2018.3.12 3月議会代表質問 森尾よしあき


私は、日本共産党市議員団を代表して以下質問を行います。

 はじめに、この一月に発生した駅西福祉健康センターの幼児相談室の事故によって、現在もなお治療継続されている子どもさんとご家族に対し、お見舞い申し上げます。

 さて、今回の事故原因と対策についてです。

 わが党市議団は、事故発生後、事故現場に出かけ、関係者からも状況をお聞きいたしました。この施設は、八日市にあったものをこの1月に駅西福祉健康センターの二階に移転したものです。二階の窓際に沿って棚が設置されました。その棚の手前に、子どもさんが遊ぶための分厚いマットが置かれました。その結果、このマットから簡単に棚の上にのぼることが可能でした。この棚が設置された結果、窓を開けるドアノブが子どもの手に触れる位置にありました。そのドアノブが施錠されていなかったため、ドアーが開き、転落事故へとつながったと思われます。ですから、施錠の管理だけでなく、窓に沿って棚を設置し、その棚にのぼれる位置にマットを置くなど安全上、問題があったと考えられます。したがって、この施設の構造的見直しを図ると共に、保育士を増やすなど管理運営の充実・改善を図るべきと考えます。市長の見解を伺います。

また、来月には「金沢広域救急センター」がこの駅西福祉健康センターの一階にオープンします。そのすぐ横には、二階への階段があります。二階では、こども広場があり、すぐ横に、エレベーターがあり、車いす用のボタンがちょうど子どもでも触れる位置にあります。複合的施設となっただけに、施設の点検・改善と人の配置など運営体制の見直しを図ることが必要です。市長から見解を伺うものです。

 質問の第二に、安倍政権が進める「働き方改革」と「金沢版働き方改革推進プラン」についてです。

 安倍首相は、労働時間のデーターが誤りだったとして厳しい批判を受け、「働き方改革」一括法案から「裁量労働制の対象拡大」を全面削除に追い込まれました。続いて、国政私物化として国民の怒りを呼んできた国有地売却に係る「森友文書」が改ざんされたとの問題をめぐって、安倍政権の根幹をゆるがす事態となっています。

安倍内閣が進めようとする「働き方改革」は、長時間労働を野放にし、残業代ゼロと指摘される裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の導入です。さらに、残業時間の過労死ラインを上回る残業を認めるなど財界と企業が望む「働き方改革」となっており、この法案の撤回を求める世論が広がっています。

 市長!今議会の施政方針の中で、「金沢版働き方改革推進プラン」の策定方針や、「働き方改革推進本部」の立ち上げを打ち出しましたが、安倍政権が打ち出した「働き方改革」方針を前提とするものであれば、撤回すべきではありませんか。市長の見解を伺います。

市内の労働相談の中で、ある市民がやむなく派遣の仕事に就いたところ、通勤のため車のリース、携帯のリース、住むための寮を紹介され、結局給料からそれらの費用を引かれ、借金生活となり、仕事も辞められなくなったとのことです。 仕事に就いても、長時間勤務や販売のノルマ、商品の引き取りなど過酷な労働環境についての訴えが寄せられているとのことです。

市長!「金沢版働き方改革推進プラン」には、こうした市民の労働実態や訴えは、届けられるのでしょうか。その見解を求めます。

 本市として、「働き方」をめぐって、改善すべきことがあります。

 第一に、一年間など期限が決まった有期雇用の労働者が通算5年以上働いた場合、期限のない無期限雇用契約に転換するルールがこの4月から始まります。

 ところが、この適用を逃れるために5年以上の雇用とならないよう雇止めする事態が起こっています。これは、見過ごすことはできません。

 市長!関係する機関に対して、こうした雇止めをしないよう経営者に対して要請するよう求める考えはありませんか。見解を伺います。

 本市としては、独立法人である市立美大や、芸術創造財団、本市スポーツ事業団など外郭団体に対して法の趣旨を徹底するよう求めるべきと考えます。合わせ、市長から答弁を求めるものです。

 第二に、本市の非常勤と臨時職員の雇用環境の改善が求められます。

担当部長から本市の現状と賃金について明らかとにしてください。

 市長!非常勤職員は、1年間の雇用契約で、延長は、5年までとしています。先の法改正の趣旨からして期限付き雇用について改善することが求められます。その見解を伺いたいと思います。

