2024能登半島地震被災者支援について
-広田議員
質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問いたします。
まずは能登半島地震被災者支援についてです。震災発生から8カ月ですが、金沢市内でもそして能登からの避難者についても支援が必要な方々が未だ多数おり、本市も引き続き取り組みが必要です。
支援の打ち切りについて
しかしながら金沢市の災害救助法の適用期間が8月末で終了したとのことです。市独自の支援や県から依頼された支援の多くが8月末で打ち切りとなりました。このことによって、金沢市で被災された方はどうなるのか、また広域避難で市内にいらっしゃる以北の方の現状と今後の支援はどうなるのか伺います。
-村山市長
今般、すべての避難者の仮設住宅への入居が決まったということから、先月末をもって広域避難所は閉鎖いたしました。また、災害救助法に基づく支援や、本市が独自に実施する支援の一部も終了となりました。一方、被災した方の中には、震災前の暮らしを取り戻すまでにまだしばらく時間を要する場合もありますことから、今補正予算にも各種の支援制度の増額等をお諮りしております。引き続き、生活再建の段階に応じた切れ目のない支援を継続したいと考えています。
一方で、能登地域で被災して市内に避難されている方のうち、ホテルや旅館にいらっしゃる方が約100名、そして約180世帯については公営住宅で生活をしております。また、賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)の申し込みについては、これまでに約1600件ありました。被災された方が一日も早く平穏な日常生活に戻れるよう、引き続き寄り添った支援に務めたいと存じます。
-広田議員
引き続きお願いします。
市が行ってきた支援の中に、今おっしゃったホテルなどへの2次避難の方に、これまで食事提供を意図したプリペイドカードの配布がありました。プリペイドカードが最善かどうかは別としましても、2次避難者の方々は9月から食事はどうなっているのか、食に関する保障は続けるべきではないですか。
-村山市長
今回、ホテル・旅館等にいらっしゃる方に対するプリペイドカードでの支援、これは金沢市独自で行ったものであり、他の自治体では行っていない特別なものでございました。ただ、この食事支援につきましては、8月に入ってから大幅に対象者が減少いたしました。県からは食事提供のある施設へ対象者全員が宿泊できると連絡がございましたので、8月末で終了したところであります。対象者の状況ですが、今月8日現在で食事提供のない宿泊施設には5世帯14名が宿泊をしております。これは県の方で食事提供のある施設への移動について対象者全員に希望を確認した際に、それぞれのご判断で移動しなかったというように県から聞いております。なお8月最終週にプリペイドカードを配布した際に、受け取りに来られた方全員から、本市の支援に対する感謝の言葉をいただいたところであります。
-広田議員
現在5世帯14名の方がまだ食事提供のないホテル・旅館にいらっしゃるということですけれども、今はいいとおっしゃっているかもしれませんが、もし仮に今後困窮された事態に陥りそうなときは、ぜひ臨機応変に県と協力して支援を求めたいと思います。
もう一つ、生活必需品については、現ホテル避難者以外は打ち切るというふうに聞いていますが、まだ支援を一度も受けていない方はいないのか、続けるべきではありませんか。
-村山市長
生活必需品給与については、災害救助法に基づいて実施しているものです。本市への災害救助法の適用が8月末で終了しております。一方で、二次避難先としてホテル等に避難されている方について、避難後の居住先がまだ決まっていないということから、県との協議も踏まえ引き続き支援を行うこととしてしております。
-広田議員
まだ続けられる方がいらっしゃることを周知していただきたいと思います。
医療・介護の一部負担金・利用料について
つぎに、医療や介護の現場、そして避難者からも、医療費や介護利用料の免除が9月末で終わるのはどうなんだという声が寄せられています。県とともに国へ延長を求めるべきですがいかがですか。
-村山市長
先般、国から期限の延長について意向調査がありました。それに対して延長を希望するという旨回答を行ったところであります。改めて国に対しての要望は考えてはおりません。
