2021年6月議会 大桑議員一般質問

大桑議員

-大桑議員 

 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下質問いたします。

 最初の質問は、新しい交通システムに関してです。去る5月25日、第1回金沢市新しい交通システム導入検討委員会が開催され、委員による意見交換が行われました。あと2回の検討委員会が行われた後、本市の新しい交通システムに対応するためLRT・BRTのどちらを導入すべきかの提言が行われるとのことです。しかし、新交通システムの導入については、市民の利用が本当にあるのか疑問視する声が多くあります。そして大きな負担を後世に残すことになるのではないかとの声も聴かれています。本市は職住近接のまちから、郊外へとまちづくりが拡大され、大学も大型店の商業施設も郊外に移り、車がないと生活ができないようになってきました。また、高齢者の運転免許の返納なども進み、ふらっとバスのようなコミュニティバスの増設を求める声が高まっています。2年前に我が党が行ったアンケートの中で市内の交通施策に対して特に、コミュニティバスの拡充を求める声が多く出されていました。既存路線については、バスの路線、本数の充実、バス料金の引き下げなど、切実な声が寄せられています。ふらっとバスの運行を全市、各地域に走らせてほしいという要望は、以前から出されていましたが、本市はふらっとバスの運行を広げようとはしませんでした。コミュニティバスや、地域運営のバスに関しても、現在3コースしか実現に至っていません。郊外に住んでいる市民からは、「郊外にいると公共交通が整備されていないので、病院や買い物に行くにも不便でストレスを感じる」との訴えがあります。そこで、本市が導入する交通システムの主たる利用者は誰だと想定して考えているのでしょうか。また、市民のどれくらいの方々が新しい交通システムを導入することに関心を持っているのか、導入後は広く市民に利用してもらえるシステムになると考えているのか、まずお伺いいたします。

-山野市長

 新しい交通システムについて何点かお尋ねがございました。誰のためのものかということであります。少子化・高齢化は避けることができません。自家用車をご利用されない方も増えてくるというふうに思っております。また、環境問題というものもこれから避けて通ることはできません。そういう意味から、公共交通の重要性というものはより一層、全ての市民・国民にとって大切な視点だと思うんです。ここはご理解いただけると思っています。本市は平成28年度に検討委員会からご提言をいただきました。公共交通の利用促進、また新しい交通システムの導入空間の確保、様々な課題の解決に向けた取り組みを進めてきたところでもあります。都市交通ネットワークの再構築によりまして、金沢市民はもちろんのこと近隣のみなさんもご利用される全てのみなさんにとっても大切なシステムだというふうに考えています。

 広く市民に利用してもらえるのか、ということであります。本市公共交通ネットワークの幹の利便性・効率性の向上を図り、市内公共交通ネットワーク全体の持続可能性を確保していくことが大切だというふうに思っています。市民の理解も必要だと私も思っています。必要な取り組みを行い、多くの方にご理解・ご利用いただけるように公共交通ネットワークを充実させてまいります。

 郊外部での対応も必要ではないかということであります。今回の導入検討委員会は、導入機種の方向性を議論するものではありますが、交通が不便な郊外の路線との関係性につきましては次期交通戦略における大切なテーマだというふうに思っています。引き続き丁寧かつ着実に検討していかなければいけないというふうに思っています。

-大桑議員

公共交通とまちづくりを車の両輪とした施策を考えるとしていますが、市民の生活実態を考えるといかに利用しやすいか、そして、市民の要求にこたえた公共交通を整備できるかにあるのではないでしょうか。本市は、平成29年2月に新しい交通システム検討委員会からの提言の中で、導入に向けて様々な環境整備の検討が必要との課題の指摘を受けました。それから4年から5年が経ったものの、課題を解決するための積極的な施策も見えません。そこで具体的にお伺いいたします。金沢市新しい交通システム導入検討委員会の議論のなかでは、金沢港から有松までの8.9キロメートルに導入する計画ですが、整備事業費はBRTの場合、路そく走行方式で1キロメートルあたり10億円程度、中央走行方式で1キロメートルあたり20億円程度を見込み、LRTならば1キロメートルあたり60億円程度を想定しているということです。単純に距離をかけると、BRTなら89億円~178億円、LRTなら534億円になります。このうち、国からの補助が二分の一あるというものの、本市が負担する金額はBRTら45億円~約90億円、LRTなら約270億円となります。しかし、これには金沢駅東西接続のための費用や車両基地、維持管理費などは入っておらず、それも加えると莫大な予算が必要となってきます。そして、これはあくまでも試算でしかなく、事業費がさらに膨れ上がることも懸念されます。2023年に開業予定の宇都宮市のLRTの場合、総事業費は当初412億円を見込んでいたものの、実際には1.5倍、603億円になったとのことです。このような財政的な問題を、市長はどのようにお考えですか。

