2018年12月議会 広田みよ議員 一般質問

12月議会 一般質問全文  広田美代

①市長選挙の結果を受けて

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として質問いたします。
まずは、市長に、選挙後の4年間について伺います。
 先月行われた市長選挙は、本市のかじ取り役を決める大事な選挙であるにも関わらず、過去最低の24.92%の投票率でした。選挙は民主主義の土台ですから、この投票率は、わたしも選挙に関わった者として大変残念に思います。さらに、当選されたとはいえ、山野市長が獲得した票が有権者の2割、しかも、前回から2万3千票も減らしているのが実態です。
選挙戦の中で、このような市民の声を多く聞きました。「新幹線や観光ばかりで市民のく声は聞いてもらえん」「ごみ有料化も宿泊税も何をいっても結論ありきや」。ごみ有料化や宿泊税、学校の統合移転など市民のくらしに関わることが、山野市長のもとで拙速にすすめられてきました。さらにこの4年間、方向性の異なる市民団体とは会っていただけませんでした。そんな強引なやり方に対し、「選挙に行かない」それが意思表示だった、という方もいます。また、選挙直前に町会連合会からご自身の無届の後援会が違法の寄付金を集めていたことも明らかになったのです。
日頃の民主主義のありようが、市民の政治へのあきらめや無関心を生み出したのではないかと感じた選挙でした。

②今後の4年間どうするのか

しかし、今後の4年間は市民みんなの市長です。当選直後に4年でお辞めになると明言されていますが、今後4年を市民の命とくらしを守ることに全力を注いでほしいと思います。

そこで、まずは市長が選挙中や当選後に訴えていた公約について伺います。
まずは、とある演説会場で「子どもの施策、特に弱い方々の施策にこだわりをもって徹底的にやってきた」と、市長はおっしゃっていましたが、実際とは隔たりがあります。
市長、本市の介護保険料は中核市で高い方から8位、国保の資格証明書は1000件以上も発行していますし、配食サービスについては、重箱の隅をつつくように150円の補助額を減らしています。子どもの医療費も中学校卒業までで止まっています。あなたがおっしゃる弱い方々の施策とはなにか、「小児の夜間診療所開設」と答える場面がありましたが、あの施設はもともと存在していたもので移設が行われたものです。
言葉だけではなく、社会的に弱い方々の施策を本気で行っていただきたいと思いますが、いかがですか?

本市は子どもの生活実態調査を行い、深刻な実態があきらかになりました。
月々の収支が赤字という世帯が、一般世帯でも22%、相対的貧困層とした世帯では58%にもおよび、「必要な食料や衣料が買えないときもあった」という世帯もあり、カードローンなどの利用までせざるを得ない状況があることが、数値であきらかとなりました。このような深刻な実態を市長はどのように受け止め、どのような対策を行うのでしょうか。
市長の肝いりで誘致した駅西口の高級マンションには、バブル期以来の2億円の高値がつき、すでに投資家たちが買い求めているというではないですか。このような富裕層のための事業に大事な市民の土地と税金を使い、本市職員の労力を注ぐよりも、明日の食料も買えない市民のくらしを直接支えることが今やるべきことではないですか?

さて、このアンケートでは、「保護者が現在必要な支援はなにか」という項目で、一般世帯でも50%、相対的貧困層では68%の方が、「子どもの就学に係る費用の軽減」をもっとも多く選んでいます。
小中学校は義務教育で無償とは言え、教材や給食、部活などかなりの負担があると保護者は訴えます。その実態を調査するため、文科省は毎年、子どもの学習費用に関する調査を、全国小中学校の保護者の方からご協力を得て行っています。28年度の調査結果では、公立小学校 32万2千円、公立中学校 47万9千円と、義務教育ながら、かなりの負担です。
この負担を減らすためにも、学校給食費の無償化に取り組むべきではないですか。これまで教育委員会は学校給食法を理由に無料にできないと述べていましたが、法律はあくまでも負担区分が書いてあるだけで、設置者の判断で無料にすることは可能です。

