2024年6月議会 一般質問 森尾議員(6月19日)

森尾よしあき議員

-森尾議員
私は、日本共産党市議員団のトップバッターとして、質問いたします。
 最初の質問は、平和についてです。核兵器禁止条約は、国連において2021年1月発効され国際法となりました。現在、署名国は93か国・地域、批准国は70か国・地域と広がっています。昨年ロシアは、戦術的核兵器をベラルーシに移転しました。そのベラルーシは6月10日、ロシアと戦術的核兵器の演習を開始した事を明らかにしました。アメリカは5月14日、核爆発を伴わない臨界前核実験を実施しました。核兵器使用の危険が高まっています。
 金沢市は、昭和60年(1985年)平和都市宣言を決議しました。この中で「核兵器禁止・廃絶は人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」と宣言しました。市長は、核兵器使用をめぐる緊迫した状況をどのように受け止め、金沢市平和都市宣言の具現化を進めていかれるのか明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 核兵器の廃絶と世界の恒久平和は人類すべての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと考えています。本市では平和都市宣言に基づき、平和への理解を深めるため、毎年夏に「原爆と人間」展を開催しておりますほか、国際理解を進めるため、姉妹都市交流や自治体国際化協会(CLAIR)などを通した海外との自治体間交流や、また民間での海外交流支援などを行っております。今後も継続して実施することで、広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えてまいりたいと考えています。

-森尾議員
 広島と長崎に人類史上初めて原子爆弾が投下され、21万人の命が奪われました。来年、被爆80年を迎えます。具体的取り組みについて伺います。被爆の実情を広く市民に知らせるとして取り組んできた「原爆と人間」パネル展について、今年と来年の開催について計画内容を伺います。また、広島平和記念資料館の協力のもとで金沢市での展示開催について検討されないのか伺います。

-村山市長
 「原爆と人間」展につきましてはこれまで市立図書館において開催してきたところでありますが、本年度はこれに加え、第2本庁舎と戦没者慰霊式の会場においても展示する予定であります。来年、令和7年は節目の年となりますことから、「原爆と人間」展のさらなる充実を図りたいと考えています。また金沢市遺族連合会や広島平和記念資料館など、関係機関と連携した取り組みについては、現在検討しているところでございます。

-森尾議員
 教育委員会に伺います。来年、被爆80年を迎えます。今年から来年に向けて平和教育の中で、どのような取り組みを計画されているのか伺います。

-野口教育長
 教育委員会では各学校に対しまして、広島や長崎に原爆が投下された日や終戦を迎えた日、東京や富山に大空襲が行われた日などの節目をきっかけとして、年間を通して平和の尊さについて学ぶよう伝えております。また社会科や道徳科等の授業では、国際社会の平和と発展に貢献する態度を身に着けるよう指導してきております。仰せの通り、明年は被爆80周年の節目の年を迎えますが、戦争を体験された金沢市遺族連合会の方々等の高齢化が進み、直接話を伺う機会が年々少なくなってきていることを踏まえ、語り部による戦争体験の話を、例えばすべての学校でオンデマンドでお聞きすることができないかなどについて、検討してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 質問の第二に、能登半島地震被害と対策について伺います。能登半島地震が発生し5か月が経過しましたが、珠洲・輪島など能登の被災地での復旧・復興が目に見えて進んでおらず、生活と生業の再建の見通しが立っていません。また上下水道の復旧が進まず、仮設住宅建設促進や、入居後の安全確保、生活再建、さらに公費解体の取り組みなど差し迫った課題に直面しています。昨日、この地震による「災害関連死」として新たに22人の方を認定することが明らかにされました。その結果、死者数は282人となり、2016年の熊本地震による死者数を超える見通しとなりました。市長。現状の認識と、今後の金沢市としての支援について見解を伺います。