 質問の第三に、大雪による市民生活への影響と今後の対策についてです。

 記録的な大雪となり市民生活と地域経済に甚大な影響をもたらしました。市民の懸命な除雪活動や対応に追われた関係機関の方々に対して敬意と感謝を申し上げます。

 高齢化と核家族化が進み、市民の除雪環境が大きく変化してきました。また、除排雪するための重機とオペレーターの減少が民間企業で急速に起こってきました。さらに、行政側も除雪対策への機動力の低下が露呈する形となりました。市民からは、除雪対策に対する厳しい指摘が相次ぎました。

 生活道路の除雪はどうなっているのか。いつまでたっても、除雪がされないのはどうしてか。福井や富山に比べ、本市の除雪対策費が少なすぎないか。排雪の指定場所が少なく、もっと身近な場所に設置してほしい。国道8号線や高速道路の大渋滞は、国や県の責任が問われる。もっと連携し対策をとってほしい。市に電話しても、つながらなかった。除雪の要望をしたところ、その道路は、地域でやってください。と取り合わなかった。など市民からの厳しい批判が相次ぎました。

 また、本市は、市長を本部長とする雪害対策本部を設置しましたが、全庁的な体制づくりと、情報の共有をはかるという点で十分ではなかったとの指摘がされています。

わが党市議員団は、市民から寄せられた意見や要望を取りまとめ、1月16日に除雪対策の強化を求める申し入れを行いました。2月に入り、さらに、大雪となり、市民生活と地域経済に深刻な事態をむかえ、打木地区での農業用ビニールハウスが倒壊するなど農業被害が発生しました。2月13日、わが党中央本部が設置した豪雪対策本部の事務局長であり、北陸信越比例ブロック選出の武田りょうすけ参議院議員が金沢入りし、わが党市議員団と共に市内をまわり、雪害の状況を把握し、除雪対策についての要望をお聞きしました。近江町市場、医療・介護の施設、そして、本市雪害対策本部をたずねました。寄せられた市民からの要望などをまとめ、その日に党市議員団は、災害救助法の適用を行い、抜本的な除雪対策を求めました。国会では、2月16日衆議院災害対策特別委員会が開かれ、わが党の田村貴昭議員が質問に立ちました。本市での現状を踏まえ、災害救助法を除雪に適用するよう求めました。これに対して、小此木八郎防災担当大臣は、除雪の重要性を認め、「必要な対応をとっていく」と答弁しました。また、災害救助法の申請判断は市長村長が行う事ができ、除雪・排雪費用は、国と都道府県の負担で行い、市町村が支出する必要はないことも明言いたしました。ところが、本市が石川県に対して、災害救助法の適用について、問い合わせたところ、適用は難しいとの判断を示したとのことです。国が積極的な対応を示しているにも関わらず、県が後ろ向きとはとんでもない対応です。

市長!記録的な大雪の中、災害救助法の適用で、除雪対策をいっきに進めることが必要であったのではないか。と考えますが、その見解を伺います。

さらに、今後の除排雪対策とし、民間が持っている重機を総動員するために物損等の保険加入を支援すること。町会や民間による除排雪に対する財政支援など思い切った財政の投入、公共交通の確保、学校・幼稚園、保育所や医療・介護施設の周辺や、アクセスする道路など最優先とする除排雪が求められます。市長の見解を伺います。

この項の質問の最後に、本市の除雪計画についてです。以下の点で抜本的な見直しが必要です。

第一に、現在の計画では、除雪対象道路は、市道の4割程度にとどまっています。その他、市道の認定に至らない道路が300㎞にのぼるとされます。除雪対象道路を拡大することが求められます。

第二に、第1次から第5次までの除雪対象道路について、どのように除排雪作業を効率的に進めていくのか。そして、住民へのお知らせを徹底していくのか。抜本的な改善が必要です。

第三に、除排雪を請け負う民間の業者の減少、除雪機械の台数が減少し続けており、その強化が必要です。本市の道路管理事務所では、かつて50人以上配置されていた職員が10人台まで減少していることから体制の強化が必要です。

こうした点について、市長から見解を求めるものです。

質問の第四に、新年度予算についてです。まず、国民健康保険料についてです。収入の1割にも上る高い保険料の負担が、重くのしかかっています。払えない方々が加入世帯の2割にものぼります。したがって、保険料を引き下げてほしいとの市民の声は切実です。この4月からこの制度の運営主体が都道府県に移行されることとなり、県から納める納付金、標準保険料率が示され、本市の保険料が算定されることとなりました。今回、保険料の一部を引き下げる提案が示されました。どのような財源対策を行ったのか。基金の残額と合わせ説明を求めたいと思います。今回は、緊急避難的な対応がされましたが、基金からの繰り入れや、一般会計からの法定外繰り入れを行わないとすると保険料は、大幅な引き上げとなります。今後、国や県からの財源対策を強く求めるとともに、基金を使い、保険料のさらなる引き下げを行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。