つぎに、市長が選挙戦の中で繰り返し訴えていた「スポーツ文化」について伺います。
具体的には、「スポーツ文化を生活に密着したものにしてねづかせていく」というご発言が選挙中にありましたが、富樫の市民プールは紛れもなく子どもから高齢者、障がいのある方まで利用する、まさに市民の生活に密着した施設でした。市民が署名活動までして残すことを求めましたが、市長は廃止を決め、今まさに解体が進んでいます。「スポーツ文化を生活に密着したものにしてねづかせていく」という市長の考えるスポーツ文化と矛盾するのではないですか。
市長は最近、「見るスポーツ、支えるスポーツ」と言い出しました。その真意はなんでしょうか。先日、金沢アリーナ構想についてのシンポジウムがありました。中身は、政府がスポーツ産業を5.5兆円から15兆円にひきあげようとしていることや、他都市の事例も紹介され、富裕層がVIPルームで、歓談・食事しながらスポーツ観戦が出来るなどの動画を流しながら、スポーツ産業をこの金沢でも花開かせようというような展開。報道では、事業費約100億とされ、主催者である金沢アリーナ推進協議会の会長は、「スポーツ文化」の複合施設として「金沢アリーナ」を考えている。公共の投資が5,6割あれば、「回る」などすでに税金をあてにした計画のようです。市長、あなたの言う支えるスポーツは、市民から身近な施設をとりあげ特別な方だけが行うスポーツ、さらにはスポーツを利益追求の道具に利用することなのでしょうか。「金沢アリーナ構想」へ、公共用地の確保や財政的な支援などを市として行うお考えがあるのか伺います。

選挙中のNHKの世論調査では、「スポーツ」や「観光振興」よりも、「医療や福祉」「教育子育て」が圧倒的な市民からの要望です。
アリーナ構想は、市民の中から出てきた要望ではありません。
こうした箱もの事業ではなく、市民のくらしを着実に応援する予算の使い方を行うよう求めますがいかがですか。

③消費税と地方財政、社会保障

次に消費税について伺います。市長選挙は国政ではありませんが、選挙中、「消費税をやめてほしい」と求める声が本当に多くありました。
 それもそのはず、安倍首相は来年消費税を10%にすると明言し税制大綱にも盛り込みましたが、GDP成長率がマイナス2.5%、個人消費だけでなく設備投資も落ち込んでいるという、2年前に10%増税を延期すると判断したときの経済状況よりさらに悪化しているもとで行うなどとは言語同断だからです。軽減税率やポイント還元などもまやかしに過ぎないと市民も見抜いています。日本共産党は、消費増税はきっぱり断念し、大企業、富裕層、タックスヘイブンの3つの税逃れをただすことで、社会保障、子育て支援、若者支援などの拡充財源をつくることを提案してきました。
 さらに、地方財政の確立も、消費増税に頼るのではなく、内需の拡大と累進課税の強化、地方交付税の引き上げなどで行うべきと考えます。
 そこで、消費税増税と地方財政について伺います。
政府は、偏在性の少ない安定的な地方税財政を構築するなどとして、消費税増税と地方消費税率の引き上げを進めてきました。本市で言えば、消費税が5%から8%になったことで地方消費税交付金は額面でも増えています。しかし、地方消費税率の引き上げによって地方消費税収がふえても、その分、地方交付税は減ることになるのではありませんか。2016年の国会質問の中で、当時の高市国務大臣は「地方消費税率の引き上げによる増収分は、地方交付税の交付団体においては地方交付税及び臨時財政対策債の減となって相殺される」と答えています。
市長はこの点についてどのような認識ですか?

消費税で社会保障を充実すると安倍政権は言っています。たしかに本市も5から8%に増税されたとき、増えた地方消費税分は民生費などに充当してはいますが、その分地方交付税は減っているのですから、民生費などの一部を地方消費税で置き換えたに過ぎないのです。

むしろこの間、社会保障制度自体、国が改悪を続けているのが実態です。消費税を引き上げた分とほぼ同じだけ、法人税が下げられているわけですから、社会保障にまわらないのも当然です。

しかし、国は来年度から保育の無償化を行うといいます。案の定、1年目だけ国が負担し、2年目は県市も負担という方向性が出されていますが、その分の財源はどうなるのでしょうか。保育の無償化についてどのような財政措置を予定しているのか明らかにするとともに、国に財政措置を求めるべきですがいかがでしょうか。また、給食は自己負担にする検討がされていますが、現状を後退させるもので行うべきではありませんがいかがですか。

