大桑初枝 議員
このたび発言の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として
以下の数点にわたり質問をさせていただきますが、その前に一言申し上げます。
8月に入り、台風が相次いで日本列島を直撃しました。
とりわけ台風10号は東北地方並びに北海道に上陸をし、多大な被害をもたらしました。岩手県岩泉町では高齢者グループホームで9名が亡くなられただけではなく、岩手県内でも15名の尊い命が奪われました。
また、床上・床下浸水された家も多く、被災された皆様に対し心から
お見舞いとお悔やみを申し上げます。
そして、生活再建の手立てと地域復興にむけ国が一刻も早くしっかり対策を講じることを願って質問に入ります。
さて、質問の第1点目は、憲法と安全保障関連法についてです。
7月10日投開票で行われた参議院選挙の最大の争点は、安倍政権の下で強行採決され施工された安全保障関連法の廃止、憲法を守る政治を取り戻すかにありました。
日本共産党は、市民・国民の「野党は共同」との願いに応え、全国32にある1人区すべてで野党統一候補を擁立。そのうち11の選挙区で勝利を制せました。なかでも、米軍基地を抱える沖縄県では、当時の現職閣僚に対して野党統一候補が10万票以上の差をつけて勝利したことは、
もう新基地建設はいらないという沖縄県民の総意の表れであるととらえなければなりません。又、全国で野党と市民が肩を共同し、新たな連帯と信頼の絆も生まれ、政治は変えることができるとの確信が広がっています。
安倍政権は、選挙で国民に語らなかったことを次々に打ち出しています。選挙中は選挙の最大の争点は経済だと訴え、もっぱら『アベノミクス』とやり過ごしながら選挙が終われば、公約にふれなかった事を次々に具体化するというだまし討ち的なやり方です。
憲法改正についても、安倍首相は遊説で一切口にしませんでしたが、
選挙直後の7月の会見では、憲法審査会で自民党改憲案をベースにした
憲法改正をしていく野望をむき出しにしました。改憲発議ができる2/3の議席、改憲勢力を後ろ盾にしての暴走に批判が相次いでいます。
市長はこのような安倍政権をどう考えているのかお尋ねします。
南スーダンの国連平和維持活動に11月から派兵予定の自衛隊部隊が
襲撃された他国の部隊を守る『駆け付け警護』など実施するための訓練を
始めるとしています。
自衛隊の任務が拡大され、任務遂行のための武器使用が可能になれば
本当に『殺し殺される』深刻な事態が現実のものになってしまいます。
本市には野田町に陸上自衛隊の駐屯地があります。
戦前、本市には旧日本軍の第9師団が置かれ、そして戦争で多くの尊い命が失われ悲しみにつつまれたのは金沢も例外ではありませんでした。
そして今また、かって国民がお国のためという名目で戦地に送り出されたように、部隊が行かざるを得なくなります。
ある雑誌に自衛官の息子さんを持つお父さんが
「私の息子は自衛官です。誰の子どもも私の子どもも殺させないで下さい」と話された文を目にしました。私の近所に住んでいる方の息子さんも
自衛隊員で県外に住んでいらっしぃます。年に何回か連絡を取り合って
いましたが、今は連絡も途絶えがちとなりとても心配だと言います。
戦後71年、海外で『殺し、殺される』ことなく平和な日本を築き、
本市も平和都市宣言を行って30年が経過し、平和なまちとして発展してきました。ところが安保法制によって、自衛隊に新たな任務が課せられ
戦後初めて自衛隊が『殺し、殺される』危険に遭遇することになります。市長はこうした認識をお持ちでしょうか。市長に求められることは、
市民の命と暮らしを守ることであり、本市に暮らす自衛隊と家族を守る
ことも大切ではないでしょうか。市長の所見をお伺い致します。
9月3日に平和町で行われた自衛隊の市中パレードについてお伺い致します。今回のパレードは2014年のしいのき迎賓館一帯で行われたものに
続いてのものでした。2014年のものよりも小規模ではあったものの、
公道を小銃や迫撃弾を持った自衛隊員約300名が行進するという光景は、市民に大きな不安を与えるものとなりました。