-広田議員
市としては求めたということですので、ぜひ実現できるようにまた力を尽くしていただきたいと思います。
市民の命と生活を守る対策について
熱中症対策について
-広田議員
つぎに、市民の命と生活を守る対策について伺います。この猛暑で熱中症の搬送が相次いでいます。今年は7月から前年を大きく上回り、7月に県内過去5年で最多の4名が死亡、そのうち金沢市内で80代の方が亡くなりました。お悔やみ申し上げたいと思いますが、市長、まずは重大なケースとして受け止めたのか、状況把握と今夏の対策をどのように考えたのか伺います。特に、県内死亡者のうち3名はエアコンを使用しておらず、金沢市の方も搬送時室内は高温状態だったとの報道です。その点も含めどのように考えているのか伺います。
-山口福祉健康局長
この7月に高齢者が死亡した事例につきましては、地域包括支援センターの職員が本人宅を訪問した際に、呼び鈴を鳴らしても応答がなく、新聞受けにも2日分の新聞が残っていましたから、そういったことから別居親族のご了承を得て入室し、中で倒れている本人を発見したというふうに聞いております。この事例であったり、熱中症での救急搬送が増加しているといった状況を踏まえまして、やはり高齢者の方は熱中症で重症化する可能性が高いことから、引き続き民生委員の方であったり地域包括支援センターと連携しながら、より細やかな訪問、声かけに努めていきたいと思っております。
-広田議員
私は昨年の9月議会で、高齢者宅のエアコン設置や使用状況の把握を求めました。しかし市は、市民の財産に関することなので把握しないとの答弁でした。しかし、今年度から消防現場では、熱中症搬送の際にエアコンの設置・使用状況を調査しています。7月末で搬送者の半数以上が65歳以上である中、屋内48件中エアコン設置なしが15件、あっても使用していない方が21件という状況でした。エアコンの使用が生死をわける状況で、大変貴重なデータであり、市の施策にいかすべきですがいかがですか。そして改めて、いろんな機会をとらまえ、市内の特にご高齢の方のエアコンの設置状況と、設置できない理由や使用できていない理由の調査が必要だと考えますがいかがですか。
-山口福祉健康局長
やはりエアコンの使用につきましては、熱中症の予防対策に非常に有効であるというふうに認識しております。今後は本市が毎年作成しております熱中症予防のリーフレット、これに今回消防局が調査した「熱中症搬送件数のうち、エアコンを使用していなかった件数が21件」と、そういうようなことをリーフレットにも記載するなど、適正なエアコン使用に関する注意喚起に活用していきたいというふうに考えております。また、エアコンの設置状況、使用していない理由の調査ですけれども、やはり調査までは考えておりませんけれども、民生委員であったり地域包括支援センターの職員が訪問を行った際にエアコンの利用であったり、今般金沢市が設置いたしましたクーリングシェルターの利用、こういったことをご説明することや、こまめな水分補給・塩分の補給、こういったものの注意点を記載した熱中症予防のリーフレットを配布し、この夏の暑さに対する注意をしっかりと促していきたいというふうに思っております。
-広田議員
私の方には、「エアコンが苦手」「電気代が心配でつけられない」というお声もある一方、「エアコンを設置するお金がない」「壊れても買い換えられない」というお声もあります。かねてから求めている生活保護世帯や低所得者世帯のエアコン設置の補助拡充を求めたいと思いますがいかがですか。
-村山市長
生活保護世帯のエアコン設置につきましては国の法令・通知に基づいて判断しております。保護開始時において高齢者・障がい者など特に熱中症予防の必要性がある世帯に限られておりまして、市独自に支援することは考えてはおりません。また低所得世帯につきましては、効果的な支援のあり方や市民間の公平性などを考慮する必要があります。現時点でエアコン設置に対する補助制度を設けることは考えてはおりません。
駅西むつみ体育館について
-広田議員
次に、障がい者高齢者体育館である駅西むつみ体育館について伺います。ご利用者からエアコン設置のご要望があがっています。市は体育館の室温34度以上で利用を中止しており、7月は開館25日のうち11日体育館の使用ができませんでした。さらに私も体感しましたが、34度以下でも決して涼しいわけではありません。特に気温の変化に注意が必要な障がい者、高齢者の方の施設ですから特段の配慮が必要です。利用者の命を守り、生きがいの場を提供するためにもエアコン設置が急務だと考えますがいかがですか。
