配食サービス事業の変更について

5月28日は、「配食サービスの見守り委託金」の見直しについて、NPOの事業者のみなさんと、変更の中止を求め、市に申し入れをしました。

「1食あたり150円としていたものを、1世帯あたり150円に変更する」という変更についてです。


参加者から、
・見守りのとき、1回行って体調悪ければ、2回3回行く
・食事をどれだけ食べてあるかなど、見てるのも二人分 安否確認とともに栄養摂取状況もみている
・単価ではなく、世帯でみるというところを疑問視するのはおかしい
・高齢者でもう1方いない場合、「どこへ行ったかわからない」と言われても、あとで電話をかけたりする
・営利事業と同じように考えてほしくない
・利益出ないでやっているところはこの改正はきつい
・むしろ、夫婦二人で配食とっている世帯のほうがより深刻

 

市は、中止はできないとしながらも、やりとりの中で以下のような考え方を示しました。

・29年度は28万食 1000人弱が利用
・市町村によっていろんな考え方がある
・高齢者の見守り費用としてきたが、利用者さんも食事制限などいろんなニーズがでてきた。
26年度からは500円+αでとってよいとした。
・市の考え方は、150円は見守り費用 ピンポンして顔をみる手間賃
・置いておくだけというのはやめてほしい、いないなら電話で確認する
・同一世帯であれば1回で事足りるでしょう 済むでしょう
・夫婦でどちらかがいない場合もハンコ押してもらうケースもある
・食の確保とという視点でみれば150円とは別
・みなさま方に意見を聞く時間がなかったのはたしか。変えた方として丁寧さを欠いた。
・食の確保という視点では、まだ議論することができる。所得制限を入れるかもしれないが、特別職に対する考え方など見直し
・H6年から配食サービスがはじまったが、この頃は他にはなかった。配食から見守りという費用の出し方に変わった。
・一般社会では業者がやっているのに、こちらだけつけるのはおかしいという議論もある
・2回行くわけではないので、2人分つける必要はない
・食のご提案ということであれば考えたい
・ほかにも見守りをいっぱい入れている 見守りではこのサービスの継続はむずかしい
・改正の時に手続きの不備があったことはたしかだが、だからと言って戻すことや中止することはできない。配食サービスを残していこうとすれば、特別食にして個人への補助にする
・本来の配食とはどうあるべきかの議論が不足していて、どこか削らなければならないという議論になってしまったのではないか

 

以上のようには言うものの、このサービスの変更は「行政評価」で取り上げられ変更されました。さらに内部評価を経て、外部評価である「市民行政評価」も受け議論の様子も公開されています。

20事業の市民行政評価のうち16番が配食サービスです。

以下のような議論がされています。

【事業番号16 配食サービス費 】

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会 議 録

【事業番号16 配食サービス費 】

1 会議名 平成 29 年度第4回市民行政評価委員会

2 日 時 平成 29 年 10 月4日(水)午後2時 50 分~3時 20 分

3 場 所 議会第3委員会室

4 出席者 (1)市民行政評価委員会委員 岡田委員長、村田委員、山崎委員、寺田委員、大家委員 喜成委員、西山委員、藤田委員、安田委員 (2)事業担当課(長寿福祉課) 細井課長、生田主任主事 (3)事 務 局(行政経営課) 津田課長、松本課長補佐、島崎係長、古谷主査

5 審議内容 評価委員 : 1 食あたりの利用者負担が 500 円、市の負担は 150 円という金額 は、他の自治体の例や事業者の利益という点からみて適切と考え ているか。 (事前質問) 事業担当課 : 利用者負担額の中核市平均は 420 円、委託料の中核市平均は 321 円であり、金沢市は他の中核市に比べて、利用者負担が高く、委 託料が安い傾向にある。他の中核市と比べれば、事業者が有利と は言えない状況である。 評 価 委 員 : 介護保険事業の対象とならない高齢者向けの事業という理解で 良いか。(事前質問) 事業担当課 : 介護保険制度で要介護認定を受けているか等は関係なく、 65 歳以 上の方で要綱の対象者の要件に当てはまれば利用できる。 評 価 委 員 : 利用申出書の「利用者の状況」部分についての統計データはある か。 (事前質問) 事業担当課 : 「利用者の状況」のうち、「生活」の項目については、ひとり暮 らしの方が 55%、老夫婦の世帯が 30%、日中高齢者のみ世帯等 が 15%である。その他の項目については、申出書に記入させてい るが統計データはない。 評 価 委 員 : 二次評価の「介護施策における本事業の今後のあり方を検討す る」とは、具体的にどのような趣旨か。 (事前質問) 事 務 局 : 本事業は、本市では介護保険制度の中の「地域支援事業」として、
【事業番号16 配食サービス費 】

