもたちの選択肢が制限されることがあってはなりません。金沢市においてもフリースクール等を選択できる経済的支援を求めますが、いかがですか。

-野口教育長
 本市におきましては、フリースクールへの理解を促進するために、令和4年度から不登校民間支援団体等連絡会に参加しているフリースクールが行う親子体験教室やものづくり教室などの体験機会を創出する活動に対し支援を実施しております。現在、フリースクールを選択したご家庭に対する経済支援については行っておりませんが、全国の教育長の会とか中核市の会に行きましても、この問題については時々意見交換をします。各都市、他の都市の状況をこれから踏まえながら研究をしていきたいと考えております。

-山下議員
 先行の自治体はいくつもありますので、ぜひ研究をお願いいたします。そして経済的支援は家庭だけでなく、先ほども名前上がりました支援団体からも求めがあります。本市は、不登校民間支援団体連絡会設置されておりますので、支援の強化についても対話をできる場が既にありますので、積極的な検討をお願いいたします。

不登校支援については、多様な支援が重層的に必要です。ただ一方で、教員の長時間過密労働を解決せずに不登校の問題が解決できるはずがありません。先の全国調査で、こども・保護者ともに「学校に変わってほしい」という声が上がっており、学校のあり方が問われています。まずは少人数学級を実現し、教員の業務を減らしていくこと、そしてこどもや教員を追い詰めている過度な競争主義・管理主義からの転換を求めますが、見解を伺います。

-野口教育長
 各学校の教職員は、不登校支援はもちろんでありますけれども、学校教育全般にあたりまして、全力でこどもの思いに寄り添った支援を行っていると思っております。そのためにも、引き続き、教職員が本務に専念するための時間を確保するために、時間外勤務時間、この縮減に取り組みますとともに、今おっしゃいました少人数学級の拡充につきましても、これは大事なことだと思っています。したがいまして、この根本には教員定数を改善していく必要があります。これは根本的なもんだと思ってます。したがいまして、全国都市教育長協議会や中核市教育長会等を通じながら、引き続き国に働き掛けていきたいと考えています。これからも、教職員1人1人がこどもたち1人1人の声に耳を傾けながら、より良い教育実践を積み重ねていくことができるよう、歩みを止めることなく、教職員の多忙な勤務状況の改善に向けて私は全力で取り組んでいきたい、そのように思っております。

-山下議員
 ぜひですね、本当に先生たちの働き方も大事ですし、少人数学級でやっぱりこどもたちが本当に楽しい学びを、豊かな学びをする場を一緒につくっていきたいというふうに思います。ただ、やはり今の教員不足の多忙化ですとか不登校の問題、少人数学級など、さまざまな教育の課題が国の中では後回しにされて、企業が儲かる、こうしたICT教育に多額の予算がついていくということがこどもの最善の利益につながるとは思えません。教員がこどもと向き合う時間、そして教員の皆さんの健康ですね、こどもたちの学びの保障、こどもたちの健康が最優先にされるべきだ、そういう教育のあり方を求めて、私の全ての質問を終わります。

金沢方式について

負担ではなく寄附である

-広田議員
 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の1人として質問いたします。まずは、金沢方式について伺います。
 第3回検討懇話会では、試算の結果が出されました。公民館の運営費と整備費について、住民からの税外負担が過去20年で47億円、これから20年ではおよそ80億円の推計です。市長、金沢方式では「地元負担金」と呼んで市民からこれだけのお金を集めていますが、市の歳入ではあくまで「寄附金」の扱いです。「負担金」という科目もありますが、例えば保育料など法的根拠があるものに限られます。地方財政法第4条の5では「地方公共団体は住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金(これに相当する物品等を含む。)を割り当てて強制的に徴収(これに相当する行為を含む。)するようなことをしてはならない。」とあります。市長は「寄附金の割り当てではない、地元負担することも含めての地元の総意」だと繰り返し、昨日は「自発的な寄附は禁止されていない」としました。ではその前に、住民は寄附ではなく負担だと知らされていたのでしょうか。この議論が始まるまで、「金沢方式が寄附だ」ということはほとんど周知されていません。そもそも市が行った町会長アンケートでも、「金沢方式」の言葉自体の認知度でさえわずか31%です。町会の役員経験者もこう述べています。「公民館建設で3万円を80代の方から、生活も大変だろうと思ったが、何度もお願いしてやっと払ってもらった。しかしその翌年亡くなられた。寄附だと知っていれば自由意思を尊重したかった」と悔やみます。これまで公民館だけでも47億円もの「寄附」について、金沢市は長らく「負担金」と言い換え、一般住民は「寄附金」とは知らされずに負担してきました。
市長、金沢方式の実態は寄附の割り当てではないですか。

-村山市長
 地区公民館等の施設整備にあたりましては、あくまでも一部費用を負担してでも建てたいとの地元要望を受けて整備しているものであります。整備完了後には、地元負担相当分について、地元からの寄附申し出に基づき寄附金として採納をしておりまして、地元負担を強制するものではありません。また、毎年度の予算編成の中で議会にお認めいただいて、そして決算の認定をいただいているものでございます。

自発的かどうか

-広田議員
 予算書に載っていても、寄附だということでしっかり委員会に報告されてきたでしょうか。過去の通知があるはずです。そういったこともなしに、市民にも議会にもほとんど知らされずに、寄附を負担と私は割り当ててきたと捉えておりますし、先程来から周知の問題を繰り返していますけれども、法律や条例、要綱も全くないのにどうやって周知をするのかとそもそも私は思います。
 そして70年前は住民の自発的寄附だったのかもしれませんが、今は負担しなければ作ってもらえない仕組みと理解しているから寄附という認識が広まらないのではないですか。そこで金沢方式が、昨日おっしゃった「自発的かどうか」という点です。市長は9月議会で「設置を望む地域の総意に基づき、地元負担が生じることを了承の上で事業を進め、了承がない限り着手しない」とまで答えています。これは、どんなに公民館や児童館が老朽化しても、地元が負担を了承しないと整備はしないということですか。これはつまりは、地元へ市が寄附を強要しているということにならないですか。

-村山市長
 本市における公民館、児童館の整備に関して、建設工事のほか、施設の大規模な修繕についても、地元負担が生じることを前提に、地域の総意に基づいて行っております。地元の同意を得ているということから、寄附の強要には当たらないと捉えております。なお、施設の維持管理的な修繕につきましては、施設の管理運営費の中で対応しております。

-広田議員
 地元の同意がなければ整備をしないということを認めたということですよ。市長、そもそも市の施設ですよ、整備計画があるんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

-村山市長
 市の方で老朽化の度合いについては把握をしておりますけれども、その整備計画というものは持っておりません。

-広田議員
 では、地元が要望しなければいつまでたっても整備しない、ただただ朽ちていくと。一律の建物がそういう存在になっていることを金沢方式と読むのであれば、やはり住民に寄附を強いているということになりますよね。地元が負担を了承しないと進まない、そう認めるんですね。市が主導、負担の強制をしているということで間違いないですか。