-村山市長
駅西むつみ体育館の空調設備につきましては、体育館部分については維持管理・費用等の課題から設置しておりませんけれども、多目的室等にはすでに設置しているところでもあります。一方でこの体育館についてでありますが、今年度は移動式空調設備を試験的に設置し、その効果を検証しているところであります。その検証結果を踏まえまして、より効果的な対応について検討したいと存じます。
-広田議員
古い体育館なので設備として難しいというお声もこれまでありましたけれども、今、移動式空調機をモデル的に導入していると。これが有効であるならば、ぜひしっかり予算化していただきたいと求めておきます。
学校給食費(保護者負担分)について
最後に生活面で、学校給食費(保護者負担分)については現在、今後の給食費のあり方をめぐって学校給食費懇話会が開かれています。私のほうには現役の保護者やスクールサポータ―の方からも「こんな物価高騰で生活大変な中、値上げなんてとんでもない」というお声が大半です。午前中の答弁で、懇話会の提言を受けて検討するとのことですが、すでにこの議場で私を含め危惧する市民のお声が出されています。市長には市民のお声が届いていないでしょうか。市長自身はどうお考えなのか、伺います。そして今こそ私は無償化すべきだと考えますがいかがですか。
-村山市長
給食費のあり方について、今教育委員会において現在学校給食費懇話会で検討していただいております。いただいておる中で、私がどうすべきということを申し上げるのは議論に口をはさむことになりますので、この議論の結果を待ちたいと思います。そしてその提言を踏まえて、明年度以降の予算に反映させていきたいと考えております。
-広田議員
無償化については全国一律でやった方が良いということなんでしょうけれども(先に質問を行った議員への答弁から)、この値上げについては、議場から意見が出たということも重く受け止めて、最後は市長の決断ですから、ぜひ市民の声を聞いていただきたいという要望です。
金沢方式について
-広田議員
つぎに、金沢方式について伺います。現在、地元負担の軽減などをめぐり金沢方式あり方検討懇話会が開かれています。本市の資料では、金沢方式とは「地域が一定の負担をしながら自主的運営を行う方式」と記述されました。しかし町会長アンケートではこの金沢方式の認知度はおよそ30%。これでは「地元の総意で地元負担している」という市の認識も揺らいでいるのではないでしょうか。金沢方式は先人たちが作り上げてきたものと理解しますが、現代においては法令や市の規定、合理的な予算計上がなければ、市民の理解を得ることは困難です。今一度、金沢方式について整理をしたいと思います。
まずは、施設の現状や地元住民の負担に関する他都市との比較についてです。
公民館・児童館について。懇話会では、これらの施設が中核市平均より多いと報告されましたが、資料をご覧ください。全国では自治公民館や民間の児童館という種類もあります。例えば、本市に似た、人口40万6千人、一般会計予算1750億である富山市の公民館は、市立直営で84施設、地元負担ももちろんありません。一方、補助制度がある自治公民館は695。類似施設も含め1000前後とのことです。一方、金沢市は公民館61以外に地域の集会所が314という現状です。果たして本市は地域のコミュニティの場が多いと言えるのかどうか、明らかにしてください。
そして、本市とおなじく条例設置の公立公民館、児童館の施設整備や設備で地元負担のある自治体はほかにあるのか。公民館については運営費についてもお答えください。
同じく消防分団についても中核市とくらべての傾向や地元負担があるのか伺います。
-堀場教育次長
まず公民館についてお答えしたいと思います。本市では昭和27年、新たな公民館の設置に際しまして、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館が欲しいという地域住民の強い要望を受けて、1校下に1公民館の設置を目指してまいりました。これにより本市の地区公民館数は中核市平均31館を大きく上回る61館となっております。なお、他の中核市の公民館におきまして、本市と同様な地元負担の取り扱いを行っていることまでは把握しておりません。
