金沢市長 山野之義 様
2021年1月28日
金沢市議会議員
森尾嘉昭
広田美代
大桑初枝
玉野 道
熊野盛夫
本市は、2018年2月の記録的な大雪を受け、除雪計画を見直した。公共事業を請け負う建設業者に一時的な中止命令を出し、市内の除雪を優先させる態勢を整えた。また、第2~4次路線を第2次路線に統合し、第2次路線の出動基準を「積雪20㎝以上」から「積雪15㎝以上」に緩和し、より早期に幅広く作業できるようにした。除雪業者も2018年は、127業者であったが、造園や運輸業者に呼びかけた結果、今年度は165業者まで増え、重機、オペレーターも増えたとのこと。
去る1月7日(木)から、暴風雪、降雪があり、午後16時30分に大雪警報が発令された。金沢地方気象台の観測では、1月9日(土)に最深積雪56㎝に達し、1月10日(日)には最深積雪65㎝を観測し、積雪60㎝以上という基準のもと、同日15時半に雪害対策本部を設置した。
市が行う除排雪については、最も早い地域では、第1次路線(概ね積雪10㎝以上)は1月7日(木)から、第2次路線(概ね積雪15㎝以上)は1月7日(木)から、第3次路線(概ね積雪60㎝以上)は1月10日(日)から行われた。
しかし現状は、本市の道路延長(私道含む)のうち、およそ6割が融雪装置もなく、機械除雪も入らない、市民が自力で除排雪を行わなければならない。地域の高齢化、空き家化が進んでいる現状では、除雪が進まず、車が通り凸凹になってスタックする車が続出、ヘルパーやデイサービス、配食の車も往来できないなど、市民の命や生活に支障をきたした。子どもたちが通学する歩道などは手つかずで、点字ブロックも全く見えないところが多くあった。
たとえ、除雪ができたとしても、雪を捨てる場所がなく、溝や用水に捨てるしかなくて道路が冠水した事例もあった。
また、除排雪の委託業者は昼夜問わず業務にあたっていただいたが、1次路線であっても積雪が残る道路も見られるなど、地域からの指摘も相次いだ。
さらに、2018年度から創設された「金沢市地域除排雪活動費補助金」については、町会への周知不足、市道のみが対象のため、公営住宅の通路に適応できない、など課題が多く見られた。そして、業者に依頼しても出払っていて対応が遅れるという状況もあった。
以上の点から、下記を要望する。
記
〇今回、道路除雪計画を見直し、除雪業者も増えたにもかかわらず、第1~3次路線の除雪が遅れたのはなぜか調査し、市民に結果を報告すること。
〇公的な除雪範囲を抜本的に広げ、生活や医療・介護に支障をきたさないよう、市民の生活道路(歩道も含めて)を確保すること。
○上記の裏付けとして、この間縮小されてきた道路等管理事務所の技能職等の拡充や除排雪予算(今年度は2億円)を大幅に増やすこと。※前倒しの特別交付税は、3.5億円
〇排雪場については、市民の身近な街区公園も利用できることを周知すること。
〇雪害対策本部の設置基準が積雪60㎝以上となっているが、大雪警報が出た時点など適切な判断で設置し対応すること。
〇「金沢市地域除排雪活動費補助金」について
・町会等に対し、除雪路線図とあわせて周知を徹底すること。
・補助対象を、市道のみならず、市民の生活道路や公営住宅の通路などについても対象とすること。
・雪害対策本部設置期間が補助対象期間となっているが、積雪60㎝はあくまで金沢地方気
象台(西念)の露場観測であり、山間部などはすでに60㎝を超える状況もあることから、地域の実情にあわせ、設置期間の前後も対象期間とすること。
・上限額30万円/年度では、範囲が広い町会では間に合わないことや排雪費用が見いだせないなど現状にあわないため、上限額を引き上げること。
以上