
-山下議員
発言の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。
最初の質問は、市立病院の移転整備についてです。地域のみなさんから寄せられた声をもとにうかがいます。新病院整備に向けた用地取得費が補正予算案に計上されました。国有地である平和町公園、約9,300平方メートルを取得するというものです。市立病院が別の地域に移転にならなくてよかったと、地元の方やバスを利用して通院されている方々からは、安堵の声が寄せられています。一方で、取得予定の平和町公園の敷地は、現在の敷地よりも狭くなります。市長はこれまで、周辺用地の取得も検討すると答弁されてきましたが、具体的な進捗や方向性が示されていません。地域では、今後の生活環境にどのような影響が出るのかと、不安の声もあります。現時点での、周辺用地取得の検討状況について明らかにしてください。
-村山市長
現状として、県道側に隣接するところの用地についてでありますけれども、病院利用者の利便性や、あるいは緊急車両の動線の確保などの立地環境の向上が図られるというように考えておりまして、地権者に売却について打診をしているところであります。現時点でまだ合意に至っていない状況でありますけれども、基本設計の進捗を見据えながら協議を継続していきたいと考えております。
-山下議員
地域の関心事は他にもあります。新病院移転後の現有地についてです。現病院には、比較的新しい建物も残っています。一部を活用するのか、すべてを解体するのか、解体する場合は跡地をどう活用するのか。いずれにしても、現有地は市民の大切な財産であることに変わりはありません。まちづくり全体に関わる重要課題として、新病院移転後の現有地について、どのような活用の方針を持っているのか、明らかにしてください。
-村山市長
市立病院の移転整備につきましては、これから基本設計の段階となっていきます。まずはこの新病院の概要を固めて、実施設計・建設工事へとしっかりと進めていかなければならないと思っておりまして、現病院の敷地の活用、こちらについてはこれらの新病院の移転整備の状況の進捗に合わせて検討していきたいと考えております。
-山下議員
ぜひ、現有地の活用方針の決定にあたっては、市民の幅広い意見を丁寧に聞きながら進めていただきたいというふうに思います。
移転整備にあたっては、やはり地元住民への丁寧な説明は欠かせないというふうに思います。平和町公園は緑も木陰も多く、遊具やバスケットコートもあり、季節ごとにお花見や夏まつり、運動会、レクレーション活動などに、子どもから高齢者まで多くの市民が利用してきた公園です。災害時の一次避難場所になっていることからも、地域にとっては重要な場所です。地域住民からは、「いつから公園が使えなくなるのか」、「いつ新病院が完成するのか」といった移転スケジュールの関心とともに、「公園が別の場所で確保できるのか」「防災拠点はどうなるのか」といった声が寄せられています。そこで、新病院開設までの具体的なスケジュールと、公園や防災機能の代替措置について明らかにしてください。
-村山市長
新しい病院の整備のスケジュールにつきましては、基本設計を令和8年度末、そして実施設計については令和9年度末までに策定して、そのあと3年間の工事期間を見込んでおります。詳細については設計の段階で確定させていただきたいと存じます。公園の代替機能につきましては、今後の検討となりますけれども、避難所について、この代替については地下駐車場の設計の中で、シェルター的な防災機能について考えていきたいと思います。
-山下議員
来年度の基本設計の完了をひとつの区切りとして、整備スケジュールや公園、そして防災機能の代替え計画などについては、やはり住民説明会や懇談の機会を設けるべきだと考えますが、見解をうかがいます。
-村山市長
地域の皆さま方に対しての説明ですけれども、地質調査の段階から整備に関する事前説明会を丁寧に行いたいと思っております。また、新病院の概要などにつきましては、基本設計がまとまった段階で広く市民に公表することを考えておりまして、あわせて地域の皆さま方にもお知らせしていきたいと考えています。
-山下議員
