2012年金沢市議会6月議会 森尾議員反対討論

議案第12号オリンピックの東京招致に反対討論

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、ただいま上程されました議会議案第12号 2020年のオリンピック及びパラリンピック競技大会の東京招致に関する意見書に対して反対討論を行います。
今年7月にオリンピックとパラリンピックが開催されます。開催地のイギリス・ロンドンは、近代オリンピックの母国であり、バラリンピック競技の発祥の地でもあります。また、日本にとっては、1912年の第5回ストックホルム大会に初出場してから100年目を迎える記念すべき大会です。
オリンピックの歴史は、当時の為政者の威信をかけた開催となったり、大国主義の対立や民族間の対立を象徴する大会、さらには、商業主義が全面に出て巨大なマッケートのような大会など様々な歴史を歩んできました。
オリンピックが掲げる「参加することに意義がある」という立場から、フェアープレーの精神で、平和と友好に貢献してきたスポーツの値打ちが大いに発揮され、「平和の祭典」として世界にアピールしていくことを願っています。
しかし、2020年の東京招致が、巨大な開発と一体となったものとなっており、東日本大震災、福島原発事故からの復興、そして、安全・安心の都市づくりに全力で取り組むべきとの都民・国民からは支持が得られず、賛成する事はできません。
海外の大企業を東京によびよせるために特区をつくったり、1㍍つくるのに1億円もかかる東京外環道の建設や、巨大港湾整備事業などオリンピックをテコに巨大な都市インフラ整備を進めるとしています。こうした道路整備事業を含め、すべてを合わせると9兆円以上の財源をオリンピックの名で使われようとしています。
東京が近い将来に大地震が襲う可能性が高いことが指摘されており、4千億円のオリンピック開催準備基金などを活用して都民の安全・安心を確保するための防災・福祉東京づくりに全力を尽くすことが求められています。また、東日本大地震の被害に対する復興はこれから本格的にはじまろうとしています。そして、福島原発事故による復興、放射能汚染除去対策もまだまた長い時間がかかります。
よって、東京招致を求める都民・国民の声は広がっていません。IOCの世論調査によると東京での賛成は、47%と半数にも達していません。
オリンピックの東京招致については、東日本大地震による被災者の生活再建、復興、福島原発事故による放射能の汚染、防災、福祉の都市づくりに全力で取り組んでほしいとの都民、国民からは支持を得られるものではないことから、我が党は、この意見書には反対であります。以上を持って、反対討論を終わります。

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