学童保育については、充実どころか、政府は児童福祉法に基づく省令で定めている、職員の配置や資格などの「従うべき基準」を、「参酌すべき基準」に変更する方針を示しており現場や保護者からは心配の声があがっています。本市はどのように対応するのでしょうか。

次に、消費税増税が住民サービスや地方自治体の運営にどのような影響を及ぼすか伺います。
市民生活のさまざまな場面で消費税がかかるように、本市が行う業務でも消費税分の支出が増えるわけですが、とりわけ市民に影響が出やすい学校給食について伺います。

26年度に消費税が5%から8%に上がった際、本市は保護者の反対を押し切って給食費の値上げを行いました。小学校で年間3300円、中学校では4300円もの引き上げです。全体では、7600万円もの子育て世帯への負担となったのです。
来年10%の消費増税について、保護者負担を増やすべきではありませんがお考えをあきらかにしてください。

次に自治体病院への影響についてです。
消費税は、病院が医療機器や薬品、診療材料を購入する際は消費税が課税されますが、患者さんの保険診療については非課税であるため、損税となって病院経営に重くのしかかっています。
そんな中、5%から8%の消費増税によって、病院会計への影響は5300万円の支出増となったのです。
そこで、来年10%の消費増税となった場合、1年間では金沢市立病院の会計にはさらにどれほど影響が予測されるのか、あきらかにしてください。

本市の市立病院は、診療報酬の引き下げや、国から結核病棟の補助金が減らされるなど、経営は大変です。さらに消費増税が加われば、医療提供体制の維持はますます大変になるのではないですか。市民の命と健康を守る公的責任が失われかねません。これのどこが社会保障の拡充でしょうか。

このような消費増税は、市民のくらしにとっても、行政にとっても百害あって一利なし。
最初にも言いましたが、国と地方財政の確立は、消費増税に頼るのではなく、内需の拡大と累進税制の強化で行うべきです。さらに、国よりも業務量の多い地方自治体は、社会保障費をはじめ、地方が必要とする財源を十分に確保する必要があります。市長、消費税10%は中止すること、そして地方交付税の法定税率の抜本的な引き上げを国へ求めるべきですがいかがですか。

④小中学校のエアコン設置について

さて、12月補正予算について伺います。
本市の公立小中学校の普通教室におけるエアコン設置について、大規模校8校の工事費のほかに、18校の設計費・工事費が盛り込まれました。
しかし、来年の夏までにエアコン設置が間に合うのは最初の8校のみです。
市内には小中あわせて80校あるわけですが、特別支援学級を含め、来年の夏間に合わない学校は72校、90.4%、児童生徒数は28381名、82%の子どもたちが、またあの猛暑で一日の多くの時間を過ごすのです。今年の夏、私が伺った小学校では、外気36度の猛暑のとき教室の室温は、扇風機3台フル回転しても35度、日当たりによっては外気と同じ36度という教室もありました。
保護者からは当然、もっと早く設置できないのかという声が出て当然です。他都市では来年度中に完了させるというところもあります。本市ではなぜもっと早く設置ができないのか伺います。新聞などではホテル建設ラッシュで人手や業者が足りないとあります。ほかにも東京国立近代美術館工芸館や、建築文化拠点施設、第二本庁舎など本市の発注事業だけでも結構ありますが影響があるのではないでしょうか。

さらに、エアコン設置が間に合わない学校は特別教室を利用して工夫と言われていますが、音楽室やパソコンルームだけでどうやって全学級の授業を賄うのですか。現実的な対応でないことは明らかです。来年の夏までに間に合わない学校の対策を求めますがいかがですか。