市立病院は、市民のいのちと健康を守る重要な施設です。移転整備にあたっては、市民に対して情報を積極的に開示して、地域住民と丁寧な対話を重ねることが不可欠だと考えます。十分な説明と合意形成のもとで進めるよう求めます。
次に、配食サービス事業についておたずねします。
在宅で生活をする高齢者、とりわけ独居や高齢者のみの世帯では、加齢に伴う身体機能の低下や買い物の困難、社会的つながりの希薄化などが重なり、栄養不足や孤立のリスクが高まります。こうした中で配食サービス事業は、栄養バランスの取れた食事を届けるだけでなく、安否確認や見守りといった重要な役割を担い、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための欠かせない事業となっています。金沢市の配食サービス事業は1994年に始まり、当初2つの事業所でしたが、現在では17事業所が高齢者の在宅生活を支えています。利用者数は年々増加しており、2023年度は845人、2024年度は948人、2025年度は1月末時点で1049人と、近年は毎年約100人ずつ利用者が増えているという状況です。こうした利用者増加の背景には、様々な社会的要因があると考えられますが、金沢市はどのように捉えているのか、お聞かせください。
-山口福祉健康局長
超高齢化社会の進展であったり核家族化などの世帯構成の変化に伴いまして、高齢者の単身世帯であったり夫婦のみの世帯が増加してきております。こうした状況を背景に、配食サービスの利用者の増加につながっているのではないかというふうに認識をしております。
-山下議員
近年、食材費や光熱費、燃料費、人件費など、あらゆるものが上昇しており、配食サービス事業者の経営に大きな影響を及ぼしています。特に小規模事業者は厳しい状況に置かれています。いくつかの事業者からお話を伺ったところ、5年前には1食当たり200円台だった食材単価が、今年は370円~450円と2倍近くまで上がっているとのことでした。「お米の高騰が大きく影響している」、「事業継続が困難になりつつある」、「現在の委託料では厳しい」といった声をうかがっています。事業者の経営がひっ迫すれば、提供数の縮小や撤退につながりかねず、結果として、高齢者が安心して在宅生活を送るための基盤が揺らぐことになります。金沢市として、配食サービス事業者の経営実態をどのように把握しているのか。また、物価高騰が事業運営に与えている影響についてどのように認識しているのか、お聞かせください。
-山口福祉健康局長
一部の事業者からは、物価高騰に伴う食材費の上昇であったり昨今の深刻な人手不足に伴う人件費の高騰、こういったことが経営を圧迫しているとの声を聞いております。明年度の予算では、安否確認に要する市の委託料単価の方を増額することといたしております。
-山下議員
2026年度当初予算案では、見守りに要する人件費の高騰をふまえ、委託料を1食あたり200円から220円へ引き上げるという方針が示されています。引き上げ自体は大変歓迎できますが、食材費の高騰が続く中、現行の委託料の考え方では事業者を支えきることはできません。他自治体では、より踏み込んだ支援が行われています。例えば中核市の高槻市は、委託料を1食あたり400円に設定し、さらに物価高騰対策として補助も行っています。石川県内の市町と比較しても、金沢市の委託料は依然として低い水準です。物価高騰が長期化するなかで、食材費高騰分を明確に位置づけた支援策への見直しが必要だと考えます。安否確認に加え、栄養改善の観点も含め、委託料の考え方を見直し、食材費高騰分をしっかり支援していくことを求めますが、見解をうかがいます。
-山口福祉健康局長
本市の配食サービス事業ですけれども、安否確認に要する人件費等の経費を市が委託料として負担いたしまして、配食する食事に係る経費を利用者の方にご負担をいただいております。利用者に負担していただく額は利用者の経済状況等を鑑みて上限額を定めております。安否確認に要する委託料単価ですけれども、繰り返しになりますけれども明年度の予算で200円から220円に増額することとしております。なお、物価高騰が続いておりますことから、適正な利用者負担と配食サービス事業者への支援につきましては引き続き研究してまいります。
-山下議員
事業者が本当にこの物価高騰で大変厳しい経営に陥っているということをぜひ認識していただいて、現場の実態を把握し、事業継続ができる支援をぜひお願いしたいと思います。
