2023年3月議会 代表質問 森尾議員(3月9日)

森尾議員

※本会議では一括質問でしたが、便宜上質問の後に答弁としました。

-森尾議員
私は日本共産党市議員団を代表して、以下質問を行います。
最初の質問は、市民の安心、安全を図る上で、何をなすべきか。二つの点について伺います。
第一は、平和を守ることです。防衛省が、全国300の自衛隊基地に保有している2万3000棟の「強靱化」計画を進めているとして国会で取り上げられました。その内容は、化学、生物、核兵器などによる攻撃を想定し、自衛隊の施設が耐えられるようにするというもので、これは日本全土を戦場化しようとするもので、すさまじい基地強化への実態が明らかとなりました。具体的には、「各種脅威に対する施設の強靱化」を進めるとして、主要司令部等の地下化、主要施設における敵攻撃を受けた場合の対策を行うというもので、その中には、核兵器攻撃被害も想定しています。対象となる自衛隊基地の一つとして陸上自衛隊金沢駐屯地が含まれています。岸田内閣が打ち出した反撃能力・すなわち敵基地攻撃能力を持つ防衛力の整備がすでに始まっています。その岸田内閣が巡航ミサイル・トマホークを最大400発アメリカから購入することを明らかにしました。このトマホークは、一発が約5億円で、新年度国の予算案では、総額2113億円が計上されています。このトマホークは、射程距離が1600キロあります。東京から北朝鮮のピャンヤンまでの距離1290キロ、台湾の台北までの距離1157キロですから、その射程内にこうした都市がある事となります。このトマホークは、アメリカが湾岸戦争、イラク戦争の際に相手国に対して多数を一斉に発射する攻撃として使われてきました。自衛隊幹部は、アメリカと協力して使用する可能性に言及しています。まさに、戦争するための準備が進んでいます。岸田政権は、防衛費を「国民総生産・GDP比2%以上」に増やす方針を打ち出しています。そうすると日本の防衛費は、世界の軍事費比較では、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位になります。5年間で43兆円もの防衛費増額を打ち出しました。実は、ローン支払いを合わせると約60兆円となります。その中身が次々に明らかとなってきました。長距離ミサイルの開発・取得、イージス・システム搭載艦などミサイル防衛、攻撃用や多用途の無人機の取得、南西方面への輸送力や補給拠点の整備などです。こうした大軍拡・大増税をすすめる政治に対して、国民は世論調査を通じてNOの声を発しています。昨年12月の世論調査結果によると岸田内閣の支持率は37%と低迷し、防衛費のための増税には約7割が評価しないとしました。市長は提案説明の中で、「平和と人命の尊さ」について述べましたが、戦争か。平和か。日本の進路が大きく問われている事態に対して、どのようにのぞまれるのか見解を伺います。
広島平和音楽祭で、「一本の鉛筆」という歌が披露されました。歌ったのは、美空ひばりさんでした。その歌には「一本の鉛筆があれば戦争はいやだと私は書く」との歌詞があります。また、本市平和都市宣言は次のように述べています。「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶は、人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」としています。市長。この宣言の立場から、不断の努力として本市がどのように取り組んでおられるのか。新年度予算で具体化されるものがあれば明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 平和に関してのご質問でございます。ロシアによるウクライナ侵攻を機に、平和と人命の尊さを再認識しているところであります。我が国の安全保障に関する問題につきましては、国民の安全や暮らしを守る観点からも国において十分な議論を重ねたうえで、国民の理解を得て適切に対応されるものと認識しております。
 本市では平和都市宣言に基づき、毎年夏の「原爆と人間展」の開催などを通して広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えております。また姉妹都市交流や自治体国際化協会(CLAIR)などを通した自治体間交流、民間での海外交流などを継続実施していくことで、戦争はいかなる理由があろうとあってはならないことを意識として共有し、世界の恒久平和につなげていきたいと考えております。

