9月議会 反対討論 升きよみ

 私は日本共産党市議員団を代表して、議会議案第2号、「志賀原子力発電所の運転再開に関する意見書案」に反対する事を表明し、討論を行います。
東京電力は事態収束のため、福島第一原子力発電所の冷温停止をめざしていますが、1号~4号機の原子炉建屋やタービン建屋地下に1日数百tの大量地下水が流入する等で、汚染水処理は更に膨大な量に及ぶ等、様々な影響が予想される状況にあり、事故収束にはまだほど遠く、依然と深刻な事態にあります。
必死な対策がとられておりますが、現在も放射線物質の大量放出がやまず、福島県民は勿論、国民の不安と不満は果てしなく広がっております。
今回の原発の事故が他人事ではなく、多くの住民が被爆や事故の不安の中から、今は、「エネルギー政策を抜本的に転換し、原発をなくしていく≒ゼロをめざす方向へ」と進める声が国民の中に強く広がり、それは去る19日にも大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さんら9名が呼びかけた「さよなら原発集会」に6万人の人達が集い、新たなる原発再稼働への動きに対しても許さぬ意思表示ともなってデモが行われたことにも表れています。
10万人を超える住民が、避難している福島の方々への思いをよせながら、政府等関係諸機関や検証委員会等に被害の原因究明、既存原発の安全総点検を行い、被害の拡大防止、再発防止に全力を挙げて欲しいと願い、強く求めているのは当然です。
みなさん、私たちは歴史の中継ランナーです。先祖から受け継いできた環境、生き方や知恵、文化遺産など子孫にバトンタッチしなければなりません。その時に、放射性廃棄物が何万年も残ると言われている原発を残していいのか。このままだと「あの時代は最低だった」と言われかねません。大事なことは、今、何よりも定期点検などで停止中となっている原発・本県の「志賀原子力発電所の安全対策、そして再稼働を安易な形でさせない」この立場を貫いていくことであって、それを是非私たち議員が率先してすべきではありませんか。これまで安全神話で原発が進められてきましたが、今日、新たな形で「脱原発」なら日本の産業が成り立たない等による理由で再稼働に向かう傾向がありますが、これに毅然とする立場がますます必要です。
残念ながら、本意見書の最大の問題は、そうした立場が欠落して志賀原発の運転再開を前提にしていることであります。
今、政治がなすべきことは、志賀原発に対して耐震基準の見直しや、防災対策重点地域の拡大など、原子力防災指針の見直しを含む抜本的な対策を講ずることであって、県内自治体の首長や議会の住民の意思を尊重することであります。
それこそ、私たち金沢市民の意思は、紛れもなくそうした対策を切実に求めているものであって、原発の再稼働ではないことは当然であります。よって、本意見書には同意できないことを表明し、討論を終わります。

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