-村山市長
 先ほど答弁申し上げましたけれども、寄附の強要には当たらないと捉えております。

-広田議員
 いや、ご自身で、整備計画もない、地元の同意に基づいて整備をすると認めたということ、そして9月議会でも、了承がないと事業に着手もしない、そうとまで言ってるんですから、実態は負担の強要、寄附の強要ですよね。お認めください

-村山市長
 繰り返しのご質問ですけれども、答弁同じでございます。

-広田議員
 答えられないということですね。

地域コミュニティのあり方を歪めている

 それでは、実態、金沢方式が地域コミュニティにとってどういうことになっているのかという点についてです。
 地域コミュニティの最小単位は町会です。本来、各町会は独立した存在です。そして、町会で「寄附はしない」「市の施設は税金で行うべき」など、様々な思想、信条、考え方の人々の集まり、これが町会ですから。だけども、身近なコミュニティだからこそできる親睦や災害・除雪の対応に必要性を感じ、皆さん加入をされています。一方、金沢方式は、町会の発意ではなく、建設準備会などから負担金の要請が各町会へ世帯数で要請され、町会が各住民に求めざるを得ない、そういった仕組みとなっているのも実態です。こんなお声があります。「雪深い地域なので、町会でロードヒーティングを敷いている。電気代は年間で100万円かかるので、使う時間を限っている。昨年の冬、まだ作動していない時に急病人が出て、救急車が上がれず、みんなで担架で運んだ。公民館建設で請求されている300万円があれば、もっとロードヒーティングを充実させて市民の命を守りたい。」
 市長、町会の目的や加入されている各々の思いがありながら、町会、住民負担が規定路線となりご苦労されている現状をどうお考えですか。

-村山市長
 地区公民館等の建設にかかる地元負担の集め方については、通常、それぞれの校下地区の町会連合会等において決定されるものと聞いております。地区様々な方法があることは承知しておりますし、様々なご事情があることも承知しております。

-広田議員
 ご事情承知しているんならばわかるでしょう。
既定路線となっちゃっているのが現代の金沢方式なんです。昔は篤志家がいたかもしれない。だけども現代はどうかということを、ご事情をご存知ならば、ご存知なはずです。もしそういうご事情を知らないのであれば、一旦町会長、今の町会長、そして町会長経験者に話を聞くべきです。お願いします。
 そして市長、町会は生活が大変な方からも一律に3万円、5万円と負担を求めなければなりません。これは同じ住民の立場で本当に辛いことです。市はこれまで「市として均等に求めているわけではない。高齢者世帯などに軽減したり、積み立てを活用するなど聞いている」としていますが、全くの無責任です。町会には住民税非課税世帯の方もいれば、生活保護利用世帯、1人親世帯、それ以外にも見えないご苦労されている世帯はたくさんあります。積み立てといったって、困窮者からもこれまで積み立てた町費じゃないですか。市長、町会は行政ではありませんよ。よって、個人情報も持っていません。基本的に一律いくらとしか提案できないんです。いかがですか

-村山市長
 公民館等の建設にかかる地元負担、資金計画や地元負担の集め方については、例えば高齢者世帯等に対する軽減あるいは積立金の活用など、地域によって様々な方法があるというように思っております。個人的に申し上げますと、私の住んでいる町会の方でも公民館、児童館の建て替えがございました。それについても町会の中で様々に調整をして、そして負担について決めてきている。そういった町会の中での決め方、それぞれ様々な方法があるというように思っております。

-広田議員
 様々と言っても限りがありますよ、個人情報を得るには。行政ではないんです。だからこそ、行政は応能負担によって市税を集め、それによって皆さん均等にサービスを受けられるようにする、その機能が働かないのが金沢方式なんです。市長は「高齢者など」としか実例用いて言えません。実際お認めになっていることと思います。町会がどれだけ1人1人からお金を集めることにご苦労されているか、それも含めて一旦、聞いていただきたいと思います。住民からすれば、金沢方式の実態は「一律割り当てや強制徴収」になってしまっている。どんなに市がそうではないと言っても、そう感じている住民がいること自体が事実です。
 市長、住民も地域コミュニティに対し、説明責任やガバナンスを求める時代です。町会加入率が7割を切っている、これは金沢方式のようなものが一因ではないですか。金沢方式は今となっては町会の独立性を阻み、地域コミュニティのあり方を歪めているのではないですか。本来の独立性があり、住民のために機能する地域コミュニティにするため、金沢方式の根本的な見直しが必要と考えますが、いかがですか。

-村山市長
 金沢方式については、私が金沢市に移住する前からずっと存在していたものだというように思います。そして、私が市長になってから、この抜本的な方針について触れたわけであります。人口減少、少子高齢化の進展、そして町会加入率が低下する、また地域を取り巻く環境が大きく変わってきているという中で、この負担率の見直し、40年以上変わってこなかったものについてやはり見直していくべきだろうということ、地域コミュニティを支える基盤を強化する上でも、持続可能な金沢方式の見直しが必要だということで、今回見直しに着手をさせていただきました。この金沢方式を含む本市の地域コミュニティの醸成にあたりましては、若い世代、転入者はもちろんのこと、市民全体に向けて周知・広報に努め、そして地元負担の軽減に迅速に取り組む必要があるというように思いますし、地域活動の担い手確保にも取り組みを強化していきたいと考えております。

-広田議員
 70年前から始まっているんで、私も生まれる前で、どう決まったのか、本当にどういう仕組みだったのかも議事録見てもわからないぐらい古い話なんですよ。1度、現代に合っているのか根本的に見直す必要が今ある。先ほど若い世代に周知をと繰り返していますけど、第3回あり方検討会で1番若い大学生は法的な整理を求めたのに誰も答えないんですよね。びっくりしました。その後、担い手をどうするかっていう話に盛り上がっていて、いやいや、1番の担い手が疑問を持っているのに誰も答えないんですかと。本当に残念な検討会を見たような気がします。本当に若い方、次の担い手のことを考えるのであれば、その人たちがこの今私が言ったご苦労を背負っていかなければいけないんです。この矛盾に向き合っていかなければならないとしたら、今変えられる、私たちが責任を持って変える時に来たと思います。
 市長、かつていくつかの町会連合会が当時の市長の後援会に対し、政治資金規正法に反する支出をしたことがありました。住民が気がつくまで発覚せず、発覚後も市は「町会連合会は任意団体だから指導できない」としてきたんです。しかし最終的には、この議場で当時の市長が違法だと認めた。町会が健全に、住民同士気持ちよく活動するために、市長のご決断を求めますが、いかがですか。