-森尾議員
 第二は、市民の命、生活と営業を守ることです。具体的に三点伺います。
 まず、コロナ感染対策についてです。コロナ感染者は、全国で3千万人を超え、死者数は7万2千人にのぼっています。石川県では約28万人が感染し、死者数は約500人となっています。未だ医療現場や介護施設ではコロナ感染による影響が続き、その対策に現場は大変です。こうした中、岸田内閣は、この5月8日から感染症法の2類から季節性インフルエンザと同じ5類にすることを打ち出しました。これによって、公的支援が段階的に縮小することとなります。無料検査がなくなります。コロナ感染がなくなったわけではありません。第8波での死者数が増え、この1年余で死者数は5万人増となっています。季節性インフルエンザによる死者数は、1年間で3千人ぐらいですから、その危険性は季節性インフルエンザと同程度とは言えません。市民の命と健康を守る上で、引き続きコロナ感染対策が重要です。入院体制を確保し、介護施設等でのクラスターの発生を防ぐ対策と支援が求められます。市長から今後の対策と具体化について明らかにしていただきたいと思います。また、保健所の対策強化について、具体的に伺います。

-村山市長
 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更される5月8日以降においても、感染が拡大しやすい高齢者施設等に対して保健所が早期に介入して支援を行うこととしております。加えて、今回の当初予算案では協力医療機関の支援を受けることが困難な施設に対して、医師会の協力のもと、医師を派遣するための経費を計上しております。これにより、感染拡大を防止し、重症化リスクが高い高齢者等を守るとともに、医療機関の負担も軽減していくこととしております。

-森尾議員
 第二に、国民健康保険料と介護保険料の引き下げについてです。物価高騰、電気料金の値上がりなど市民生活をめぐる状況は深刻です。市民生活を守る上で、負担感が強い国民健康保険料と介護保険料を引き下げるよう求めるものです。国民健康保険財政調整基金は、令和4年度末に31.7億円あります。新年度、保険料率を据え置きするとして基金から8.7億円を取り崩しても23億円の基金があります。この基金を活用し、年間一世帯当たり2万円の保険料を引き下げることは可能です。見解を伺います。

-村山市長
 国民健康保険料につきましては、県から示された標準保険料率を基本としておりますが、現下の市民生活への影響に配慮し、明年度は約8億7千万円の基金の取り崩しなどを行うことなどにより、国民健康保険料を据え置くこととしております。基金につきましては保険料の引き上げが必要となった場合の負担緩和財源として効果的な活用を図っていくこととしておりまして、さらなる保険料の引き下げのために基金を活用することは考えておりません。

-森尾議員
 介護給付費準備基金は、この間会計の黒字が続き、令和4年度末、基金残高は28.5億円となりました。第6期の基金残高が8.7億円でしたから基金残高は3倍に膨れ上がっています。こうした基金を活用し、保険料を引き下げるべきではありませんか。見解を伺います。

-村山市長
 介護保険につきましては、高齢者人口は今後も増加していくと見込まれ、令和6年度からの次期介護保険事業計画の期間においては、団塊の世代が75歳以上となり、サービス給付費がさらに増加すると思われます。基金については次期計画期間の保険料を設定する際に有効に活用していきたいと考えています。

-森尾議員
 第三に、中小企業への支援策についてです。物価高騰が続き、経済の低迷の中、中小企業、中でも小規模事業所は経営の存続の危機に直面しています。当面する支援策として、コロナ感染対策として実施された融資であるゼロゼロ融資が、その返済時期を迎えています。この返済時期を延期して欲しいとの強い要望があります。さらに、この10月から実施されるインボイスについて、不安と批判の声が広がっています。延期や中止をぜひとも国に届けてほしいとの声が広がっています。市長。本市の経済を支えてきた中小企業の経営を守り、存続していけるように、こうした要望を国に求めていただきたいと思います。見解を伺います。

