2013年3月 金沢市議会3月議会 一般質問 升議員

2013年3月議会 一般質問

日本共産党 金沢市議会議員  升 きよみ

 質問の第1点は小売店を守り、高齢者が安心して買い物ができる街をめざす立場から伺います。
先日も「近くの地元スーパーが突然無くなり、食材の買い物も出来なくて困っている」との声が寄せられました。街から商店や銭湯が消え、地元のスーパーが次々と無くなってきました。経済産業省は一昨年より、近隣に生鮮三品をはじめとした生活必需品を扱う店舗が無い地域で、日常の買い物に不便を感じている高齢者に買い物の機会を提供する関連事業に対して、「地域自立型買い物弱者対策事業」として、支援を行い始めました。本市も又、「買い物利便性向上事業」として、宅配や買い物同行・代行サービス等、商店街や福祉地域団体が連携する新たなビジネスの起業を促進して行っております。  しかし、現在実施の事業は限定された地域や範囲、一定の人達の利用にとどまっており、住民の方々からは、「やはり実際に手にとって、気軽に商品が選べるように、店舗に行けるように、そのための移動支援を、又、移動販売車がまわってほしい。」等の声がありますが、これららの声に応えるおつもりはありませんか。生鮮三品を中心とした街の食料品店を守る応援策について伺います。  ところで、まちなかで小売店が消える買い物難民のこうした事態を招いた最大の原因は、これまでも度重ねて指摘してきたように、大型店の出店を許可制から届出制にしたことや規制緩和を進め、大規模小売店舗の出店を無秩序に許してきた国をはじめとする県・市行政の責任であることは紛れもないものです。

金沢市当局も前市長時代から、「小売店舗を守れ」「まちから店の灯を消すな」の声にも耳を傾けず、ひたすら大型店出店を許してきました。小売業における本市の大規模小売店舗の出店状況は、平成19年度の商業統計調査によっても93店舗でしたが、その後もイオンをはじめとする11店舗、そしてかほく市や野々市市等の出店があり、市内の小売業への影響の深刻さが伺えます。ところが今度、山野市長のめざすべき都市像によると、商業振興に、大型商業施設の立地誘導を図るとしていますが、これでは益々地元小売商業環境は悪化していくのではありませんか。市長は本気で地元の小売業を守るお考えはないのですか。郊外での大規模商業施設を促進していたのでは、今でも地域の小売業が壊滅状態ともいえる現況下、生き残りをかけて頑張っている業者の方には先が見えず、とてもお店を守ることはできません。本年6月には大友地区でのアルビスやコメリの開設、福久地区にはヤマダ電機、西金沢でのJT金沢工場跡地でも県外企業の商業施設が出店予定と聞きます。いずれも本市が進める区画整理事業や道路整備事業とセットで行った、いわゆる呼び込み型による出店となったものです。市長、市長のめざすべき商業振興からみて、このままでよいとお考えですか。御見解をお聞きします。 ところで、本市は中心市街地出店促進事業として、竪町等の空き店舗対策に家賃補助として1年目1/2限度額100万円、 2年目は1/3限度額70万円の制度をつくり、昨年は64件3,200万円が使われ、今年は3,300万円を。一方、都心軸線香林坊出店促進事業としてファッションビルには、内外装費助成に2,000万円、家賃補助には1,000万円特認等には2,000万円迄を3年間にわたって渡され、今年度は6,800万円、新年度は8,000万円見込んで実施します。  中心市街地は県外企業の出店でそれなりに空き店舗を防いでおりますが、地域商店街では空き店舗が増え続け、買い物の出来ない状態が生まれています。結局、高齢者は安心して買い物が出来ない実態です。市長は真に小規模な店舗、小売業者を守る立場であるなら、まちなかに限らず空き店舗防止策をはじめ、どのような具体策をもって本市の小売業を守り、街を元気にさせていかれるおつもりか伺います。