-安宅こども未来局長
市立の児童館数の中核市平均が10館に対しまして、本市には33館ございます。また民設・民営の児童館は本市には存在しておりませんが、関連団体の調査によりますと、全体の約3%しかない(設置は問わず民営だともっと多い、本市も民営)ことから、民間設置を含めても本市の児童館数は他の中核市に比べて多いのではないかと考えられます。なお、他の中核市の児童館において、本市と同様な地元負担の取り扱いを行っていることまでは把握はしておりません。
-蔵消防局長
消防団についてお答えいたします。本市の消防分団数は49分団であり、中核市の平均は35分団となっております。また消防団員の定員数は、本市が1,248人であるのに対し、中核市平均は1,514人となっております。地元負担を求めて消防施設の整備を行っている中核市は現在5都市となっております。
-広田議員
児童館については、私が調べたところでは公立児童館2,323、民間児童館1,978(公営、民営という意味でした)というふうに国が調査結果を示しております。ちょっと先ほどの3%が、もう一度私も考えたいと思います。
さらに消防の方は中核市で照会をかけているにも関わらず、公民館と児童館はこの重要なことであるのに把握をしていないと。これから照会をかけるということでよろしいですか、市長。
-村山市長
照会をかける予定は今のところないんですけれども、その必要性がある場合には照会をかけることになると思います。
-広田議員
この公式な議会で質問をしているんですよ。62市に照会をかければ答えが返ってくる。政策を聞いているんじゃない、難しい質問ではないと思います。やっていただくよう求めます。
-村山市長
他の中核市と成り立ちが違うということから、その必要性を現在では考えてはおりません。
-広田議員
成り立ちどうこうの問題ではなくて、現状どうなのかという話をお聞きしているんです。それぞれ成り立ちはバラバラです。消防だってバラバラかもしれない、でもやっているんですから。ぜひ求めていきたいと思います。委員会でも求めます。(調べても同様の自治体は出てこない予想だから調べたくないのでは?)
地元住民の負担の仕組み、法的根拠と市の規定について
つぎに、地元住民の負担の仕組み、法的根拠と市の規定について伺います。
まず公民館・児童館について伺います。公民館や児童館の建設事業は、市が事業を行ってから地元が集めた現金を市に寄付するというやり方ですが、なぜそのような方法をとっているのか。そして寄附金に入れる意味もあきらかにしてください。
-村山市長
先ほどの答弁と重なるところになりますけれども、本市における公民館や児童館等の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで設置を望む地域の総意に基づいて要望を受け止めて、それで進めているというものであります。ですので、歴史的な成り立ちも違うということであります。こうしたことから、地元負担相当分については、整備完了後、地元からの寄付申し出に基づいて寄附金として採納しております。
-広田議員
それは地元負担を前提に要望している地元がいるという意味でおっしゃっているのだと思いますけれども、私ちょっと仕組みをなぜそうしたのかというふうに聞いています。あとで要綱が出てくるので、そのときにまたお聞きします。
また、市民からは素朴に、社会教育法や児童福祉法に照らして、公立の施設であっても地元負担を入れてもよい意味がわからないというふうによく伺いますが、この見解を伺います。
-村山市長
繰り返しになってしまいますけれども、本市における公民館・児童館の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで地域の方々と協議しながら、本市独自の方式でこれまで進めてきておりました。地域が一定の負担をしながら自主的運営を行うということは、活動の自主性・自立性を担保することで地域の連帯・連携を強めて協同をはぐくむためにこれまで大きな役割を果たしてきたと認識しております。
-広田議員
私は「法律に照らして」と言っているので、今の答弁は答えになっていないと思います。再度考えを整理していただきたいと思います。今繰り返しおっしゃられたことは、地元負担を前提に地元が要望してくる、そういう事業だということだと理解します。
