6月議会「米朝首脳会談と共同声明を受け、朝鮮半島の非核化の実現と拉致問題の解決に向けての意見書」の提案理由説明

6月議会に提出された「米朝首脳会談と共同声明を受け、朝鮮半島の非核化の実現と拉致問題の解決に向けての意見書」の提案理由説明です。


大桑はつえ 議員

 私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第3号「米朝首脳会談と共同声明を受け、朝鮮半島の非核化の実現と拉致問題の解決に向けて」の意見書について提案理由を説明いたします。

 

 本年6月12日、シンガポールにおいて長年にわたって厳しく敵対してきた米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が、歴史上初の首脳会談を行い、「新しい米朝関係の確立」を約束し、朝鮮半島の平和体制の構築と完全な非核化で合意しました。米朝間には関係改善、北朝鮮の非核化を目指す合意が過去にもありましたが、トップ同士の共同声明は初めてです。長年敵対してきた両国が、初の首脳会談を持ち「朝鮮半島並びに世界の平和と繁栄に貢献」する関係を目指すとしたことは画期的なことです。非核化と平和体制構築に向けた歴史的なプロセスの開始です。

首脳会談の共同声明で両国国民の願いに従って新しい米朝関係の

確立、すなわち「戦争と敵対から」から「平和と繁栄」へと、根本から変えることが合意の一番の要に据えられました。そして、両国は「朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築する。」とし、そうした新しい関係を作るためにも、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化」に向けて取り組むとしました。

新たな米朝関係を構築し、朝鮮半島の恒久的で安定的な平和体制をめざすことを具体化することはいくつかのプロセスが必要です。

北朝鮮が核、ミサイル実験の中止を表明し核実験場を破壊するという行動をとり、それに対して米韓側は、「安全の保障の提供」を約束し米韓合同軍事演習を当面は中止するという行動をとりました。「敵視政策と安全保障上の脅威がなければ核保有の必要はない」としてきた北朝鮮に応じた表明です。米朝首脳は休戦状態にある朝鮮戦争を終わらせ、平和協定への転換をめざすとした南北首脳会談「板門店宣言」の支持も表明しました。

こうしたプロセスは一定の年月がかかることですが、成功すれば、この地域の平和と安全をめぐる情勢を一変させ、世界史的な大転換を起こすことは確実です。相互不信と対立にあった米朝が非核化と平和体制の構築に取り組むには信頼を醸成しながら粘り強く協力的に進むことが不可欠です。両国が、合意を速やかに具体化し誠実、完全に履行するよう求めます。

過去にも米朝間で同様な合意があり覆されたという見方がある中で、決定的に違うのは今回は歴史上初めて首脳間で合意をしたという事にあります。これまでとはまったく違った重みのある、後戻りできない合意を両国が行ったという歴史的意義があります。

さらに重要なことはこの間の南北首脳会談、米朝首脳会談という二つの会談によって戦争の脅威から抜け出したことにあります。北朝鮮の繰り返される核ミサイル実験に、いつ戦争になるかわからないという不安と恐怖が、世界を覆っていました。今大切なことは、開始された平和のプロセスを前に進め、成功させるために日本を含む関連諸国が手を結び協力することです。

安倍首相が、日朝平壌宣言に基づいて、核・ミサイル、拉致、過去の清算などの諸懸念を包括的に解決することによって国交正常化の道がひらけてくると述べました。対話による平和的解決の歴史チャンスが生まれているもとで、日本政府に求められているのはこのチャンスを生かすための主体的な外交戦略を確立し、積極的な外交努力に踏み出すことが拉致問題の解決にもつながるところです。

  よって国におかれては、日朝平壌宣言に基づいて朝鮮半島の非核化に向けて日朝両国間の諸問題を解決し国交正常化に努めるよう強く求めるものです。

 議員各位の賛同を求め、提案理由の説明といたします。

 

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