次に、就学援助制度についてです。

この制度は、憲法が明記した義務教育は無償という考えのもとで、就学にかかる教育関係の経費の一部を支援するもので、大切な役割を担ってきました。

金沢大学で教鞭をとり、人権としての社会保障の確立を一貫して主張され、昨年なくなった小川政亮(おがわまさあき)氏は、子どもたちの教育を受ける権利を確立する上で、この就学援助制度は欠かせないとして、制度を知らせること。制度を利用しやすくすること。実態に合わせた内容の充実など提言されました。そして、お母さん、お父さんたちが、この制度の改善と普及にとりくみ、教育関係者のご理解を得ると共に、関係者のご努力もあって、就学援助制度の充実がはかられてきました。

今回、入学準備金について従来、夏の支給だったものが、入学前の3月に支給されるようになり、支給金額も改善されました。教育長から、本市での実施状況を明らかにしていただきたいと思います。さらに、この制度充実と普及について見解を求めたいと思います。

新年度予算に関わる最後の質問は、税金の使い方についてです。

駅西での外資系ホテルの誘致と建設に関わる本市の対応は、厳しく問われるものです。250台の駐車場だった駅西の用地を安く業者に売却しました。周辺の整備事業だとして市道を廃止し、公園の敷地として拡張する。建設予定のホテルまでの歩道を130mにわたって、屋根をつけて整備する。そのために新年度予算に、1億2800万円が計上されています。さらに、新年度、観光対策として、欧州の富裕層をターゲットとしてインバウンド戦略を推進するとしています。建設される外資系ホテルのために利便をはかり、誘客まで支援するとは、行政がやるべきことではありません。

第二本庁舎建設です。55億6千万円を投じて建設が進められようとしています。果たして必要なのか。必要最小限のものなのか。市民から厳しい批判の的となっています。建物の建設事業費以外、建設に関わる費用について明らかにしていただきたいと思います。

こうした一方で、今回新年度予算では、法外援助制度における施設入居者に対して行われてきた歳末見舞金をばっさり削減しました。予算額は700万円です。

市長!駅西での外資系ホテルを誘致するとしてさまざまな利便を図り、市民の税金まで投入して周辺の整備事業や、巨額の税金を投じて第二本庁舎の建設事業を進める。その一方で、一人3千円の施設入居者への歳末見舞金を削減するというのは、地方自治体の本旨である住民の暮らしや福祉の向上に努めるということからして逆行しています。市長ご自身の政治姿勢が問われています。見解を求めたいと思います。

質問の第五に、家庭ごみ有料化実施についてです。

この1月23日家庭ごみ有料化実施の中止を求め、8336筆にのぼる署名が市長に提出されました。提出された市民団体の方々からは、市内のごみの量が減っているのに、今、なぜ、有料化なのか。市民は疑問に思っているとして、2月からの有料化の中止を求めるものでした。

市長!こうした市民の声をどのように受け止められるのですか。市長自らが市民に直接説明することが求められたのではありませんか。有料化せずとも市民の協力と行政の努力でごみを減らす方向こそ、とるべきではありませんか。市長の見解を伺いたいと思います。

2月から有料化が実施されました。市長は、今議会の施政方針の中で、「大きな混乱もなく、収集作業は、概ね順調」と述べられました。市長は、胸をなで下ろしたのでしょうが、市民は、あらたな苦労が始まり、納得できない気持ちと対応を余儀なくされた思いが広がっています。

2月1日は燃えるごみの収集日でした。私は、ステーションを見て回りました。ある町会の役員は、午前4時からステーションにたち続けていると話されました。別の町会では、ステーションの除雪をやりながら、ステーション管理を町会役員が交代であたっていました。その一人の方は、この日のために、会社を休んだそうです。有料化したばっかりにいつまで続けなければならないのかと厳しい声がかえってきました。ある町会長は、市役所から配布された緑色のボランティア袋を手にしながら、ステーション管理を続けておられました。この方は、こんなボランティア袋をドカーンと積まれても困る。町内の各家庭に配ろうかと思ったと憤懣やるかたないと言った表情でお話しされました。

市長!家庭ごみ有料化によって、ごみステーションの管理に新たな負担を市民に強いてきています。ある町会長さんは、ごみステーションの管理は、そもそも行政がやるべきです。有料化したからにはなおさら町会に対してボランティアで、従来通り、管理をお願いするのはおかしいのではないか。有料化に伴う財源を使えばよいのではないか。との意見が寄せられています。