-山野市長

宇都宮市のLRTの事例を出されました。社会情勢の変化や安全性・利便性の向上を高めたいということで変わったというふうにお聞きをしているところであります。今回の金沢市の検討委員会では、導入の方向性を示すために有識者を交えての議論を行っているものあり、より具体的な事業内容につきましては今後段階を踏んでさらに検討を重ねていくことになります。

-大桑議員

私は、現在のコロナ禍において優先すべきは市民の生活だと考えます。ワクチン接種が進んでいるとはいえ、新型コロナウイルスがまん延する以前の社会に戻るには数年かかるともいわれています。コロナ禍で倒産・廃業する事業所や職を失われた方々、収入が大幅に落ち込んだ方々などへの補償をまず優先すべきでありませんか。そして今後、少子高齢化を迎えるにあたって、その対策が最も重要ではないでしょうか。大型開発となる新交通システムの導入は慎重にすべきかと考えますが、市長の見解を伺います。

-山野市長

 まずはコロナ対策が必要ではないかということであります。もちろんコロナ対策も大切なことでありますし、これまでも議会のみなさんと議論をさせていただきながら様々な施策に取り組んできました。一方では、これからのまちの将来を見据えた様々な施策も必要だというふうに思っています。この公共交通の充実ということも、活力と賑わいをもたらす都市の装置として大切であるというふうに考えています。今ほど申し上げました、人口減少・高齢化社会、環境対応のまちづくり、持続可能なまちづくり、そういう視点から必要な投資であるというふうに考えています。

-大桑議員

 さらに交通事情に与える影響です。新しい交通システムの導入目的の一つに、現況の交通量を軽減するためとあります。しかし、LRTや中央走行方式BRTとなれば、専用路を確保するために車線を減らさなければならず、かえって交通渋滞を招くのではないでしょうか。2017年答申が出たとき谷本知事は、まちなかの国道157号線は現状4車線で1日3万2千台の交通量があるとし、新システムの軌道として2車線を確保した場合、残る2車線で処理できる交通量の目安は一万2千台だとしています。2万台を減らす手法が問われるとしました。本市は4%の自動車交通削減での試算を示し、これだけの削減で交通状況を維持できるとしていますが、この点について、見解をお示しください。

-山野市長

 都心軸の交通量のことについてお尋ねがございました。本市が行いました交通シミュレーションの結果では、まちなかの自動車分担率を4%削減できれば専用走行空間を確保しても都心軸や並行する幹線道路の混雑度は現状と同程度とされています。まちなかの自動車分担率は徐々に減少をしているところであります。AIなどの新技術を活用した『金沢MaaS』も推進をしながら、またパーク・アンド・ライドの利用拡大も訴えていかなければいけないというふうに思っています。公共交通の利便性向上により自動車の流入抑制に努めていくことがどういう形であろうが大切なことだというふうに思っています。

-大桑議員

 次に需要・収支予測について、お聞きします。LRT導入なら1日に3万~3万8千人が利用して、収支は3億9千万~6億7千万円の黒字、BRTなら1日に2万5千人から3万1千人が利用して4億6千万円から7億円の黒字が見込めるとしていますが、この数値の根拠はどこにあるのでしょうか。お伺いいたします。前にも紹介した宇都宮市のLRTの需要予測は1日1万6千人です。人口は本市が約46万人、宇都宮市は約52万人で、かつ宇都宮市のLRTのルートには中心部だけでなく、工業団地、学校施設が含まれています。それでも現地においては、需要見込みは過剰ではないかとの指摘もあがっていると聞いています。一方で本市のルートは中心部のみです。金沢港クルーズ船の入港以外はどれだけの市民の利用があるのか疑問視する声が以前から出ています。このことから、1日に2万5千人以上の利用者があるとは思えません。もし仮に、利用者のほとんどを国内外からの観光客と見込んでいるのであれば、それは質問の冒頭で述べた誰のための公共交通かが問われます。改めて市長の見解を伺うものです。

-山野市長

 観光客の利用を見込んでいるとするならば本末転倒ではないかということでした。需要予測につきましては、実際のバスの利用者数をもとに将来の人口減少も見据えて見積もった数字であり、現実に即したものであります。新しい交通システムの導入検討に当たりましては、何よりもまずは市民の移動というものを第一義的に考えています。もちろん、来街者の方々も含めた利用者の利便性の向上も大切でありますし、効率的な運行の確保を通じ、本市における公共交通ネットワークの再構築に取り組んでまいります。