また、特別支援学級も普通学級に含まれます。配慮が必要と思いますが、対策をお聞きします。

⑤上下水道、ガスの民営化の動きは

さいごに、市民の命とくらしにかかせない、上下水道や都市ガスの民営化について伺います。
12月6日の国会で水道事業の広域化や運営権の売却を推進する改定水道法が自民、公明、維新などの賛成で可決、成立しました。
「経営効率化」の名のもとに、安全性・安定性の後退や水道料金の値上げなどの懸念があり、それを裏付けるものとして、海外では水道事業の再公営化が広がっています。
 本市の上水道事業は、豊富な水に恵まれるとともに、直営で多くの専門技術者たちによって、安全でおいしい水が提供されています。
検診や料金徴収など部分的に業務委託がされているのは問題ですが、基本は直営であるからこそ、もうけや効率ではなく、市民のくらしと安全が最優先されているのではないでしょうか。また、災害時の迅速な対応も直営だからこそです。
内閣が法改悪をし、いくら民営化をおしすすめようとも、決めるのは地方自治体である本市です。
わたしは水道も下水もガスも直営を堅持するべきと考えますが、この水道法の改悪を受けて、市長は上水のコンセッション方式についてどうお考えでしょうか、さらに本市はこの方式を取り入れる考えはあるのでしょうか。
さらに上下水道の共同化の検討がされていますが、業務委託の拡大や民営化につながるものではないのでしょうか。
そもそも、国が民営化を進めたがるのは、経済界の要望を受けてです。赤字が出ている自治体や今後の管の老朽化対策を取り上げあおっていますが、それは水道経営だけの問題ではなく地域間格差の中で、自治体そのものの財政基盤がぜい弱なのです。どの地域に住もうと同じレベルの公共サービスを受けられるようにすること。そのことを国に求めるべきで、大事な水道を民間に売り渡してはなりません。
以上で、質問を終わります。

-山野市長
 8番 広田議員にお答えをいたします。

選挙戦において私の発言についていくつかお尋ねがございました。しっかり4年間社会的弱者の方を向いて施策に取り組むべきだというご提案をいただきました。まったく同じであります。私は常に子や孫の世代のために今の私たちがどんなことをできるのか、そんな視点で様々な施策を考えるように取り組んできました。また、弱い立場の方たちのことを、私なりに真摯に考えながら様々な施策に取り組んできました。十分に伝わっていない点があったとするならば、これから4年間そんなことを具体的にお伝えをしながらご理解をいただけるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 子どもの生活実態調査のことについてお尋ねがございました。本市におきましても、経済的事情・生活事情などにより、子どもが十分なことができず、困難を抱えている家庭が存在をしているということが改めて明らかになりました。私もショッキングな気持ちで重く受け止めました。現在、子どもの貧困対策基本計画の策定に向けた検討を行っているところであり、今回の調査結果も踏まえ、支援体制も含め、対策を検討して参りたいというふうに思っています。この基本計画を作っていきたいというのは、一時的、対処療法的なものではなくて、長期にわたって継続的に施策を行っていかなければならない、そんな思いから基本計画をしっかりと作っていきたいと思っています。

 学校給食のことについてお尋ねがございました。学校給食法により、人件費や施設整備費は設置者の負担とされていますので、本市では給食の食材費のみ保護者にご負担をいただいているところであります。就学援助制度により経済的に困っている方に対しては、給食費の全額支援をしており、学校給食費の無償化については考えてはいません。

 旧市営総合プールの解体について、おかしいんではないかというお尋ねがございました。ご案内のとおり、老朽化が激しいということはご存じかと思います。耐震化がなされていないということもご存じかというふうに思います。プールであるにも拘らず漏水も起こっていますし、そのことについて調査をし、修繕をするということには多額の費用の発生もすることであります。そういう観点から平成29年4月、やむを得ず廃止をしたものであります。一方、同じ平成29年7月、金沢プールの供用を開始をしており、トップスイマーだけではありません、多くの市民・そして金沢市の近隣の多くの住民の皆さんにもご利用をいただいているところであります。

 金沢アリーナ構想についてお尋ねがございました。この構想につきましては、民間主導で進められているものであり、金沢市と石川県はともにオブザーバーとして推進協議会に出席をしているところであります。今後民間主導でどのように具体的に事業が進んでいくのか、見極めていきたいと思っています。アリーナではなく市民の暮らしに予算を使うべきだということでございました。街の発展基盤の整備というものは、地域の活性化や市民生活の向上に繋がるものであり、本市の将来に不可欠なものであります。同時に市民や教育など市民生活に身近なサービスの充実も重要でありますことから、それぞれに均衡をはかりながら取り組むことが大切であると思っています。アリーナ構想につきましては先程申し上げましたように民間主導で取り組んでいられるところでありますので、今後どのように事業が進展していくのか見極めていかなければいけないと思っています。

 地方消費税と地方交付税の関係についてお尋ねがございました。消費税率の見直しに伴います地方消費税率の引き上げにより、地方に配分される地方消費税交付金が増額となります。ただ増額分は地方交付税を算定するための基準財政収入額として100%算入されるため、結果として地方交付税が同額減額となりますことから、理論的には地方の財政に大きな影響はないものと考えています。

