反対討論(升きよみ)

2010年9月22日
反対討論
日本共産党 升 きよみ

 私は、只今上程されました議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例等について反対討論を行います。
 今回提案された条例案は自由民主党議員を初めとする6名の議員各位によって提出されましたが、その内容の問題点は、我党の森尾議員の質疑等で質したところですが、改めて日本共産党市議員団の見解を述べます。
 本条例等が提出された背景に、市民の首長に対する多選への率直な批判的意見や、又市民の今の政治への不満や不安が大きい中で、「政治を何とか変えてほしい」、「地方議会の日本共産党を除くオール与党政治に対する苛立ちや怒り」等、様々な矛盾が生じている中で、それら市民の思いを受け止めながらも、それをなんとか回避すること等から提出されたものと思います。

 しかし、この条例案では真の市民の願いや要求に応えるものではなく、むしろ重大な憲法上の問題等があり、とても認めることの出来ないものです。
 その条例案内容では、「市長が連続して3期以降の各任期に関わる選挙において、投票率が別に条例で定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないように努めるものとする」としておりますが、結局、3期連続して当選した市長が投票率が低い場合は、4期目の選挙には立候補しないよう努めるとしていますが、その投票率については、どの程度が低いとするのか高いとするのかは不明であり、任期期限は、政策選択の幅を広げる手法とか選挙の競争性を確保するものと言っても、民主主義の理念に沿ったものとは言い難く、納得できるものではありません。その上、「有権者の多数で多選が支持された場合は除かれる」としていますが、投票率を持って多選を容認或いは禁止は当たらないと考えます。

 むしろ、多選や定年制を理由に条例や法律などで任期を制限することは、それこそ憲法が明記する基本的人権や民主主義の本則からもおおいに問題があります。それは、憲法第15条は、選挙権が基本的人権の一つであることを明らかにしており、そして最高裁はかつてこの憲法の規定にも触れながら、「立候補の自由は選挙権の自由な行使と表裏の関係」にあり「選挙に立候補しようとする者がその立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、選挙人の自由な意思の表明を阻害することとなり、自由かつ公正な選挙の本旨に反する」との考えを明らかにしており、「立候補の自由」を不当に制約することは憲法違反になると言うことです。
 大事なことは、住民にとってよいものはよいと言うことではないでしょうか。誰を首長や議員に選ぶのか、その権利は市民・国民にあります。それこそよいものはよい、住民のためになるものは選挙で審判を下せばよいのです。
 
 山出市長が、6期目の出馬表明されたことで、この条例案は市民の中には様々な受け止めと反応があります。そうした中で本条例案が施行を平成22年12月10日としている事も、結局、今問われている最大の関心事から離れておりますし、今後将来における拘束力のない内容にも甚だ疑問を感じます。
 今回の提案者が真に多選を批判するなら、それにふさわしい選挙での候補者を擁立をして、市民に問うべきではありませんか。又、今日の政治・政策を真に変えようとするなら、これまでの政治・政策への大きな転換を図る事であり、我党は市民の皆さんと共に住民のためになる市民本位の市政をめざして、力を合わせていくことを表明して討論と致します。

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