日本共産党金沢市議会議員 広田 美代
私は、日本共産党市議員団を代表しまして、議会議案第34号 農業の持続的発展に向けた施策の強化を求める意見書案に反対を表明し、討論を行います。
自公政権は、農産物の関税撤廃はじめ、医療、労働、地域経済、中小企業など、あらゆる分野に重大な影響を及ぼすTPP参加を強引に推し進めるとともに、日本農業を、アメリカと日本の大企業に新たなビジネスチャンスとして提供するため、今国会に「農業改革」関連法案を提出しようとしています。
TPP交渉では、政府が「聖域」としてきた、コメ、牛肉、豚肉、乳製品などの農産物重要5品目についても譲歩を重ねていることが明らかになっており、農家からは「自民党は選挙公約違反だ」と怒りの声があがっています。
日米交渉がいまだに妥結に至らず、12か国の交渉も難航している背景には、異常な秘密交渉や市場原理一辺倒の「アメリカ型ルール」押し付けに対する、各国国民の反対世論の広がりがあります。
いま、世界の流れは、グローバル化一辺倒ではありません。国連は、国際家族農業年を呼びかけ、家族農家・小規模農家こそ、食料安全保障や生物多様性、環境維持、貧困削減に貢献するとしています。
いま、農家のみなさんが願っておられるのは、米価暴落の対策をはじめ、農業を続けていくための価格保証や、家族農家・小規模農家も含めた多様な経営を支える農政であり、「農業改革」やTPPから転換すべきです。
そういった点で、この意見書案にあります「3.土地改良事業や農地中間管理機構を活用した農地の大区画化のための事業予算を確保すること」。これはTPP参加を前提にした農業の大規模化一辺倒で、「日本を企業が一番活躍しやすい国にする」として、営利企業に農業・農地を全面的に開放する規制緩和につながるものです。
そもそも、農地中間管理機構は、法律上の目的から耕作放棄地の復旧が外され、一部の大規模経営や株式会社を含む法人だけに、農地や施策を集中することとされており問題です。家族経営を主体とする農業を支え、食糧自給率を向上させることこそ、日本の農業の未来をつくりあげるものです。
以上の点から、この議案には反対を表明し、討論といたします。