2022年1月緊急議会の質疑&答弁 

1月緊急議会質疑中 広田みよ議員(2022年1月13日)

-広田議員

 発言の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下質疑いたします。

新型コロナ感染対策について

 全国的に新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株による感染が急速に広がり、第6波の到来だと言われています。石川県でもオミクロンの市中感染とみられる事例が発生し、感染者数・経路不明者数が増え続けています。これ以上の感染拡大を防ぎ、市民の命と暮らしを守ることが必要です。具体的には、①3回目のワクチン接種の迅速な実行 ②本市でも無料PCR検査を実施する ③定期検査を医療機関、高齢者・障害者通所施設、保育園、学校に広げる ④保健所のさらなる体制強化 ⑤感染者は入院か宿泊療養を原則とし、医療機関の支援を強化し、宿泊療養施設を確保する ⑥影響を受ける市民・事業者への保障 が必要です。その視点に立ち質疑いたします。

 まずは、今回の補正予算案で提案された感染防止対策は、どのような意図で編成されたのか、また現在の第6波ともいえる状況に対応できるとお考えか、明らかにしてください。

-山野市長

 今回お諮りしています感染症拡大防止にかかる予算は、第5波までにおける課題に対応するため、医療機関・社会福祉施設でのクラスターの発生予防、感染者の増加に伴う電話相談や検査への対応、さらに市民の身近な感染予防について対策を強化することを目的としているところであります。現在感染者が増加傾向にあります。これらの対策を迅速に行うことによって、今ご指摘がありました第6波への対応になんとしてもしていきたいというふうに考えています。

検査について

-広田議員

 その中に、療養型病院等従事者の定期検査費用が計上されています。まずはその目的を明らかにしてください。すでに起きているクラスターの事例から、リスクの高い高齢者がいる病院等を対象にしていますが、他の福祉施設もそれぞれにリスクを抱えています。わが党は従来から、早期の検査が重要であることを申し上げてきました。他の医療・福祉施設への拡大の必要性について伺います。

 また、県が行っている無症状で行えるPCR検査等についても、重要な取り組みですが、唾液キットが不足しており、受けられない薬局が増えています。保健所を持つ自治体として、市民の身近な場所でキットによらない無料のPCR検査を行えないのか、見解を求めます。

-山野市長

 昨年秋から比較的落ち着いた状態が続きました。ただそんな中でありましても、複数の療養型病院においてクラスターが発生しましたことから、感染拡大の未然防止に向け、感染者を早期に発見するための対象者を拡大したPCR検査を実施することとしました。これまでもまん延防止等重点措置地域の指定、クラスターの発生状況等に応じて必要な定期的検査を実施をしてきました。今回は療養型病院での定期的な検査を確実に実施することとしておりまして、対象施設の拡大についてまでは考えてはおりません。

 また無料PCR検査ですけれども、県において実施をされているところでありますので、市として独自に実施するところまでは考えてはおりません。

住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業について

-広田議員

 次に、補正予算に計上された市民生活・福祉への施策について伺います。国の事業である住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業費が計上されました。経済的に困っている方への支援は必要です。しかし国会論戦では、非課税世帯というハードル自体がかなり厳しく、非正規で収入が減り困っている方にも届かないと言われてきました。しかも事務作業がかなり多く、3月頃から順次支給開始と聞いておりますが、少しでも早く必要な方に届くことが求められています。

まずはプッシュ型と申請型がありますが、それぞれのスケジュールを明らかにしてください。

3月支給開始とのことですが、準備が整った世帯から少しでも早く支給できないのか伺います。

業務負担を減らすためにも、口座情報がわかっている方への確認作業が必要なのか、これも明らかにしてください。

 そして最後に、対象範囲について広げるよう国に求めるつもりはないか伺います。

-山野市長

 プッシュ型と申請型ですけれども、プッシュ型給付の非課税世帯については、支給を受ける意思を確認する必要があるとされておりますので、課税状況を把握できた方に対しまして2月中旬から順次確認書を発送をし、3月上旬から支給を開始したいと考えています。申請型ですけれども、家計急変世帯の受付開始時期、これは申請型になりますけれども、非課税世帯への支給開始後を予定しており、給付の開始は3月中旬以降になると思われます。

少しでも早くできないかということであります。対象世帯や課税の状況を把握するとともに、確認書の送付、その返送を待つ必要もあり、支給まで一定の期間がかかることをご理解をいただきたいと思います。ただ少しでも早くという思いは私も同じでありますので、早急に準備を進め、少しでも早くに支給できるように努めていきたいと考えています。