-村山市長
 中小企業支援につきまして、無利子・無担保融資の返済はすでに本格化を迎えておりますが、現在、国・県において民間金融機関の融資からの借り換えに対応した新たな融資や保証制度を創設したところであります。またインボイス制度について、国は仕入れ控除の特例などの支援策や負担軽減措置を講じてきたことに加え、先月末にも万全の対応を続けることで予定通り本年10月から導入する考えを表明しております。これまでも全国市長会などを通じて国に対し必要な措置を講じるよう要望してきており、無利子・無担保融資の返済延期やインボイス制度の中止を求めることは考えてはおりませんが、引き続き国の動向を注視しながら事業者の声に寄り添い対応してまいりたいと考えています。

-森尾議員
 本市として住宅リフォーム助成制度や、店舗リニューアル助成制度を創設し、市民と小規模商店の要望に応えるとともに、中小企業の仕事出しにもつながるよう求めるものです。市長から答弁を求めます。

-村山市長
 住宅関係につきましては、これまでも空き家購入者の内部改修や町家再生の改修工事、住宅の耐震工事など、目的に応じた多様な住宅リフォーム支援制度を設けております。また新年度予算におきましても、商店街の空き店舗への出店促進を図る奨励金制度の期間延長や、町中の食料品店の継続や新たな出店を促すための店舗の設備整備に対する助成制度の創設をお諮りしております。なお、目的に応じた住宅や店舗の改修支援制度を幅広く設けておりまして、一般的なリフォームに対する助成制度の創設は考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の第3に、市民要望にどのようにこたえるのか。次の三点について伺います。
 第一は、子ども医療費助成制度についてです。新年度予算では、この10月からひとり親家庭等医療費助成は、外来・入院共に窓口無料にすることを打ち出しました。また、子ども医療費助成制度については、入院した場合、対象を15歳までを18歳まで拡大し、一日1000円の自己負担がなくなり無料化するとしました。市長。この制度拡充が必要だとして、18歳までを対象とし、無料化することを打ち出したことになります。ですから、早急に外来についても、同様の対応をすべきではありませんか。野々市市をはじめ周辺の自治体が対象を18歳までとし、外来・入院ともに無料化を打ち出しています。市長の決断が求められています。見解を伺います。

-村山市長
 子育て支援医療助成費につきましては、今回県が補助金の対象年齢等を拡大したことを踏まえ、医療費以外にも費用が掛かる入院について対象年齢を拡大するとともに自己負担を無料化したものであります。このほか、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの自己負担分無料化や、乳幼児予防接種助成費、かなざわ子育てすまいるクーポン事業費など、子育て支援の拡充に有効に活用することとしており、子育て支援医療助成費の外来分の拡大につきましては現時点では考えてはおりません。

-森尾議員
 第二に、小中学校の学校給食費の無償化です。今回、新年度当初予算では見送られました。文部科学省の調査によると子どもの学習にかかわる費用は、学校にかかわって、小学校が年間約10万円、中学校が年間約17万円の負担となっています。その内、給食費は小学校で約4割、中学校で約2割を占めています。就学援助制度がありますが、その利用は令和3年度、本市では14.73%となっています。1割台の利用にとどまっています。したがって、すべての児童・生徒を対象とする学校給食の無償化は、どの子も等しく教育を受ける権利を保障し、未来ある子どもの成長を願う立場からその実施が強く求められています。市長、何が実施への妨げになっているのですか。説明を求めます。市民の福祉向上に向け、やるべき事業ではありませんか。その決断を求めます。

-村山市長
 給食につきましては、本市では教育費の負担軽減や子育て支援の観点から、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度によりこれまで給食費の全額を支援しています。また全国的な物価高騰の中、保護者の経済的な負担の軽減を図るため、本年度に引き続き食材費の不足分を全額市で補填いたします学校給食費物価高騰特別対策費を令和5年度当初予算案にお諮りしているところでありまして、現時点で学校給食費の無償化は考えてはおりません。

