私は日本共産党市議員団を代表して上程されました議会議案第3号子ども政策の充実を求める意見書について、反対です。その主な理由を述べます。18日に閣議決定された「骨太の方針」は、菅首相が創設に意欲を見せる、子ども庁を念頭に、子ども政策の司令塔となる、新たな組織について早急に検討に着手するよう盛り込みました
今、子どもたちはさまざまな悩みを抱え、傷つき、戸惑いながらも懸命に毎日を過ごしています。子どもの思いを受け止め、一緒に考え、希望ある未来をつくっていく姿勢が、おとなに、そして何より政治に問われます。
国連・子どもの権利委員会の声明は、コロナ禍の緊急事態や都市封鎖などを宣言した国で、多くの子どもが身体的、情緒的、心理的に重大な影響を受けていることを警告し、各国に子どもの権利を尊重・保護する措置を求めています。子どもの命や権利を守ることを政治の中心に位置付けることは極めて重要です。 しかし、にわかに浮上した子ども庁の議論は、子どもにとって真に有益で実効性のある施策になるのかは大きな疑問です。そもそも、子どもをめぐる政策が大きく立ち遅れているのは、歴代自民党政権が、解決を求める国民の切実な願いに背を向けてきたからです。その姿勢に根本的な反省を示さず、新たな省庁設置議論は、どんな期待ができるのか、肝心の政策の中身はどうか、そもそも新組織をつくるべきなのかが問われています。子どもが本当に大切にされる社会の実現につながりません
子どもをめぐる大きな困難の大本にあるのは、自民党政権のもとで拡大した政治と社会のゆがみです。保育所に入れない子どもが後をたたない待機児問題を深刻化させたのは、歴代政権が公立をはじめ認可保育所の大増設を拒んできたためです。少子化が打開できない事態が続くのも、子どもを産み育てることが過酷な社会のしくみが変わらないからです。
安心して子育てできる雇用のルールづくりが急がれるのに、政府がやってきたのは、長時間労働や非正規雇用を拡大させる労働法制の改悪です。児童虐待についても児童相談所の抜本的な体制強化を図ってこなかったことが問題になっています。子どもの貧困でも、子どもの多い世帯ほど打撃が大きい生活保護改悪を強行するなど、逆行した政策を進めてきました。 これらの問題は、「縦割り行政」の弊害のせいではありません。大企業のもうけを最優先にして、子どもや子育て政策の拡充に必要な予算を確保してこなかった政治の姿勢こそ厳しく問われます。そのことに無反省のまま、新たに省庁設立「こども庁」を持ち出しても期待は持てません。今一度子供を中心に据えた議論を、起こすことが必要だと訴えて反対の討論といたします。