2020年12月議会 森尾議員一般質問

2020年12月9日 森尾よしあき 議員

森尾議員

私は、日本共産党市議員団の最初の質問者として以下、質問いたします。

最初に核兵器禁止条約についてです。核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約が来年1月に発効することが確定いたしました。3年前の2017年7月に国連でこの条約が採択され、署名した国は、85ヵ国にのぼりました。その後、発効の条件となる50ヵ国・地域が批准し、この条約が発効することとなりました。これを受けて先月20日、広島と長崎の両市長が政府に対してこの条約への署名と批准を求める要請を行いました。市長は昨年の12月本会議で、核兵器禁止条約を求めるヒバクシャ国際署名に自らも署名したことを明らかにされました。この条約が来年1月に発効することが確定したことについて見解を伺うと共に、政府に対してこの条約への署名と批准を求める考えはないか、まず伺いたいと思います。

-山野市長

 世界の恒久平和、核兵器なき世界の実現は、人類すべての願いであると私は思っています。広島・長崎のような悲惨な状況が二度と繰り返されることのないよう、不断の努力をしていかなければならない、そういう思いを強くしているところであります。ただ一方、政府といたしましては唯一の被爆国として核兵器保有国と、さらには条約支持国との間の国際社会における架け橋となり、現実的・実践的な取り組みを粘り強く進めていくという考えであります。私はそれをひとつの見識として理解をしているところであります。

森尾議員

 次に、菅内閣の発足と首相が打ち出された「自助、共助、公助」について伺います。菅内閣が発足し、臨んだ国会所信表明の中で述べたのが「自助、共助、公助」です。新型コロナウイルス感染拡大が急速に進む中、国としての感染予防対策が示し得ていないと厳しい声がございます。国民には「自己責任」を押し付けるこの表明は、国民の命と暮らしを守るという政治の最大の責任を投げ捨てるに等しい宣言です。市長はこうした状況の下で、政治の責任が問われています。「自助、共助、公助」についてどのような見解をおもちか伺います。

-山野市長

 私は政治家として最も大切にしたいと思っていることは「自由」であります。「自主・自立の自由」というのが最も理想的なのかもしれませんが、現実的にはなかなかそういう方はいません。私も家族であったり職員の力を借りながらなんとかこうやって仕事ができています。ただやはり自由を大切にしたいという思いは、政治家としての強い理念・信念であります。理想とすれば、繰り返しになりますけれども「自主・自立」でありますけれども、いろんな方のお力をお借りしながら取り組んでいく、時には公の力をお借りをしながら自由というものを獲得してく、そういうことが大切なんだというふうに思っております。総理は国民のために働く内閣というふうにおっしゃっておられます。私は総理の思いはそこにあるんだと思っております。「自助、共助、公助」というものも、私は素直な気持ちで受け止めたいというふうに思っています。

森尾議員

 この「自助、共助、公助」論というのは、2000年代に入って新自由主義が登場し、自助を基本にするのが「成熟した国家の姿」だということを打ち出して、社会保障の後退、規制緩和、公営事業の民営化などが進められてきました。その結果、貧困と格差の拡大、社会のひずみが一層広がりました。市長に伺います。地方自治体の役割というのは、そこに暮らす住民の福祉の向上を進めることだとしています。行政はどんな役割を果たすのか。行政のリーダーがどのような責任を果たすのかが、問われていると思います。改めて伺いたいと思います。

-山野市長

 私は、午前中の議論でもありましたけれども、リーダーというものは方向性を示し、仲間と一緒に取り組んでいくことだと思っています。行政のことにつきましてはさらに、福祉であり環境でありスポーツであり、様々な分野におきまして優秀な職員がいます。その職員とともに市民の福利厚生の安定のために取り組んでいく、その環境を作っていくのが行政におけるリーダーだというふうに思っております。