-村山市長
 地震の発生から半年近くが経過しております。能登被災地では1日も早い復旧・復興がなされるよう懸命な作業が続いているというものの、地理的な制約から道路やライフラインの復旧等に時間を要していることのほか、公費解体が進まない状況などから被災された方々の生活再建のため、継続した支援が重要であると改めて感じております。県と金沢市として、これから能登地域の復旧・復興に尽力することは必然と考えております。本市では発災当初から消防や応急給水活動、健康観察のほか、事務支援を含めた応援職員を派遣するとともに、被災地への救援物資の受け入れ・搬送や、能登被災地からの避難者の受け入れ、輪島朝市の出張出店などの経済活動や、能登の伝統工芸産業展、地域産品の魅力発信、消費拡大などの経済支援にも取り組んできてございます。引き続き能登の復旧・復興のため、できる限りの支援に努めてまいります。

-森尾議員
 今回の地震により、いまだ、能登被災地では断水が続いています。とりわけ、宅地内配管が破損し、復旧ができていません。県は、業者の手配と経費補助を打ち出しています。金沢市には、登録業者が上下水道でそれぞれ300を超える業者が登録されています。金沢市として独自に業者への支援策を検討し、復旧促進を進めていく考えはないか伺います。

-村山市長
 現在、石川県が能登6市町において被災した住宅における宅内配管、排水管の修繕にかかる事業者の移動に要する燃料代や宿泊代等の掛かり増し経費に対する支援制度を設けておりますので、市独自の支援策までは考えておりません。

-森尾議員
 公費解体について伺います。金沢市で対象となる半壊以上は428件です。これに対し、申し込みは97件で20%台にとどまり、公費解体が完了したのはわずか1件だけです。困難な課題があります。一つは、所有者の全員同意が求められる点です。輪島市では、申請者が誓約書を提出することで公費解体を促進するとしています。もう一つは、家財道具などについて所有者が撤去・処分しなければなりません。金沢市として公費解体がスムーズに進められるために、どのような支援策や相談の強化に取り組まれまするのか、伺いたいと思います。

-越山環境局長
 本市では、今のところ公費解体にあたりまして所有者全員の同意が取れていないといった相談事例はございません。また、家財道具の撤去処分については、原則として所有者の責任において行うこととなりますが、埋め立て処分にかかる手数料については減免の対象としているところであり、引き続き申請者からの様々な相談には丁寧に対応するとともに、速やかに解体工事に着手できるよう努めてまいります。

-森尾議員
 国は全壊などで建物の機能が失われた場合、所有者全員の同意がなくても市町村の判断で解体できるとの見解を明らかにしました。金沢市ではこうしたケースはありますか。伺います。

-越山環境局長
 本市においてはそのようなケースはございません。

-森尾議員
 市としての対応が求められることを改めて指摘しておきたいと思います。
 液状化対策について伺います。金沢市では粟崎地区で発生しました。原因調査と今後の具体的対策を検討するため、ボーリング調査が実施されています。どんな調査で、その結果はいつ頃になるのか明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 粟崎地内におけますボーリング調査につきましては、概ね15か所程度を想定しております。調査分析にはもうしばらく時間を要しますけれども、可能な限り早急に対策を講じるべく、調査を完了した箇所から順次、液状化対策の検討に反映してまいります。

-森尾議員
 今後の対策として、地盤の改良、地下水を地盤深く下げる、又は地盤をセメントなどで固めるなどが検討されるとのことです。具体的地盤改良について、住民の理解と合意をどのように進めていかれるのか。公費による地盤改良の実施となるのか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 液状化により大きな被害が発生した粟崎地区では、道路等の公共施設と宅地を一体的に整備する、国の宅地液状化防止事業の活用を検討しているところであります。今後、住民の方々のご意見を聞きながら検討してまいりたいと考えています。

-森尾議員
 公費による地盤改良の実施、これを強く求めておきたいと思います。
 地盤改良と建物再建には一定の時間が必要となります。その際に、粟崎をはじめとする市営住宅を仮住まいとして提供する考えはないか、伺います。

-高木都市整備局長
 粟崎町の市営住宅には、すでに粟崎地区の被災住民の3世帯が入居しております。今後申し出があれば、他の市営住宅も含め対応していきたいと考えております。