 給付金の対象拡大を国に求めてはどうかということでした。市としましては国に対し支給対象拡大までを求めることは今のところは考えておりませんけれども、給付の対象となる方に確実に支給が行われるように、まずはそのことに全力を傾けてまいりたいと考えています。

-高柳福祉健康局長

 口座情報を把握している方には確認書の送付が必要なのかというお尋ねでございますが、支給に当たりましては国の通知に基づきまして口座情報に加え支給を受ける意思のほか、課税者の扶養となっていないことも確認する必要がありまして、確認書を送付するものでございます。

多子世帯等子育て臨時特別給付金事業について

-広田議員

 多子世帯等子育て臨時特別給付金事業費についてです。これはすでに行われている子育て臨時特別給付金の対象拡大に対応する予算案です。まずは、本体の事業がクーポンでもなく5万円ずつでもなく年内に10万円現金で一括支給されたことは、市民からも大変喜ばれています。お給料が減り、光熱費や家賃が払えなかったところに10万円入ったので、無事に年を越せたし子供たちの入学準備もできるなど、私のところにもお声が寄せられています。

今回、9月以降に離婚をしたひとり親世帯なども対象にされるということですが、離婚は成立していなくても調停中であるとかDVでお子さんを連れて元の世帯を出られている場合などについてはどうなるのか、明らかにしてください。

-山野市長

 国の給付金が支給される以前から離婚調停・DVの状態にある場合は、裁判所が発行する離婚調停の証明書や保護命令等により確認でき、児童手当の切り替えの要件を満たしていれば、離婚が成立していない場合であっても当該給付金の対象となります。

福祉暖房費助成について

-広田議員

 原油価格高騰に伴う福祉暖房費助成についてです。原油の価格が高騰し、市民の暮らしを圧迫しています。今回、市民のみなさまからのお声が届き、予算化されました。

しかし対象世帯については、要介護認定を受けている世帯・重度障害者世帯・児童扶養手当受給世帯の各一部としています。対象要件の詳細を明らかにしてください。

また、コロナ禍では原油価格高騰が多くの世帯に影響をしています。介護や障害の度合い、非課税要件などを設けることなく、広く支給する必要性について伺います。

また、支給時期を明らかにしてください。

-山野市長

 本助成金は、原油価格の高騰を受け、生活困窮世帯の灯油購入費の補助を目的としたものであり、支給対象世帯の全てに支給することまでは考えてはいません。

支給時期ですけれども、生活保護や児童扶養手当を受給している対象世帯については、支給を受ける意向や振込口座の確認を行ったうえで、2月上旬に支給をしたいと考えています。支給の対象となる高齢者、重度障害者のいる世帯につきましては、申請を受け付け審査を行い、2月中旬から順次支給をすることとしています。

-高柳福祉健康局長

 支給の対象要件についてでございます。本助成金は生活保護受給世帯、要介護3ないし5の認定を受けている高齢者のいる世帯、身体障害者手帳1級と2級など重度障害者のいる世帯、または児童扶養手当受給世帯であって世帯員のすべてが市民税非課税である世帯を対象としております。ただし居宅での灯油購入費の補助という性格から、支給の対象としている高齢者や重度障害者の方が施設に入所している場合や長期入院をしている場合については、支給しないこととしております。

保育士等処遇改善事業について

-広田議員

 保育士等処遇改善費についてです。政府は介護・保育・児童クラブ(学童保育)などで働く人々の賃金を収入の3%程度の月9000円、コロナ医療に関わる看護師の賃金を月4000円引き上げるとしました。日本は医療・介護・保育などケア労働者が賃金など労働条件が極めて劣悪であり、それを政府自身が認めたものですが、9000円では一桁足りないということもすでに指摘されています。よって、さらなる引き上げは必要ですし、今回の予算化分である月9000円は、確実に労働者に行き渡ることを求めます。

しかしながらすでに、今回の一人当たりの賃上げ額が政府の言う9000円に満たない可能性が明らかとなっています。内閣府の説明では、保育所や学童保育での補助額は公定価格上の配置基準を元に算定しますが、実際の賃金改善は市や施設が独自に加配している職員も含め、施設の判断で柔軟な配分が可能としているのです。したがって、国からの原資のみで対応した場合は、実際の賃金改善は月9000円を下回ると考えられますが、本市の見解を伺います。