それでは、こうした金沢方式の仕組みや地元負担割合に関する法律や条例、要綱などがあるのでしょうか。先日の総務常任委員会では「ない」という答弁があったんですけれども、そしてひとつひとつの予算が根拠だとのことでした。市長、それはその通りでよろしいですか。
-村山市長
金沢方式について明記した条例はありません。また、それに基づく要綱もないと理解しております。
-広田議員
しかしその後、市立の地区公民館において別の建物を改修するときの要綱を見つけました。参考資料につけましたのでご覧ください。(資料ご参照ください)それは紛れもなく、私は金沢方式だと思うんですけれども、改修には要綱があるのに、児童館もふくめ、建て替え・新築などの事業にはなぜ要綱が作られていないのか、伺います。
-堀場教育次長
原則、本市の地区公民館は地元負担を受けながら市が必要な予算を講じ、公共施設として整備しております。ただ一部の地域におきましては民間施設を活用し、公民館に改修する場合があり、その場合は地区公民館整備事業補助金交付要綱に基づきまして補助金を交付することとしております。
-広田議員
改修だって公共事業(公共施設と言ってるつもりだった)だと思うんですよ。同じ公共事業(公共施設)でありながら、なぜ片方は要綱があり、新築は要綱がないのかということを聞いています。もう一度お願いします。
-堀場教育次長
地区公民館の建設におきましては、市が主体となって公共施設として整備するものですから要綱はございません。
-広田議員
では、かつてこの要綱に基づいて行った事業は市の事業ではなかったという理解でよろしいんですか。
-堀場教育次長
民間施設の改修におきましては、公共施設ではございません。市が主体となって工事をするものではなく、地元主体で工事を行っているものでございますので、要綱に基づいて補助をするということでございます。
-広田議員
いや、歴史を遡りましたけれども明らかに地区公民館の事業でしたよ。地区公民館を廃止したわけでもなんでもない、地区公民館としてやられた事業。しかもお金を出しているわけですからね、補助として。この資料も、実は総務常任委員会では「ない」とされて後から見つかった。なので私は、市民にも知らされてなければ市の内部でもこの金沢方式が整理できていないんじゃないかというふうに思っているわけです。
次に移ります。全体として法令や要綱などの根拠はなく、個別の予算で議論すると答弁されてきたわけですが、ではなぜ今検討会を開いて負担割合を決めるのか。なぜ検討会の資料では負担割合の表が「制度」と書かれて出されているのか。私は矛盾すると思うんですけれども、懇話会がおわったら何か要綱か条例かにするおつもりなのでしょうか、伺います。
-村山市長
今回議論するに至った経緯といたしましては、人口減少・少子高齢化の進展とともに、町会加入率も減少した、そういった地域を取り巻く環境が変化している中で、地元負担の見直しが必要との声をお聞きしたところでもあります。これは地域コミュニティを支える基盤を強化するという意味でも、持続可能な金沢方式への見直しが必要と考えて、検討を進めたところであります。11月中に第3回懇話会を開催する予定でありますが、その中で金沢方式の見直しに向けて取り組むべき事項などについてご意見をいただいて上で、改めて金沢方式の意義や目的などについても整理し、今後取りまとめる提言の中に反映していただきたいと思いますし、また市民にも広く周知していきたいと考えております。
-広田議員
私はどこにも規定がないのに突然「制度」と書かれて出てきて、さらにまた決めたことも条例や要綱に規定するわけでもなく、今「周知」っておっしゃいましたけれども、現状と変わらないわけですよね。ではお聞きしますけれども、検討会で決めたこともそのときだけの話で、結局は個別の予算の事業、地元と話し合うことに基づくということに今後もなりませんか。
-村山市長
今回検討会で議論した内容をもとに、その運用をしていきたいと考えています。
-広田議員
いや、なので、なんの規定に基づいて運用をされていくおつもりかということを聞いています。一旦「制度」というふうに紹介し、検討会を堂々と開いて、そこで議論するわけですよね。何割にするかということを。それが検討されたというだけでどこにも規定されなければ、今と変わらないのではないかというふうに思うわけですけれども、もう一度お願いします。