次に、こども誰でも通園制度についてお聞きします。国の子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として、2026年4月から全国で「こども誰でも通園制度」が本格実施されます。どの子にも健やかな育ちを保障し、保護者の負担を軽減して、社会全体で子育てをしていくという制度の理念そのものは重要だと認識しています。しかし一方で、その中身が、保育現場の実態を踏まえたものになっているのか、子どもや保護者、現場の職員の安心安全が十分に保障されたものになっているのか、そういう点については大きな懸念があります。現場からは新たな制度でより負担が増える、一時保育を充実させることで対応できるのではないかという声もあります。こども誰でも通園制度は抜本的な見直しが必要だという立場で、数点おたずねします。
金沢市は、本格実施を前に今年度モデル事業を実施しています。モデル事業における実施状況をうかがいます。
-安宅こども未来局長
昨年7月末からこのモデル事業を実施しておりまして、実際に8月から利用が始まっております。8月から利用が始まりまして、本年1月末時点での利用実績は21施設、児童の方は82名でございました。
-山下議員
今回のモデル事業でも、どのような家庭が利用できていて、またできていないのかということを見ていく必要があるというふうに思います。こども誰でも通園制度は、利用者が施設と直接契約する仕組みであり、従来の保育制度に比べて行政の関与が希薄になるということが指摘されています。本来支援を必要としている、孤立している家庭や子育てに不安を抱えている家庭、経済的・社会的に困難を抱えている家庭が利用できているのかということが非常に重要かと思います。この制度が、支援の必要な家庭が、実際に利用しやすいものとなっているのか、伺います。
-安宅こども未来局長
乳幼児健診の場で気になる家庭の保護者への制度紹介や、母子健康手帳アプリ母子モなどによる情報提供を通じて、制度の周知を図っているところでございます。今後も様々な機会をとらえて、制度の周知に努めていきたいと思っています。
-山下議員
この2月議会に上程された条例には、利用開始前の面談について「オンラインでも実施できる」とされています。しかし現場からは、乳幼児の発達状況や生活リズム、保護者の様子、家庭環境などを丁寧に把握するためには、対面での確認が重要だという声があがっています。特に、孤立や不安を抱える家庭ほど、オンラインでは困りごとが表面化しにくいという指摘もあります。子どもの安全確保や適切な支援を行うためには、面談は原則として対面でおこなうということを条例上、明確に位置づける必要があると考えますが、見解をうかがいます。
-安宅こども未来局長
条例に規定しておりますオンライン面談についてですが、感染対策が必要な場合などの例外規定でありまして、モデル事業において施設からは直接会って面談することが望ましいとの声も聞いております。また国においては改定作業を進めております「こども誰でも通園制度の実施に関する手引き」の中で、事前面談は原則対面で実施する方向で検討をしております。本市におきましてもその結果を踏まえまして適切に対応していきたいと思っております。
-山下議員
今回設置する条例についても、それは明確にぜひ示していただきたいというふうに思います。
本格実施では40施設が登録予定というふうに伺っています。安全で安心できる保育を保障するためには、本格実施後も丁寧な検証が必要だと考えます。子どもが安心して過ごせているのか、保育の質が保たれているのか、通常保育への影響はないのか、支援が必要な家庭に届いているのかなど、これらを検証するためには、保護者や現場の声を継続的に聞いていく必要があります。保護者や現場の声を反映する検証の場を設けるべきと考えますが、見解をうかがいます。
-安宅こども未来局長
保護者の意見を大切にする必要はあるかなというふうに思っております。利用者アンケートを行うとともに現場の声を聞き、より良い事業にしていくために、今後とも実施施設との情報交換会を実施したいというふうに考えております。
-山下議員