市長は、どのように受け止めておられますか。伺うものです。

第二に、有料化によって、市民生活に新たな負担を押しつけていることです。

これまで使用していた半透明ごみ袋の値段に比べ5倍から7倍の価格で指定ごみ袋を購入することになります。ある高齢者の方は、いろいろな半透明袋を使って、こまめに、ごみ出していていたが、有料のごみ袋を買わざるを得なくなった。有料ごみ袋がいっぱいになってから、ごみ出しをすることにした。夏場になったらどうしようかと思っていると話されていました。

介助犬のおかげで、日々の生活が成り立っている方は、その介助犬のために室内に敷かなくてはならないシーツがあり、それを燃えるごみとして処理するのに年間の負担は、4千円に上ると、新聞の記事の中で話されています。

生活保護受給者にとっても有料化によって新たな負担が生じています。身体障害者や低所得者に対して、ごみ袋の無料配布を行う対策が、有料化した自治体の多くで実施されています。ところが、市長は、これを拒否しました。

こうした実状が有料化によって引き起こされたならば、有料化を中止すれば解決されます。

市長!今一度立ち止まり、ごみ有料化を中止するよう求めるものです。市長の見解を伺いたいと思います。

質問の最後に、宿泊税についてです。

この宿泊税は、東京、大阪、京都など大都市で導入されているだけで、本市のような地方都市での導入について、市民をはじめ、関係する業者からも理解が得られている状況にはありません。そして、今回の提案内容には、大きな問題点があります。

第一に、税金としてふさわしい内容となっておらず、市民の理解は得られないと考えます。

税金は、負担する能力に応じて税金を高くする一方で、低所得者に配慮することで税金の公平性が保たれることとなります。したがって、東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市の提案では、2万円未満の宿泊料金に一律200円の課税となっています。修学旅行生にもその宿泊料金に課税するとしています。税金の累進課税という考え方を全く無視した内容であり、税金の公平性を保ち理解を得るにはほど遠い内容です。

そして、税金の使途についてです。

本市での宿泊税導入による年間の収入は、7億2千万円とのことです。その使途について、1 まちの個性磨きへの支援。2 観光客受け入れの充実。 3 生活と調和した振興。としています。これではあらゆる取り組みに使いますと宣言したようなもので、一般財源の税収を増やすための導入ではないかという点です。

第二に、小さな地元の業者に新たな負担を押し付けるものとなっています。宿泊税の導入によって、業者間の低価格競争に拍車をかけ、宿泊税の税額を負担せざるを得なくなる。青少年の合宿や仕事で一定期間利用されてきた方々にどのように説明するのか。他の施設へと利用が変更されないか。これまでの信頼関係が壊れてしまうとの悲痛な訴えがあります。まさに、悪税ともいえます。

東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていませんし、1万円以上1万5千円未満が100円となっています。それに対して、本市の提案では、宿泊料金2万円未満がすべて200円となっています。小さな地元の業者にとって死活的な問題です。

 第三に、税の公平性が確保されていない点です。

本市の課税対象は、旅館業法によって許可されたホテル、旅館、簡易宿泊所だけでなく、民泊も対象とするとしています。ところが、この民泊は、違法民泊が広がり実態すらつかめない状態となっています。そこで、新たな民泊新法がこの6月から施行されることとなります。しかし、果たして違法民泊がなくなるかは不透明です。現状のままでは、この民泊まで対象とするなら、逆に宿泊税を逃れるために、違法民泊を助長しかねません。これでは、税の公平性をたもつことはできません。宿泊税の導入を見送ることが賢明ではありませんか。その見解を伺いまして、代表質問を終わります。

 

答弁

 

-山野市長

 

 30番森尾議員にお答えをいたします。

 

 まず、駅西福祉健康センターで起こった事故のことについてであります。改めて負傷されたお子さん、ご家族の方々並びに関係者の皆さんに心からお詫びを申し上げたいと思います。またお子さんの一日も早い回復を心から願っているものであります。事故が起きました幼児相談室については、乳幼児の保育や発達を専門としている大学の先生にもご助言を改めていただきまして、施設面としては窓を開かないように固定をする、窓際の収納棚を撤去し窓際でない壁面に設置をする、そういう改修工事を行うこととしています。また運営面におきましては、相談者の予約調整や電話応対などを担当する非常勤の保育士1人を追加配置をし、体制の強化を図ったところであります。今般の事故を受けまして、駅西福祉健康センターにおきましては、乳幼児が利用する場所を初め施設全体について安全性に関する緊急点検を行ったところであります。多くの乳幼児が利用する施設でもあります。森尾議員ご指摘のように、子供ですから決められた場所以外にも行く可能性もあります。安全性の確保について常に注意を図ってまいりたいと思います。

