2013年3月議会補正予算 反対討論
日本共産党金沢市議会議員 升 きよみ
私は、日本共産党市議員団を代表して、提案されました2012年度補正予算に対して討論を行います。我が党は提案された各号の内、議案第46号一般会計補正予算、及び議案第48号市街地再開発事業特別会計に反対するものです。反対の内容は、
1つに、一般会計における、金沢港建設事業費にかかる予算4億5,900万円です。 岸壁水深10m、1万5,000t級の船舶入港をしていた金沢港の水深を13mにして、4万t級の船舶入港を図りたいとする大企業・コマツの要請に応え、総額247億円を投じての港湾整備事業が進められ、現在水深12mに至っていますが、更に、大量に発生する浚渫土砂の受入場所として金石から大野を処分場にするため浚渫土砂埋立護岸整備事業の施行もまた、多額の事業費をかけて行っておりますが、これら事業を前倒して進めることについては、同意できません。 10年前に比べて、コンテナ便取扱量が増えたとはいえ、1,000t級船舶の貨物量は減っている現況下、一部大企業へ特段の便宜をはかる大規模な水深工事は不要不急の公共事業といえるものです。
2つに、市街地再開発事業の財産売払収入にかかる金沢駅武蔵北地区第5工区再開発事業保留床清算金、4億6,386万9,000円についてです。 (ご承知の様に、37年前より、)事業開始された金沢駅武蔵北地区再開発事業は、全体事業で531億4,000万円の事業費となりましたが、その内、第5工区リファーレの再開発には、事業費333億9,000万円をもって進められ、権利変換から19年、ビル建設から17年を経て、事業終息を図ることになりましたが、これに併せ、今回保留床処分事業費206億8,000万円の事業の清算が行われることの一環であります。 リファーレビル建設は、7,334㎡の商業床と84戸の住宅をもって施行しましたが、当初より1,2階の商業床はうまらず、入撤退と出入りがある状況にありました。平成12年、名鉄五番街が当初、保留床を購入しましたが、その年に縮小変更し、507㎡を国際交流財団と市民サービスセンターとして、本市が利用してきました。そして、平成16年、名鉄五番街が撤退するに当たって、保留床購入する際に、5億6,000万円が未納だったため、それに相当すると床2,270㎡を市に戻したものです。そして、この床は、アウトドアショップと、もしもしホットラインに貸し、既に入居済の3,4階の県の施設パスポートセンター、国際交流財団とで、ようやく99%の床利用となったものです。そして、今回2階部分に入居している、国際交流財団と市民サービスセンターの市の施設(507㎡)について、一般会計で購入し、それを特別会計で清算することにしたものです。
3つに、市街地再開発事業特別会計のまちづくり事業基金返還金、8億4,922万1,000円についてです。 駅北再開発事業の最初に行った第1工区も、当初よりテナントが埋まらない中で進みました。そこで、第1工区ライブ1が完成した際、保留床処分ができず苦悩した当局は、事業費を支払うために、まちづくり事業基金を設け、当時10億円を借入して進めてきたものですが、その後、第2工区ルキーナが完成し、市が福祉用具情報プラザとして、20億円で保留床処分し、それによって、9億4,000万円の黒字を生み、この特別会計としての財源を確保したものです。そして、今回、事業完了に伴い、まちづくり事業基金からの借入金を返還するというものです。 いずれも、駅武蔵北地区再開発事業に関する予算ですが、我が党は、当初より、心ある地域住民のみなさんと住民主体で町家を残し、36m道路建設に沿った低層による街づくりを提案してきましたが、結局、市当局は、第1から第5工区の再開発事業に531億円という膨大な巨費をかけて進めてきました。(計画スタート時246名の地権者の方が、権利変換時には86名、その後も転出が40名と進み、結局46名となるものでした。)本事業が、まさに住民追い出し、ゼネコン型大型開発の象徴となったものです。
4つに、組合施行土地区画整理事業費負担金として、北部直江・大河端・大友地区の区画整理事業に5,800万円、5つに、金沢駅西広場再整備事業に7,800万円の予算のいずれも政府の大型公共事業の前倒しを率先して行うもので、これらの予算には反対であることを述べ、討論を終わります。