子育て支援の充実を図るということであれば、この一時的・限定的な支援にとどまるのではなく、通常保育そのものの拡充や、保育士のさらなる処遇改善、配置基準の見直しなど、保育の基盤そのものを強化することが不可欠だと考えます。国にならえの制度ではなく、市民に最も身近な基礎自治体だからこそできる保育制度の構築を求めたいと思います。
次に、不登校施策についてうかがいます。学びの多様化学校については、昨年11月に基本構想の答申が示され、12月議会では、校舎となる旧馬場小学校の改修に向けた実施設計費が計上されました。現在、早期開設に向けた準備が本格化していると認識しています。不登校の子どもたちにとって、安心できる学びの場、喜びある学びの場が整えられることはたいへん重要であり、子どもの権利保障の観点からも大きな意義をもつものと考えます。そこで、2026年度当初予算案に示された、学校指導課に設置予定の「学びの多様化学校開設準備室」は、どのような体制で、どのような役割を担うのか、うかがいます。
-野口教育長
学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校になります。この学校につきましては、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して、教育を実施する必要があると認められる場合に学校教育法施行規則第56条に基づいて、文部科学大臣が指定するものでありますけれども、この学校を今回金沢市に開校しようということで今準備を進めています。準備室におきましては、子どもひとりひとりを理解し、主体的な学びを促す力、またひとりひとりのペースに合わせて多様な学びを実践できる力など、多様な背景を持つ生徒に対してきめ細やかに支援できる柔軟な指導力を持つ教員を配置したいと考えております。また、文部科学省が派遣する豊富な知識を持った学びの多様化学校マイスター、いろんな力が必要なんだなって改めて思ったんですが、不登校児童生徒への支援や関係法令等に関する豊富な知識を有し、教育活動や支援に携わった実績のあるもの、学びの多様化学校の設置準備および設置に携わった経験がある、もしくは長年の学びの多様化学校の運営や教育活動に携わった経験や実績のあるもの、文部科学省等と連携して全国における学びの多様化学校設置のための意識啓発や広報活動に協力できるものの中から文部科学省が委嘱をすると、こんなふうになっております。こうした力を持っていらっしゃいます学びの多様化学校のマイスターを積極的に活用したいと考えております。また、これから設置することになりますが、専門家等による検討会におきまして、子どもが安心して過ごせる学習環境の創出や金沢独自の教育課程の構築などについて検討してまいりたいと考えております。
-山下議員
そうした専門家の力も借りて、施設やカリキュラムを整えていったということにあっても、実際通う子どもたちや保護者の思いが反映されなければ、「通いたい」と思える学校にはならないと思います。どんな環境なら安心できるのか、どんな関わり方を望んでいるのか、当事者の声を丁寧に受け止めることが、学校づくりの出発点だと考えます。開設準備室は、児童生徒や保護者の意見をどのように反映できるのか伺います。
-野口教育長
不登校の児童生徒やその保護者のご意見を昨年の2月に「不登校児童生徒及びその保護者等のアンケート調査」ということで実施をさせていただいております。この結果を今後進めていく教育課程の編成とか施設整備、人材の確保などに活かしていくことにいたしております。児童生徒や保護者のご意見を把握することは、学びの多様化学校の理念を具現化するうえで大変重要であるとらえておりまして、今後準備室が中心となって、この意見を元にしながら開校に向けて準備を進めてまいります。
-山下議員
今後、開校準備や教育内容、支援体制も含めて、また細かくは制服や校則、給食はどうするかなど、そういうことも決定が行われていくかというふうに思います。その際には当事者を置き去りにせずに、アンケートや個別のヒアリング、ワークショップなどを行って、児童生徒や保護者、教職員が学校づくりに参画できるような仕組みをぜひお願いしたいというふうに思います。