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事業を実施している。地域支援事業は、地域の実情に応じて市町 村で実施事業を決定することができるが、一定の基準により事業 費に上限があることから、どの様な事業にいくら使うのが最も効 果的か、地域支援事業全体の中で最適化に努める必要がある。本 事業は、見守りの観点から実施しているものであるが、事業費が 高齢化の進展に伴い増加していることや、国が配食事業に求める 栄養管理の視点も含め、持続可能な介護保険制度の構築に向け て、本事業の今後のあり方を今一度検討して欲しいという意図で ある。 評 価 委 員 : 食事内容の満足度調査はしているか。また、利用者の声を事業に 反映しているか。 (事前質問) 事業担当課 : 市から利用者に対して、書面でのアンケートは行っていないが、 各配食事業者が配食を開始する際に、食事の希望を確認してい る。また、事業者の中には、利用者に対して食事量や味付け、好 みなどのアンケートを行っているところもある。加えて、市に利 用者からの要望があった場合は市から事業者に伝え、できる限り の対応をお願いしている。 評 価 委 員 : 金沢市高齢者等配食サービス事業実施要綱第3条の「これに準ず る世帯」とは、どのような世帯なのか。また、その世帯の利用実 績はどうか。 (事前質問) 事業担当課 : 「これに準ずる世帯」とは、日中、高齢者のみとなる世帯や、子 は同居しているが子に障害があるなど、見守りができない世帯等 である。日中、高齢者のみの世帯は、サービス対象者全体の 11% で、子は同居しているが障害がある等で見守りができない世帯等 は4%である。 評 価 委 員 : 高齢者に対する補助は他にもあり、配食への補助は必要なのか。 補助なしの 650 円でも必要な方は利用する。 (事前質問) 事業担当課 : 配食サービスは、高齢者向けのバランスの良い食事の提供を通じ て、高齢者の見守りを行う事業である。サービス対象者への見守 りの必要性については、申請書に基づき、市及び地域包括支援セ ンターが判断している。各事業者が利用者に一食一食手渡しし、 安否確認を行っており、必要なサービスであると考えている。 評 価 委 員 : 1日1食のみか。または朝食、昼食、夕食のいずれか1回か。 (事 前質問) 事業担当課 : 利用者の希望により、週7日、昼食、夕食を利用できる。1週間 あたり 14 食まで選択できるが、朝食の提供は行っていない。
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評 価 委 員 : 管轄部署が異なると思うが、ひとり親家庭への配食はできない か。(事前質問) 事業担当課 : 長寿福祉課としては回答が難しい。ひとり親世帯等においては、 母親が多忙であるとの理由は理解できるが、食事を作らないこと で親子の繋がりの希薄化を助長することなども考えられること から、十分な検討が必要と考える。 評 価 委 員 : 高齢者だけの世帯というだけでは対象にならないのか。 事業担当課 : 食事の調理ができない人という条件も併せて満たさないと対象 とならない。 評 価 委 員 : この事業を長期間行っているが、利用者負担額はずっと同じなの か。また、高齢者の方たちへのサービスの周知はどの様にしてい るか。 事業担当課 : 当初はデイサービスの一部として配食していた。その時は 150 円 の負担はなかったと思われる。その後、国が配食サービスは大切 であるということで、事業を整理し、負担額を決めた。また、周 知方法だが、地域包括支援センターや民生委員の方に「すこやか 長寿」という冊子を配り、冊子の中に制度について記載されてい る。また、ケアマネージャーが高齢者宅を訪問したときに、この 方には配食が必要だと判断した時に勧めている。 評 価 委 員 : 配食の手渡しを間違いなく行っているか。その結果、体調などの 違和感があったというような事例はあるか。 事業担当課 : 手渡しは必須条件として事業者に厳しく指導し、事業者は利用者 から受領印等を貰って市に提出している。事例については、昨年 度は救急車搬送9件、死亡3件、不在等を含め、その他が 129 件 あった。 評 価 委 員 : 件数の分母は 285,556 件で合っているか。 事業担当課 : 合っている。 評 価 委 員 : 平成6年から安否確認をしていたのか。 事業担当課 : その当時から食事の提供、安否確認を行っているように思う。 評 価 委 員 : ヘルパーや包括支援センターの見守りと当事業のすみ分けは。 事業担当課 : ホームヘルプサービスには家事援助と身体介護の2通りがある。 家事援助を利用している方は、希望すればその援助の中で食事準 備もできるので、当事業の配食サービスは利用されないと思う。 また、身体介護を利用されている方は重度の方なので、配食サー ビスを利用しないことが多いと思われる。その点からすみ分けは されていると思う。その他、民生委員の見守り活動や市の緊急通
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報装置等があるが、まずは利用者がどの制度を選択するかによ る。 評 価 委 員 : 実利用者数が 1,000 人とあるが少ないように思える。配食サービ スを必要とする方の情報を掴むことを考えないといけないので はないか。 事業担当課 : ご意見を参考にしたい。 評 価 委 員 : 国の補助は入っているか。 事業担当課 : 補助事業については介護保険特別会計で行っている。4,200 万円 のうち市の持ち出しは 19.5%、他は国や県などの介護保険の枠組 みの中で支払われている。 評 価 委 員 : 二次評価の「対象の重点化」とはどういう趣旨か。 事 務 局 : この事業の財源は介護保険料で、利用者が増えれば保険料も上が っていくことになる。一定のサービスを維持するためには、業者 の費用の負担や民間の持ち出しをお願いしなければならない。ど んな形で事業を継続して続けていくか検証が必要なことから、内 容見直しとした。 評 価 委 員 : 生活保護を受給している人の割合は把握しているか。 事業担当課 : 把握していない。 評 価 委 員 : 今後、把握はするか。 事業担当課 : 生活保護を受けているからといって、サービス利用への影響はな いので調査をするつもりはない。

 

この議論を読む限り、配食サービスは高齢者の見守りに寄与していることが、担当課の言葉からも読み取れるほか、見守りの単位を1人から1世帯にしたほうがいいという議論はされていないことがわかります。

 

しかも、私たち議員は、新年度の予算については、3月議会で示され調査や議論をして深めて賛否を表明するわけですが、今回の「配食サービス事業の変更」については、予算書には一切載っておらず、3月議会が終わり、現場のみなさんが説明を受けてはじめてわかったというものです。議会にも知らされていない、現場にも意見が聞かれておらず、行政経営的な視点で進められたこの事業の変更は中止すべきです。

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