 

働き方改革のことについて何点かお尋ねがございました。明年度策定に着手をいたします「金沢版働き方改革推進プラン」につきましては、本市における地域の課題・特性等を踏まえ、労働生産性の向上や多様な人材の雇用の促進など、働きやすい街・金沢を目指し、庁内横断組織として働き方改革推進本部を立ち上げることとしているものであります。本市において働き方改革を進めていくためには、本市独自の施策も必要ではありますけれども、国・県など関係機関との適切な役割分担と連携も必要であると思っております。効果的に対策を進めていく必要がありますことから、今後国の動向等にも注視をしながら、策定作業を進めてまいります。そのプランの策定にあたりまして現場の意見もしっかり聞くべきだという主旨のご発言をいただきました。明年度本市における課題や雇用環境等を分析・把握するための基礎調査を行わせていただきたいと思っています。その過程の中で、森尾議員がご指摘のようにいろんな方、多くの現場の声も聞かせていただければというふうに思っています。そしてその結果等を踏まえ、作業を進めていくこととしています。具体的なそのご意見のお聞きする方法や対象等につきましては、今後立ち上げを予定しております働き方改革推進本部の中で検討をしていきたいというふうに思っています。

 

改正労働契約法に関連をしてお尋ねがございました。その内容につきましてはすでに外郭団体等に通知をしたところであります。外郭団体の職員の取り扱いにつきましては、これまでも市職員に準拠することを基本としてきたことから、今後も同様の取り扱いをして参りたいと考えています。ただ、市の職員、地方公務員は、この労働契約法の適用除外であります。あくまでも地方公務員法に沿ったものであります。本市では地方公務員法の趣旨に基づき任用期間の上限を定め、厳格に取り扱ってきておりまして、これまで通り運用してまいりたいと考えています。

 

大雪のことについて何点かお尋ねがございました。災害救助法の適用が必要だったんではないかというご指摘でありました。今回の大雪では、ジュウカン、住まいが滅失した世帯数が適用に必要な基準を下回っているところであります。また多数の者が避難して継続的に救助を必要とするような状況にも至っていませんでして、災害救助法の適用基準に合致をしないところであります。災害救助法の適用が見込めないということから、県とも協議をし、要請を行わなかったものであります。除雪機械の活用のことについてですけれども、多くの除雪業者のお力をお借りしなければいけないと思っております。本市におきまして平成20年度から除雪委託業者と契約する際、除雪機械の車検費用や保険費用等を支援する固定費制度を導入し、平成28年度には大幅な増額を行ってきたところであります。また対象路線のことについてお尋ねがございました。本市では市民・事業者・行政の連携・協同を除雪計画の基本に、計画路線は主に行政が、それ以外の路線につきましては地域の方々にご協力をお願いをしてきたところであります。行政の取り組みには物理的におのずと限界がありますことから、全ての生活道路を除雪の対象とすることは難しいということはご理解をいただければと思います。ただ今回の大雪を踏まえ、市民の皆さん、そして議会の皆さん、報道の皆さんからも様々なご意見・ご提言もいただいているところでもあります。今後の除排雪体制の在り方を検討していく中で、除雪路線につきましても研究をさせていただければというふうに思っております。第1次路線から第5次路線につきましての周知徹底のことについてお尋ねがございました。これまでも除雪路線を含めた除雪計画につきましては、町会連合会を通じて全町会に配布するなど周知に努めてきたところでありますが、各町会の除雪路線が確認できるよりわかりやすい計画図を作成するなど、除雪計画の一層の周知に努めていきます。業者も減ってきている、除雪機械も減少してきている、道路等管理事務所の強化も大切ではないかというご指摘でした。地域の方々からの情報提供、建設業界の皆さんのご協力をいただきながら、除雪業者や人材の掘り起こしに加え、オペレーターの要請に努めるなど、可能な限り委託業者や人材の確保に努めるとともに、さらに有効な方策がないか、今後の除排雪体制の在り方を検討する中で研究させていただければと思っています。行政改革の観点から、増員・除雪機械の増強がなかなか厳しい中、職員のこれまでの経験を活かし、緊急対応が必要な山間部の路線などの迅速な除雪を行ってきたところであり、引き続き民間事業者と連携を取りながら補完し合うことで除雪体制の強化を図って行きます。