学びの多様化学校は、もちろん開校して終わりではありません。子どもたちの状況や社会の変化に応じて、柔軟に改善していくことが重要かと思います。開校後も、児童生徒や保護者の声を聞き、学校運営の改善につなげていくことが重要だと考えますが、その点に柔軟に対応できるのか見解をうかがいます。
-野口教育長
今ほど山下議員がお触れになりましたけれども、私も開校後についてはやはり柔軟にきちんと意見をお伺いしながら進めていくことが大事だと思っています。学びの多様化学校におきましては、そこで学ぶ不登校児童生徒の意思を十分に尊重しつつ、個々の状況に応じた支援を行うことの重要性や、不登校児童生徒に対する多様で適切な教育機会の確保の観点から、開校後におきましても教育課程、環境、講師等を固定することなく不断の見直しを図っていきたいと考えております。
-山下議員
基本構想の答申の最後に、委員のみなさんが学びの多様化学校に期待することとしてメッセージを寄せられています。「安心して学べる環境づくり」や「多様な学びを広げてほしい」といった声が寄せられていました。学びの多様化学校に対して、現在の学校の在り方を問い直すきっかけになるようにといった期待も読み取られたというように思います。市内すべての学校が子どもにとって安心して学び過ごせる場となるよう、私たちも力を合わせていきたいと思います。
次は、小学校低学年の不登校支援についてです。全国的に不登校児童生徒数は増加傾向にあり、とりわけ小学校低学年での増加が顕著であると指摘されています。 金沢市が2025年2月におこなった「不登校児童生徒及びその保護者のアンケート調査」でも、「いつごろから学校を休む日が多くなったか」の問いに、小学生では「小4年」が約24%、「小1年」が約22%、「小2年」 が約18%となっていました。子どもたちにとって学校という場が「安心して学べる場所」ではなくなっているのではないかという声も聞かれます。小学校低学年において、学校に行きづらい子どもが増えている現状を、どのように捉えているのかお聞かせください。
-野口教育長
ここ数年の本市における小学校の児童の不登校の傾向みたいなものについて、少し分析を自分なりにしているわけですけれども、その中でやはり多くなったなと思うのはコロナ禍のときでありました。そのコロナ禍をきっかけとして、不登校の児童数が増えてきておりますし、特に低学年が顕著になっているのかなと思っています。今の小学校の低学年の段階で登校が困難になる要因につきましては、新たな小学校という環境への戸惑い、それから学習への苦手意識、そしてもう一つあるなと思っているのは母子分離、ちょっとなかなか聞きなれない言葉ですが、子どもとお母さんが離れること、このことに対するこども側の不安、これがあると考えています。低学年は義務教育の基礎的内容とか、学び方そのものを学ぶ大事な段階でありますので、社会生活を行う上で最低限の基礎を学ぶという点で非常に重要なことでありますから、この時期に多様な他者と十分に学ぶ機会を得ることができないという状況は憂慮すべき問題であると私は捉えております。そこで、これではいけないと思いますので、これまで本市におきましては令和6年度から全ての小中学校で学習者用端末を用いて、心の健康観察を毎日実施しております。言語が特にまだまだ難しいという低学年におきましても、直観的な操作により、その日の心の状態を表現できるため、学校からは日々の児童の心や体調の状況・変化を早期に発見し、早期支援につなげることができたという報告も受けております。またコロナ禍の影響によりまして、生活リズムの乱れとか、対人間関係構築への未熟さも見られますことから、担任が学級の全ての児童を一人で抱え込むのではなく、複数の教職員でひとりひとりの児童を見ていく組織的な体制作りも大事だと思っておりまして、今後も心の小さなSOSを見逃さず、チーム学校として支援するよう指導・助言してまいりたいと思っております。
-山下議員
本来、低学年は学校に慣れながら、学びの土台を築いていく時期だというふうに思います。今教育長がおっしゃったようにいろいろな要因があるとは思いますけれども、やっぱり子どもたちが安心して学校生活を送るためには、ひとりひとりへの丁寧な支援というのが欠かせないと思います。小学校の環境につながっていくための取り組みというのをどのように進めているのか、お聞かせください。
-野口教育長