-鳥倉都市政策局長

 新しい交通システムにつきまして、市が試算をいたしました需要・収支予測についての根拠についてお答えを申し上げます。収支試算の基礎となります将来の想定需要につきましては、北陸鉄道より提供されました既存バス利用者数のデータをもとに、国立社会保障・人口問題研究所の示すより厳しい人口推計を踏まえ、算定をいたしております。その上で国の財政的な支援措置を活用することを前提に、まずは初期投資を除いた事業者の運行に関する収支予測をお示ししたものでございます。以上です。

-大桑議員

 新しい交通システムの導入よりも、市民が望んでいるのは、郊外やバスの便数が少ない地域に対して、気軽に利用できるコミュニティバスや、乗り合いタクシーなどを導入するなど、本市の財政基盤に即し、かつ市民からの要望に応じた公共交通の整備検討を目指すべきと考えますが見解をお伺いいたします。

公共交通の整備にあたっては、フィーダーバス運行も検討されるとの事でありますが、フィーダーバスとはどういうものなのでしょうか、お伺いいたします。そして、どのように利用するのかもお伺いいたします。このフィーダーバスが、市民が求めるコミュニティバスというイメージなのであっても、都心軸に新交通が整備されないと実現できないというのであれば、市民の求めることではありません。早急に、生活圏域を大切にした、市民の日々の足となる公共交通を考えてほしいと思います。

-山野市長

コミュニティバス・乗り合いバスが大切ではないか。また郊外部におけるフィーダー交通、フィーダーバスのことについてもお尋ねがございました。本市における公共交通ネットワークは、第二次金沢交通戦略に基づき、大きく分けて「まちなかやまちなかと郊外を繋ぐ公共交通重要路線」と「郊外における支線を意味するフィーダー交通」により構成していくとの方向性をお示ししているところでもあります。事例といたしましては地域住民が主体となる地域運営交通、デマンド交通ともよく言われているところでありますけれども、そういうものなどが挙げられるところであります。本市も郊外における移動手段の確保は大切であると思っています。地域運営交通につきましては大浦・川北、内川、藥師谷の3地区での運行を支援し、住民負担の軽減を図りながら、さらなる運行地区の拡大を目指していきたいと考えています。

-大桑議員

また、住民合意を図ることが前提になります。市民合意の形成についてどのように進めようとされているのか。多額の事業費を要する交通システムの計画を市民に知らせる必要があると思いますがどのようにお考えなのかお伺いいたします。あと2回の検討委員会で市民の合意なく機種を決定するというのは行うべきではありません。市長の姿勢をお伺いして、次の質問に移ります。

-山野市長 

 もっとしっかりと議論をすべきだというご提案でございました。導入検討委員会では有識者等のみなさまより専門的な観点からのご提案・ご提言をいただくべく議論をいただいているところであります。この委員会での議論の状況も踏まえ、市民のみなさんの理解を深めることが大切であるというふうに思っています。その方法やあり方についても検討を重ねなければならないというふうに思っています。

-大桑議員

 新型コロナウイルス感染が広がっています。石川県内に適用されていたまん延防止等重点措置は13日までで解除されました。本市の感染状況は、いまだに収まっていません。この間、県は飲食店に時短要請を出し、金沢市のみ時短要請を午後8時までとした所です。5月16日に政府のまん延防止等重点措置の適用が始まり、対応した事業所に、協力金を支出するとしています。 休業要請にこたえた事業所への補償は当然のことであり、重要なものです。また、協力を求めるのが6月13日までとしていますが、今後もまだまだ感染は続くと思われます。コロナ禍で大きな打撃を受けたのは飲食店だけではありません。クリーニング屋さんは、「皆さんが外出をしなくなったので、洋服などの洗濯物が減った」と言い「4月から特に仕事が落ち込み、本来ならば今の時期は夜遅くまで仕事をしているはずだが、午後3時ぐらいには仕事がなくなっている。これでは生活がやっていけない」といいます。飲食店を含めた他の業種についても、継続的な支援を求めますがいかがでしょうか。

 また、商店街で店を構えている骨董屋さんは「冷やかしに店によってくれる人もいない。一日の売り上げが2500円だった。これでは家賃も払えん」と嘆いていらっしゃいます。家賃を払わなければならない所はどの業種も本当に大変です。今後も事業を継続していただくためにも、全業種の実態調査を行い、要望を聴くなどして支援策を考えてほしいと思いますがいかがでしょうか。