森尾議員

 そこで、新型コロナウイルス感染対策について伺います。全国の新規感染者数が連日2千人を超え、重症患者数が過去最高となっています。東京、北海道、大阪などでは医療体制がひっ迫し、医療崩壊が心配される事態となっています。ところが菅内閣は、国としての有効な感染予防対策を打ち出さず、「GoToトラベル」の一部見直しを表明しました。これに対して、危機感に乏しく国としての責任が欠けるものだとして国民から怒りと不安の声が上がっています。市長は、現状をどのように受け止め、本市の感染予防対策を進めて行かれるのか伺います。

-山野市長

 東京・大阪といった大都市、さらには北海道におきまして第三波ともいわれる状況になっている、特に重症者がここにきて増えているということに大変心配をしているところであります。ただ本市は比較的落ち着いている状況にあります。これは市民・県民のみなさんが様々な工夫をなさっている、事業者や医療関係者の献身的なご努力のおかげであると思っております。決して油断することなく、引き続き私たちができることをしっかり取り組んでいきたいと思っております。インフルエンザが流行ってくる時期でもありますので、そこはさらに意識をしなければなりません。県の方でかかりつけ医等において相談・受診できる体制が整備されているところでもありますので、本市としてもこの体制につきまして様々な手段を用い周知に努めていかなければいけないと思っております。

森尾議員

 先月27日政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が次のように述べています。「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と発言し、政府と自治体の対策強化を求めました。市長は提案説明の中で、新しい生活様式の実践を市民に呼びかけ、お願いしました。市民の命と暮らしを守る立場に立ち、本市として感染予防対策を抜本的に強化することこそ、今必要だと考えます。見解を伺います。

-山野市長

 3月の追加補正予算、4月の臨時議会、6月・9月と議会のみなさんからのいろいろなご提案もいただきながら、様々な対策をとってきました。県とも連携をしながらとってきました。一定の成果が出ているんではないかと思っております。これは繰り返しになりますけれども、市民のみなさん・医療関係者のみなさん・事業者のみなさんの取り組みがあったからこそでありますので、引き続き油断をすることなくこれらの施策を進めていきたいと考えています。

森尾議員

 そこで三点、具体的に伺います。第一は、PCR検査の実施を拡充していくことです。とりわけ、医療機関や高齢者施設などの職員、入院・入所者を対象に「一斉・定期的なPCR検査の実施」を行うことが必要です。高齢者施設入所前の検査について、谷本知事は、前向きの発言を行っています。小松市では、65歳以上の方を対象に検査費用の半額を助成するとしています。加賀市では、介護施設への入所予定の方に対して検査費用の全額を補助するとしています。津幡町などでも検査の補助を行うとしています。本市でも社会的検査の実施について、検討が求められると考えます。その際に、国に対して検査費用の全額補助するよう求めるべきと考えますが、市長のこの点での見解を伺います。

-山野市長

 PCR検査体制は現時点におきまして、新型コロナウィルス感染症とインフルエンザの同時流行に備え、症状のある方や濃厚接触者等の感染が疑わしい人を対象としているところであります。社会的検査のことにお触れでございましたけれども、私は今のこの検査体制を維持していくことが大切だというふうに思っています。県の方では介護施設等の入所者や職員の検査につきまして、サービス提供にあたって必要な場合、その費用を補助しているところでありますので、まずはこの制度の周知に取り組んでいきたいと考えています。

森尾議員

 PCR検査をめぐって、先日、地元新聞の報道がありました。それによると、11月21日市内に住む男性が、県発熱患者等受診相談センターに電話してPCR検査を希望したが、検査を受けられず、4日後に死亡していることが発見され、死後に陽性判明されたとのことです。この42歳の男性は、単身赴任で金沢市に勤め、一人暮らしをしていたとのことです。この方の妻は「検査が間に合い入院できたら助かった」と悔やんだと地元新聞が報じています。市長。PCR検査について、希望があれば受けられる体制をつくることが必要だと考えますが、見解を伺います。