-森尾議員
 学校給食にかかわって、重大な問題は本市が8000食の巨大な共同調理場建設に踏み出したことです。さらに駅西地域に1万1千食もの超巨大共同調理場建設を打ち出しています。全国では単独校方式と共同調理場方式が半分半分であり、共同調理場の小規模化や単独校方式への切り替えが検討されています。しかし本市では、4つしか残っていない単独校をなくし全て共同調理場に切り替え、しかも巨大共同調理場を建設しようとしています。本市教育委員会は、どのように説明されるんですか。巨大な共同調理場建設を中止することを求めます。見解を伺います。

-野口教育長
 学校給食において最も大切なことは、安全・安心な給食を提供することであり、そのためには国が定める学校給食衛生管理基準を満たすとともに、今後需要が高まる学校の改築や改修の際にも給食の提供を止めないことが重要であると思っております。本市の単独校調理場は老朽化が進み、施設や敷地が狭く、最新の衛生管理基準を満たす再整備ができない状況でありますことから、令和元年度に策定した新たな学校給食調理場再整備計画において引き続き共同調理場方式を基本としたものでございます。また小規模共同調理場におきましても整備が老朽化しており、それに伴い作業面での負担が大きいことから、新たな施設の整備に際しましては労働環境の向上にも取り組みながら、この計画に基づいて集約化を進めてまいりたいと考えております。

-森尾議員
 第三に、加齢性難聴者に対する補聴器購入に対する助成制度創設についてです。加齢性難聴者は10人に1人、高齢者の3人に1人と言われています。認知症との関係についても最近明らかにされました。45歳から65歳で、聴力が低下すると認知症の発症リスクが1.9倍になるとの内容です。補聴器購入助成制度創設について、先の12月議会でわが党の広田市議が取り上げました。これに対して市長は「高齢者が補聴器を利用することは社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しております。一方で、本来は国の補装具の給付で対応すべきものであると思っておりまして、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究してまいりたい」と答弁されました。具体的取り組みが求められます。市長。本市医師会をはじめ関係者との協議の場を設け、聴力検診の受診率の向上、補聴器購入に対する助成制度の創設など加齢性難聴者に対する支援策を検討することを求めたいと思います。見解を伺います。

-村山市長
 高齢者が補聴器を利用することは、社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しておりますが、本来は国の補装具の給付で対応すべきであると思っており、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究するというスタンスに変わりはありません。なお、医師会とは様々な機会を通じて意見交換をしております。改めて協議の場を設けることまでは考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の第4に、本市中央卸売市場の現在地での新築事業についてです。本市はこの間、この施設が老朽化してきたにも関わらず、建て替えを先送りしてきました。富山市など周辺での市場がリニュ-アルされる中、本市の施設と機能が立ち遅れる事態となってきました。さらに、コロナ禍と物価高騰、景気後退が追い打ちをかけ、市場をめぐる環境は一層厳しくなり、市場関係業者が運営の危機に直面しています。こうした状況の下で、本市中央卸売市場の現在地での新築事業が検討されてきましたが、関係者から大きな不安と課題解決の声が寄せられています。市長ご自身が副市長としてこの課題に取り組んできたことからも、市としての責任を深く認識されているはずです。生産者と市民生活をつなぐ大切な市場がその役割を発揮できるように現在地での新築事業を進めていかなければなりません。市長、この課題に取り組む決意と見解を伺います。昨年12月26日、本市場の卸・仲卸を代表する5名の方々が市長に要望書を提出しました。その内容は、第一に、市場の供用開始時期の早期化。第二に、仮設店舗での操業期間の短期化。第三に、使用料の軽減に向けた検討や各種支援の実施など12項目となっています。市長は本議会の提案説明の中で「市場事業者との協議を経て基本計画を取りまとめ、・・・・基本設計に着手していきます」と述べました。市長。市場関係者から市長に提出された要望にどのようにこたえられるのか具体的に明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 中央卸売市場につきまして、供用開始時期の早期化及び仮設店舗での操業期間の短期化につきましては、明年度基本設計において施設規模や配置、工事手法などと合わせて検討してまいりたいと考えております。なお、設計者はプロポーザル方式で決定することとしており、民間事業者のノウハウや創意工夫を生かした技術提案により、工期短縮が図られるよう工夫していきたいと考えています。使用料については、施設の効率的運用による規模の縮小や構造の簡素化などにより再整備費用を圧縮するほか、事務等の合理化による維持管理費の削減や余剰地の貸し付けによる新たな収入源の確保などに努め、負担軽減を図っていきたいと考えています。これらを踏まえ、市場再整備に当たりましては市場内の事業者としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。