 収入減少に伴う事業所の支援に、国の月次支援があります。いろんな業種が適用となります。この支援策に、県も上乗せで支援しているとのことですが、この月次支援の申請方法が難解です。事業者に対して国・県・市の支援策の相談や申請の仕方をサポートする相談窓口を設けるよう求めますがいかがでしょうか。

-山野市長

 コロナ禍における事業者支援について何点かお尋ねがございました。今回だけではなく継続的な支援が必要ではないかということです。これまでも昨年の3月の議会から本会定例議会はもちろんのこと何度かの緊急議会・臨時議会を通して継続的な支援を行ってきました。今年に入ってからも同様であります。特につい1週間、10日前ですけれども5月の補正予算におきましてお認めをいただきました、市独自の支援金の支給、商店街が実施するプレミアム付き商品券の発行など、すでにその予算の可決を受けて動いていただいている商店街のみなさんもあるところでもあります。そのサポートも引き続きしていかなければいけないと思っています。

 関連事業者のことについてもお触れでございました。国においては月次支援金制度を創設されました。本市に相談があった場合はその制度のご紹介もさせていただいているところであります。そして本市は常に県の当局と連携を取りながら進めているところであります。県の6月補正予算案につきましては、国助成金に上乗せをする新たな支援制度を関連事業者向けにも提示されたところでもあります。今ほど申し上げましたように市の施策、県の施策、国の施策、連携を図りながらコロナ禍における経済対策に全力で取り組んでまいります。地域のみなさんの声を聞きながら、議会のみなさんの声を聞きながら、必要に応じてできる限り迅速に対応していきたいというふうに思っています。

 もっともっと声を聞いていくべきではないかということであります。窓口も設けているところであります。こまめに議会を開催しておりますのは、市民の代表である議会のみなさんからも様々な提案をいただきたい、そんな思いからでありまして、引き続き意見交換を重ねていきたいというふうに思っています。そのことがご提案いただきました実態調査よりもより迅速な形で対応できるものというふうに理解をしています。

-山田経済局長

 コロナ禍での事業者の相談窓口についてお答えいたします。本市では昨年の4月末、新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受けまして第一本庁舎の2階に金融相談員等を配置しました緊急経済対策総合窓口を開設し、中小企業等からの融資や助成に関わる問い合わせや相談に対応をいたしました。昨年8月からは、コロナ禍において厳しい環境にある中小企業等の経営強化や企業支援等に関する相談にも対応するため、本庁舎の5階に新たに中小企業活性化推進員を配置いたしました中小企業・小規模事業者総合応援窓口を開設し、事業者の相談等に対応をしているところでございます。これらの窓口では必要に応じ市職員が対応する体制をとっており、本市の支援策のみならず国・県の支援制度にかかる問い合わせにも丁寧に対応をしているところでございます。

-大桑議員

 この間中小業者への融資制度は広くつくられていますが、事業者からの切実な声は「融資ではなく給付の支援がほしい」というものです。中小業者が営業を継続していける様、国の持続化給付金の再支給を、国に求めることが必要と考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

-山野市長

 持続化給付金の再交付を国に求めるべきではないかということでありました。第4波ともいわれる今回の状態でありますけれども、すでに新聞・テレビ等々でもご存じかと思いますけれども、これまでと違って、いやこれまで以上に地域によって、また産業によって大きな差異が出てきているところであります。国の一律の持続化給付金というよりも、むしろ地域の実情に応じた即効性のある対策、私はこちらの方が必要ではないかというふうに思っています。まん防を指定された都市とも連携しながら、引き続き財政支援措置を国に求めていきたいというふうに思っています。

-大桑議員

次に、高齢者の生活の実態をどう支援するのかお伺いいたします。

 コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛などで「外に出歩かないようにしている」高齢者の方が多くいらっしゃいます。天気の良い日にグランドゴルフなど楽しんでいる姿や、外のベンチに座って会話を楽しむ姿を見なくなりました。こうした状況が続けば、高齢者は不安感だけが強まってしまう心配があります。特に一人暮らしの高齢の方の生活が気にかかります。内閣府が行った「高齢者が普段の生活で楽しいとしている活動は何か」との調査では、仲間と集まりおしゃべりすること、同じ趣味の人と交際することなどが上位を占める結果が出ています。しかしコロナ禍で、デイサービスを一年以上お休みしている人がいらっしゃるそうです。配食サービスの声掛けの安否確認も配慮しているとの声もお聞きしています。地域の行事もなくなり、外出や対話をする機会も少なくなった今、「高齢の方が精神的に落ち込んでいないか心配している」と支援センターの方が言っておられました。地域包括支援センターでは、特に気がかりな高齢者の方には、自宅への訪問や介護予防チラシなどの投函、などで安否確認に心がけていると言います。民生委員も、見守りが必要な方への声がけを心がけてはいますが、コロナ禍で感染防止の観点から見守り活動はめっきり減ったと言います。そこで、高齢者が孤立化する恐れが高まっていると思いますが、これまで高齢者の見守りについてどのような取り組みを行ってきているのか、お伺いいたします。

