賃上げと雇用拡大で景気回復を求める意見書 森尾議員の提案説明

議会議案第4号 賃上げと雇用拡大で景気回復を求める意見書 提案説明

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表してただ今上程されました議会議案第4号 賃上げと雇用拡大で景気回復を求める意見書の提案理由の説明を行います。
働く人たちの賃金低下に歯止めがかかりません。昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピークであった今から16年前の1997より年収で約70万円も減っています。そして、雇用環境も非正規労働者の増加等状況は悪化しています。非正規雇用が働く人たちの3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。さらに、雇用不安と低賃金、長時間労働が広がっています。この10年あまりの間に、平均でも月給の2か月分程度の収入がなくなったのですからローンや教育費などを抱えた働く人々と家族のくらしの悪化は深刻です。 そして、賃下げと雇用の不安が広がり続ける日本社会の現状は、世界の流れからしても異常な姿が際立っています。

日本は、この14年間に働く人の所得が88%に減少しました。一方、欧米諸国では、アメリカ178%、イギリス190%、フランス163%、ドイツ129%となっています。最低賃金を見ても明らかです。日本は、全国平均の時給は749円です。フランス1084円、イギリス928円、オランダ1021円、アメリカ753円と先進諸国で最低水準となっています。 最低賃金で1日8時間、週5日で月に20日間働いたとして月収は12万にも満たない額です。ここから税金など引かれたらとても暮らしていけません。 一方、大企業は、この10年間で内部留保を100兆円も積み増し、その額は、260兆円にも達しています。 人件費削減で目先の利益は増やしたものの国民の所得が減り、市場が収縮したために、企業の内部に余剰資金として溜め込まれたものです。  企業経営者には、日本経済の成長の中で、業績の回復を図る視点と、その社会的役割の発揮が求められています。内部留保のほんの一部を、賃上げと安定した雇用を増やすために充てる事によって、内需を活発にし、景気回復への道ずしをつくることができます。 よって、この意見書は、国に対して、 1労働法制の実効ある改善策を講じ、非正規労働者の賃金と労働条件を改善すること。 2日本の最低賃金を先進国並みに改善するとともに、中小企業支援の強化、大企業と中小企業が公正に取引できるルールの策定を進めること。 以上の点を求めるものです。 議員各位の賛同を求め、提案理由の説明を終わります。

 

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