2015年12月定例月議会 最終討論

12月議会最終討論

広田 みよ

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。 

わが会派は、今議会に付託された議案のうち、議案第39号「平成27年度金沢市一般会計補正予算」、議案第43号「金沢市行政手続きにおける特定の個人を鑑別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について」、議案第45号「「金沢市税賦課徴収条例の一部改正について」及び議案第48号「金沢市国民健康保険条例及び金沢市介護保険条例の一部改正について」の議案4件について、請願第7号ないし請願第12号の請願6件、陳情第4号の陳情1件の各委員会での不採択に対し、反対を表明します。

 

 まず、議案第39号の補正予算については、商店街振興費の核店舗誘致促進事業費補助金について賛成できません。周囲への集客などの波及を狙うとして、大手有名店をキーテナントとして、1店舗あたり改修費上限2000万円、家賃補助1000万円の補助を行うものですが、すでに今年度開業した片町きららにおける、この補助金での誘致結果は、近隣の商店街では必ずしもよい影響が出ているとは言えません。むしろ大手有名店に客が集中した結果、異なる本市の補助をもらっていたテナントすら撤退、もしくは移転しています。しかも、この補助金は県内初出店の大手有名店に限られるため、地元企業が対象となることは難しいものです。こうしたことから、さらに県外の大手有名店だけを対象とし数千万円の補助をして誘致するのには反対です。

 

 議案第43号、45号、48号の議案3件は、マイナンバー制度の施行にともない条例の一部を変えるということも含んでおり、マイナンバー制度の中止を求める立場から賛成できません。

 

 請願・陳情についてですが、

 

請願第7号は「消費税10%増税反対の意見書採択を求める」請願であり、金沢白山民主商工会の代表から提出されたものです。

 連日『軽減税率』が報道されると、税負担が軽くなるかのような錯覚をしますが、実態は、2%の増税分5・4兆円のうち、1兆~1・3兆円を減税したとしても、4兆円を超える大増税となり、1家族あたり年4万円以上の負担増となります。

さらに逆進性という点でも、現行の8%と比較して、『軽減税率』を実施したとしても10%では逆進性が広がることになります。政府与党は、『軽減税率』の『財源』を確保するためとして、『4000億円の低所得者対策』をとりやめるとしています。何のための『軽減税率』か、もはやまったく説明がつきません。結局、大増税という毒薬を『軽減税率』というオブラートに包んで無理やりのみこませるというものであり、選挙目当ての最悪の党利党略といわねばなりません。よって、消費税10%の増税はやめるべきです。

 

請願第8号は「所得税法56条廃止の意見書採択を求める」請願で、金沢白山民主商工会婦人部の代表から提出されました。

日本の経済を根底で支えているのは、中小業者です。その中小業者の経営は、大半が事業主と家族の労働によって成り立っています。とくにこの大不況のなか、中小の事業所や商店では人を雇う余裕などなく、事業主の妻や子どもの働きによって苦境を乗り切ろうと懸命の努力をされています。

所得税法第五十六条は、この家族従業員が果たす社会的役割を思慮するどころか、その権利をふみにじり、経済的な損失をあたえています。

 

請願第9号は「TPP交渉に関する」請願で、農民運動石川県連合会の会長から提出されたものです。

TPPは12カ国の交渉が大筋合意したといっても、まだ協定の全文も確定せず、参加各国の署名や批准の見通しもはっきりしません。そんな中、安倍政権が「対策」を打ち出したのは、国民の不安・懸念に応えず、協定の中身が国民に知られないうちに都合のよい宣伝で協定への署名や批准を進めやすくする党利党略です。

とりわけ大きな被害を受ける農業分野では、多くの批判の声があがっています。コメなど重要5項目について関税の撤廃や引き下げを認めず、それができなければ交渉脱退も辞さないという国会決議にもとづく交渉だったはずで、その決議が守られたかは国会できちんと検証すべきです。野党がそろって要求した臨時国会も開かず一方的に対策を打ち出すのは、国会軽視、国民無視の表れです。

 

請願第10号は「マクロ経済スライドの実施の中止を求める請願」で、全日本年金者組合金沢支部の代表から提出されました。

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人が、2015年7~9月期の運用損益が7兆8899億円の赤字に転落したと発表しました。安倍政権が進めた、公的年金による株価つり上げ政策が、年金に巨額の損失をもたらしました。

国民の年金を「マクロ経済スライド」を発動して抑制しながら、国民の納めた保険料である積立金を、政権維持のために危険にさらす姿勢が問われますし、今後30年間毎年1%の年金削減は許されません。

 

請願第11号は「国民健康保険制度の改善を求める請願」であり、国保をよくする金沢市実行委員会のほか、62団体から提出されました。

国民健康保険は、加入者の過半数が年金生活者などの「無職者」で加入世帯の平均所得は160万円程度にすぎません。そのため、国の国庫負担金があって初めて成り立つものであり、誰もが払える保険料にするため必要な措置を講じる必要があります。

 

請願第12号は「「安全保障関連2法」の廃止を求める」意見書採択についての請願で、新日本婦人の会金沢支部の代表から提出されたものです。

安保法制は「日本や世界の平和を守るためにある」と言う方もいますが、テロの拡大やこの間の国際紛争の泥沼化を見ても、武力の使用や武力の誇示で国際平和を維持しようなどという考え方は時代遅れであり、外交と対話で平和をつくっていこうとする国際社会の努力に水をさすものです。廃止を求めます。

 

陳情第4号は「市民オンブズマン石川」の代表幹事から提出されたものです。

 政務活動費を10万円に引き下げることや、収支報告書から領収書までを市議会のホームページ上で公表することは、透明性を担保し市民の生活実態に沿うものであり賛成できます。

 

以上、請願6件、陳情1件について賛成であり、付託された各委員会での不採択に反対するものです。

 

さいごに、今議会市長の提案理由説明の際に行われました「連携中枢都市宣言」ですが、新たな都市合併そして道州制を意図するものであり、今後の具体化には賛成できません。

 

以上で討論終わります。

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