-村山市長
今回のあり方検討懇話会での議論を踏まえて、その後それぞれの予算で個別に対応するということになります。
-広田議員
結局は個別に議論するっていうのが答えで堂々巡りなんですよ。それはやっぱり元々法令や法律・条例・要綱・要領、何の根拠もない中でやっているからこうなっている。でもそれをもし作ってしまえば私は、後で議論しますけれども「割当的寄附金」を明らかに市が最初から形作ることになるので、しないのではないかというふうに考えています。
一方、消防分団は補助取り扱い要領というものに、ポンプ車や機材置き場について補助割合が明記されています。歴史上、地域の自主組織からはじまり、後に補助がされるようになったからというふうに聞いています。しかし現在、消防組織法では明確に、施設整備や設備について、第8条で「当該市町村が負担しなければならない」と書かれています。これは要領と矛盾するのではないでしょうか、伺います。
-蔵消防局長
地元負担を求める事業につきましては、その予算を議会にお諮りし、お認めいただき実施しているところであります。
-広田議員
結局、法律との矛盾までをも私たち議会は背負っているというふうなご答弁なのかと思ってしまいますけれども、もちろん、議会での議決は重いことは承知しています。ただ市長、私は法律と矛盾しないかということを伺っているんですけれどいかがですか。
-村山市長
矛盾していないと考えています。(その根拠を次に確認する)
-広田議員
誰か顧問弁護士さんなど、法律の専門家に見解はお聞きになったんでしょうか。伺います。
-村山市長
私が個人的に聞いたことはないのですが、これは各局のところで聞いたかどうかは把握していません。
-広田議員
なんのための顧問弁護士なのか。確か莫大な年間予算を払っていますから、ぜひ聞くように求めておきたいと思います。
割当的寄附金かという議論について
つぎに、基本的に公の事業は応能負担の税金でまかなっており、地方財政法第4条の5では「寄附金を割り当てて強制的に徴収してはならない」とあります。しかし金沢方式は寄附金としながら、あらかじめ地元負担が決まっており、地財法に反するのではないかとの見方があります。市は「地元が負担を前提に総意のもとで要望を出して寄付が納められており違法ではない」と主張していますけれども、実態はそうなっているかという問題です。
まずは、地元負担はさかのぼれば、町会加入世帯からの負担です。しかし、町会からの出し方、集め方、決め方も含めさまざまです。違法でないとするならば、金沢市は地元住民誰もが自発的に、そして任意性が担保された中で負担しているという確認をどのように行っているのか伺います。
-村山市長
公民館等の建設にかかる地元負担資金計画や、地元負担の集め方については、通常それぞれの校下地区の町会連合会等において決定されると聞いております。地域によって様々な方法があるというように考えております。地域住民のひとりひとりが自発的に任意性を持って負担しているという確認をとるということは必要ないと考えています。
-広田議員
それでは市として確認できていないということですよね。さらに、違法でないとすれば、地元や住民にとっては負担、寄附をしないことで不利益になるという心理的圧迫もないという前提が必要ですので、最終的に地元から寄附が行われなくても、事業は成立するという解釈でよいですか。
-村山市長
本市における公民館・児童館の整備については、設置を望んでいる地域の総意と言いますけれども、最大限にそれを尊重して建設工事等に地元負担が生じることを了承していただいたうえで事業を進めておりますので、その了承がない限りは市は事業に着手することはありません。建設工事に着手してからも地域の意見をお聞きして、協議を重ねながら進めておりますので、これまで寄付が行われなかったということもありません。
-広田議員
先ほどの見解ですと、あくまで地元組織に自発的か任意的かの確認は任せているけれども、了承をもとに事業を進めていると。ちょっと矛盾すると思うんです。やはり市として、本当に住民ひとりひとりが自発的・任意性があるかということを確認する必要があると考えます。
