認定第2号 平成28年度金沢市公営企業特別会計決算認定に対する
反対討論
2017年12月14日 森尾 嘉昭
私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、認定第2号 平成28年度金沢市公営企業特別会計決算認定に対して、認定できないことを表明し、討論を行います。
その主な理由について
第一に、水道事業特別会計です。
水道事業会計では、県水受水について、その契約内容の変更がおこなわれました。
その一つが、県水受水の責任水量制です。これまでは契約水量の7割を支払うというものでしたが、27年度から6割に引き下げられました。その結果、年間の受水費30億円が⇒25億7千万円へと4億3千万円削減となりました。
二つ目に、平成28年度、県水受水契約が変更され、一日最大受水量118,950tがさらに、10年間(37年度)延長されました。そして、29年1月から能美市の県水受水開始に伴って、本市の一日最大受水量が(118,950tが⇒113,220t)削減されました。その結果、受水費が(25億7千万円が⇒25億4千万円へ)3千万円削減されました。
以上のことから、会計上では、4億6千万円の支出削減となり、水道事業会計は、平成27年度11億5220万円、平成28年度14億1871万円と大幅な黒字を生み出しました。
したがって、水道料金の引き下げをおこない。市民への還元をすべきでした。
ところが、本市企業局は、この黒字額をほとんど建設改良積立に積立、建設改良事業の財源としました。県水受水契約の改善によってもたらされた財源は、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元するべきです。
本市の水道事業の現状と今後の方針について、指摘しておきたいと思います。
本市の水道事業の現状は、県水が48%、自己水が52%となっています。
その県水単価は、99円/1㎥、自己水単価は、25.35円/1㎥ですから、県水は、自己水に比べ4倍も高いものとなっています。一方、自己水は、20万5千トンの排水能力がありながら、37%しか利用していません。
こうした原因を生み出しているのが、県水受水契約であり、その内容が必要以上の契約水量の上に、責任水量制となっているからです。
責任水量制について、その割合が7割から6割に引き下げられたとはいえ、膨大な契約水量の6割を受け入れています。
その結果、単価が自己水に比べ4倍も高い県水を受け入れ、安くておいしい自己水を4割しか利用していません。
今後、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えることを強く求めておきたいと思います。
第二は、工業用水道事業特別会計です。
先端企業を誘致するとして造成された森本テクノパークは、いまだ4分の1が売れ残ったままとなっています。この工業用地に進出した企業に工業用水道を提供するとして設置され、運営されているのが、この特別会計です。
当初から、利用する企業からの給水収益では賄えないとして、赤字は、すべて一般会計から補てんするとしてきました。平成28年決算では、一般会計から収益的収入に約1400万円、資本的収入に1600万円、合わせて3000万円が補助金として支出されています。一方、給水使用料金は、開設以来20年間同じ料金となっています。現状では、この工業用水道を利用しているのは、3社にすぎず、その内一社の利用が9割を占めています。事実上、一握りの企業のために3000万円の市民の税金が毎年投入され続けているのが現状です。
本市の事業の失敗によって、市民に負担を押し続けている現状は、とうてい市民の理解を得られるものではありません。以上で討論を終わります。