そして、本市や施設独自で配置している方も含めた実人数と、国基準での配置人数との差はどれくらいあるのか、保育園・学童保育でそれぞれ明らかにしてください。

柔軟な配分と示されても、現場側は大変苦悩をしています。そしてそもそも、政府が9000円の賃上げを行うと言った以上、実人数に応じた補助制度にする必要性があるのではないか、このことについて伺います。

さらに、この補助が職員全てに行き渡っているかどうかはどのように確認するのか、明らかにしてください。

また今回の本市予算案は、民間分だけと聞いています。公立保育所などに勤める職員については、今後どうなるのか明らかにしてください。

-山野市長

 補助額は公定価格上の配置基準に基づいて算定をしています。算定対象外の職員にも一定の処遇改善を行うことができるように、施設で柔軟に配分することを可能としていることから、各施設の判断で改善額に若干差異が生じるということはご理解をいただければというふうに思っています。

全ての職員に9000円の支給をすべきではないか、実人数での補助制度とすべきではないかというご提案もいただきました。民間保育所に勤める保育士の雇用形態につきましては、勤務時間も含め多様であるというふうに考えますと、全職員に一律9000円を支給することは必ずしも適切なものではないのではないかというふうにも考えられます。施設の判断で実情に応じた十分な配分を行っていただければと考えています。

公立保育所等に働く職員についてのことでお尋ねでした。今回は民間の保育士さんですけれども、国からは公務現場で働く保育士についても適切な対応が求められていますことから、対象職員の処遇について現在検討をしているところであります。

-藤木こども未来局長

 今回の補助制度の対象職員数と市単独補助などで補助対象とならない職員の状況についてのお尋ねでございますが、まず保育士につきましては今回の公定価格上の算定対象職員数は2936人でございます。なお、令和3年11月時点の民間保育所の職員数ですが、常勤換算で3100人でございます。その差は164人となっております。

次に放課後児童クラブの職員につきましては、国基準では222人、市の基準では286人でございまして、その差は64人となります。

続きまして職員への支給実態につきましてですが、事業終了後に賃金規定、それから賃金台帳等の関係書類の提出を求めることにしておりますので、その確認をもって行うこととしております。

(追加質問)

-広田議員

 市長、まず保育士の処遇改善についてですけれども、昨年12月6日、岸田首相の所信表明演説、「人への分配はコストではなく未来への投資」ということで介護・保育・幼児教育の現場で働く方について、今年2月から3%、年間11万円、つまり月9000円程度給与を引き上げますと明言し、各現場では一桁違うけれども9000円でもしっかりもらいたいという声が高まっています。ですが先ほど市長は、短時間の方には(聞き間違い、「勤務時間が多様」)という言い方をしましたが、常勤換算してもその差が国との配置基準と現場の実態との差は、保育士で164名、学童保育では64名いらっしゃるということになります。これを経営者が柔軟な配分をしたら、(フルタイムの方でも)9000円を下回ることは当たり前だということがすでに言われ、懸念がされているわけです。ただ、今言いましたけれども現場のみなさんは9000円上がると理解をしております。本市がいろんな補正予算、国の経済対策に呼応するのであれば、本市の保育園の加配分、せめてそれについては本市が責任を取るべきではありませんか。いかがでしょうか。

-山野市長

 繰り返しの答弁になりますけれども、雇用形態についても勤務時間についても多様でありますので、その施設の方で適切に対応していただきたいというふうに思っています。まずはこの予算を確実に執行することによってさらに進めていきたいというふうに思います。現場の意見もいろいろお聞きをしながら、できることから取り組んでまいりたいと考えています。

-広田議員

 いろんな勤務形態があるけれども、先ほどの差は常勤換算での差なんです。なので常勤の人にだって9000円こないから、大変だという話を今しています。なので、国の配置基準ではなくせめて市の配置基準については上乗せする、保育園独自の配置にだってこれから支援していくってことが、国もそうですし本市の責任ではないかということを私は求めています。

 もう一つ、五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンですけれども、先ほど市長は県と連携するとおっしゃっていますが、石川県は県民旅行割の岐阜県への拡大、これを1月7日に急遽見直したんです、止めたんです。このことと連携した結果が、今回の五感にごちそうの全国拡大ということでよろしいでしょうか。