-山野市長

 お尋ねの件は私も報道でしか知り得ていないので申し上げることはできませんが、現在のところ先程申し上げた状況で取り組んでいるところでありますので、ご理解いただければと思っています。

森尾議員

 では、金沢市保健所としては今回の事例についてどのような対応をとったのか、報告を求めたいと思います。

-荒舘保健局長

 今回の件につきましては、県の相談センターの方で電話を受け取ったという報道がなされております。保健所の方では警察の方から死亡者がいたということで、その検査をお願いしたいということで関わったものでございます。

森尾議員

 市民の命に関わることを考えれば、行政としてPCR検査を希望のある方も受けられる体制づくりを強く求めておきたいと思います。

そこで二番目の課題として、感染拡大が急速に進む状況から考えれば、強化しなければならない点が二つあると考えます。一つは、無症状の感染者をいち早く発見し、接触者追跡を行い、封じ込める対策を行うことです。そのためには保健所の強化が必要ですし、一つの保健所と三つある福祉健康センターでの体制強化が私は必要だというふうに考えます。二つには、なんと言っても医療体制強化が必要だという点では、市立病院の体制強化と共に、市内医療機関に対する財政支援が必要だと考えられます。今後の感染拡大が急速に進むことを予想するならば、本市として今強化しなければならないこの二つの点について、見解を伺いたいと思います。

-山野市長

 前段の部分におきましては、保健師さんの募集もさせていただいているところでありますし、いい方がいらしたらすぐお願いをしているところでもあります。春先、4月のいわゆる第一波といわれているときには、事務職員の派遣をしながら事務的なサポートもさせていただいているところであります。ご指摘のようにその充実というのは大切なことだというふうに思っています。市立病院の件ですけれども、経営支援につきましては適正な地域医療体制を確保するための広域的な観点から、これまでも国や県が主体となり感染防止に向けた医療資器材の配布や設備投資への助成をはじめ、融資の拡充や医療従事者への慰労金の支給などといった対策を講じてきたところであります。引き続き医療機関の現状把握に努めながら、全国市長会を通じて国や県に必要な支援を求めてまいります。

森尾議員

 三番目の課題はGoToトラベルについてです。全国一律の方針は辞めるべきだと考えます。既に感染拡大地域での一時中止が始まっています。GoToイートについては、10都道府県が販売停止を明らかにしています。本市では「五感にごちそう金沢宿泊キャンペーン」の継続と拡大を打ち出し、クーポン券の送付、修学旅行への助成など打ち出しています。感染拡大が始まってからの見直しでは遅すぎると考えます。市長は提案説明の中で、適切な事業実施を述べていますが、適切でないとの判断はどのように考えておられるのでしょうか。見解を伺うとともに、観光業・宿泊業などへの支援として、全ての事業者に対して直接的な財政支援が必要だと考えます。合わせて見解を伺います。

-山野市長

 「五感にごちそう金沢宿泊キャンペーン」はご存じの通り、GoToトラベルと組み合わせてご利用される方が多くいらっしゃいます。国と都道府県知事がその感染状況を見ながら、そして地域経済の様子も見ながら、できるだけ地域を細分化して運用の見直しを行うという方針を掲げているところであります。幸い、金沢市は今その状況にありませんけれども、決して油断することなく対応をし、もしそういう状況になった時にはその方針に準拠することになってくるんだというふうに思っています。また、直接的な財政支援ですけれども、これも先程申し上げましたけれども3月の追加補正であったり、4月・6月・9月の議会におきましても直接的な財政支援を行いながら私はみなさん様々な施策に取り組んで来ているところであると思っています。9月議会の段階から私は局面が変わりつつありますので、ウィズコロナを見据えた施策、バックアップ体制が必要だというなかで、私は「五感にごちそうキャンペーン」の提案をさせていただいたところであります。