そのパレードをし、自衛隊の存在をアピールした金沢市陸上自衛隊普通科連隊員が南スーダンに派遣され、無事に帰国したばかりです。
市長は南スーダンから帰国した際の行事にも参加されたとお聞きしています。今回の市中パレードにも前回に続き、参加されたとのことです。
今回の自衛隊による市中パレードの際に平和町の方々が掲げた横断幕には「あなたを戦場に行かせたくない」と書かれていました。
自衛隊が戦場のような危険な場所に送り出されようとするなら、
それにストップをかけることこそ市長としてやらなければならないことではないでしょうか。お考えをお聞きします。
平和への願いは、誰もが共通したものであります。
次に、第2次新交通戦略についてお尋ね致します。
金沢港や金沢駅、市中心部を結ぶ新しい交通システムの導入に向けての
検討が進められています。
公共交通の整備は市民の交通権を守り、生活を保障し支える重要な課題です。
市が設置した有識者による検討会議で、費用対効果や整備スケジュールが討議され、11月に予定される市民フォーラムやアンケートなども
踏まえ、3回目の検討会議で機種を選定するとの報道がありました。これまでの検討委員会で、どのような議論がされているのかお伺い致します。
都心軸中心の都市交通をどのようにするか。との考えで検討が進められ、多くの市民は置き去りとなってははいないでしょうか。市民の足としての公共交通をどのように作るのか。高齢化社会の中で、生活弱者といわれる方々の願いをどのように実現していくのか。そのことをまず考えていただきたいと思います。
我が党議員団は、LRT計画が進む宇都宮市を視察して参りました。
宇都宮市では、2013年に基本方針を策定し今年度にLRT着工、2019年度の開業を目指しているとのことです。
しかし、優先整備区間追加区間併せて581億円かかるといい、そもそもの計画は1,000億円かかると言われます。宇都宮市民からは「市の暴走だ」と多数の反対の声が寄せられていると伺いました。
連携中枢都市圏都市交通特別委員会では、野々市、白山、津幡町との
意見交換会を行いました。どの市町にも住民の立場に立った交通システムがあります。
野々市市では『ノッティ』がしっかり市民の中に定着し利用度が高くなっています。津幡町では民間バスの廃止路線を町が引き受けておりさらに
住民の為にと、より良い方法を探っていました。
一方本市の交通不便地域では、地域住民が運営するコミュニティバス運行事業に市からの支援の制度がありますが、これは地元住民の負担が重く
なかなか広がりをみません。
そこで市長に第2次新交通戦略についてお伺いいたします。
市長の新しい交通システムのお考えはLRTを軸と考えていらっしゃるのではないでしょうか。宇都宮に次いで中核市の2番手で名乗りを上げ
金沢港から景観的にもすぐれている、集客効果もあるということで
LRT構想をすでにもっていらっしゃるのではないでしょうか。お伺い致します。共産党議員団は、LRT構想はバス路線や車との競合性に困難があり、巨額の財政出費、新たに軌道を引くことをどう解決するのか。
更には、利用する人がいるのか、採算がとれるのか、という大きな困難がいくつもあるところから、コミュニティバスを積極的に市の責任でより多くの地域で広げ、実施することを検討してほしいという思いがあります。
誰もが願うコミュニティバスの実施におけては主要道路を走る交通手段を決めてからでないと考えられないといいます。
高齢社会を迎え、高齢者が地域で買い物をし、そして通院ができる…
その様な交通機関の充実こそ第1の緊急の課題だと思います。
市長のお考えをお聞かせください。
そして、コミュニティバスの実現に向けては、市民の意見が交通政策に
反映されるよう市民参加の仕組みを作って欲しいと思います。
内外共に市長は金沢の伝統、文化を発信しています。
その金沢を支えているのが市民であり、そして住み続けられる地域づくりを考えても交通政策は本市の大きな仕事です。
次の質問は、金沢駅西広場隣接地へのブランドホテルの誘致に関する
ものです。
この件につきましては、すでに『ハイアットセントリック』を提案したオリックスに決定しました。ホテルの誘致の目的の一つに、海外からの富裕層の為にということをあげています。