-山野市長

 高齢者の見守りについてお尋ねがございました。これもコロナ禍にありましても配食サービスや一人暮らしの高齢者緊急通報システムの運用などを行ってきました。民生委員のみなさんのお力もお借りしております。まちぐるみ福祉活動推進員のみなさんもこまめな見守りを行ってきているところでもあります。引き続き連携をとっていきたいというふうに思っています。

-大桑議員

 まん延防止等重点措置の解除後の地域の支えあい活動、地域サロンなどの再開の考えをお尋ねいたします。今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、地域での活動も休止になっています。地域有志のボランティアの方が月一回開催している食事会や毎週開かれていたランチなど楽しみにしていた活動でした。コロナで地域活動そのものが機能しなくなってしまう事態になりました。誰もが生活に不安を感じている中で、地域の共助や、ボランティアに頼るところが大きかった高齢者支援ですが、改めて問われています。本市が主体的に高齢者福祉を進めることが何よりも必要ではないでしょうか。本市の高齢者数は総人口の27%になっています。地域や施設など地域のボランティアが担ってきた定期的な食事会などの高齢者の孤立化を防ぐ取り組みについて、今後本市も積極的に協力してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

-山野市長

 地域サロンはなかなかこの状態の中では開催が難しいとお聞きをしています。本市では社会福祉協議会と協力しまして、感染防止に配慮した地域サロン開催ポイントというマニュアルを策定をし、これまでも取り組んできました。ただ地域の実情によって様々でありますので、工夫を凝らして地域サロンの運営に取り組んでいただけるよう、市としても支援を重ねていきたいというふうに思っています。

 多くの市民団体のみなさんが、本市が出しております福祉ボランティア活動交付金を活用しながら活動を行ってきていただいているところでもあります。その地域の様々な事情もありますので、地域に精通された多くの方たちの実践も尊重しながら、引き続き求められるならば可能な限りの支援に取り組んでいかなければならないというふうに思っています。

-大桑議員

 孤立化とあわせて懸念されるのが、生活の困窮です。ある75 歳パートのかたは「年金だけでは生活ができないので、この年まで働いている。」マクロ経済スライドによって 年金は減らされ、コロナ禍で収入も減っています。そのうえ病気もあり、少ない年金から医療費の負担が大きくなっています。そういうなかで国は75歳以上の医療費窓口負担について、単身世帯の場合年収200万 円以上、複数世帯の場合 320 万円以上の約 370 万人を1割から2割に引き上げる「高齢者医療費2倍化法」が成立しました。2022 年度後半にも実施しようとしています。75歳以上の窓口負担は現在原則1割です。今でも窓口負担は、通院の頻度が高い高齢者におもくのしかかっています。2倍化されれば大打撃は必至です。治療が長期にわたる糖尿病患者などの受診率が抑え込まれ病状が悪化し入院に至ったケースも少なくないとされています。「若い世代の為」という言い分も成り立ちません。今回の改悪で軽減される労働者1人当たりの保険料は月平均わずか33円と計算されています。コロナ禍の中で、重症化しやすい高齢者は感染してはならない、感染を防止しなければと生活をしています。そういう中で追い打ちをかける様に医療費の2倍化、市長はどう思われますか、お伺いいたします。そして「高齢者医療費2倍化法」はコロナ禍でやる施策ではなく、撤回すべきと国に対してきっぱり言うべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いをして私の質問といたします。

-山野市長   高齢者医療費窓口2倍のことについてお尋ねがございました。持続可能な制度にしていかなければならないという国の考えは、私は理解できるものであります。国の方でも慎重に議論をし、苦渋の決断の中で、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を継続的に次の世代にも引き継いでいくためにご判断をされたと、私は一定の役割を果たすものだというふうに理解をしています。来年の10月以降が施行だと聞いております。当面は負担増を抑える経過措置も導入されますことから、国に撤回を求めることは考えてはおりません。

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