議案第2号TPP交渉に関する意見書提案理由の説明
2012年6月22日 日本共産党金沢市議員団 森尾 嘉昭
私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、議会議案第2号TPP交渉に関する意見書の提案理由の説明を行います。
野田首相は、昨年11月にハワイで開かれたAPEC・アジア太平洋経済協力会議首脳会合への出席にあたって、「TPP交渉への参加に向けて関係各国との協議に入る」との方針を表明しました。
これまでのTPP交渉では、関税ゼロを大原則にすることや、貿易にとどまらないさまざまなルールの「共通化」や規制緩和なども議論されています。従って、日本が「TPP交渉へ参加」する事になるとこれまでアメリカを始め各国が日本に求めてきた規制緩和が新たに協議される事となります。早速、アメリカは、牛肉の輸入条件の緩和、郵政民営化の徹底、自動車分野の協議を求めてきました。また、医療については、国民皆保険制度を大きくこわす混合医療によって、自由診療の拡大につながり、外国の生命保険会社参入を一層進めることになります。さらに、食の安全基準・表示の緩和、公共事業への外国企業の参入、労働規制の緩和、共済制度の廃止など次々に協議対象とするよう求められることになります。
こうした事が実行されれば日本の市場が開放されるという事でアメリカなどが大歓迎し、日本に参入してくることになります。結局、日本の食料、安全を他国に売り渡すことにつながりかねません。
特に、農業への影響は甚大で、食料自給率については、現在の40%からTPP参加によって、13%にまで低下し、農林水産物の生産減少額は、4兆5千億円、雇用の喪失は340万人におよぶとの試算が出されています。
日本の食料、農業を外国に依存するという国家の存亡に関わる事態となりかねません。
日本農協中央会や日本医師会など関係する団体がこぞって反対を表明しています。また、44都道府県議会、8割を超える市町村議会が反対ないし、慎重な対応を求める意見書・決議の採択を行っています。
よって、この意見書は、国に対してTPP参加に向けた協議を直ちに中止するよう求めるものです。
国会でも超党派によるTPP交渉への参加表明に反対する議員集会が行われるなど国民世論が広がっていることから、この意見書に対して議員各位から賛同がえられるものと考えます。
以上を持って提案理由の説明を終わります。