森尾議員

 この質問の最後に、新年度予算編成について伺います。コロナウイルス感染拡大を防ぎ、市民の命と暮らし・営業を守ることが最大の課題というふうに考えます。そういう点では、不要不急の課題を見直すことが必要だと考えます。第一は、新しいサッカー場の建設を見送ることです。建設費70億円、関連する施設の移転などを合わせると100億円の規模となります。現在のサッカー施設を利用出来ることから、新しいサッカー場の建設を見送る考えはありませんか。

-山野市長

 サッカー場の整備につきましては、スポーツ施設整備計画に位置付けられて取り組んでいます。また北部地区の防災拠点という役割も担っていきたいというふうに考えています。財源の確保に努め、できる限り予定通り進めていくことができればというふうに考えています。

森尾議員

 先日、市長が金沢経済同友会との話し合いの中で、香林坊の日銀金沢支店の跡地について「取得することも選択肢の一つ」と発言されたと報じられました。そしてその跡地に歌劇座の移転・新築との方向も議論されたとも報じられています。事業に要する費用は、用地の取得費や建設費と併せて、数百億円規模にもなろうかと考えられます。市長の真意を伺います。

-山野市長

 意見交換の中で、日銀、まだ仕事されていますけれども、跡地になった場合のことについてお尋ねになられました。ただご存じの通り、まだ日銀は具体的なスケジュールを発表されているわけではないですし、金沢市に働きかけがあったわけでもありません。ですので、一般論として3つの選択肢があるというふうにお答えをいたしました。1つは民間が取得をして民間の責任で開発をするということ。2つには公が取得をして公が開発をするということ。3つには公が取得をして官民連携で取り組むということ。可能性としてはこの3つが有り得ると申し上げたところであります。ただ繰り返しになりますが、具体的なスケジュールが発表になっているわけではありません。提案があったわけでもありません。しかも以前でしたら土地開発公社がありまして先行取得というのもあったかもしれませんけれども、今は利活用というものを明確にしてから取得をするということでありますので、その作業を全くしておりませんのでそのことも申し上げてきているところであります。

森尾議員

 質問の最後に、本市ガス事業・発電事業譲渡方針について伺います。この10月には、この二つの事業譲渡に向け、業者の募集要項を明らかにしました。最低譲渡価格186億円以上とし、来年3月までには優先交渉権者を決定し、事業譲受会社が設立され、令和4年4月には、事業譲渡するという方針で取り組まれています。そこで、この問題についての議会審議を通じて、二つの調査報告書が明らかとなりました。2018年と2020年の調査報告書です。いずれもPwCアドバイザリー合同会社が委託事業として行ったものです。この中に、ガス事業については「公営事業でなくなることによる会社負担の増加が大きいことから民間譲渡によるガス小売業の収支改善は困難」だとしています。発電事業については「金沢市発電事業は売電単価の見直しにより収益が大きく増加することが明らかとなった」と述べ、「民間譲渡の緊急性は低い」としています。公営企業管理者に伺います。この二つの報告書は、「あり方検討委員会」にも示すことはありませんでした。議会にも報告されませんでした。その理由を明らかにしていただきたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 ご指摘の調査報告書でございますが、小売り全面自由化の進展状況、また他社とのサービス比較、さらに財務分析、不確定要素等を含めた様々な方式による資産なども含めまして調査を行ったものでございます。昨年度開催のあり方検討委員会におきましては、予断を持つことなく議論を進める必要があることから、この調査報告書に記載の事業価値、あるいは経営形態等についての検討資料への引用を控えたところでございます。

