2014年3月議会討論/請願陳情へ・の賛成討論 2014.3.24

2014年3月議会 討論

 

升 きよみ

私は日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

我党は提出された議案の内、次の議案に反対です。

議案第1号及び第3号、第5号、第9号、第10号、第12号、第13号、第14号、第16号、第19号、第27号、第33号、第34号、第37号、第39号、第40号、第43号、第44号、第46号、及び第52号の各号20件です。

 その主な反対理由を述べます。

 政府は「景気は緩やかに回復しつつある」として、消費税増税を実施し、そして、片や社会保障の国民負担増を強いながら、96兆円近い大規模な予算を可決しました。

その予算は国民の暮らしと日本経済に大きな災いをもたらす予算と言わなければなりません。8兆円の消費税大増税をかぶせ、社会保障の切り捨てと併せ10兆円の負担増です。暮らしも経済も壊す、経済の大失政の引き金を引く予算と言えるものです。年金、医療、生活保護等社会保障の給付削減をはじめ、教育、農業、地方財政など暮らしの予算の軒並み削減をし、一方で大企業減税をはじめ、国土強靱化を看板に大型公共事業のばらまき、成長戦略具体化のための大企業もてなしで、消費税頼みと依然として巨額の借金重ねの予算と厳しい批判があります。

 本市の新年度予算も、こうした国と歩調を合わせ、経済の活性化に全力を注ぐ交流拠点都市をめざす重点戦略予算として、債務負担行為を含めて、大型公共事業を進めながら、新幹線開通に向け、都心軸沿線をはじめ、県外資本大手企業呼び込み型のものとなっております。

 これまでも大型公共投資を進めてきておりますが、更にそれを大きく上まわり312億円とし、その中味は、金沢港建設事業。これは、国の国際コンテナ戦略、港湾政策にもとづき、さらなる大型化、大型客船誘致を進める為の事業として、県市併せて253億円。その内の市費負担は43億円となるものです。さらに外環状道路海側幹線整備事業に合わせ大友・直江・大河端の区画整理事業、また、一部企業の誘致を前提にした金沢森本インター工業団地造成事業、県外大手セレクトショップ等企業呼び込みの核店舗誘致促進事業補助制度の創設、そして都市再生の名による官民共同による都市再開発事業等いずれも国際競争力の強化、国土強靱化に沿った大型開発といえるものです。

 今回、いよいよ都心軸活性化事業の本格化となる片町A地区再開発事業は、従来の再開発手法から一層、大手ゼネコンに有利な手法である事業提案方式、特定業務代行、選定にもとづくもので、まさに大手企業中心の都市開発といえるものです。

 次にいよいよ北陸新幹線開業を迎えます。国の金沢までの最終事業費606億円が計上されました。そして、県内事業費のうち、金沢市区内分42億7700万円が最終事業費負担金となります。我が党は従来より、新幹線建設費用については、本来、国やJR、鉄道建設整備支援機構等が財政負担をもって建設すべきと主張してきました。在来線を廃止して、その肩代わりを地方に押しつけ、地元負担金まで拠出させる進め方には問題があることを指摘してきたところです。本市予算が大手企業、一部企業優遇の大型公共事業には大盤振る舞いをしながら、一方市民には負担増を押しつけるものになっております。

 市民生活にもっとも重要なライフラインであるガス、水道、下水道等の公共料金に消費税増税が、5億8000万円に及ぶと明らかになったことに始まって、消費税にかかる使用料、手数料の43件の引き上げは、紛れもない市民の負担増となるものです。

 その上、国民健康保険特別会計予算に込められている、国保料の引き上げによる負担増は耐え難いものがあります。

 当局は、昨年度からの賦課方式の変更に伴い、急激な負担増を回避する激変緩和措置を実施したといいますが、実際には、たとえば65歳以上74歳未満の夫婦で所得100万円年収なら230万円相当の方では、年間6万4901円の引き上げとなるなど加入世帯の約4割の方々が負担増を余儀なくされる事態です。加えて、障害者控除や寡婦控除世帯では3年間にわたり引き上げになるもので、到底納得できるものではありません。それに賦課限度額の引き上げが行われるのですから市民にとっては大変です。

 後期高齢者医療制度は、高齢者を区別し、亡くなるまで負担を押し付けるもので、この制度は改めるよう求めてきました。又、介護保険制度については、本制度が発足して以降、保険料は中核市で4番目に高い水準にあることに象徴されておりますが、相次ぐ制度改訂がされ、制度上からも様々に問題があり、改善されていません。