日本各地でホテルなど宿泊施設の建設計画が急増し、東京や大阪などに
旺盛な観光需要を取り込もうとする企業の投資が目立ちます。
しかしここにきて円高により海外からの旅行者に限りが見え始めたとの報道もあります。そういう中、オリックスに売却予定の駅西広場隣接地に今回、土壌汚染が確認されました。金沢市が国鉄清算事業団より購入して以来暫定駐車場として使用してきました。この用地は旧国鉄の時代は、
国鉄金沢機関区の作業場となっていて、昭和40年代まで現存していた
蒸気機関車の機関庫になっていました。当時、働いていた方の話では、
ここでは動輪の修理や点検を行い、軸受けに鉛を使っていたとのことです。こうした作業で使われた鉛を加工する作業がこの場所で行われていたとのことです。旧国鉄跡地の鉛等重金属汚染は仙台市で2000年に判明して以来全国で続発しています。この問題を受け平成16年12月2日
我が党の紙智子参議院議員が「旧国鉄跡地等重金属汚染対策に関する
質問主意書」で取り上げました。この中で旧国鉄跡地の汚染原因は関係者によると『鉛合金を使った部品の加工作業で出たカス』『昔の鉛塗料』
などと指摘されている。このため汚染された跡地は全国各地にあると推定される」と指摘し、政府として実態を把握し、JR各社や鉄道・運輸機構に汚染除去等の必要な指示をすべきではないか」と質しました。
これに対し、政府は答弁書の中で、土壌汚染対策法に基づく対応を述べると共に、環境省においても必要に応じ都道府県等に助言していくことを
明らかにしました。こうした経緯から、今回の土壌汚染について、
JR西日本及び鉄道・運輸機構に対し、土地利用地汚染に関係すると
思われる原因等を聞くことが必要です。そのお考えはありませんか。
そして、すでに本市が土地を所有したものの、過去に汚染した原因が考えられるとしたら必要な対策にかかる責任と費用負担を鉄道・運輸機構に
対し求める必要があるのではないでしょうか。
そのお考えについてお尋ね致します。
更に、今後の対策について環境省へ助言を求めることも必要かと思います。
そのお考えについてもお尋ね致します。
金沢市のブランド力、高上の為という大義のもとオリックス一社の為ホテル周辺の交通対策やホテルまでの歩行空間の確保に向けた調査、検討し
高級ホテルにふさわしい整備を行うとしています。このことが駅西広場の再編整備事業、再開発を起こすことになるのではないかと懸念致します。そして、街づくりの一環であると言いますが、ホテルの事業化促進の為に
市民の税金を使い1つのホテルに利便を図ることに、市民の理解は得られるのか疑問です。市長のお考えをお聞きします。
最後の質問は、金沢美術工芸大学についてです。
金沢美術工芸大学は、金沢大学工学部跡地に移転されることが決まりました。金沢美大は戦後間もない時期に設立され、伝統工芸、物づくり文化の歴史が根付く金沢で、市民と教職員が一緒になって育て作り上げてきました。その歴史を想いが新キャンパス構想の中にも取り入れ、金沢の文化、伝統を支え、これからの金沢をけん引する大学になっていくことが
期待されます。
新しい大学は、今問題になっている、バリアフリー化や、耐震化、
作品を保管できる場所の解決はもちろんのこと、付属の美術館や
社会連携センター、国際交流センターの新設も含め更に充実することを
求めています。
合わせて、金沢美大に通う学生の方から、「石材を裁断する大きな機会がない。制作スペースが狭い」などの声もあり、制作環境への配慮も行って欲しいと思います。県の図書館の移転も重なることから市民、学生、
教職員が触れ合えるコミュニティが作れる場になればと思いますし、
また、学生の方からも期待が寄せられています。
金沢美大の移転敷地面積は、現状の5,480平方メートルから4,700平方
メートルと狭くなり今の86%になります。
更に、移転先は住宅地の中ということもあり、建てる上で色々な制約も
あるのではないでしょうか。新ビジョンそのもの全て限られた土地の中で誰もが納得できる大学の建設ができるのかお伺いして、私からの質問と
致します。
①憲法と安全保障関連法について
②第2次新交通戦略について
③金沢駅西広場隣接地ブランドホテル誘致、土壌汚染について
④金沢美術工芸大学移転について