金沢市議会11月臨時議会 代表質疑
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
私は、日本共産党市議員団を代表して以下質疑いたします。
今臨時議会に提出された議案第1号職員の給与に関する条例等の一部改正について伺います。
今回の提案は、人事院勧告による給与改定の例に準じて本市職員の給与を平均で0.23%引き下げるというものです。
今年9月30日人事院は、国会と内閣に対して国家公務員の給与等に関して、3年連続の給与引き下げる「マイナス勧告」を行いました。
ところが、その後の対応は、これまでとはまったく異なったものとなっています。
これまで政府は、人事院勧告を尊重し、実施してきました。それは、人事院勧告は、公務員労働者に対する労働基本権。すなわち、憲法が明記している労働者の団結する権利である「団結権」「団体交渉権」「争議権」の労働三権と呼ばれる労働基本権の代償措置であり、その勧告を尊重しなければならないとしてきたわけです。
ところが、今回政府は、東日本大震災の復興財源を理由に、国家公務員給与を2013年度末までに7.8%引き下げる給与法の改正を臨時国会に提出しました。人事院勧告に基づかない削減は、戦後初めてとなるのもで、二重に憲法を踏みにじるものであります。
この事が実施されると、震災復興財源を増やすどころか、逆に国と地方の税収を減らし、財政悪化と、日本のGDP・国民総生産はマイナスとなり、日本経済に深刻な影響をもたらすこととなります。
市長!人事院勧告と今回の政府対応について、どのように受け止め、今回の提案を行ったのか明らかにいていただきたいと思います。
また、給与法改正がおこなわれた際には、本市職員の給与について、さらに、引き下げることを考えておられるのか伺うものです。
次に、今回の本市職員の給与引き下げの内容についてです。
第一に、民間給与との比較バランスからみても、今回の引き下げは、適切なのか伺います。
「民間給与。3年ぶり増加」との国税庁の調査がこの9月に公表されました。これは、国税庁が民間企業約1万8千社を抽出し、パートや派遣労働者を含む約26万人の給与を調査したものです。
給料・手当が、1.2%増の353万9千円、賞与が3.6%増の58万1千円でいずれも増加しました。その結果、民間企業に勤務する人が、昨年1年間に受け取った平均給与は412万円で、前年度を6万1千円増加したものです。
また、北国銀行が県内主要企業の今春闘による賃上げの調査結果によると、「1%から2%台の増加」が4割を超えています。また、夏のボーナス支給額は、一人当たり、前年度に比べ、2万1千円増加し、支給率では、0.09か月増加したとのことであります。
この傾向について、人事院がおこなった民間事業所の給与調査との比較の中でも述べています。
市長!本市職員の給与を3年連続して引き下げするとしていますが、こうした民間給与と比較しても、今回の改定が妥当なものと考えるのか伺うものです。
また、今回の改定による影響額とこの3年間の総額を明らかにしていただきたいと思います。
第二に、今回の本市職員の給与引き下げの内容と影響についてです。
今回の給与引き下げは、40歳以上、50歳台の給与表の改定が中心となっています。その引き下げ率について明らかにしていただきたいと思います。
さらに、人事院勧告では、給与水準が下がる職員を対象に行われてきた「現給保障」の廃止を打ち出しています。これが実施されると、50歳台の賃金水準がさらに引き下げられることとなります。その原資を若年層の賃金改善にまわすと言う事になると年齢による差別化が職場に持ち込まれ、さらには、ベテラン職員の生活実態を犠牲にし、その人生設計にも大きな影響をもたらすこととなります。 本市では、どのように対応されるのか明らかにしていただきたいと思います。 市長!職員が46万市民の全体の奉仕者として働き、市民生活の向上にむけその役割を遺憾なく発揮するためにも、研鑚と意欲向上がなにより大切だと考えるものですが、今回本市職員の給与引き下げの内容と影響について、その見解を伺うものです。
最後に、今回の本市職員の給与引き下げによる地域経済への影響についてです。 地域経済は、円高と消費不況によって、引き続き厳しい状況が続いています。 本市は、国の出先機関などが集中しているだけに、国と地方公務員の給与引き下げが続くことは地域経済に大きな影響を与えるものです。さらに、公務員給与の引き下げが民間労働者の賃金引き下げへと負のスパイラルをひきおこしてしまいます。
こうした地域経済への影響について市長はどのように受け止めているのか伺いまして私の質疑を終わります。