-村山市長
 これまでの他の答弁でもございましたけれども、法的に違法な制度ではありません。割当的寄附金の禁止、寄附等の禁止を規定している地方財政法第4条の5について、「自発的な寄附はなんら禁止するものではない」と解釈をされております。今般、金沢方式の持続的な金沢方式のあり方について検討し始めた。これも40年以上変わっていない負担率について、このままでいいのかということを含めて議論させていただきました。
 そして、あり方についてという中では、金沢方式やっぱり必要だというごいご意見をたくさんいただきました。そうした中で、どのように持続可能にしていくかというような検討を行っているわけです。今般の議論を踏まえまして、来年度の予算編成の中で新たな形でこの金沢方式を繋いでいきたいというように思っています。

-広田議員
 金沢市がいくら違法でないと言っても、実態はこの現代においてはもう違法となっている事実が大事ではないですか。しっかり調べていただきたいと思います。あり方検討会は、当初から言っているようにように、公募も入れずに関係者だけで完結させようとしていますけど、先程来言っている町会長、現役町会長、そして町会長経験者もご苦労をされているといったことが次々に、私の周り、おそらく議員の周りにはたくさん声がかかっているはずです。ぜひ、この検討懇話会、あと最後の第4回で終わろうとしていますけれども、延長してでも根本的な議論をするように求めておきたいと思います。

消防組織法について

 次に、消防組織法では、「消防本部、消防署、消防団、分団は市が設置し、市町村の消防に要する費用は市町村が負担する」と、これまた規定されています。本市でも、消防署はもちろん、消防分団も市が基本的には設置をし、建物やポンプ車も市の市有財産となっています。しかし金沢方式では、消防分団の施設整備やポンプ車購入は、地元が市の補助金をもらいながら事業を行い、その後、市に成果物として寄附することが多いのが実態です。同じく市が設置する公民館・児童館は、金沢方式であっても、まずは市の施設として市が整備を行い、後で寄附金をもらうという仕組みになっています。
 消防組織法では寄附を妨げてはいませんが、最初から地元の補助事業として行うのは法の趣旨に反していませんか。

-蔵消防局長
 消防組織法8条の条文につきましては、地元からの負担そのものを禁止するものではないというふうに理解しており、国の方にも確認しているところでございます。地元負担を求める事業につきましては、その予算を議会にお諮りし、お認めいただき、実施しているところであります。

-広田議員
 消防庁にも確認しました。寄附を妨げているものではないけれども、市の施設であり財産なのに、なんで地元が事業をするのかというのは、これは根本的な矛盾なんですよ。中核市で何都市、このやり方をとってますか。

-蔵消防局長
 中核市全体の中で6都市、金沢方式と似たような補助制度を設けております。

-広田議員
 10分の1ですか。大変少ない実態であり、金沢方式は完璧な地元事業という感じになってますね。歴史があるので法律に反しても仕方ないということではないんですよ。せめて市の事業として行った上で任意の寄附があるならまだ理解できるのですが、最初から地域の事業なんです。しかも消防の場合は地元負担4分の1とかではなく、項目によって様々で、結果的に地元負担の方が大きくなる場合があるんですよね。市長、9月議会では「法律と矛盾しない」とお答えになっていましたが、改めていかがですか。地元負担の方が上回ってるんですよね。いかがですか。

-村山市長
 法律とは違反していないと考えております。

-広田議員
 その根拠をお聞きしてるんです。お願いします。

-村山市長
 違反している場合には根拠が必要かもしれませんが、違反しておりませんので、根拠を示す必要はないというふうに思います。

-広田議員
 私は違反している根拠を示したんですよ。なので、違反してない根拠をぜひ示してください。

-村山市長
 先ほど、消防組織法第8条の規定がございました。そして、その後、「禁止するものではないが」のあとについては、地方財政法第4条の5の規定が引用されております。そして、地方財政法第4条の5に違反しておりませんので、違反していないということです。

-広田議員
 結局、地方財政法に戻ってくるとは思うんですけど、私が言ってるのは、公民館・児童館は、まず一応市の事業としてやる、入札もかけてきちんと公正公平にやるんです。その後の寄附なのに、消防は最初から地元が業者を選ぶんですよ。そんなことってあります、市の事業で。消防の機械器具置場は、市有財産でいうところの公用財産です。例えば児童相談所とか東部・西部管理センターとかもそういった類です。そんな施設がですよ、地元で業者も探して事業を行い、補助金もらうなんてことありえますか。市長、いかがですか。

-村山市長
 詳細に調べている上で答弁するものではありません。事前にそこまでの通告がございませんでしたので調べておりませんけれども、これまでの方法で、ちょっとそれぞれの契約の方法についても詳細に承知していないので、ちょっと答えることができません。

-広田議員
 通告の範囲内ですよ。ずっとこの議論してるんですから。市長、今契約のやり方も知らないっておっしゃってたんで、一旦ちゃんと調べてください。公民館と児童館、そして消防分団はやり方違うんですよ、金沢方式の。是非お願いします、今答えられないと思うので。そしてですね、消防組織法の逐条解説ありますけど、地方財政法第4条の5に触れつつ「強制的な寄附金でなくても、住民の税外負担の解消という観点から、市町村当局は寄附金に対して安易に依存するべきではない」とあるんです。市長、私は違法だと考えますし、明らかに市民の税外負担に関わる重大な問題です。市の事業として行うよう見直しを求めますが、いかがですか、

-村山市長
 市当局の安易な依存ではないというように考えております。この金沢方式、そもそもの成り立ちから、そして消防分団あるいはその他の、金沢方式でいけば公民館・児童館全てにかかる問題だと思いますけれども、その地区その地区での必要性を感じた中でのこの金沢方式が伝統的に作られておりました。その歴史的経緯を踏まえた中で、安易な依存とは考えておりません。

-広田議員
 契約の仕方も知らないっておっしゃったじゃないですか。安易な依存ですよ。私思うんです。70年前に決まったことが、今パンドラの箱開いたと思うんです。職員さんの中にも、え、寄附だったのって住民が思うように思ってる方がもしかしたらいるかもしれない。
 1度しっかり、それぞれの整備、事業運営費、どんなふうに地元負担がかかっているのか、皆さんが予算計上しているのか、しっかり精査して、根本的な見直しを求めたいと思います。

道路除排雪について

除雪割合について

 次に、道路除雪について移ります。今日も平地でも雪がちらつき、市民を悩ませる積雪シーズンが到来です。今年は例年よりも積雪多めとの見方もあります。市の関係部署並びに業者の方々は、震災復旧で大変な中ですが、安全にご留意の上、どうかよろしくお願いいたします。さて、金沢市では近年、市民や議会の要望に応え、除雪基準の引き下げやオペレーター育成の補助なども進められてきました。しかし、これまでも明らかにしてきた通り、金沢市では市道の除雪範囲は4割にとどまっています。法定外道路を分母に入れると3割です。誤解のないように言いますと、委託業者さんは市から委託された路線の除雪をきちんと遂行していただいており、この4割というのは、あらかじめ市がこの道路を除雪しようと決めた計画が4割にとどまると、そういう意味です。また、どこでもそうかというと、県内の市町はじめ、同じ北陸の県庁所在地であり中核市の福井市や富山市も市道のほとんどを除雪しており、家の前まで除雪が入るのは当然です。それは、そもそも道路法第42条などで道路を良好に維持することが義務付けられているからです。なのに、金沢市だけなぜ市道の除雪率が低いのですか。