森尾議員

 要するに、本市企業局がこの情報を知らせたくなかったので、あり方検討委員会に提出しなかったということです。これは隠蔽です。その一方で、示した資料もあります。2019年8月28日第3回あり方検討会には、『経営形態の比較』という資料について説明がされました。「経営形態を比較検討した結果、市民サービスや経営の柔軟性などの面で、株式会社化が最も望ましい経営形態だと考えられる」という比較検討資料です。これは、譲渡方針にとって都合のいい内容だったんです。一方では都合の悪い情報は隠し、一方では都合の良い情報は提示をする。情報提供を勝手に企業局が取捨選択したものです。これは情報操作です。隠蔽し、情報操作を行って、この二つの事業譲渡方針が作られた。もはや、その信頼性、正当性が失われているんじゃないですか。公営企業管理者、このまま譲渡方針を進めてよいのでしょうか。見解を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 昨年度のあり方検討委員会では、公営企業としての役割が希薄化しているのではないか、あるいはまたもう一つは小売り全面自由化の中で市民にとって有益な経営形態というのは何なのかといった、その二つの視点で1回2回と検討が進められたと。今ご指摘のところでは、3回目でございますけれども、そういったことを踏まえながら市民にとっての最善の良き経営形態とは何なのかといったような視点の中で、それぞれ検討に対象となる経営形態として客観的な資料に基づいてお示しをした。当然その中には公営企業という形態も含めて、ご議論をいただいたところでございます。

森尾議員

 そこで市長に伺います。2018年の調査委託費は1500万円。2020年は770万円です。こうした費用を投入して行った調査報告書です。先程の本会議でのやり取りを聞きますと、2018年の調査委託については2019年度の予算編成の段階で報告を受けたという答弁でした。では、2020年の報告書というのは、2020年2月28日に最終報告がされているんです。これはいつ知りましたか。

-山野市長

 あり方検討委員会を報告した資料ですので、その都度報告を受けているところであります。様々な形で報告を受けております。

森尾議員

 市長、答弁にならないんじゃないですか?もう一度ちょっと明確に言ってほしいと思います。先ほどは、2018年の調査資料については2019年度の予算編成の段階で報告を受けたと言ったんですよ。2020年の資料はそのあとなんですよ。答弁を求めたいと思います。

-山野市長

 逐次報告を受けているところであります。あり方検討委員会で出された資料ですので、その都度報告を受けているところであります。

森尾議員

 答弁にはならない。報告を受けたというのは知っているのとはまた違うんですよね。じゃあ、今の答弁のやり取りからすると、市長、知らなかったんじゃないですか?この資料の中身を。本当に知っているんですか?

-山野市長

 報告を受けた後、資料も手にしながら確認しているところであります。

森尾議員

今年9月24日、市議会の特別委員会が開かれ、高橋前あり方検討委員会の委員長に参考人としてご出席いただきました。その際に私は、この2018年の調査報告書について資料を示し、「ご存ですか」とお聞きしました。高橋前委員長は「知りません」とのことでした。今年11月12日市議会の公営企業決算特別委員会が開かれ、委員会としてこの二つの資料の提供を求め、調査報告書が提出されました。そうしますと、2018年の調査報告書は2019年度の予算編成過程の中で報告を受けたと先程市長は答弁されました。一方、あり方検討委員会はこの報告書を受けていないという。仮に市長は知っていた、あり方検討委員会はこの提案は知らない、市長はそのあとあり方検討委員会に諮問したんでしょう?そして10月にあり方検討委員会から答申を受けたんですよ。この報告書について知っていたというなら、あり方検討会は知らない、そして答申を出された、この二つの事業の譲渡方針というのは、これは問題ではないですか?どう説明するんですか。

-山野市長

 検討委員会では予断を持つことなく議論を進める必要があることから、調査報告書に記載の事業価値や経営形態についての検討資料の引用を控えたということをご理解いただけたらというふうに思います。

森尾議員

 じゃあもうひとつ伺います。2018年の調査報告書の中に、発電事業について「売電価格を現在よりも1.93円上がると純利益が2倍以上になっている」として、「他の公営の入札価格や非化石価値を考慮した場合、金沢市発電事業の事業価値評価が472億円から1098億円」との記載があります。この内容については、市長はご存じでしたか。

