私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、議会議案第14号公立学校教員への変形労働時間制適用の撤回を求める意見書について提案理由説明を行います。
安倍政権は、公立学校の教員に対し「1年単位の変形労働時間制」を導入する法律を先の臨時国会で強行、可決しました。
1年単位の変形労働制とは、1ヶ月を超え1年以内の期間を繁忙期と閑散期に分け、繁忙期は1日10時間までを所定勤務時間とし、閑散期は勤務時間を短くして期間全体の平均時間が8時間に収めるようにするという制度です。
しかしこの法案を審議する中で、文部科学省は、この制度が「恒常的な時間外労働がない事を前提にしたもの」であると答弁しました。教員の長時間労働が社会問題になっているにもかかわらず、問題が解決されないままに制度設計をしたことが明らかになったものです。
また文部科学省は、制度適用の教員は残業時間45時間という国のガイドラインの順守が必要で、守れなければ途中で適用を止める、勤務時間の延長日は「時間外勤務ができない、導入で年休取得が減ってはならない」とも答弁しました。大多数の教員が国のガイドラインを上回り、なかには過労死ライン月100時間以上の残業をしている教員がいるなかでの規定は、守れないものばかりであることは明らかです。
変形労働時間制の唯一の目的は、授業がある日は長く働いてもらうのだから繁忙期として労働時間を延長し、その分、夏に休みがまとめてとれるようにするというものです。しかし、これは教育現場の実態からかけ離れています。教員は子どもが夏休みの間でも研修や部活動指導などの業務が続き年休も取れないほどです。
教職員の働き方を改善する取り組みはますます重要になっています。多すぎる業務を放置したまま、仕事が残っているのに、早く帰れと言われ、時間外労働の報告もできにくい状況が進んでいます。過大な授業時間数や行政研修などの、思い切った業務削減をすることが喫緊の課題です。
そして、問題解決は、必須の教職員定数の抜本増や、4%の教職調整額支給と引き換えに、時間外勤務手当を支給せず、際限のない長時間勤務を引き起こしている公立学校教員給与特別措置法の抜本的改正です。
教職員の働き方は、子どもの教育に直結する国民的な課題です。 よって、国におかれては、公立学校教員への変形労働制適用を撤回するよう強く要望いたします。議員各位のご賛同を求めて、提案理由の説明といたします。