-森尾議員
 市民生活と営業をめぐる現状と対策について伺います。
 物価の値上げが続き、さらに7月から電気料金の引き上げが打ち出されています。一方、実質賃金は25か月連続で前年同月を下回りました。もう生活できないとの悲鳴が上がっています。安倍政権下での2度にわたる消費税の引き上げ実施と社会保障制度の改悪が国民生活の悪化を引き起こしました。アベノミクスは大企業と一握りの富裕層に巨大な富をもたらし、物価上昇と景気後退が同時進行する最悪の事態を招いてきました。岸田内閣は、6月11日「経済財政運営と改革の基本方針2024」の原案を明らかにし、その中で、防衛費を大幅に増やす一方、社会保障制度の大幅な後退を盛り込みました。市長。市民生活と営業をめぐる現状について、どのように把握されていますか。伺います。

-村山市長
 日本銀行金沢支店および北陸財務局が公表している経済に関する報告によりますと、能登半島地震からの復旧・復興需要や生産の正常化、北陸新幹線の敦賀延伸等の影響により、いずれもゆるやかに持ち直しつつあるとしており、地震で冷え込んでいた経済状況からは回復しつつあると捉えております。一方で、物価高騰が続く中にあって、7月からの電気料金の引き上げが市民生活や企業活動に与える影響については注視する必要があると考えています。

-森尾議員
 私どもは「経済再生プラン」を提言し、その中で政治の責任で大幅賃上げと待遇改善、消費税減税や社会保障の充実、気候変動危機の打開などを実行し、国民生活を守る緊急対策を行うよう求めてきました。そこで市長。この夏、猛暑が予想されています。市民生活と営業を守るために市として財政支援を行うよう求めたいと思います。その対策について伺います。

-村山市長
 現在、市独自の消費喚起策として、商店街が実施するプレミアム商品券の発行を支援しておりますほか、国の定額減税に合わせてその恩恵を受けきれない方に対する調整給付金や、新たに住民税が非課税となる世帯等に対する緊急支援給付金の速やかな給付に努めているところであります。今後とも、物価の推移や国や県の動向を注視しながら、地域経済の安定に向けた対策を講じてまいりたいと考えています。

-森尾議員
 市政運営の基本指針として、昭和50年(1975年)の「金沢市新長期計画」があります。「市民生活の優先」「市民自治の確立と自治権の拡大」「文化伝統の継承・発展と自然環境の保全」「新都市基盤の整備と日本海時代への対応」「平和の擁護と国際交流の推進」の五つの柱を掲げ、その基本は、市民生活を優先し、豊かな人間環境の創造をめざすとしたものです。市長。市民生活と営業を守ることを最優先に進めることが求められると考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長
 市民生活と地域経済を守るということ、これは最優先に考えなければならないというのは当然のことと考えています。先人たちにより磨き高められてきた文化を継承・発展させること、それとともにまちの将来に欠かせない投資となる発展基盤を整備していくこと、これは都市の魅力を高め、地域の活性化や雇用の創出にも繋がり、ひいては市民生活にも寄与するものと考えています。加えて、福祉や教育・環境など、市民生活に密着した施策の充実に配慮することも当然であり、均衡を図りながら取り組むことが大切と考えています。このため、本市の都市像におきましては、魅力づくり・暮らしづくり・人づくり・仕事づくり・都市づくりといった、まちづくりの各般にわたる基本方針を掲げたところであります。誰ひとり取り残さない金沢独自の取り組みを探究し、心豊かで活力ある未来の金沢をすべての人々とともに作り上げたいと考えています。

-森尾議員
 去る5月20日、第1回金沢市都市再生緊急整備地域準備協議会に提出された金沢市からの資料において、これまでの金沢市の都市構想と考えについて明らかにされています。ところが、昭和50年(1975年)に策定された新長期計画が全く欠落されています。それまでの60万都市構想を見直し、当時の岡市政が市民生活を最優先し「保存もまた開発である」ということを打ち出したものです。現在進められている金沢市都市再生緊急整備方針とは正反対の考えです。市長は、今後の市政運営とまちづくりにおいて、市民生活の優先、市民主体を貫いていかれるのか伺います。

