日本共産党金沢市議会議員 広田 美代
私は、日本共産党市議員団を代表しまして、議会議案第31号労働者保護の立場に立った労働法制に関する意見書案の提案理由説明を行います。
安倍内閣は、日本を「世界で一番企業が活躍しやすい国」にするとして、「正社員ゼロ・生涯派遣」法案、「残業代ゼロ」法案、という2つの重大な法改悪をすすめようとしています。こうした動きに対して、「大量の不安定雇用を生み出す」「過労死を激増させる」などとして、全労連や連合も含めて、まさにすべての労働者から怒りの声が上がっています。
そんな中、安倍内閣は今月13日、派遣労働者の受け入れ可能期間を事実上撤廃することを柱とする、労働者派遣法改悪案を閣議決定し、国会へ提出しました。過去2回にわたり、廃案になった法案を一部修正しただけで、今国会での成立を狙っています。この労働者派遣法改悪案は、「派遣はあくまでも臨時的・一時的な仕事に限る。正社員を派遣に置き換えることはしてはならない」というこれまでの大原則を投げ捨てるものです。なぜなら、大原則の担保としてあった「原則1年、最長3年」という派遣の受け入れ可能期間について、人を入れ替える、部署を移動するなどすれば何年でも可能であるという改悪案だからです。
現在日本では、不安定な非正規雇用で働く方々が増え続け、全体の4割近く、若い世代も上昇傾向、女性では半数を超えています。
非正規雇用の中でも派遣労働は、雇用主である派遣元企業と、使用者である派遣先企業が別の間接雇用であって、とりわけ深刻な問題を抱えています。
つねに「首切り」の不安におびえる不安定さ、懸命に働いても貧困から抜け出せない異常な低賃金、教育も訓練もなしの職場で多発する労働災害、そして何よりも人間として気遣われることもなく、モノ扱いされるつらさ。とりわけ、若い世代にこのような働き方をさせる日本に未来はあるでしょうか。国民の批判によって、2度までも廃案になったこの法案を認めるわけにはいきません、3度目の廃案とするため、この意見書がその後押しとなるよう、議員各位のご賛同をお願い申し上げ、説明を終わります。