次の質問は、市立病院の経営形態の変更(地方公営企業法の全部適用)に関連してです。 市立病院の平成24年度から新中期計画では、地域と共につくる安全、安心味わいの医療、住民参加型の医療、公益性公共性を堅持し、救急先進医療、チーム医療を行い、病院機能の強化などを掲げて、専門的で質の高い医療を提供するとしておりますが、国(総務省)の改革プランで要請されている経営形態のみなおしとして、本年4月から地方公営企業法の全部適用へ移行することになり、今議会に関係条例提案がされております。今回の条例改正は、病院経営に一層の利益をあげさせるために企業的手法を求めた国の方針に沿うものですが、これにより、独立性を持つことで、赤字解消や効率性が求められ、市立病院の持つ公的役割の後退や労働条件の低下などを招くことにならないか危惧するものです。 ①市長!市立病院の経営形態が変わろうと、市民が求めるのは最新の医療水準で心のこもったサービス、患者の権利や意思が尊重され、満足し、安心できる病院を願っております。市立病院もまた、その立場をしっかりもっていただけると思っていますが、あらためて最高の責任者である市長より、市民の生命を守る観点から今後どの様に臨んでいかれるのか所信の程を伺います。 ②そこで、今回新たに循環器センター、脳センターをはじめ、透析センターや災害拠点センターをより一層機能強化を進めるとして医師や臨床技師等のスタッフを増強し、色々医療サービス向上に備え計画されております。それに併せ高額な医療機器の購入も進むことになります。今後予定される医療機器購入は、どの様なものかを明らかにして下さい。当然、医療機器については外国製をはじめ各種メーカー、銘柄がありますが、その選定・購入についてはどの様に行われていくのでしょうか。 これまで医療機器購入に当たっては、病院における選定委員会で選定し、最終的に市長が契約締結を行ってきましたが、これが今後病院の管理者が締結することになります。 本市は一般の物品購入については500万円以上を高額物品として扱い、他メーカーに同等品があるにもかかわらず、銘柄を指定しなければならない物件については機能選定理由や同等品比較表を持って入札することになっています。市立病院の医療機器については、これまで、選定検討委員会は、医師5名、薬剤師、看護師、事務の各1名で構成し、そこで選定して、1,000万円以上(随意契約にあっては500万円以上)の場合は、市の入札契約手続き審査委員会における審議を経て契約となっておりました。今回の公営法全部適用によって新たに任命される病院事業管理者が従来よりも柔軟な経営ができるためにと、人事・財務を掌握することになります。経営責任がついているものの、これまで以上の権限があるだけに、ここはしっかりとした透明性を図り、厳正な立場に立った第三者のチェック体制が必要といえます。どの様に進めていかれるのかお伺いします。 いずれにしろ、市立病院は、市民、地域の住民と医療機関に支えられています。その信頼に応えるべく病院として、日夜懸命に患者の立場に立った良い医療をと頑張っていらっしゃる医師、看護師さんをはじめとする医療関係者の方々が、過重な労働や経営主義や管理主義に陥らないことを切望するものです。その対応と所信の程を伺います。

質問の第3点は、行政改革に関して、新公益法人制度への対応、外郭団体のあり方について伺います。  本市はこれまで数次にわたる行政改革大綱を発表し、その計画策定により、実行されてきました。平成22年度を初年度に第5次行革大綱が策定され、その実施計画を実行してきております。  大綱では、効率的な行財政運営の確保で質の向上を図る、時代のニーズに即応した行財政運営の確立、財政の健全性の三つの方針を掲げて取り組む事になっています。そして、これまでの実施の取りまとめを市民行政評価委員の意見を経て、「結果」を明らかにし、事業のみなおしや廃止が定められてきております。その具体化が違法駐車防止対策事業の指導員廃止であったり、高齢者バス回数券廃止となったりしております。ところが、これらの検討事業について当事者利用者の方々の意見を聞くことは、ほとんどないのではありませんか。市当局は、行政評価委員に一般公募委員4名、有識者5名参加があることや、パブリックコメントをしていることを挙げて、市民の理解を得た、合意納得のものと強調されるのですが、①行革対象施設や事業については、利用者、関係者の話を充分掌握する仕組みと姿勢が必要です。先ずそこをお聞かせ下さい。  ②次に本市は、外郭団体のみなおし、新公益法人制度に伴う移行団体の経営改革の実施計画の策定や、外郭団体のあり方の検討をすることを示されました。  平成20年度に新公益法人制度が施行され、いよいよこの制度が、昨年の12月1日からスタートしております。  公益法人とは、宗教や思想、慈善、学術、技芸などの公益、即ち、広く社会に役立つことを行う法人として、約110年前に制度が発足して以来、今回初めて制度改革がされました。これにより、民間の非営利団体の活動の健全な発展と「民」による公益の推進にあたるために税制上の取扱い等のこともあって、従来の公益法人が平成25年の11月迄に、公益社団法人か一般社団、財団法人のどちらに移行するかをはっきりさせなければならないことになっています。その移行申請をしなければ、解散することになるとしています。①本市では、既に12団体が移行済みで残る団体の福祉サービス公社、金沢まちづくり財団、水道サービス公社などが、対象となります。今後どの様にされるのか。 ②又、移行済みの団体を含め、本市は基本財産等の25%以上を出資している団体や職員を派遣している公的な外郭団体等について、各々経営改革、実施計画等を求めておりますが、全体として外郭団体に市当局はどの様な観点と体制で検討をされておられるのか。特に福祉公社やシルバー人材センター、芸術創造財団をはじめとするこれら団体の組織が真に市民の福祉、生活、文化の向上に役立つものであって、そこに視点を置き、即ち、市民目線を置き市民による点検、評価、検証を行うべきであって、少なくとも安易な経営至上主義に立った、みなおしを図ることではないと考えます。かつて、直接、市が行ってきた事業や業務等を、これら外郭団体に委託するなどしてきた経過やその歴史を、しっかり踏まえた対応が必要です。市長、関係局長よりお答え下さい。  更に今回、これまで市職員で行っていた国民健康保険料や介護保険料の納入通知の作成を民間業者に委託されるとあります。経費の削減を理由にしていますが、個人情報がしっかりと守られていきますか。行革の名で進められる民間委託化で真に質の向上となった行政運営になるのですか。伺っておきます。