-村山市長
 正反対であるとは捉えておりませんが、一方で50年前の計画とは市のおかれた環境、そして今後の将来像としても大きく違ってくるものと認識しております。一方都心軸では、跡地の利活用、民間老朽ビルの再整備が課題となっております。また北陸新幹線の開業やコロナ禍の影響などによって、エリア一帯を取り巻く環境には大きな変化が生じてきていると認識しています。このため、様々な機能が集積し、都市の発展を支える背骨である魅力と活力のあるエリアとして、都心の求心力が高められるよう、都市再生特別措置法を活用して民間の開発気運を醸成して、面的な整備を進めたいと考えています。特措法の活用に必要な地域整備方針の作成に際しましては、まちづくりの規範である保全と開発の調和を継承・発展させるとともに、これまでのまちづくりの方向性や上位計画との整合性を図ってまいります。

-森尾議員
 市民生活の優先、市民主体というのを市政で貫くとともに、先ほど述べたように先人たちが打ち出した保存もまた開発であるという理念と立場をぜひとも深く受け止めていただきたいと思っています。
 市民生活を守る課題として、一つ伺います。学校給食費無償化についてです。【議長の許可を得てパネル提示】かほく市が、この2学期から中学校の給食費無償化を実施することを明らかにしました。その結果、県内11ある市において無償化を実施していないのは、金沢市と野々市市だけです。市長は、この学校給食無償化については実施する考えはないと表明されてきましたが、現況について、市民にどのような説明をされるのでしょうか。伺います。

石川県11市学校給食無償化の現状

-村山市長
 県内自治体の実施状況は承知しておりますが、文部科学省が今月12日に公表した学校給食に関する実態調査の結果によりますと、学校給食費無償化を実施済みまたは実施予定の自治体数は全自治体の約4割であります。さらに人口等が同規模である中核市62市の中での無償化の実施状況は3市にとどまっております。その理由としては多額の恒久的な財源が必要なことがあると認識しております。財政規模が比較的近い団体同士の中でのこういった比率についても、議論の中には加えていく必要があると考えています。

-森尾議員
 説明になっていませんし、市民の多くのみなさんが学校給食の無償化を望んでいるというふうに考えます。したがって県内の11の市での実施状況を考えても、金沢市としての決断が求められるというふうに考えます。ある生命保険会社が行った子育てに関する調査の結果によると、物価高により子育て費用の負担が大きくなったと答えた方が実に9割に上ったとのことです。義務教育は無償であるとの点からも、学校給食費無償化は切実な課題だと考えます。改めて、市長の決断を求めたいと思います。

-村山市長
 学校給食のみではなく様々な施策において、無償化にすべきかどうかと問うた場合は「無償化にすべきだ」という答えが多いのは当然のことだろうというように考えております。本市では保護者の負担を軽減するという目的で、経済的な理由で就学が困難な方については就学援助制度によって給食費の全額を支援しております。また、今ほどおっしゃった物価高騰の課題でありますが、食材費の高騰が続く状況下において、令和4年度以降、給食用食材費と保護者負担分の差額について、これは全額公費で負担する物価高騰特別対策を行っているところであります。学校給食費の無償化については、国の指導の下で全国一律で実施されることが望ましいと考えております。現時点では給食費の無償化は考えておりませんけれども、国では先日公表された調査結果を受けて無償化について引き続き検討するという方針を示しております。その動向を注視してまいります。

-森尾議員
 教育委員会に伺います。学校給食法第11条・経費の負担について、文部科学省は「経費の負担区分の基本的な考え方を示したものであって、保護者が負担する学校給食費を自治体の判断により補助することを妨げるものではない」との見解を示しています。5月17日こども未来戦略会議において、文部科学省は「学校給食費の無償化に向けた実態の把握と課題の整理」との資料を提出しました。教育長は、こうした動きについてどのように受け止めておられるのか見解を伺います。

