2015年12月18日
議会議案第18号マイナンバー制度の運用中止を求める意見書の提案説明
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第18号マイナンバー制度の運用中止を求める意見書の提案説明を行います。
マイナンバー制度は、すべての国民に12桁の番号を割り振り、来年の1月から税申告や社会保障の手続きなどに利用するとしています。しかし、この問題をめぐる混乱が収まらない事態となっています。
10月半ば以降、市区町村から番号を知らせる「通知カード」が届けられていますが、自治体に返送された通知カードは全国で500万通にのぼり、本市でも1万6700通が返送される事態となり、誤配、誤記入などトラブルが相次いでいます。
一人一人の生活状況を考慮せず、大切な管理が必要な番号通知を一律に送ろうという国の乱暴なやり方が問われています。
こうした中、来年1月から個人番号カードが交付され、運用が開始となります。
申請は任意で、強制ではありませんが、国は、医療・介護・福祉や税など利用拡大を進めようとしています。
結局、この制度によって、国が国民を管理し、税の徴収強化につながるとの指摘があるほか、個人情報が漏れたり、なりすましで利用がされるなど危険性が指摘されています。こうした国民の不安が解消できない中、年金情報の流出、堺市での市民68万人分の情報が外部に流出する等が起こり、ますます、国民の不安は広がっています。さらに、金沢をはじめ全国5つの地方裁判所で「マイナンバー違憲訴訟」が起こっています。その中で、代理人の弁護士は、「マイナンバーは、1億3000万人弱の個人データーを扱う巨大インフラだ。いったん動き出せば見直しは事実上、不可能。弊害が社会問題になる前に差し止め、見直すべきだ」と述べています。
また、中小企業からは、この導入に係わる負担が重いとして悲鳴の声が上がっています。
このマイナンバーをめぐって、厚生労働省職員の収賄事件が摘発されました。マイナンバー関連企業の発注額862億円の約9割を政府の検討会議に参加している9社で独占しました。富士通、日立製作所、NEC、NTTデーターなどITゼネコンと呼ばれる大手企業です。政官財が食い物にするようなこの事業は、「百害あって一利なし」です。
よって、この意見書は、このような状態では、国民の理解を得ることは難しいとして、マイナンバー制度の運用を中止することを国に求めるものであります。
議員各位のご理解をいただきますよう求め、提案理由の説明を終わります。