-森尾議員
 本市市場を所管する局長に伺います。現在、市場には9ヶ所の井戸があり、市場の水を供給しています。ところが今回の現在地での新築事業では、この井戸が維持されなくなる可能性があります。本市の水道を利用すると利用料金が数倍に跳ね上がります。水産関係にとって死活的問題です。どのような対策を検討されているのか明らかにしていただきたいと思います。

-山森農林水産局長
 井戸水については現在、加工など業務用を含めた飲用水のほか、消雪用として使用しており、ご指摘の通り経済性にも優れていることから、再整備後も利用したいと考えております。一方で、維持管理の問題もありますことから、使用水量の削減も必要と考えており、消雪設備が必要な場所を減らす工夫でありますとか、用途に応じた雨水の活用などについても今後検討してまいります。

-森尾議員
 質問の第5に、本市ガス事業・発電事業の売却に伴う約300億円の活用についてです。本市ガス事業・発電事業を金沢エナジー(株)に昨年4月売却し、その売却額300億円について、清算特別会計を設けて対応してきました。今回、この清算特別会計を閉じるとして、清算を終え、残った284億5800万円を一般会計に繰り入れました。そして今回、本市中央卸売市場と本市市立病院の再整備事業基金を創設し、この基金に80億円。小中学校の再整備に向けて教育福祉再整備事業基金に80億円。そして、財政調整基金に44億5800万円を積み立てるとしました。さらに、一般会計から本市企業局の水道事業会計に補助金として80億円を支出し、企業局は水道会計の中で老朽化する水道施設の再整備に充てる基金とするとしました。そこで、独立する公営企業の事業売却によって得た300億円を一般会計に繰り入れ、その活用方針を市長が方針を打ち出し、その一般会計から企業局に補助金という名目で80億円が支出され、企業局はこれを水道会計の基金として活用するというものです。いったい、売却に伴う300億円はどこが所管するのか。その活用方針と財政処理は根拠があるのか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 ガス・発電事業の譲渡対価収入でありますが、精算業務の終了によりその全額を一般会計に繰り出し、精算特別会計を廃止するものであり、これは財政運用上は適切であると考えておりますし、ガス事業を譲渡した先行自治体とも同様の対応であります。譲渡対価収入の活用につきましては、市民生活の安定と安全・安心の確保に役立てたいとの思いから、市場や病院、水道施設、小中学校の再整備や安定的な財政基盤の構築に充てるため、4つの基金に積み立てることとした次第でございます。