各学校におきましては、入学前の子どもたちが校内見学、それから授業体験などを通して学校生活への期待感、ワクワク感を醸成できるように取り組んでいます。また、小学校入学後になりますが、特に生活科という教科がありますけれども、この生活科を中心として幼稚園や保育所などの遊びや生活を通して得た学びと育ちを基礎として、友達や学校で接する身近な人などとの関わりのほか、また地域の自然と触れ合う体験などを通して、主体的に新しい学校生活がスタートできるように取り組んでおります。
-山下議員
低学年児童の不登校や学校の行きしぶりは、中高生とは違った家庭の負担というものがあります。子ども一人を長時間自宅で過ごさせるということも難しく、保護者その多くは母親が、仕事を減らす、あるいは離職せざるを得ないケースがあり、その結果、収入が減少し、家計が不安定になる実態があります。私の身近でもそういう実態をお聞きしています。特に収入が減少した家庭にとっては、「子どもに合った学びの場を選びたいが、経済的に難しい」という状況があります。学校以外の学びの場としてフリースクールを利用したいと考えても、その費用が壁となって利用を断念せざるを得ないという家庭が少なくありません。経済的支援を求める声は、ほんとうにこれまでも多くあります。他の議員さんもこの場で質問されているかと思います。何度も求めていますが、改めて、こうしたフリースクールを選択できるような経済的な支援を求めますが、見解をうかがいます。
-野口教育長
本市におきましては、フリースクールへの活動に対する理解を促進するために、令和4年度から不登校民間支援団体等連絡会に参加をしておりますフリースクールが行う体験機会の創出、どんなことがありますかというと、そのフリースクールにおきまして、ものづくり、それから野外活動の親子体験会の開催、不登校当事者から不登校についての理解を深める講演会の開催、フリースクールの紹介リーフレットの作成、こんなことをやっておりますが、こうしたものの活動に対して支援を行ってきております。現時点でフリースクールへ通所する家庭への支援は行っておりませんが、今後は他の自治体の事例についてさらに研究を深めてまいりたいと考えております。
-山下議員
私は、不登校施策というのは学びの保障だけに収まらないというふうに思います。「安心して通える学校かどうか」、「子育てしながら安心して働けるまちかどうか」ということが問われる課題だというふうに思います。家庭の努力とか自己責任の問題で片付けられない、やっぱりそれを支える社会にするかどうかが問われるというふうに思いますので、またしっかり引き続き議論し、取り組んでいきたいと思います。
次に、メタバースを活用したオンライン支援についてです。今年1月から、メタバースを活用した新たな不登校支援がはじまりました。12月議会の答弁で、市内には学校内外の相談機関につながっておらず、教職員からの継続的な相談・指導等も受けていない児童生徒が60人いることが明らかになりました。子どもたちの孤立を防ぎ、学びや社会とのつながりを取り戻すための支援が必要だと考えます。しかし支援があっても、子どもや保護者が知らなければ利用につながりません。また申請の負担が大きければ、支援が必要な家庭ほど利用しづらくなります。そこで、このオンライン支援について、どのように周知を行うのか、利用にあたってどのような手続きが必要なのか、明らかにしてください。
-野口教育長
先月末に開設をいたしましたメタバースを活用したオンライン教育支援センター、そだちLinkについて、先般校長会議を開催した折にその内容や通室方法などを丁寧に説明させていただきました。合わせて、各学校の支援が必要な保護者の方々にもそだちLinkの周知をお願いをさせていただきました。利用にあたりましては、保護者との面接相談を行い、活動内容や申し込み方法についてご説明を申し上げ、保護者や児童・生徒本人がメタバース内容を見学・体験したうえで活動を開始していただいております。もうすでに申し込み等もありますし、体験をしている子もおります。ただ、学校の方からこの内容について周知するだけでは私は足りないというふうに思っております。まずはこの4月から本格運用ということになりますので、そこに向かってオンライン上で周知を進めていきたいと考えております。ひとりでも多くの不登校の児童生徒や保護者に情報が届けられるように、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