 

新年度予算について何点かお尋ねがございました。

まず国民健康保険のことについてであります。国・県からの財政支援がもっと必要ではないかということでありました。国民皆保険制度が将来に渡って安定的で持続可能な制度であり続けるためには、国の責任ある財政措置が不可欠であると思っております。今後とも引き続き全国市長会、国民健康保険中央会を通じて、国庫負担率の引き上げなど、国保財政基盤の強化を国に強く働きかけてまいります。今後の保険料の引き下げをご提案いただきました。平成30年度より保険料率は財政運営を実施する県から示された標準保険料率に準拠して決定をすることになります。今回市民生活への影響に配慮し、基金等から繰り入れを行い、保険料率の一部を引き下げたものであり、これ以上の保険料の引き下げは考えてはいません。

 

駅西の歩道の整備のことについて、また富裕層の観光戦略についてお尋ねがございました。国際的な知名度と高い評価を得ているハイアットグループの高級ブランドホテルが本市に進出することにより、ハイアットグループが有する国際的なネットワーク、さらにはそのホテルを利用される富裕層の方のネットワークを通じて多くの国内外の富裕層の方が本市を訪れることで大きな経済効果がもたらされるとともに、本市のブランド・知名度・ステイタスがさらに高まると期待をしているところでありますし、またそういう方たちからもたらされるシャワー効果を通じて市内全域にもその効果が期待できるというふうに思っています。賑わい拠点施設であるホテルの整備に併せ、安全で快適な歩行者空間を確保し、駅利用者の利便性の向上、さらなる賑わいの創出を図って行くとともに、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、欧州からの富裕層の誘客を促進していきたいというふうに考えておりまして、数年前から行っているところでもありますけれども、引き続きそのことにも取り組んでまいりたいと思っています。

 

法外援護制度における見舞金のことについてお尋ねがございました。高齢者の見舞金につきましては、平成25年度の市民行政評価において他の現物給付制度との重複がみられることから、段階的な見直しが必要という指摘を受けているところであります。また平成29年度においてこの見舞金制度を残している中核市は本市を含めて2市だけであります。平成30年度には本市のみとなりますことからも、今回老人施設の入居者に限って見直しを行ったものであります。

 

2月から始まりました家庭ごみ有料化制度のことについていくつかお尋ねがございました。様々な市民の皆さんからいろんな声をお聞かせいただいているところであります。私もできうる限り現場に足を運んで、そういう方たちのご意見もお聞きをしながら市政の政策の中で反映できるものは反映をさせていきながら取り組んできたところであります。指定ごみ袋制度による家庭ごみ収集制度の効果が明らかに現れてきている中で、引き続きこの制度の定着、さらにはご意見をお聞きをしていきながら細かな対応をしていくことにより、より充実を図ることで市民や事業者との協同によるごみの減量化・資源化への取り組みを促進をしていかなければいけないというふうに思っています。ごみステーションのことについてお尋ねがございました。こちらも私はいろんな方のご意見もお聞きをしているところであります。また地域のために汗を流している皆さん方に対しまして心からの敬意と感謝を持っているところでありますし、できうるかぎり言葉に出してそのこともお伝えをさせていただいているところでもあります。これまで町会の方々と協同で指定ごみ袋による家庭ごみの収集制度の円滑な実施に取り組んでき、また成果もあげていることでもありますので、まずはこの制度の定着に取り組んでいきたいというふうに考えています。違反ごみのことについてもご心配をいただきました。この2月から新制度が始まりましたけれども、私はその制度以前よりも制度が始まって以降の方が違反ごみが少なくなっているなぁということを感じているところであります。ただそうはいってもゼロになっているわけではありません。アパート・マンションのごみ置き場におきましても違反ごみが見られるところでもありますので、引き続き市が責任を持って啓発看板や監視カメラの設置、また場合によっては地元の皆さんのご理解もいただきながら開封調査なども行い、できるかぎり町会や住民の皆さんのご負担をこれ以上増やさないように少しでも減らしていけるように努めてまいりたいというふうに考えています。平成17年に環境省から全国の市町村に対しまして家庭ごみの有料化の提言がなされたということはこの本会議でも何度か述べてまいりました。理由として、ごみの減量化・資源化に併せましてごみ処理負担の公平性ということがありました。たくさんごみを捨てる方もごみの少ない方、さらには経済的に恵まれている方、経済的に厳しい環境の方も、税金で処理をする際には全く同じ負担になってしまいます。その逆進性を少しでも解消しなければならないのということで環境省の方からもご提案をいただいたところでもあります。ごみ排出量に応じた費用を負担いただくことで、減量化に向けたインセンティブを働かせることにより市民負担の公平性を確保するものであり、全ての市民の皆さんに広くご協力をいただいているところであります。本市におきましては先行自治体に比べまして多くの負担軽減品目を設けるとともに、市民生活にできる限り配慮をした手数料としていることから、指定ごみ袋の無料配布や所得等に応じる軽減措置を講じることは考えてはいません。中止をすべきではないかというお話をいただきました。この20数年間に渡りまして国においても金沢市においても議論を重ねてまいりました。特にこの3年間は議論のたびごとに、そして職員が市民の中に出て行きまして2600回を超える説明会等々を重ねてご理解をいただきながら取り組んできたところであります。まだひと月ちょっとではありますけれども、大きな成果も現れてきているところでありますので、まずはこの制度の定着に努めていきたいというふうに思っています。思いは同じだというふうに思っています。将来世代への負担を少しでも少なくしていきたい、その思いから取り組んでいきたいと思っています。