-木谷土木局長
 本市の除雪路線の割合が4割程度となっていることについてでございますが、本市では毎年、交通事業者や町会連合会、除雪委託業者などに意見を図りながら、毎年除雪計画を策定しております。過去30年以上、市道における除雪路線の割合は4割程度となっております。しかしながら近年、少子高齢化や生活環境の変化に伴い、市民からの除雪のニーズは高まっており、地域除排雪活動補助制度など各種支援制度の創設やその制度の拡充に努めてきたところでございます。また、建設業の担い手不足が深刻化する中、本市除雪体制を維持するために、除雪業者の掘り起こしを行い、加えてオペレーターも確保する必要があるため、昨年度から育成費補助制度を創設するなど、除雪体制の維持強化に取り組んでおります。このような状況でありますことから、市道における除雪路線の割合が大幅に拡充できない状況にあることをご理解いただきたいところでございます。

除雪体制について

-広田議員
 はっきり言って、業者さんの状況が全然わからないです、市の説明では。除雪体制が重要なのはわかります。ただ、他都市と比べても遜色ないんですね。例えば福井市と比較してみます。まず金沢市の除雪率は市道2,200kmの40%。一方、福井市はほぼ同じ市道2,186kmの85%を除雪しています。出動基準も最重要路線は5cm、他はどの路線も10cmが目安です。では体制ですが、金沢市は業者数が205社で機械保有台数が755台、オペレーター数が1090人。福井市は業者数が257、機械が539台、オペレーターが929人です。福井市と比べたって、金沢市でももっと除雪することが可能じゃないかと思うんですが、いかがですか。

-木谷土木局長
 他都市と比較したところ除雪路線を増やせないかについてでございますが、本市と他都市の道路交通事情や除雪の作業内容はそれぞれ異なっていることから単純には比較できないため、比較検討につきましては、今年度より導入するGPS機能を有する除雪管理システムを活用して、除雪作業車両の位置情報、作業速度などのデータ検証・分析をするとともに、市内の除雪業者へのアンケート結果や、福井市も含め、本市以外の他都市のデータも参考にして、効率的な除雪作業について研究してまいりたいと考えております。

-広田議員
 はい。GPSの情報などを基に拡大に向けて研究したいということだと思いますが、すでに2018年の本市が行ったアンケートで、もし機械の貸し出しがあれば除雪路線増やせますかという質問に、33%、30社が「はい」と答えてるんですね。で、福井市は実は業者さんに機械をどんどん貸し出してるんです。だから、こういうことを繰り返しこの議場でも言ってますので、調べてほしいんですね、当てはめられるかどうか。そして、金沢市のもちろん道の特性は理解してますが、4mの幅員、機械が入る4mの幅員以下は80kmなんですね。だから、そこまで問題じゃないんじゃないかということもあります。ぜひ拡大を目指して調査していただきたいと思います。

財源について


 次に、金沢市はあまり財源のこと言いませんけど、市民の方からは、金沢市はお金がないから除雪ができないのねというお声をよくいただきます。しかし金沢市は豪雪地域に指定されており、地方交付税の算定根拠として、道路の4割ではなく、道路全体の除雪費用を算定されています。ここ3年間は、毎年8億6000万から9億円必要だろうと算定がされ、さらに国土交通省から幹線道路の国庫補助があり、特別交付税では実際もっとかかった費用が手当てされ、職員の残業代まで申請をできます。市道全体で考える国の積算においては、金沢市の除雪割合は4割なので、現時点で当然収支の不足はありません。
しかし特別交付税は実際かかった費用の不足で見ますので、金沢市の場合、昨年度は1億3000万円。一方、福井市は、市道のほとんどを除雪しているので、特別交付税が数倍大きいわけです。金沢市の場合はどんなに降っても4割、決まった道路しかしないので少ないという結果です。ただ市長、仮に金沢市も市道の除雪が4割が8割、9割となれば、当然この特別交付税の額も引き上がっていきますよね。お願いします。

-川畑総務局長
 除雪率の引き上げにかかわらず、例えば大雪が発生した場合など、普通交付税の基準財政需要額を上回る除雪費用が発生した際は、理論上、その半分程度が特別交付税の基準額に加算されることとなります。

-広田議員
 つまり、市長、除雪した分だけ国から交付税が出るんです。それは法的な義務が明示されているからです。だから他都市もちゃんと8割、9割やっている。私は、この財源の裏付けもあるんですから、市道の全体を除雪できるよう計画的に除雪率を引き上げていくべきだと思いますが、いかがですか。

-木谷土木局長
 除雪路線を拡充し除雪率を上げるためには、財源の確保も重要ではございますが、現在、建設業などの現場作業員の不足が年々深刻化しております。除雪作業に従事するオペレーターを確保することが最も重要と考えております。引き続き、除雪業者の掘り起こしやオペレーターの育成支援を進めてまいりたいと考えております。

-広田議員
 ここまで色々材料を出して提案してるんですから、引き上げるともうはっきり言ってほしいんですよね。地域除排雪見てみます。市の地域除排雪活動費補助制度を利用して、昨年度は145団体、280kmの除雪が行われました。およそ市道の13%です。これは市が行う除雪範囲以外ですので、市が行う範囲と合わせれば、少なくとも本市の除雪能力は5割を超えているんではないですか。いかがですか。

-村山市長
 金沢市の道路除雪計画の中では、市民、事業者、行政が役割を認識して、連携、協働して対応するということになっております。計画では、交通量が多い路線や公共性が高い路線から順次、市が除雪作業を行います。大雪の時には市の除雪作業に合わせて、おっしゃった地域除排雪活動費補助を活用して必要な生活道路の除雪を担うこととなっております。先程来答弁ございますが、各都市でどのように除雪を行っているか、より効率的な除雪の方法はないかというかたちで調査を行っております。そういった中で、今もオペレーターの育成、さらにはGPSを用いた作動の確認、そういったことをデータとして行おうというように思っております。今後も効率的な除雪作業について研究を行いながら、冬期間の市民活動、経済活動の確保に努めたいと思います。

-広田議員
 私が今言ってるのは、委託業者さんが市の道路以外、もしくは委託業者さん以外が町会の除雪をやっていて、全体足し合わせると5割超えてますよという実態です。それを参考にしていただければ、もう引き上がってるんですよね。だからもっとやれると私は思うんです。ぜひ、今調査すると言っているんで、それを元に引き上げていただきたいと思います。
 そして、この補助費用は、ゴミの有料化で集めた基金からなるコミュニティ事業として位置付け、昨年度は2400万円、多い年は5200万円支出されていますが、除排雪費用は、先程来言ってるように、市道全体について地方交付税の算定があり、そして特別交付税でも措置されるんであれば、コミュニティ基金からではなく一般財源として支出し、町会の4分の1負担はなくして全額出すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