質問の最後に、高齢者が元気で出かけることができる公共交通利用のために伺っておきます。  市長は、大きく世界交流拠点都市金沢の都市像(案)を発表し、「交通基盤の整備に北陸新幹線の整備促進を中心として、交通ネットワークの確立の中で、二次交通の充実を図り、公共交通の利便性、快適性を確保する。都市軸にあっては、公共交通優先のまちづくりを進め、郊外部については、住民ニーズに応じた交通手段が確保できるよう交通環境の維持改善を図る」とされております。こうした構想には共鳴しつつも、実際進めていらっしゃる施策では、具体的には見えてきません。見えるのは、新幹線開業にむけての施策の具体化がばかりです。他都市からいらっしゃる人々を対象としての施策に力点が置かれていますが、交流拠点都市の主人公は紛れもなく金沢市民であります。今成すべきは、今日、少子高齢化が進行する状況下、最も交通弱者の方々のニーズに応えた施策の展開であり、かねがね市民から要望が出ていることに、どう応え、市民の安全や利便の確保に当たるかが優先課題ではありませんか。市長は未来像では、コンパクトシティにすると表明され、公共交通優先の施策とおっしゃっておられるのですが、いったい何処に目線を置いて施策の実行をおやりになるのですか。それには、市長!昨年、高齢者の公共交通利用バス乗車券の割引制度を発足させておられますが、それを更に充実・発展させるところからおやりになりませんか。 この割引制度は、運転免許を持たない70才以上の高齢者に対する1ヶ月シルバー定期券(北陸鉄道)の販売金額を割引して一部を市が負担するもので、70才以上の運転免許自主返納の方には7,000円のパスを5,000円に、又、運転免許のない方は、7,000円のパスを6,000円にするものです。昨年の夏から実施していますが、免許返納の利用者は月に46~47人です。他に1,000円の割引支援の定期を求めた方は、月に1,300人、最近では1800人と言われています。新年度も同様の数字を見込んだ予算で全体では、1,674万円となっています。高齢者の運転事故が多発している中、公共交通利用への切り換えを進める利点と共に、一部仕事や病院通いの方には歓迎されているものの、その利用は限られたものであり、圧倒的高齢者の方々が利用できません。それで、この制度を実施したことを理由にして、万寿苑等老人センターの帰りのバス切符廃止を正当化されておられますが、とんでもありません。それをおっしゃるなら思い切った制度拡充すべきです。かつて革新自治体であった東京、京都、大阪等から始まったお年寄りのバス無料制度については、一時期バラまき福祉等と批判があり論議を呼びました。しかし、今日、高齢者の社会参加と自立を援助し、引きこもりを防止し、健康生きがいづくりの推進に、なによりも介護予防に、そして街を、商店を元気にする施策として、東京都は70才以上の高齢者に、若干所得制限(125万円)がありますが、1,000円の自己負担で公共交通利用ができる制度を維持しています。先日、私も訪問した高崎市でも、敬老パスポートを、又、山口市では、市内路線バス一乗車100円で利用できる乗車証交付をするなど、各地で積極的に取り組んでおります。本市がスタートさせた定期券助成制度は、県内の何処でもパスを利用出来て、1ヶ月6,000円ですが、一度に6,000円も負担する事が困難な実態があります。「年金が減り、老齢控除のない高齢者には、せめて市内全域3,000円に、区間均一ワンコインで行けるように安い料金にするか、回数券や切符方式等にしてほしい。」「新幹線開業に向けて、東京の電車の中の映像広告より、バスを気軽に利用できるようにしてほしい。」との率直な御意見が寄せられています。  市長はどの様にお考えかお伺いします。

 

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