 

宿泊税のことについて何点かお尋ねがございました。本市では宿泊料金に関わらず宿泊者の方が受ける行政サービスは変わりはないという観点からも、民泊を含むすべての宿泊施設の利用者の方に広く負担をお願いするものであります。また宿泊事業者の皆さんからもいろんなご意見をお聞きしながら、今回ご提案をさせていただきました。特に要望が強かったことの1つは、課税の公平性、そして特別徴収義務者である宿泊事業者の負担軽減の観点からも、簡素でわかりやすい仕組みにしてほしい、修学旅行等に対する課税免除は設けないでほしい、そういう声が多く寄せられたところであります。ただ、仰せの修学旅行やスポーツ合宿等につきましては、別途支援措置を講ずることによって対応をしていきたいというふうに考えています。3つの方向性、使途のことについて、これは森尾議員もお触れをいただいたところであります。北陸新幹線開業による環境検証会議からの報告も踏まえ、森尾議員もお話をいただきました3つの視点からの取り組みを活用をしていきたいというふうに思っております。さらに具体的な使途につきましては、今議会で議案をお認めをいただきましたならば、一年間かけて周知期間を設けているところでありますので、平成31年度の当初予算編成において具体的な使途を検討をして参りたいというふうに思っています。小さな宿泊事業者への負担のことについてご心配をいただきました。宿泊税の導入により宿泊料金に影響の及ぼすことのないように、本市の宿泊施設に宿泊される方には宿泊税が課税される方において十分な周知に努めていきたいというふうに考えています。違法民泊のことについてご心配をいただきました。改正旅館業法や住宅宿泊事業法の施行により、無許可営業者に対する報告の徴収、立ち入り検査等の権限が措置されるなど、規制が強化されることに加えまして、明年度衛生指導課内に民泊適正運営指導室を設置をし、担当職員を増員することにしています。これまで以上に監視・指導体制を強化をし、関係機関としっかりと連携をしながら民泊の適正運営と税の公平性の確保に努めてまいります。

 

 

 

-相川総務局長

 

 働き改革推進プランに関しまして、本市の非常勤職員や臨時職員の人員配置等につきましてのお尋ねでございますが、平成29年4月1日現在で非常勤職員871人、臨時職員324人の、合わせて1,195人を配置しております。非常勤職員の報酬、臨時職員の賃金につきましては、正規職員の給料表をベースに算出しておりまして、人事勧告で正規職員の給料表が変わることになりましたならば、翌年度に反映することといたしております。

次に第2本庁舎の建設につきまして建設工事費以外の経費についてでございますが、建設工事費以外の経費といたしましては埋蔵文化財調査費及び旧南分室解体費で約1億8千万円、防災情報システム整備費で約3億2千万円の他、備品購入費が必要となる見込みでございます。

 

 

 

-越田保健局長

 

 私の方からは、今般の国民健康保険料の引き下げに際して行いました財源対策と基金の残高についてのご質問にお答えいたします。まず、今回の保険料の引き下げを行うことによりまして、約6億4千万円の収入不足が生じますことから、基金の取り崩しと一般会計からの繰り入れを行いました。また基金の残高は平成30年度末において22億6千万円を見込んでおります。

 

 

 

-野口教育長

 