-川畑総務局長
 まず、地域の除排雪活動に関する支援制度は、町会等の負担軽減、そして地域コミュニティの醸成、充実に施する施策として、地域コミュニティ活性化推進審議会にお諮りした上で基金充当事業としております。現時点で一般財源とすることは考えておりません。

-広田議員
 これは財政のやり方が上手くないですよ。国からは道路管理として認定されて交付税措置されるのに、市民にはコミュニティ事業として一部負担する。しかもコミュニティ事業だからといって、これ特別交付税であげて(申請して)ないんじゃないんですか。しっかり財源とって、市民の負担なくすようにしていただきたいと思います。
 市長、除雪の問題というのは、他の豪雪地帯なら取り除いている市民の苦難を金沢市は放置しているということなんですよ。
だけど今、体制的にも財源的にも他の自治体並みにやろうと思えばできるってことがわかったじゃないですか。ぜひ頑張りましょうということを私は伝えたい。一緒に頑張りましょう。

社会福祉事務所の増員について

 次の質問に移ります。全部まとめて、端的にしたいと思います。社会福祉事務所の増員を求めます。社会福祉法においては、生活保護などの事務を担う社会福祉事務所には、SVさんとケースワーカーさん、事務員を置かなければならないとされ、ケースワーカーは非保護世帯数80世帯につき1人を標準としており、本市は3700世帯の受給世帯ですから、この基準では46名のケースワーカーが必要ですが、実態は44名にとどまっています。そして実際には病気や産育休の方もおり、負担はそれ以上で、時間外も多くなっています。
 市長、早急にこのケースワーカーと、そしてSVも2名足りません、増員していただくよう求めますがいかがですか。

-川畑総務局長
 ケースマーカーにつきましては、直近10年で8人増員するなど対応してきたところでございます。また、スーパーバイザー、査察指導員ですね、こちらにつきましても、ケースワーカーの増員と合わせ対応してきているところでございます。職員の確保、そして増員の配置につきましては、これまでも市政を取り巻く状況の変化、そして行政需要の増減など、全庁的な状況を総合的に勘案しながら行っておりまして、引き続き、計画的な採用、そして適正な人員配置に努めてまいりたいと思っております。

-広田議員
 本当に生活保護の仕事って大変なんです。そして、大切なんです。市民の命と暮らしを守る上で本当に大切な業務です。調べてもらったんですが、平成20年以降、充足した年ないんですよね、この標準数を。で、ずっと計画的にっておっしゃってるけど、いまだ実現されない。早急に増員を求めます。市長、最後いかがですか。

-村山市長
 この配置の人数についての変化があったというように思いますけれども、必要に応じて適切な措置を講じていきたいというように市の方でも思っております。

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。
 最初の質問は、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したことについてです。 『ヒロシマ・ナガサキ あの日 あの時からそして 今』と題する小冊子が、2015年8月15日 石川県原爆被災者友の会から発行されました。県内30人の方々からの被爆体験がつづられています。原爆投下後、広島市内で家族を探して歩いた様子、軍の命令で死体処理やがれきの撤去作業に携わった体験などがつづられています。その後、放射線による健康被害に苦しみ続けている様子は、被爆者体験者の心の叫びとなっています。当時友の会会長の西本多美子さんも被爆体験者としてこの小冊子の中で次のように記しています。「『ふたたび被爆者をつくるな!核兵器なくせ!』は私たち被爆者の心からの叫びです」この小冊子の中で述べています。昨日、ノーベル平和賞授与式がノルウェー・オスロで行われました。日本原水爆被害者団体協議会の代表委員・田中てるみさんは、スピーチの中で自らの被爆体験を語り「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願い」だと述べ「核も戦争もない世界」を呼びかけました。
 市長。今回、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞についての所感を伺います。

-村山市長
 唯一の被爆国である日本の原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されたことについて、祝意を申し上げたいと思います。 多くの方々のこれまでの長年に渡り大変ご苦労のあった活動に心から敬意を表する次第であります。平和都市宣言を行っている本市として、改めて平和の尊さ、戦争の悲惨さを後世に伝えていかなければならないとの思いを強くしたところであります。
 
-森尾議員
 金沢市平和都市宣言には「核兵器の全面禁止・廃絶は人類すべてのねがいであり、われわれは、その実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」と決意を明記しています。来年被爆80周年を迎えます。金沢市平和都市宣言の40周年でもあります。金沢市としての具体的取り組みについて伺います。

-村山市長
 本市では平和都市宣言に基づき、毎年夏に市立図書館において「原爆と人間展」を開催しております。今年度はこれに加え、第2本庁舎と戦没者慰霊式においても展示を行いました。戦後80年、平和都市宣言40周年の節目の年となる明年は、毎年開催している原爆と人間展の充実を図りたいと考えています。加えて、どのような取り組みができるか、金沢市遺族連合会や広島平和記念資料館などの関係機関と協議をしてまいりたいと存じます。

-森尾議員
 来年3月、国連で核兵器禁止条約締結国の第3回会議が開かれます。この禁止条約への署名は、94か国・地域、批准したのは73か国・地域に広がっています。去る11月27日、政府与党である公明党が核兵器禁止条約締結国会議への参加を石破総理大臣に要請しました。石破総理大臣は「唯一の戦争被爆国である日本が最も強い説得力を持つ」と応じたとのことです。
 市長。金沢市平和都市宣言の立場からも、政府に対して核兵器禁止条約への賛同と締結国会議への参加を要請するよう求めます。その見解を伺います。

-村山市長
 公明党が首相に対して核兵器禁止条約締結国会議に政府がオブザーバー参加するよう要請したことは承知しております。が、国への要請につきましては本市も加盟する平和首長会議の国内加盟都市会議として行ってきたことから、改めて市として直接要請する考えはありません。

-森尾議員
 質問の第2に、総選挙で示された民意と市長の政治姿勢について伺います。
 先の総選挙の結果「与党である自民と公明が過半数割れ」となりました。国民の審判は裏金問題への批判と怒りと物価高騰に苦しむ国民の声が、今の政治を変えてほしいとの流れを作り出したものです。市長は総選挙後、学生との意見交換の場で「能登半島地震からの復旧復興の途中であり、やっぱり自公政権が安定的になるのがいい」と述べたとのことです。総選挙で示された民意とは大きくかけ離れた発言です。市長は、総選挙によって自公政権が過半数割れとなったことについてどのような見解をお持ちか伺います。

-村山市長
 先月、金沢市内の大学生で構成されている金沢市選挙サポーターE7(イーナ)との意見交換会に出席した際の発言についてであります。能登半島地震からの復旧復興と、被災者の一日も早い生活の再建に向けては、国と県内自治体との緊密な連携体制のもとで、国の迅速な判断と対応が求められますことから、そのことを「政権の安定」という言い方で表現したものであります。なお、自公政権が過半数割れをしたという中ではあります。これは非常に厳しい審判が下されたというようには認識しておりますけれども、その他の党での政権が樹立したというわけではありません。民意とかけ離れているというご指摘は当たらないというように思っております。