 保育の無償化に伴う地方負担のことについてですが、幼児教育・保育の無償化にかかる財政措置につきましては、これは理論的には地方負担の金額が地方交付税の算定基礎となる地方財政計画に盛り込まれる方針が示されているところでありますので、今のところ国に財政支援を求めることまでは考えてはいません。ただ地方財政計画そのものは、この他にも地方単独事業等の個別の事業費の見積もり、収入額の見積もり方などにより、大きく影響を受けることでありますので、引き続き国の動向を注視していく必要があるというふうに思っています。

 幼児教育・保育の無償化に伴い給食費が自己負担になるということについてお尋ねがございました。国においては今回の無償化に伴い、保護者負担が軽減されることから、これまで負担の異なっていた教育認定と保育認定の給食費について、全額自己負担とする共通化を図ったものと受け止めています。一方、全国的に幼児教育・保育の現場、さらには保護者から不安を訴える声もあるというふうにもお聞きをしておりまして、国はこれらの声に、私は真摯に応えてほしいというふうに思っています。

 放課後児童クラブのことについて、国の省令改正のことについてお尋ねがございました。本市では職員については国の基準を上回る人数を配置するとともに、資格要件についても保育士資格や実務経験が必要なことなどを条例で定めています。今回、国からは基準緩和の方向性が示されたところであります。ただここは私、(広田議員と)同じ思いだと思います。やはり放課後児童クラブの質の向上を図るという点から、この対応については、私は慎重に対応をしていかなければいけないと思っています。

 消費税率10%の導入につきまして、学校給食費のことについてお尋ねがございました。学校給食費の扱いにつきましては、消費税率の引き上げに伴う軽減税率の取り扱いなど、今後の詳細を見極めながら検討をしていかなければいけないというふうに思っております。消費税率の引き上げにつきましては、国家財政の再建、少子高齢化への対応を進めていくためにも、私はある程度は避けられないものではないかと考えているところであります。地方交付税につきましては、地方の税財政基盤の強化に向けて抜本的な改革が必要であると考えており、法定率の引き上げはもとより、税源配分5対5の実現、地方共有税の創設などについて引き続き、全国市長会を通じて国に求めてまいります。

 学校へのエアコン整備、もっと早くできないのかというお尋ねがございました。本市では小中学校の教育環境の維持・向上に積極的に取り組んでいるところであります。そのひとつである普通教室へのエアコン設置には巨額の財政が必要でありますので、国による支援が私は不可欠であると思っています。この夏、官房長官も当時の文部科学大臣も、スピード感を持った対応をなさりました。我々としてはそのスピード感に呼応をしながら取り組んでいきたいと考えています。ただ、教育環境整備にかかる取り組みは人口等々によって、自治体によって事情は様々であります。本市におきましても、校舎や体育館の大規模改修等も計画的に進めておりますことから、エアコン整備には概ね3年程度はかかるんではないかと思っています。できる限り早期の整備に取り組みたいと考えています。今回の補正予算においても、国庫補助を有効に活用しながら、経費の一部を前倒しにしたところであります。

 改正水道法についてお尋ねがございました。今回の改正は水道事業の経営基盤を強化をしたいとするものであり、その手法のひとつとしてコンセッション方式の導入がこの中で盛り込まれたものだというふうに認識をしています。ただ本市はこれまでも施設規模の適正化など、経営の効率化に積極的に努めてきたところであります。何より水は生命の維持に不可欠なものであり、安全・安心な供給を確保することが最も重要でありますことから、今のところコンセッション方式の導入は考えてはいません。また水道事業を取り巻く環境というものは、人口減少、施設の老朽化等により一層厳しさを増しているところであります。このことは、決して本市だけの問題ではありません。石川中央都市圏、全ての市・町共通の課題でもありますので、そんなことも踏まえ、4市2町が連携をし、事業の効率化を図るため、施設の共同利用・維持管理業務等の共同化を目指しているものであり、ご懸念の民営化を意図したものではありません。

私の方からは以上です。

-西尾 市立病院事務局長
 市立病院に関しまして、消費税率の引き上げではどのくらいの負担増を見込んでいるのかとのお尋ねがございました。来年10月の消費税率8%から10%への引き上げに際し、市立病院での1年間の影響額を計算しますと、4000万円程度の負担増が生じるものと見込んでおります。以上でございます。