-森尾議員
 公営企業管理者に伺います。本市ガス事業・発電事業の売却に伴う300億円の活用は、本来企業局として市民の生活向上に向け公営事業の維持・発展に活用するのが適切ではありませんか。見解を伺います。したがって第一に、市民生活を守る上で、上下水道料金の減免を実施すること。第二に、公営事業の維持・継続を進めていくために財政活用を考えるべきではありませんか。なかでも、おいしくて安い自己水による水道事業の維持発展に向けた活用こそ考えるべきではありませんか。その見解を伺います。今回、売却に伴う財源をすべて一般会計に繰り出し、その運用は市長にゆだね、その財源のうち80億円を補助金として受け取り、水道事業において老朽化する水道施設の再整備に充てる基金に80億円を充てるとの対応について、適切な財政運用ですか。説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者
 ガス発電事業の売却収入につきまして、上下水道料金の減免、それから水道事業の存続・発展のために使うべきというご指摘にお答えいたします。上下水道事業につきましては、人口減少社会の進展等によりまして、さらなる水需要の減少が予測される中、施設管路の更新や耐震化に多額の投資を要するなど、事業を取り巻く環境は一段と厳しくなると考えております。とりわけ施設管路の経年化が進んでおります水道事業での対応が急がれておりまして、今回お諮りしている水道施設再整備積立基金を活用いたしまして、企業債残高の抑制や収支向上に繋げることで、将来世代の負担軽減や経営基盤の強化を図るものでございます。従いまして、譲渡対価収入を原資とする上下水道料金の減免は考えておりません。

-森尾議員
 この項の最後に市長に伺います。本市ガス事業・発電事業を民間に売却したことで、今度は水道事業についても民営化するのではないか。と市民から心配する声があります。これまで本市は水道事業の民営化はしないことを表明してきました。市長の見解をお聞きいたします。

-村山市長
 ご懸念の水道事業の民営化については考えてはおりません。

-森尾議員
 質問の最後に、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについてです。平成元年7月、本市浅野町校下に施設がある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会が、本市公園等里親事業に登録申請し、本市は合意書を取り交わしました。本市公園等里親事業は、公園の清掃などのボランティア活動を行うとして登録するもので、清掃など活動を行う際に、申請があれば清掃用具などを貸与するものです。この旧統一教会からは一度も申請はなかったとのことです。これに対して地元浅野町住民から、旧統一教会が霊感商法や高額寄付、合同結婚式など反社会的団体として批判が広がっていること。そしてこの旧統一教会の施設が地元にあるだけに、本市が社会奉仕活動であることをもってこの団体と合意書を交わしていることは、問題のない団体であるという「お墨付き」を与えかねず、さらなる被害拡大にもつながとして、合意書の解除を求めてきました。去る3月2日には、二回目の署名、合わせて378筆が市長に届けられました。本市は新年度から、これまでの本市公園等里親事業を廃止し、新たな事業に切り替えることを打ち出しました。市長から、本市が旧統一教会と交わした合意書はどうなるのか。これまでの事業を廃止し、新たな事業を打ち出した経緯について、市長から説明していただきたいと思います。また、これまで登録した団体などへの説明はどのようにされるのか。今後の取り扱いについて担当する局長から説明を求めたいと思います。

-村山市長
 公園等里親事業についてでございますが、当初予算案でお諮りしている「みんなの公園クリーンスマイル事業」により新事業に移行するため、本事業をお認めいただければ公園等里親事業は廃止し、事業は終了することになります。よって公園等里親事業で交わした合意書も終了を通知することとしております。

-坪田都市整備局長
 現行の公園等里親事業におきましては、登録されている団体から「合意書に基づく永続的な活動が求められても、高齢化などで活動を続けることができない」といった声があったことや、また本市でも活動に対する清掃用具の支給だけでは活動状況が把握しづらいなどの課題がありました。そのことから、清掃用具の支給を活動に即した柔軟な方法に変更し、団体ごとによりボランティア活動に取り組みやすくしたほか、活動の報告を受けることで状況の把握ができるよう、新たな制度を創設いたしました。今後とも、必要な支援のさらなる充実に努めていきたいと考えております。
 登録団体への説明について、すでにご協力いただいている里親登録団体に対しましては新事業のご案内を送付するほか、幅広い団体に清掃ボランティアにご協力いただけるよう、ホームページやSNSを活用したPRに努めていきたいと考えております。