-山下議員
ぜひ多くの家庭に周知をしていただきたいと思います。
メタバースを利用するには一定の通信環境が必要です。また、デジタルに不慣れな子どもや保護者も少なくありません。通信環境の整備が難しい家庭に対する支援や、操作に不慣れな子どもや保護者へのサポート体制は、どのように整えているのか伺います。
-野口教育長
オンライン支援にあたりましては学習者用端末を活用することといたしておりまして、インターネット環境が整っていないご家庭に対しましてはSIMカード入りのルーターを無料で貸し出しをいたしております。また端末の操作に慣れていない子どもや保護者に対しましては、児童生徒の見学・体験時にひとりひとりの実態に応じて対面やメタバース内でのやり取りを通しながら、基本操作等について丁寧に説明をいたしております。なお、このサポートにつきましては、状況に応じてやはり改善をしていく必要があろうかと思っております。利用している児童生徒の声や意見を聞き、保護者の方の面接相談から児童生徒の変化等を伺い、児童生徒ひとりひとりの実態に応じた効果的なオンライン相談・支援に取り組むなど、常により良いサポートを目指していきたいと考えていきます。加えて在籍校の校長先生や担任の先生等の学校からの意見も積極的に取り入れて改善を進めていきたいと思っております。
-山下議員
オンライン支援は、学校や社会とつながりが持てず、家庭で多くの時間を過ごしている子どもたちにとって、つながりをもつ有効な選択肢のひとつだと思います。ただ、身体的、心理的フォローが十分に行き届かないのではないかといった課題も指摘されています。こうした課題があるなかで、子どもたちが孤立することなく、必要に応じて対面での支援につながれる体制が求められます。個々の必要に応じて、どのような対面支援につながれるようになっているのか、うかがいます。
-野口教育長
オンラインを活用した不登校支援にあたりましては、担当する心理士や指導主事がアバターを通じた交流や個別の相談等で児童生徒の変化を観察いたしております。また、保護者との面接相談を継続しながら、児童生徒ひとりひとりがアバターを介し安全安心なメタバースでコミュニケーションや様々な体験を重ねる中で、児童生徒ひとりひとりの状況や興味関心を見とり、そしてその中で、教育支援センターそだちで開催しているリアルな体験に繋げていきたいと思っています。今、そだちの方では、不登校児童生徒たちの強味・得意に着目して、個々の才能や能力を引き出していけるように、例えば北陸新幹線の運転士等の体験、それから3Dやロボット操作等の最先端のデジタル体験、パティシエ体験、ドローン操作の体験、乗馬体験などを開催しておりますが、こうしたところに興味関心のあるところに繋げていきたいと思っております。
-山下議員
子どもが安心して自分のペースで歩んでいけるように、支援のあり方を一層丁寧に整えていただくようにお願いします。
最後の質問です。2月議会初日、市長は施政方針の冒頭で、市立小学校に勤務する教員が逮捕された事案にふれ、「市政に対する信用を失墜させたことを、市長として重く受け止めており、議員各位並びに市民の皆様にお詫び申し上げます」と述べられました。さらに、「一日も早い市政の信頼回復に努めてまいります」との表明もありました。教育にたずさわる教員が、今回のような事案で逮捕されたことは、被害にあわれた未成年者への深刻な人権侵害であると同時に、金沢市の教育行政に対する市民の信頼を大きく損なう重大な問題です。教育長はこの事案をどのように受けとめているのか、お伺いします。
-野口教育長
今回の事案につきましては、真面目に教育活動に取り組んでおられる先生方がこれまで懸命に築き上げてきた教育への信頼を失う、言語道断の許しがたい行為であり、教員としてという前に、一社会人としてあるまじき行為であり、極めて遺憾に思っております。教育長として、今回の事案を重く受け止めており、改めて被害に遭われた方とそのご家族、当該小学校の児童ならびに保護者、地域の方々、そして議員各位、市民の皆様に心からお詫びを申し上げたいと思います。大変に申し訳ございませんでした。