-山野市長

 全国に拡大したのは1月1日からであります。比較的落ち着いていました秋から年末にかけての時期に1月1日から拡大ということを決めさせていただきました。もちろん、国・県の状況も勘案をしながらということはこれまでの本会議でも述べてきているところでありまして、またまん延防止の適用になりました地域は新規予約を止めているところでもあります。引き続き、国・県の動向を注視をしながら、適時適切な対応をしたいと考えています。

-森尾議員

 市長に改めて伺いたいと思うのですが、子ども一人への10万円給付、国が打ち出したものを実行しました。今回市単で、臨時特別給付金を支給するとして、多子世帯等の場合、金沢市が単独で臨時特別給付金を支給すると打ち出しました。一方、今広田議員が指摘したように、保育士さんについては金沢市が単独で支援し定数改善している中で、配置されている保育士さんについて、なぜ市単での補正予算を組まなかったんですか。

-山野市長

 まずは、この制度の確実な執行をしていきたい、そのことが大切だというふうに認識して、今回議案の提出をしました。

五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンについて

-広田議員

 五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンについてです。事業費8億5千万円が計上され、対象地域を全国に広げるとしています。しかし市長は急遽、コロナの急速な感染拡大から、まん延防止地域からの新規予約を一時停止するとしました。一方政府は、1月下旬のGo To事業の開始を見送っており、石川県も県民旅行割を11日から岐阜県にも拡大する予定でしたが、急遽見送りました。国も県も対応する中、本市だけが全国に拡大するのは感染対策上の矛盾です。

一旦中止とする必要性について伺います。そしてその予算分を、影響を受ける事業者への直接支援に切り替えるべきではないか、その見解を伺います。

-山野市長

 五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンのことについてお尋ねがございました。これまでもいしかわ新型コロナ対策認証制度の認証取得を宿泊事業者の参加要件とし、ワクチン・検査パッケージを活用するなど感染防止対策をできる限り徹底して事業を行ってきました。また今回、全国的に感染が拡大していることもあり、今般、まん延防止等重点措置の適用地域からの新規予約も停止いたしました。引き続き全国の感染状況を注意深く見守っていきながら、国・県の動向も注視をしながら、適切な対応をしていきたいというふうに思っています。これまでも感染拡大時における休業要請等に対する事業者への支援につきましては、県と連携をしながら行ってきているところでありまして、今後の感染状況をみながら適切に判断していきたいというふうに考えています。

市民サッカー場建設について

-広田議員

 最後に、城北市民運動公園整備における市民サッカー場建設予算について伺います。まず、今回の24億円の補正予算案は、市民サッカー場の建設工事の前倒しとしていますが、工期自体が前倒しとなるのか、伺います。

この事業は現在ある市民サッカー場が十分使用できるにも関わらず、80億円を投入し新しくサッカー場を建設するというものです。しかもジュニアサッカー場を壊し建設するため、こどもたちは4年間サッカー場を使えないことになり、誰のための事業なのか問われてきました。さらにコロナ禍の今となっては優先度を考える必要があります。国の補助事業の仕組みに先導され、不要不急の事業に予算を確保するのではなく、感染対策や医療・福祉施設への補填、コロナで影響を受けた事業者への優先的な予算確保についてどうお考えか、伺います。

-山野市長

 これまで数次に渡る補正予算を編成し、感染拡大防止対策・生活困窮者への支援・地域経済対策に全庁一丸となって取り組んでまいりました。今回も保健所の体制強化など、感染症対策はもちろん、今もお尋ねがございました国の住民税非課税世帯に対する給付金、市独自の多子世帯等への給付金、原油価格高騰対策、商店街の活性化など、様々な施策を国・県と連携をしながら行っています。都市基盤整備というものは大切であるというふうに思っています。国は16カ月予算ということで、切れ目のない発注をすることにより地域経済を支えていくということも大切だという認識で先の補正予算を国の方でもお認めをいただきました。本市もそのことに呼応をしていくことが、コロナ禍における地域経済対策になっていくんだと思っています。大変厳しい経済状況である地域経済を下支えするためにも、公共事業費規模の確保は大切であると考えています。今回の補助内示を受け、有利な財源を活用することによって、市民サッカー場の再整備等を前倒しをし、負担の軽減にも努めているところであります。

-坪田都市整備局長

 国の補正予算成立に伴いまして国庫補助の追加内示を得ましたことで、市民サッカー場建設工事の明年度予算の前倒しが可能となったものでありまして、そのことによる全体工期の変更は予定はしておりません。

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