●追加質問
-森尾議員
 市長に伺います。学校給食費無償化に向けて、一体何が妨げとなっているのかと、この基本的な見解を伺ったものですが、答弁を求めたいと思います。
 そしてもう1点、介護保険料の引き下げの問題について指摘をいたしました。本市の会計を見ますと、第6期終了時の基金残高と今日の基金残高を見ますと、なんと3倍も膨れ上がっているんです。介護事業は基金を増やすためにあるんですか。この点について国は、計画期間の終了時の介護給付準備金の剰余金は、次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料上昇抑制に充てることがひとつの考えであるということを示しています。本市はこの基金について、保険料の引き下げに使うという考えは持っていないということなんですか。その点、伺います。

-村山市長
 最初に学校給食費の無償化についてのご質問をいただきました。現在中核市で児童・生徒を対象とした無償化を実施している都市は1市にとどまっており、その予算額は約10億円と聞いております。本市では毎年約19億円の恒久的な財源が必要となります。繰り返しになりますが、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度により給食費の全額を支援しておりまして、現時点で学校給食費の無償化は考えておりません。
 また、介護保険の積立金が増加した要因、これは様々な要因があるかもしれませんが、ひとつはコロナ禍でのサービスの利用控えなどもあったかというように思っています。令和6年度からの次期介護保険事業計画における保険料につきましては、必要なサービスの給付費を適切に推計したうえで、市民の負担が過大にならないよう、介護給付費準備基金についても有効に活用していきたいと考えております。

-森尾議員
 市長の今の答弁からすると、介護保険料の問題について、基金を活用し、保険料の引き下げを検討するという前向きの答弁だと受け止めてよろしいですか。改めて確認をしたいと思います。
 もう1点、今回の新型コロナ感染で法的位置付けが第5類に引き下げられるという方針を国が出しています。介護施設に対して入居者が陽性で入院できない場合について、施設で療養した場合に支給している補助金は国が当面継続すると、そして職員への無料検査も続けるということを打ち出しています。では本市が介護施設でのクラスターの発生の際に、これまでの保健所の支援は継続されるという答弁がありました。そうすると、職員に対する無料検査はどのように実施されるんですか。新たに社会福祉施設に医師を派遣するという答弁もありました。具体的な点を合わせて、これは担当局長に伺います。

-村山市長
 介護保険料の関係のご質問にお答えします。令和6年度からの保険料についてということでございますが、介護給付費準備基金を有効に活用して検討していきたいというように思っております。

-高柳福祉健康局長
 まず、高齢者施設等の職員に対します新型コロナ無料検査についてでございます。こういうことも含めまして国からは近く新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更に伴います具体的な内容を示すこととなっておりまして、本市におきましてもこれを踏まえて対応していくということとなります。ご指摘の高齢者施設等の職員に対する無料検査についても詳細が示されれば適切に対応していきたいと思います。
 次に、高齢者施設等への医師の派遣等の事業についてでございます。各高齢者施設等には協力医療機関が定められておりますけれども、これまで感染が拡大したといった局面におきまして協力医療機関の支援が受けることができないといった場合もございまして、その際に救急車を要請した施設もございました。このことから今後同様な事態になった場合は施設からの要請に基づきまして金沢市医師会を通じて支援の医師を派遣するという事業を今予算案でお諮りしているところでございます。これによりまして感染拡大を防止しまして、重症化リスクの高い高齢者の方の命を守るとともに、医療機関の負担軽減にも資していきたいというふうに考えております。

▲ このページの先頭にもどる

日本共産党中央委員会
「しんぶん赤旗」のご案内
日本共産党石川県委員会
井上さとし(日本共産党参議院議員)
たけだ良介(日本共産党参議院議員)
藤野やすふみ(日本共産党衆議院比例北陸信越ブロック)
金沢市議会のページへ
サイトポリシー
© 2010 - 2024 日本共産党 金沢市議員団