 ところで、新年度予算では、戸籍住民台帳費として社会保障、税番号制度移行事業費やそのセキュリティ対策費が計上されました。

 政府は税金や保険料の負担や社会保障給付の記録を、国が一元管理する共通番号、マイナンバー法に基づき実施することにしております。2015年10月から番号、氏名、住所、生年月日、性別が記載されたカードが全国民に配られ16年には顔写真やICチップの入った個人番号カードが手元に届けられるというのが計画です。それにより、地方で住民税や固定資産税、国保料等沢山の分野の情報をコンピューターに入力して行政一般に利用するようになるのですが、重大な問題を有するものと各方面からいろいろ指摘されております。プライバシー侵害、なりすまし被害の危険性はもちろん、税金、保険料の徴収業務の統合などにより、無慈悲な滞納制裁の横行や社会保障の自己責任論がまかり通る等々です。データー管理はどうなるか等、一兆円市場と言われ、巨大な利権をもたらすことへの問題視もありますが、今日、個人の人権を脅かす策動を許さず、国民のプライバシー権を守る上で、実施すべきではないと考えています。

  なお、野町小学校と弥生小学校の統合校である泉小学校と泉中学校の一体整備を進める学校建設に向けての実施設計には、統合促進、一貫教育懸念から同意できません。又、公務士の削減や業務委託や職員定数等については、職員や労働環境の改善からも、とりわけ今日みなおしが必要と考えます。

 最後に、市立工業高校の授業料の月額9,000円徴収を行おうとする条例についてです。御承知の様に高校授業料の無償化を願う要求に応え、政府が実施していたものですが、それを後退させたことが最大の要因です。しかし、地方自治体の裁量で授業料徴収をしないとすることは可能であったと考えます。

 以上の見解を申し上げ、我が党は引き続き市民の暮らしと地域経済の振興をめざすために全力を挙げるものです。

 

 次に請願についてです。

 請願第30号は、TPP交渉の内容開示等を求めるものです。

 御承知の様に、昨年末までの合意を目指したTPP交渉は、各国の利害の対立から合意に至っておりません。その原因は徹底した秘密主義と多国籍企業の利益を最大化するために、関税と非関税障壁を撤廃しようとするというTPPの特質と各国の利益の矛盾にあるだけに、当然のなりゆきです。

 こうした中で、政府はこれまで再三にわたって国益を守ると言って言明し、農産品5品目の関税撤廃が除外できない場合は、交渉から離脱することを明記した決議を上げるなどしてきております。

 しかし、政府は交渉の際に結んだ契約を理由に、情報の公開を拒否していますが、このまま推移するなら、国民は交渉の内容や経過も判らず、結論だけが押し付けられる危険性があります。よって、今日、交渉内容を国民に開示すること、TPP交渉から撤退することを求めることを本市議会としても意見書を提出することは、この時期極めて重要と思います。

 又、請願第31号は、米の需給と価格に責任を持つ米政策の確立を求める請願であり、農民運動連合会から提出されたものです。

 農水省の新たな農業・農村政策は、米の生産コスト4割引き下げる事を前提に経営所得安定対策や水田活用交付金などの補助金をゼロベースで見直すことにするもので、具体的には、「10アール当たり15,000円の米の直接支払交付金を平成26年度から7,500円に、平成30年度から打ち切り、米価変動補てん交付金は、平成26年度で打ち切る等、到底容認できるものではありません。

 あらためて、政府は食料自給率向上を最優先して、米をはじめ、主要作物の需給と価格に責任をもって進めることを求めるものです。

 

請願第32号「特定秘密の保護に関する法律」の廃止撤廃を求める請願についてです。

 何処からみてもこの法律が日本国憲法の基本原理である国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を根本から踏みにじり、日本をアメリカと共に、海外で戦争する国へと変える戦争法と言われるもので、問題の多いことが明白になりました。

 この法案審議が短期間の審議でもあり、憲法と相いれない内容であり、国民の各界各層からはもとより、国連機関や外国メディアなどに至るまで、強い批判が寄せられた事は、各位も御承知の通りです。

 ところが、安倍内閣と自民党・公明党がこうした国民の反対や批判を無視し、国会内の多数の力で審議を突然打ち切り、強行採決をした事に、国民の多くは成立後も怒りと不安を募らせております。とりわけ、今回提出された請願は市民の方々はもとより、石川県憲法会議や自由法曹団など、法曹界関係者の方々から、本特定秘密の保護に関する法律を施行せず、廃止撤廃することを国に求めているものです。あらためて、民意と議会制民主主義を全くないがしろにする様な法律は直ちに廃止することを議会として意思表明することは当然と考えます。

 

 次に、請願第33号「ブラック企業規制法の制定を求める請願」については、青年団体、日本民主青年同盟石川県委員会から提出されたものです。青年労働者の実態調査を掌握しながら、悪質な労働基準法違反や、離職率の高い企業名の公表等を盛り込んだブラック企業規制法の制定を国に求めるものです。

 

 次の請願第34号は、小・中学校の学校給食費の引き上げを見送ることを求める請願についてです。本請願に込められた願いは、若い子育て世代のくらしは、非常に厳しい実態であること。4月から消費税増税ともなると、子どもにかかる費用が一層かかってくるこういった時、義務教育無償化の原則から言っても、教育の一環である学校給食は、市費負担を行ってでも、給食費の値上げは見送るべきとの事を要望されているもので、議会は率直な市民の願いに応えることであると思います。

 よって、以上述べた請願陳情のいずれも賛成であり、委員会採択結果には反対であることを表明し、討論を終わります。

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