-野口 教育長
 学校へのエアコン設置につきまして、はじめに来夏までにエアコン設置が間に合わない学校への対応についてお尋ねがございました。このことにつきましてはやはりしっかりと対応していかなければならないと考えております。全ての普通教室ごとに設置をされております送風機の積極的な活用を図りますとともに、エアコンが設置をされている特別教室の有効な利活用に加えて、例ですが、9月上旬に行われております、例えば中学校の運動会ですが、これを9月の中旬や下旬に延期するなどの課外活動の延期ということ、それからもう一つは気象状況を踏まえて場合によっては思い切って夏季休業日を延長したり臨時休業日等を措置するなどの取り組み、また7月に行っております野外活動の教材・題材を熱中症事故防止のために活動内容や時間を変更したり、場合によってはそういった内容を9月・10月に時期を変更して実施するなどの教育課程の柔軟な編成など、なし得る限りの配慮を行っていきたいと考えております。もうひとつ、特別支援学級への対策についてもお尋ねがございました。これにつきましても大変大事なことであり、しっかりと対応しなければいけないと思っております。これにつきましては、これまで体温調整が大変難しい児童・生徒に、状況に応じましてエアコンを整備してきておりますし、また学校長の判断におきまして気温が比較的低い、低層階へ教室を配置するなどの工夫を行っているところであります。その他に加えまして、特別支援学級は少人数でありますことから、空調のある特別教室をしっかりと活用することもそうですし、場合によっては固定されている送風機だけではなくて移動できる送風機も学校には準備されておりますのでそういったものも活用するとか。また猛暑時には交流学級との活動を控えるとか、そういった教育課程の柔軟な変更、こんなことも行いながら、これにつきましてもなし得る限りの配慮を行ってまいりたいと思っております。以上でございます。

-広田議員
 エアコン設置について再度伺います。今、運動会の日程であるとか、夏季休業日の日程の変更、他にも様々な取り組みを紹介されましたけれども、是非現場の混乱や教職員の負担のないように、現場でしっかりお声を聞いて調整して進めていただくようにお願いをしたいと思いますし、送風機というものの提案がありましたけれども、私が見たときは冷風機っていうものも見ました。是非他の機械の検討も行っていただきたいと思うことと、やっぱり市長には、公共事業が今本当にたくさん行われていますので、災害級の猛暑に対応するために、その工期をどうするかということもご検討いただきたいと思います。最後に市長に、やはり子どもの生活実態調査で明らかになったのは、新幹線開業や観光で如何に経済効果があっても、市民の中には明日の食料も買えない世帯があるということなのです。なので、均衡とかってさっきおっしゃってましたけれども、やっぱり真っ先にやるべきは、今の大変な世帯・方々への直接的な支援、ということで再度ご答弁を求めます。

-山野市長
 エアコン整備につきましてはスピード感を持って取り組んでいきたいというふうに思います。後ほど教育長からもお答えがあるかと思います。で、弱い立場の方たち、経済が活性化してもそういう方たちがいるということであります。で、実態調査が明らかになりました。できる限り速やかにそういう方たちに対するセーフティネットの充実に取り組んでいかなければいけないというふうに思います。まずは子どもにつきましては基本計画をしっかり策定をし、持続的・継続的な施策に取り組んでまいりたいと考えております。

-野口 教育長
 今ほど、学校現場の声をしっかりと聞いてほしいというお声がございました。これまでもこまめに学校の方に回っておりますし、その中でお話も聞いているところでありますが、これからもしっかりと学校を回りながら、声をお聞きしながら反映させていきたいと思います。また今ほどありました冷風扇、これにつきましても私も現場時代に活用したことがありますので、これにつきましても研究・検討させていただければと思っております。

-広田議員
 市長に再度、その公共事業、民間ホテルやいろんなものの建設もたくさん業者は人手不足だと言っておりますけれども公共事業も大変多いということで、是非工期の検討を、災害的猛暑と捉えるならば、少し検討してもよいのかなと思うのですがその点はいかがですか。

-山野市長
 計画的に行われていることですので、速やかな対応をしていきたいと期待をしているところでありますけれども、計画的に行われていることですので、そこはしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。

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