-野口教育長
 先ほどの市長の答弁とも重なるところがございますけれども、本市におきましては学校給食法の規定される給食の実施に必要な経費の分担の原則から、食材費のみを保護者の方々にご負担いただいているところであります。加えて、物価高騰の状況を受け、令和4年度から食材費の不足分を全額公費で補填しており、保護者の経済的負担の軽減を図っておるところでございます。学校給食費の無償化のことにつきましては、よく教育長が集まった会議の中でも話題になります。特に私が会長を務めておりました中核市教育長会、また今私は立場的には常任理事という立場になりますけれども、全国都市教育長協議会、こうした場の中でこの話題が出るときによく出るのが、やはり自治体によって対応が異なっているなということになります。その自治体での対応の異なりを見ながら、私もこれは全国一律で実施されることが望ましいと考え、それで自分の方からも国の方にぜひ要望してほしいということで2つの会に対していろいろとお願いしながら国に要望しました。中核市教育長会では、学校給食費の無償化のための財政措置を織り込んでください、また全国都市教育長協議会では、学校給食費無償化に向けた財政措置の創設をお願いしたい。このことをお願いしてまいりました。これを行う場合には、やはり恒久的に多くの財源を要しますので、全国都市教育長協議会、また中核市教育長会などを通しながら、これからも引き続いて国に対して無償化に向けた財政措置を要望してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 質問の最後に、金沢市観光協会、金沢文化スポーツコミッションについて伺います。
 金沢市は昨年度、金沢市観光協会に対し31事業1億3777万円を委託しました。そのすべてが随意契約であります。事実上の丸投げ状態となっています。金沢市観光協会の年間の委託事業を見ると、金沢市からの委託事業が9割を超え、金沢市の出張所のような実態です。金沢市観光協会の役員体制を見ると、副理事長に金沢市副市長、理事に金沢市経済局長、監査に金沢市会計管理者が就任しています。さらに副理事長と事務局長に金沢市幹部職員を退職した方が名を連ねています。市長。金沢市と金沢市観光協会との関係について説明を求めたいと思います。

-村山市長
 金沢市観光協会は、金沢市を中心とする観光事業の健全な振興を図ることにより、金沢市の魅力を高め、国内外の人々との交流を促進し、もって産業経済の発展と地域文化の向上発展に寄与することを目的とした法人であり、金沢市も特別会員になっております。観光に関する事業について、市が直接行うか、あるいは観光協会のような外郭団体に委託するか、こういったことは他の自治体でも非常に課題になっているところでありますけれども、金沢市はその中では外郭団体にこれを任せているということになります。そして、金沢市観光協会は、地域の観光関係団体・企業・行政等と連携して観光・地域づくりを戦略的に推進する観光まちづくり団体である日本版DMOとして国の認定を受けた市内唯一の団体であります。観光協会とこうした事業を連携していくということは、必要不可欠ととらえております。

-森尾議員
 先ほど述べた事業の委託、役員体制、こうしたこと状況からみると、金沢市と金沢市観光協会が癒着した関係にあるんじゃないですか。市長の見解を求めます。

-村山市長
 金沢市観光協会は、DMO、観光地域づくり法人として、観光地域づくりの司令塔としての役割を果たしております。金沢市としても人的・財政的支援を行うことは国の方針に沿ったものであります。また、市内唯一の地域DMOとして観光事業の効果的な実施を図るうえで、知見や実績、人材ネットワークを有していることは、多くの事業を受託している理由でありまして、これまでも適切に実施をしております。癒着関係と言われることは非常に心外だと思います。

-森尾議員
 金沢市観光協会の総会が今月予定されているとのことです。現在、副理事長は山田副市長です。この4月から所管の変更がありましたから、今回、新保副市長が金沢市観光協会の副理事長の任に就任されるのですか。見解を伺います。