-森尾議員
 もうひとつ伺います。
 去る11月22日、金沢経済同友会との意見交換が行われ、その場において市長は、重要な市政方針にかかわる発言を行いました。金沢駅前の旧都ホテル跡地の再開発と小学校跡地利用についてです。いずれも市民と市政にとって重要な課題であり、今議会でも議論となるものです。議会を通じて市民に明らかにするというのが議会制民主主義の基本です。ところが市長は、金沢経済同友会との意見交換の場において、重要な市政方針を明らかにしました。しかも、その発言内容が重大です。金沢市は保存と開発を掲げ、そのまちづくり方針の骨格をなす市内のエリアごとに開発の基本を示し市民の合意づくりを進めてきました。金沢駅前のエリアは、建物の高さは60mとし、景観を配慮したまちづくりを進めるとしてきました。ところが市長は、先の金沢経済同友会との意見交換の場で、この高さ制限を除外するための整備方針を12月下旬にも内閣府へ申請すると表明し、容積率にもとらわれず開発できることを追記する方向であるとしました。議会では、3週間前の10月28日、都心軸再整備特別委員会が提言書を市長に提出しました。この中で「金沢駅周辺区域においては、鉄道やバスなど広域交通結節点の特性を生かし、鼓門ともてなしドームなどから構成される金沢駅東広場などと調和した意匠や景観に配慮した都市開発を誘導すること」などを盛り込んだものです。市長は、議会の議論をどのように受け止めたのですか。市民とともに金沢市が作り上げてきた金沢固有のまちづくりの景観や歴史的・文化的な景観をはじめ、都市の風格についてどのように考えておられるのか。見解を伺います。

-村山市長
 都市再生緊急整備地域の指定に向けましては、準備協議会での意見や市民アンケートに加え、本会議や常任委員会、特別委員会での議論を踏まえて、地域整備方針の素案を取りまとめてきたところであります。この地域整備方針の中では、駅前について「鼓門やもてなしドームなどで構成される金沢駅東広場及び周辺の中高層建築物群の落ち着いた形態意匠との調和に配慮した都市開発事業を誘導」というように記載しております。これは、「金沢駅東広場などと調和した景観への配慮」と盛り込まれた特別委員会の報告書と内容が同じものであるというように認識しております。本定例月議会での議論も経て、国へ申請したいというように考えております。
 これまでまちづくりの分野において、保全すべきエリアと開発すべきエリアを区分けし、都心軸においては市街地再開発事業等を推進する一方で、後背地には歴史文化遺産や豊かな自然が存在し、金沢らしい景観を維持・継承するなど、保全と開発の調和を図りながら多面的かつ重層的な施策を展開してきたことにより、都市の風格や文化的景観が築かれたと認識しております。都市再生緊急整備地域の指定に当たっても、保全と開発の調和など、これまでのまちづくりの方向性や上位計画との整合性を図ったうえで、金沢駅周辺区域と都心軸区域の特性を際立たせた都市づくりを推進していきたいと考えております。

-森尾議員
 質問の第3に、市民生活に係る対策についてです。
 市民生活を物価高騰が直撃しています。市民生活を守ることが緊急課題となっています。
 第1は、市民生活を守る緊急対策の実施を求めます。去る11月22日、内閣府は全国財政担当者に対して「重点支援地方交付金」の追加について通知を発しました。この中で、①低所得者世帯支援枠を追加拡大するとともに、②物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を引き続き支援するために重点支援地方交付金を追加するとしています。そして「可能な限り早期の予算化に向けた検討」を求めています。昨年、生活困窮者への冬季特別対策が実施されました。今回の補正予算には、市民生活を守る対策が十分ではありません。市長。市民生活の現状を考えれば、緊急の対策が求められます。国は「重点支援地方交付金」に基づく早期の予算化を求めています。見解を伺います。

-村山市長
 先月、国の総合経済対策が閣議決定された際、内閣府から重点支援地方交付金の追加について通知がありました。低所得世帯支援枠に関する給付金制度と、物価高対策を支援するための推奨事業メニューの早期の予算化に向けた検討を進めるよう要請がございました。この9日に、この重点支援地方交付金を含めた国の補正予算が国会に提出され、現在審議が行われているところであります。その動向を注視するとともに、今後制度の詳細が明らかになれば、可能な限り早い時期に市として必要な予算をお諮りしたいと考えております。

-森尾議員
 第2に、国民健康保険料、介護保険料、保育料の引き下げを求めます。
 国民健康保険会計には、今年度末、基金残高は12億円とのことです。引き続き、一般会計からの繰り入れによって、保険料の引き下げを求めます。

-村山市長
 令和7年度の国民健康保険料につきましては、年明けにも県から示される標準保険料率に準拠しつつ、市民生活への影響にも十分配慮し、基金の活用なども含め適正な負担となるよう設定したいと考えています。

-森尾議員
 介護保険会計は、昨年度末の基金残高が29億円にのぼりました。この基金を次期3年間で活用し、保険料を据え置きました。ところが、今年度予定していた基金からの繰り入れが半分となり、今年度末の基金残高は当初見込んでいた22.4億円が26億円と多くなる見込みです。したがって、基金活用を適切に行えば、保険料の引き下げが可能だったのではありませんか。今後の見通しとあわせ、見解を伺います。

-村山市長
 令和6年度から3か年の第9期介護保険料につきましては、市民の負担が過大にならないよう、市民生活への影響に配慮し、令和5年度末の介護給付費準備基金残高である約29億円のうち、約26億円を今後3年間で計画的に取り崩すことにより、基準月額を据え置いたところであります。第10期の介護保険料につきましては、令和8年度に検討することになりますが、高齢化の進展に伴い要介護認定者が増え、介護給付費の増額が見込まれるため、引き下げることは難しいと考えております。

-森尾議員
 保育料についてです。3歳以上児の保育料無償化が行われています。しかし、給食費は無償となっていません。また、0歳から2歳児の保育料無償化が強く求められています。見解を伺います。

-村山市長
 保育料につきまして、本市では令和3年9月の保育料から、保護者の所得と兄弟同時入所にかかる要件を撤廃し、第2子を半額、第3子以降を無料とする負担軽減制度の拡充を行ったところであります。

-森尾議員
 金沢市では、若い共働きの方の0歳から2歳児の保育料が月4万円にも上り、負担が重くのしかかっています。D階層の保育料が高くなっているからです。他の都市では、月2万円から3万円となっていることから、改善が求められます。見解を伺います。

-村山市長
 所得に応じた階層別保育料については、国の示す階層区分よりも細分化するとともに、すべての階層について国の徴収基準額よりも低く設定するなど、子育て世帯の負担軽減に努めております。さらに保育料を26年間据え置いているということをご理解いただければと存じます。