-山野市長

 報告を受けておりますし知ってはおります。ただ、その都市や電力会社によって、規模に違いがありますので、単純に金沢市の場合に当てはまるわけではないということも理解しているところであります。

森尾議員

 本市ガス事業発電事業譲渡方針による募集要項では、この二つの事業の最低譲渡価格は、186億円以上としています。調査報告書による、本市の発電事業は将来1000億円以上の事業価値があるということを市長は知っていた。このまま売却を進めて良いのですか。公営事業として存続することが最善の選択ではありませんか。市長、どうでしょう。

-山野市長

 公営事業として存続するためにはやはり地産地消という視点が必要だと私は思っています。1098億円というお話がございましたけれども、今ほど申し上げましたように事業規模であったりこれまでの電力会社の話でありますので、金沢市の場合にそれがそのままあてはまるものではないというふうに理解をしています。

森尾議員

 昨年11月から今年2月にかけて、本市企業局幹部が10社の有力ガス・発電の企業を訪問し、本市ガス事業・発電事業譲渡について、意見交換という名の売り込みを行っていたことが明らかとなりました。しかもそれが、本市ガス事業・発電事業譲渡方針について、調査委託を請け負っていた企業であるPwCアドバイザリ―合同会社からの指示によるもので、訪問先にも同席していたことが明らかとなりました。公営企業管理者に説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 昨年のあり方検討委員会からの答申を踏まえまして、市としての方針を検討していくうえで必要な事業譲渡の公募に対する参加意欲や、応募条件等につきまして、民間譲渡した他都市においても同様に実施されております訪問による調査手法を参考に行ったものでございます。訪問先につきましては経営状況あるいは事業戦略等を踏まえまして、委託業者と協議の上選定したところでございまして、相当数の企業を訪問し、多岐にわたる調査を行う必要があるため同行したものでございます。

森尾議員

 事業譲渡に係る公募への参加意欲、応募要件やスケジュールなどについての意見・要望をお聞きするという目的で訪問したと。いわばこれは事業譲渡に向けたセースルだと。時系列的に考えると、本市企業局幹部が10社の有力ガス・発電の企業訪問を終えたのが今年の2月です。そして3月に譲渡基本方針を打ち出し、7月に譲渡先選定委員会が設置され、10月に募集要項が公表されました。とすると、本市企業局幹部が10社の有力ガス・発電事業の企業の訪問を終えて、参加の意欲とか応募要件とかスケジュールなど様々な意見を聞いてきた。そして、この本市のガス・発電事業を買い取っていただくために、企業の側の意向とか要望を聞いて譲渡への環境を整えて、募集要項に反映したのだということが言えます。本市の二つの事業を廃止して民間に売却するということは、いまだ議会も議決していません。譲渡先の企業も決まっていません。これは、企業局の越権行為ではありませんか。公営企業管理者に見解を求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 昨年度の民間企業に対する訪問調査につきましては、あり方検討委員会からの答申の後に、市としての方針を検討していく過程におきましてパブリックコメントにおける市民からの意見、議会における議論に加えまして、事業譲渡の実現性や応募要件の具体化等に向けて民間企業の意見を聴取するために実施したものでございます。あくまでも調査検討のためのものでございまして、先行事例におきましても同様に実施されているものでございます。ご理解いただきたいと思います。

森尾議員

 市長に伺いたいと思います。情報を隠蔽して、情報操作まですると。そして譲渡方針を打ち出すということが明らかとなってきました。そして譲渡方針を作る過程の前に、10社の有力ガス・発電企業への訪問し意見を聞いてきた。そして募集要項を打ち出すと。こういうことを進められてきたというわけです。このPwCアドバイザリ―合同会社は、今年5月に約2億円で本市とアドバイザリ―業務委託契約を結びました。これはもう、あってはならないことだと思います。見解を伺い、最後にします。

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