-新保副市長
 金沢市観光協会副理事長には、観光協会が一般社団法人となった平成26年から所管の副市長が就任をしておりますが、法人化前にも副市長が副会長として就任しておりました。先月開催された理事会におきまして、次期理事候補として承認をいただいているところでありまして、今月24日に開催されます総会と理事会で承認をいただければ、副理事長に就任し、その職責を果たしてまいります。

-森尾議員
 経済局長に伺います。局長は先の経済環境常任委員会において、引き続き金沢市観光協会理事の任に就任する意向が表明されましたが、局長はどういう見解でしょうか。

-上寺経済局長
 金沢市観光協会理事は、観光協会が一般社団法人となった平成26年から経済局長が就任しております。法人化前には経済局長が常任理事に就任しておりました。先月開催された理事会において、次期理事候補として承認をいただいているところでありまして、今月24日に開催される総会でのご承認をいただければ、理事に就任をいたします。

-森尾議員
 これだけではありません。金沢市観光協会に3名の現職金沢市職員が派遣されています。そのうち2名が金沢文化スポーツコミッションに配置されています。職員の派遣を定めた条例には、派遣先が明記されています。金沢市観光協会は記載されていますが、金沢文化スポーツコミッションは明記されていません。ですから、金沢市職員を金沢文化スポーツコミッションには派遣できません。したがって、これは派遣職員の横流しではありませんか。職員派遣を定めた条例に違反していませんか。見解を伺います。

-村山市長
 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例等で、一般社団法人金沢市観光協会は職員を派遣することができる団体として定められております。金沢文化スポーツコミッションは、一般社団法人金沢市観光協会内の部門でありますので、法令に基づき派遣を行っているものであります。

-森尾議員
 金沢文化スポーツコミッションについてです。平成30年(2018年)に設立されました。当時、東京オリンピック関連事業推進室が設けられ、設置提案がされたものです。したがって、東京オリンピック開催に合わせ、限定的なものかと思いきや、今日まで7年間継続されています。一般社団法人・金沢市観光協会の一つの部門としていますが、このコミッションの代表は金沢市局長待遇として年間1340万円の報酬、副代表は、年間970万円の報酬となっています。さらに2名の金沢市職員が配置されています。市長。これはあまりにも特異的な状況ではありませんか。見解を伺います。

-村山市長
 金沢文化スポーツコミッションは、東京オリンピック・パラリンピックと同時期の設置ではありましたけれども、設立の当初目的ではシティプロモーションの推進と地域社会・地域経済の活性化、文化・スポーツの振興、こういった当初の設立目的は現在も変更なく続いております。現在の体制を維持するものと考えております。

-森尾議員
 市長。この金沢文化スポーツコミッションが事実上の金沢市部局としての扱いを今後とも続けていかれるのでしょうか。行政から見るとその指揮系統もあいまいであり、多額の予算を執行し続ける特別の待遇を持って行われているというのは、到底市民の理解を得られないというふうに考えます。見直す考えはありませんか。

-村山市長
 金沢文化スポーツコミッションは、当初の目的通り設置からこれまでの間、大会の誘致をはじめ効果的なコンテンツの開発など大きな成果を上げてきております。本市のスポーツ文化のさらなる振興を図るうえでも、現在の体制を見直すことは考えておりません。

-森尾議員
 局長に伺います。スポーツ振興課の横にある金沢文化スポーツコミッション、たびたび足を運びますが、代表にも副代表にもお会いしたことがありません。一体この方々は何をされているんですか。コミッションの方へ足を運んでおられるのでしょうか。管理はどのようにされているのでしょうか。伺います。

-津田文化スポーツ局長
 金沢文化スポーツコミッションの職員の関係につきましては、基本的に先ほど市長が申しました通り、大会の誘致という部分において主な業務を行っております。従いまして、外に出て大会の誘致等を積極的に行っているものです。また勤務の部分につきましては、責任ある一法人であります観光協会におきまして勤務の方は管理しているというふうになっております。

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