-森尾議員
 第3に、学校給食費の無償化実施を求めます。
 国の見解は「各自治体に於いて地域の実情に応じて検討いただくことがふさわしい」としています。その結果、小中学校とも学校給食費無償化の自治体がこの6年間で7倍増となっています。今回、政府の経済対策に盛り込まれた「重点支援地方交付金」について、推奨事業メニューとして、小中学校における学校給食費の支援が明記されています。金沢市一般会計予算の規模は1800億円です。その1.1%の予算で学校給食費の無償化を実施することができます。市長。あなたの決断が求められています。見解を求めます。

-村山市長
 学校給食費の無償化につきましては、自治体間の格差が生じないよう、国の指導により全国一律かつ恒久的に実施されることが望ましく、加えて恒常的に多額の財源を要することから、現時点で給食費の無償化は考えておりません。引き続き国の動向を注視するとともに、市長会等を通じて国の主導による学校給食制度の改正とその財源措置について要望してまいりたいと存じます。

-森尾議員
 教育委員会に伺います。学校給食法第11条は、学校給食にかかわる経費の負担について明記し、保護者負担について記載があります。この学校給食法が戦後間もない時期に制定され、厳しい国の財源を考慮しつくられた経緯などが国会で議論されてきました。そして、義務教育は無償との立場から、国は、学校給食法第11条は自治体による給食費の全額補助を否定しているものではないとしました。教育委員会はこうした国の見解を承知しているものと考えますが、お答え願います。

-堀場教育次長
 学校給食法第11条に関しまして、国は自治体の判断により給食費を全額補助することを否定するものではないとの見解を示していることにつきまして、教育委員会は承知しているかとのお尋ねがございました。本市では学校給食法第11条に定められる給食の実施に必要な経費の分担の原則に基づきまして、経費の適切な負担の観点から食材費のみを保護者に負担していただくこととしております。この条文について、各自治体が給食費の一部、または全部を負担することを否定するものではないとの見解は承知しており、本市では令和4年度以降、食材費の高騰が続く状況下におきまして、保護者の負担を軽減するため、食材費の不足分を全額公費で補填しているところでございます。

-森尾議員
 第4に、この12月2日から従来の健康保険証の新規交付を中止し、マイナ保険証へと切り替えが強行されました。マイナ保険証の利用率は1割台にすぎず、医療・介護関係者からも従来の保険証発行を継続することが強く求める声が続いています。市長。国に対し、従来の保険証の発行を継続するよう求めていただきたいと思います。見解を伺います。
 なお、来年7月末で、従来の国民健康保険証の有効期限が切れるが、今後の対策について明らかにしてください。

-村山市長
 マイナ保険証の利用により、診療時に過去の健診結果や薬剤情報が共有でき、適切な医療に繋がるなど、市民の利便性が高まると考えております。国に対して従来の保険証の発行を継続できるよう求めることは考えておりません。
 有効期限が切れる前に、マイナ保険証を保有していない方には、従来の保険証の代わりとなる資格確認書を送付いたします。引き続き納入通知書等を送付する際に、制度改正の内容を記載したチラシを同封するとともに、市ホームページ等を活用した広報活動を行うなど、制度周知に努めてまいります。

-森尾議員
 質問の第3に、教科書採択についてです。
 今年、中学校教科書の採択が行われました。金沢市教育委員会は、この教科書採択にあたってどのようにのぞんだのか。その基本方針を伺います。教科書の採択は、子どもたちの未来の選択であります。教育や教科書は、子ども自身が学び、育つ力を支えるものです。子どもたちの学習をする権利を十分に保障するために、責任ある教科書採択を行うことが求められています。私が1970年東京教育大学に入学した当時、日本史の教授であった家永三郎氏が自ら作成した日本史教科書が当時の文部省の検定により、削除・修正が行われたのは、憲法に違反するとして裁判に訴えていました。いわゆる教科書裁判です。1970年7月、東京地方裁判所の判決が下されました。その判決は、国家の教育権を否定し、検定は、憲法と教育基本法に違反するというものでした。この判決は、国による検定の行き過ぎを指摘し、教育は国民の立場に立ち憲法と教育基本法に基づき行われることを求めたものでした。教科書の採択は、子どもたちの学習権を保障し、未来への選択であり、憲法と教育基本法に基づいて行われることが大切だと考えます。教育委員会は教科書の採択に当たってどのようにのぞんだのか伺います。
 第2に、教科書採択をめぐる状況についてどのように受け止め、対応されたのか。伺います。教育委員会での審議をはじめ、教科書採択についてオープンな議論を通じて、国民の理解と合意が大切となってきています。したがって、各地で教育委員会の市民の傍聴の下で審議が行われるなど取り組みが進められています。金沢市教育委員会の見解を伺います。
 第3に、どの教科書がふさわしいのか。国民的な議論が行われてきました。この点、どのように受け止め今回の教科書採択にのぞんだのか。伺います。その契機となったのは「新しい歴史教科書をつくる会」が発足し、2001年扶桑社から歴史教科書と公民教科書が検定を経て教科書として登場したことでした。従来の教科書は、日本の歴史の負の部分をことさら強調したものだと主張しました。そして、新しい教科書において、あの太平洋戦争は、日本が中国に侵略したためだとか、ことさら強調する自虐史観ではなく、誇り高い日本の歴史を明らかにするとしました。2007年以降、扶桑社にかわって自由社と育鵬社から教科書が発行されていますが、いずれも採用は少数となっています。今回、金沢市教育委員会は中学校歴史教科書について、育鵬社から帝国書院を採択しました。教科書をめぐる議論の中で、憲法と教育基本法に基づき子どもたちにどんなことを学び、生きる力としていくかが問われてきました。教科書をめぐる国民的な議論について、どのように受け止めたのか。伺います。
 この質問の最後に、教育基本法が示した教育の目的について、教育長に伺います。教育基本法第1条は、次のようなものです。「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と明記しています。令和2年9月議会で、私の質問に答え野口教育長は「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法三原則に基づき、教育基本法は戦後教育の原点であると私も思っている」と述べました。今回の教科書採択にあたって、公開された議事録の中で野口教育長の発言は、先の発言とは異なるものがずいぶん見られました。教育基本法が示した教育の目的に沿って教科書の採択、教育の実践を進めていかれるよう期待したいと思います。見解を求めます。