 就学援助制度につきまして2点お尋ねがございました。初めに今年度入学後の8月から入学前の3月に前倒し支給されることになりました新入学学用品費の実施状況についてお答えをします。平成30年度の新入学生を対象とした新入学学用品費の入学前支給認定者数は、現時点で小中学校合わせて1,119人でございます。次に、今後の就学援助制度の取り組みについてお答えをいたします。就学援助制度につきましては、今年度新入学学用品費の補助単価を約2倍に引き上げますとともに、支給時期を入学前に前倒ししたところであります。また明年度には特別支援教育就学奨励費につきましても補助単価を引き上げることといたしております。加えて平成17年度の一般財源化以降もそれまでと同様の認定基準を維持しているところでございます。引き続き案内チラシを全ての児童生徒の保護者へ配布するなど周知に努めてまいります。

 

 

 

-森尾嘉昭議員

 

 市長に今回の大雪に関する対策としての災害救助法の適用についての考え方について、再度質問を致したいと思います。記録的な大雪のもとで市民生活の困難に直面をいたしました。8号線の大渋滞のもとで物流がストップして、コンビニではパン類がなくなっているという事態を迎えました。近江町市場でも大変な状況だったとお聞きしました。医療や介護の実態も、雪のために家から出られないと、透析を受けている患者さんも大変困難に直面した、ヘルパーさんや看護師さんも来れないで家の中のポータブルを1週間替えられなかったというお話も聞いています。従って、市民生活を確保し市民の安全を守る上では、一気に除排雪の対策を講じなければならなかった、それ故に私共としては災害救助法の適用を受けて、一気にこの事態を解決しようじゃないかと提案をいたしました。国会では、担当大臣は「除排雪の取り組みは重要だ」と述べて、国の担当官も「除排雪についての災害救助法の適用について、市長村長の判断だ」ということを示しました。そして財政負担の問題も、国と県の負担で市町村には負担はありませんよと、こういう答弁も行っているんです。従って私は、今回の大雪の対策を通じて、この災害救助法の適用についてしっかり今後の教訓に活かすべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

 

 

-山野市長

 

 30番森尾議員の再質問にお答えをいたします。災害救助法のことについてお尋ねがございました。私どもも県と相談をさせていただきました。県とも協議をし、先ほど申し上げましたように適応基準に合致をしていないということで今回は要請を行わなかったものであります。災害救助法でない様々な形での対応というものが可能ではないか、そういうことも踏まえて今後検討会の中で議論をしていきたいというふうに考えています。

 

 

-森尾嘉昭議員

 

 家庭ごみ有料化の導入について、昭和38年(1963年)今から55年前に徳田與吉郎氏が金沢市長に当選しました。税外負担はなくすというのが市長の公約でありました。従って、この公約の実現を図るということで昭和41年の3月にごみ清掃手数料の廃止を提案をして議会で議決をされ、この年の4月からごみの清掃手数料の廃止が実行されました。従って、こうした本市の歴史的な経緯を踏まえて、市民の間からは「市長さん、あなたは一体、家庭ごみ有料化問題について公約を掲げたんですか」と問われました。公約を掲げないで導入するっていうのはいかがなものかというのが、市長に突き付けられた質問でした。私は改めて、このことは非常に重要なことで、市民からの信頼も信任も得ないでこのごみ有料化の導入というのはいかがなものかという市民の声に、私は真摯に応えるべきではないかというふうに思っています。そのことは、こうしたものが市民生活に直結するが故に市民と議会との合意こそやらなければならない第一課題なんです。ところが今度の問題は、市民からの十分な理解や合意がないまま2月の実施に至るという経緯をたどっています。私は改めて、こうした市民の声に市長はどうこたえるのかと伺っておきたいと思います。

 

 

-山野市長

 平成22年3月、第4期ごみ処理基本計画が発表がなされました。その中で家庭ごみ有料化は検討事項として入れられたところであります。もちろんその前からずっと金沢市議会においても家庭ごみの有料化のことにつきましては複数の議員の方からもご提案をいただいているところでもありますし、平成5年以降全国市長会の意思表示、さらには厚生省や環境省からも全国の市町村に何度も提言がなされてきているところでもあります。そして平成27年3月、施策として第5期ごみ処理基本計画を発表をさせていただきまして、議会の皆さんや市民の皆さんと議論や説明会を重ねて取り組んできたところでありまして、ご理解をいただいたうえで私は進めさせていただいているものであります。まだひと月ちょっとではありますけれども、市民の皆さんのご協力とご理解のもと、私は大きな成果が出てきているというふうに思っています。思いは、将来世代へ負担を少しでも残さないという思いであります。その思いを共有をしながら、まずはこの制度の定着に取り組んでいきたいというふうに考えています。

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