つぎに、公民館建設に関する寄附を受け入れる際、市で積算し、かつ備品に関して控除をしているということが情報公開でわかりました。備品は地元で購入してもらうので、表記は助成というふうになっています。であるならば補助金制度に当たるはずですが、その要綱や要領は見つかりません。歳出もありません。このような処理は財務規則上問題ではないですか。
-堀場教育次長
公民館整備に伴います地元負担につきましては、地域で準備をいただく備品の購入費を市の建設費から差し引いて積算しているものでございます。補助金には該当いたしません。
-広田議員
本当におかしいんですよね。地元が買って補助金として助成しているはず。「助成」という言葉で表現してある。さらに先ほどの改修のときの要綱の表の中には、補助金についてはあくまで「補助制度」なんですよ。そこでは明確に規定をしておいて、新築のときは控除みたいなことにしているというのは、本当にこれちょっと、市民から見ても説明がつかないというふうに思います。これも多分、内部でやっと今知られてきたことかと思うので、ぜひ議論を深めていただきたいというふうに思います。
なぜ寄附金の割り当てを禁止するかと言えば、応能負担の原則があるからです。しかし金沢方式では、地元負担は誰もが同じ金額で負担する仕組みで、一人親世帯や年金世帯で低所得の方も何万円もの負担となります。本市は懇話会の中で最近「負担感」と表現していますがあきらかな「負担」です。市長、そういった現状に対してはどう思われますか。
-村山市長
すべてのご家庭が均等に負担するということについて定めているわけではありません。公民館等の建設にかかる地元負担資金計画や、地元の集め方によりましては地域によって様々な方法があるというように捉えております。高齢者世帯等に対する軽減を行ったり、あるいは積立金を活用するといった例もあると聞いています。
-広田議員
積み立てだって町会費から積み立てられるんで、同じ負担割合なんですよね。そして今、均等に負担してとは定めていないとおっしゃいましたけれども、それも定めていないですけれども、割合だってどこにも定めていないんです。ぜひ、一度お考えいただきたい。
金沢市は、地元のことに立ち居らないという態度ですが、実際地域にとっては要綱などがなくても最初から負担割合が決まっており、町会加入の住民には結果的に個人の負担能力を超えて負担させることになっている。私はこれは割当的寄附に該当するんじゃないかというふうに考えます。ぜひこうした議論も懇話会でも行っていただきたいと思います。
シミュレーション
最後にシミュレーションについてですけれども、懇話会では町会加入率の低下も示されました。本市は持続可能な金沢方式のための議論と言いますが、住民の合意で町会を維持するために、金沢方式がどうあるべきかも問われています。
検討懇話会では「住民負担がゼロならどうなるのか。財政的なシミュレーションを示してほしい」とご意見がありました。これは今後、懇話会で示されると思っていますけれども、明らかにしてください。
あわせて、公民館において市が出している運営費は予算で現在7億4千万円ほどですが、地元の負担がなくなるといくらに増えるのか、伺います。
-村山市長
第二回懇話会では、地元負担についての議論を深めるために施設整備等にかかる今後のシミュレーションを示してほしいとご意見をいただきました。そちらにつきまして、次回の懇話会で想定できる範囲でお示ししたいと考えております。
公民館につきましては教育委員会からお答えいたします。
-堀場教育次長
令和6年度当初予算案における公民館運営費の総額は、地元負担を控除し約7億4千万円となっております。仮に全額を市が負担することとした場合は、約9億8千万円となる見込みでございます。
-広田議員
2億4千万円を今市民が税の他に負担しているということです。
さいごに、今のような課題整理や議論を関係者だけではなく、一般の市民を交えることや、アンケートをとるなど広く議論すべきですがいかがですか。
-村山市長
まちづくりミーティングや様々な機会を通じて市民のお声をお聞きしております。また、懇話会、本会議等を通じて議論を重ねているというように把握しております。
-広田議員
さっき市長もおっしゃったように、地域のお金の集め方とか実態が本当に様々です。みなさんいろんな意見を持っていらっしゃいます。そして集める方も本当にご苦労されているというお声を聞いています。(タイムオーバー)
本会議の答弁をもとに総務でも詳しく確認していきます。