-野口教育長
 教科書採択につきましてご質問がございました。はじめに、教科書採択に当たっての基本姿勢についてお答えをいたします。教科書はすべての児童生徒にとって、学校における授業や家庭における学習活動に重要な役割を果たすものであります。その採択に当たりましては、採択権者であります教育委員一人ひとりが教科用図書調査委員会による専門的な調査報告書、学校ごとの教科用図書研究委員会の報告書、教科書展示会における保護者や一般の方々の意見とともに、教育委員それぞれの調査の視点も加え、すべての発行者の教科書を綿密に調査し、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないように、その職責の重さを十分に自覚して、教科書採択に臨んでおります。
 次に、教科書採択の際、市民が傍聴する中などで行われる自治体があることについて、どのように理解しながら採択に臨んだのかということについてお尋ねがございました。昨年7月の教育委員会議におきましては、国の通知等を踏まえ、教科書採択にかかる会議を公開するかどうかについて真摯に話をさせていただきました。教育委員会議におきましては、会議を公開した場合に意思形成過程での自由闊達な議論を行うことが難しいのではないかなどといった意見が出され、議論の結果として本市としては会議を非公開とすることに決定をいたしました。繰り返しになりますけれども、教科書採択は採択権者の判断と責任によって綿密な調査・研究を踏まえたうえで、公正性・透明性に疑念を生じさせることがなく適切に行えることが大切であることから、昨年度から議事録の公表に当たりましては発言者を記載し、透明性を高めてきており、今年度も同様に教科書採択の審議過程の公表を行わせていただきました。教科書採択にかかる教育委員会の公開につきましては現時点では考えておりませんが、次回の採択の際に改めて教育委員会議において話し合われるべきものと考えております。
 また、どの教科書がふさわしいかについての議論の中で、どのように教科書採択に臨んだのかとのお尋ねについてお答えいたします。教科書採択に当たりましては、森尾委員もお触れになりましたが、日本国憲法と教育基本法を踏まえるとともに、各学校が教育課程を編成する基準となる学習指導要領に基づいて行われるべきものと思っております。その学習指導要領の総則におきましては、「学校においては教育基本法および学校教育法等に示すところに従い、適切な教育課程を編成するものとする」と規定されており、今回の教科書採択におきましても、現行の学習指導要領において示されている内容の取扱いやその記載内容等につきまして、すべての発行者の教科書を綿密に調査したうえで、教育委員会が本市の子どもたちに最もふさわしい教科書を採択権者の判断と責任により採択いたしました。
 最後になりますけれども、日本国憲法および教育基本法を踏まえて、どのような姿勢で教科書採択に臨んだのかとのお尋ねがございました。仰せになりました通り、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原則を基本とする日本国憲法と、教育基本法第1条に規定する人格の完成、平和で民主的な社会の形成者、健康な国民の3つの教育の目的は、戦後教育の原点であると考えており、この考えは今も全く変わっておりません。このことを踏まえて教科書採択に臨んだところでございます。

-森尾議員
 質問の最後に、粟崎地区での液状化対策についてです。
 金沢市はこの対策として「地下水位低下工法」を採用し、実施することを明らかにしました。この工法は、道路の地下に集水管を埋め、地下水を集め、近くの大野川に自然排水することで、液状化を防ぐというものです。そこで、この工法による効果ついて明らかにしていただきたいと思います。今後、来年実施設計、翌年工事開始とのことです。粟崎の液状化の区域全体を対象に実施するとして、どの程度の期間を要するのか。住民から不安の声が出されています。見解を伺います。合わせて、地域住民への説明は、どのように進めるのか明らかにしてください。

-村山市長
 粟崎地区の液状化への対応でありますが、液状化対策は他都市の事例からも長期にわたる取り組みとなります。今月中にも住民説明会を開催し、液状化対策と道路の復旧計画について説明することとしております。地域住民の方々との合意形成を図りながら、今年度内に液状化対策工法を決定したうえで、明年度に実施設計に着手したいと考えております。実施設計業務の中で、必要な事業費や事業期間を具体的に確定していくこととなります。

-山崎危機管理監
 粟崎地区での地下水位低下工法についてお尋ねでございました。先般開催いたしました第3回被災地区復旧技術検討会議におきまして、地盤調査の決定に基づき液状化の判定を行い、地下水位を20cmから最大で2m程度低下させることにより、液状化被害の抑制と側方流動の低減が可能であることを確認いたしました。地下水位の低下による地盤沈下量が極めて小さく、宅地への影響が少ないと判断をしております。

-森尾議員
 この質問の最後に、大野川護岸沿いでの浸水被害対策についてです。10数軒で被害が発生し、隣接する金沢市が管理する木谷(きや)公園にも影響が及んでいることから、県が明年度以降改修工事に着手すると、去る9月議会の私の質問に対し答弁がありました。すでに被害の大きかった1軒の家は解体が行われました。住民からは、緊急対策として護岸のかさ上げ要望が出されています。県に働きかけていただきたいと思います。見解を伺いまして私の質問を終わります。

-高木都市整備局長
 木谷公園に隣接する大野川の護岸の改修についてお尋ねがございました。この護岸の改修につきまして、改めて河川管理者である石川県に確認しましたところ、早急に工事に着手できるよう検討を進めるということをお聞きしております。

再質問

-森尾議員
 市長に改めて伺いたいと思います。年末を迎え、物価の高騰の中で、市民生活の状況は一段と厳しいものがあります。金沢市としてやれることはないのか。私は、2つの点を改めて問いたいと思います。冬季にあたって灯油を含めた支援策はとれないのか。2つめは、金沢市が決断をすれば、学校給食費の無償化は実現できるんです。この2つの点を、市としても決断するべきではないかと思いますので、改めて答弁を求めたいと思います。

-村山市長
 2点についてご質問をいただきました。現在国の方で議論が進められている経済対策につきまして、先程申し上げた通りでありますけれども、なるべく早く予算化をしていきたいと思っております。市独自としての灯油等の対策については現在のところ考えておりません。
 そして、給食費につきましては、先程も申し上げた通りにございますけれども、これは国として一体として考えるべき話だというようにとらえております。どこかの自治体がこれを行って、それに横並びにしなければならないというものでもないというように考えております。恒久的、そして多額の財源が必要となるということをご理解いただければというように存じます。市の予算の1.1%、これはかなり大きな額だというように捉えております。

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2024年11月8日

金沢市議会議長 喜多浩一 様

海外姉妹都市交流および国内都市間交流についての申し入れ

日本共産党金沢市議員団
森尾嘉昭
広田美代
山下明希

 能登半島地震から10カ月が経ちましたが、大雨被害もあり未だ多くの県民、市民が不安定な生活を送っています。また、物価高騰も深刻さを増し、帝国データバンクの発表では、先月10月の食品値上げは今年最多の2924品目となり、11月も値上げは続いています。毎月勤労統計調査の速報値で、9月の働く人1人当たりの現金給与の総額は、前の年の同じ月と比べて2.8%増えたものの、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は2か月連続でマイナスとなりました。災害と長引く物価高騰が市民生活に深刻な影響を与え、私たちのもとにお声や相談が寄せられています。

 そんな中、金沢市議会では海外姉妹都市等の交流について計画を見直しました。2026年度予定のイルクーツク市への訪問を中止する代わりに、イルクーツク訪問を予定していた議員15名を台南・台中、全州へ再度割り当てるというものです。この計画の予算は4年間で4000万円にものぼります。
 私たち市議員団は従来から、市民生活をかんがみ、海外訪問は辞退をしてきましたが、代表者会議の中でも指摘しました通り、この災害、物価高騰などによる市民生活の現状から、計画変更ではなく中止を求めます。
 また、国内の都市間交流についても従来から必要最低限を求めてきており、市民生活にかんがみ、今年度の訪問は辞退をいたします。

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