「緊急事態に対応する必要な法整備を求める意見書」討論

升 きよみ

 私は、日本共産党市議員団を代表して、只今上程されました議会議案第5号、緊急事態に対応する必要な法整備を求める意見書(案)について反対し、討論を行います。
 本意見書案は、昨年の大震災のように、いつ起こるかわからない自然災害と、予測ができ外交上などの措置が検討できる武力攻撃とを一緒くたにし、平時体制のままで、国家的緊急事態に対処しようとする法整備を求めていることで、これは紛れもなく外国からの武力攻撃、テロリストによる攻撃など有事への対応を求めていることであり、断じて許されません。
 そもそも突発的な自然災害への対応は、現行法でも充分可能であり、基本法制定など全く必要ありません。現在、平時を想定した内容となっており、非常事態事項が明記されていないので、大自然災害への対応ができないかのように言っておりますが、今回の震災、津波被害への対応や、福島原発事故による放射能被害への対応は、現行の「災害対策基本法」「大規模地震対策特別措置法」「原子力災害対策特別措置法」など対処すべき法律が制定されているのです。災害対策基本法の第8章においては、大規模な非常災害が発生し、その災害が、国の経済や公共の福祉に重大な影響を及ぼす激甚なものである時、災害緊急事態を布告し、緊急災害対策本部を設置するとあります。要するに現行法で充分に平時における緊急対応ができるのです。今回意見書案では、大震災の初動の遅さのことが言及されていますが、確かに初動体制の遅れは事実です。それは現行法の適用が遅いのであって、法整備の問題でなく、政府の初動対応の遅れが被害を拡大したことにあります。
 それをなぜいま緊急事態基本法制定なのか、それは既に8年前、三党合意が交わされたものですが、この間、国民は法制定を許していません。それを今日大震災に乗じ、それこそ被災を利用して緊急事態基本法の定義に記されている外国からの武力攻撃、テロリストによる攻撃など有事への対応を求めているのであって、これは断じて容認できず、よって我が党は本意見書等に反対です。

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