大桑 初枝 2015年度3月定例月議会一般質問 2016.3.14

2015年度(2016年)3月定例月議会 一般質問

日本共産党金沢市議員団  大桑 初枝

 

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下、数点にわたり質問いたします。2016.3大桑

 

 

まず、市民の生活実態についてです。

 

2017年4月より、消費税10%に引き上げが予定されています。

低所得者層ほど負担感が強い今回の引き上げに、国民の多くが、反対しています。

消費税8%に引き上げの際は、「年々伸びていく社会保障費の増加をまかなうためのもの。増収分は社会保障にあて、子ども子育て支援の充実にも使う」と説明がありました。

しかし、増税分のうち、社会保障の充実にあてられるのは、わずか1割で、実際は年金の削減など負担増が目白押しです。

年金生活者の中には、「年金が減らされるのに、物価の値上がりと増税でどうやって暮らして行けというのか」という怒りの声が渦巻いています。

厚生労働省による2014年の国民生活基本調査の概況では、6割以上の方が、「生活が苦しい」との回答を寄せています。

こうした状況で、消費増税を行えば、市民の生活はますます苦しくなるのではないでしょうか。

先日、わが党議員団の森尾議員の消費税に関する質問に対して、市長は「消費増税はさけられない。今後の動向を注視してまいります」と答弁されましたが、年金生活者の方々の声を聞かれても、そのお考えに変わりはありませんか?

現役世代の方々も悲痛な声をあげておられます。なかなか正規社員として採用されない。採用されたとしても、賃金は上がらない、物価の上昇に追いついていないという現状にあります。

私は、こうした市民の方々の声を聞くにつけ、国に対して消費税の増税はしないよう求めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

 

 

母子世帯の困窮ぶりも顕著です。

この点について具体的な事例をあげながら質問いたします。

母子世帯の母親の雇用形態は、パート・派遣・アルバイトなど不安定で、低賃金のため、2つ、3つと仕事をかけもちしている方もおられます。

厚生労働省の調査によると、2011年では、就労収入が平均年収181万円です。3割の方は年収100万円未満、6割以上の方が年収200万円に達していません。この厳しい経済条件は、今なお続いています。

休めば収入が減るので、体調が悪くても仕事を続けなければなりませんし、子どもさんの学校行事にも参加できないという状況にあります。

仕事に追われ、くたくたになって家に帰って寝るだけという生活が続いている現実があります。

母子世帯のお母さんは、「働いても働いても生活は苦しい」との悲痛な訴えを述べています。

先日、高校2年と中学2年の息子さんを育てているシングルマザーの方から相談がありました。高校生の長男が不登校でやっとフリースクールに通い、そこでの通信教育を受け始められたそうです。ただ、二人にかかる教育費が高く、特に二男の部活動でシューズや道具を買うのにお金がかかると言います。

この方は、今年の5月まで養育費が入ってくるので、それで何とか生活ができてはいるが、5月以降は子どもたちを育てていけるだろうかと不安の声を述べています。

 

また、近所に住んでいる母親から支援を受け、私立高校に通う長男と、新しく高校生になる娘さんと暮らしているシングルマザーの方からの相談もありました。

その方の月収は10万円弱で母親から援助を受けて生活をしていますが、進学を迎える4月が一番大変だといいます。援助をしている母親は障害年金が月額6万円弱、体調も悪く、生活保護の申請をしようかとも思いましたが、なんとか働いて、収入を得なければ娘を助けてやれないと涙ながらに話をされていました。

ひとり親世帯が、長時間働かなくても、安心して生活していくことができるように、児童扶養手当の引き上げや、住宅費や教育費の支援強化など、経済面での支援が必要と思いますが、いかがでしょうか。

本市では、学業優秀で低所得家庭の高校生を対象に給付型の奨学金が月額1万円支給されていますが、その対象は100人にすぎません。

学力の条件を外して、対象を増やし、支給額を拡大することを強く求めますが、市長のお考えを聞かせてください。

同時に、本市では援護規則第3条第1項の規定に基づいて療養援護を受けている世帯に対しては上下水道の基本額を減免していますが、これをひとり親家庭を含む低所得世帯にも適用するお考えはないか、お尋ねいたします。

 

 

介護について、お尋ねいたします。

 

昨年4月以降、介護保険制度が改定され、国と自治体が果たすべき『公的責任』を後退させ、必要な介護サービスを受けられなかったり、負担が増えたりするなど、新たな困難を国民に押し付けています。

そして、介護報酬の引き下げなどが、介護施設に経済的な打撃を与えています。

特養入居は、原則要介護3以上に限定されました。要介護1,2の人を入所申し込みの対象から除外すれば、行くあてのない介護難民を発生させることになりかねません。

同じく、昨年8月に改定された施設の利用者負担1割だったものが、合計所得160万円以上の方は利用料が2割負担になりました。

低所得の施設利用者の補足給付についても、資産要件が加わったことで、自分なりの将来計画を立てることができなくなり、ショックを受けている人、若い時からコツコツと真面目に働き、将来のためと節約をしてきたのに、資産要件ができ、また、プライバシーも守られないことになったため、人権侵害だという人もいます。

配偶者がいることで、施設利用料が年間80万円増になった方は、同じ生活を送っているのに、負担が月5万円から11万円と倍以上になり、年金生活では払えないと言い、また入所継続に困難を生じている利用者も出ているといいます。

 

介護職員の待遇についても、大きな問題となっています。

政府は、平成27年度内に介護職員の給与を上げるための制度を導入しましたが、組合の調査によれば「給与が増えた」と答えているのは、全体の25.3%にとどまり、一般職の6~7割という介護職の低い賃金がいっこうに改善されません。

もちろん給与面だけで待遇全般について語れるわけではありませんが、介護現場が、慢性的な人手不足に陥っている背景の一つに、「仕事量・内容の割には賃金が低い」ということがあげられます。

そこで、市長にお尋ねいたします。

介護の現場で働いている方々の待遇について、市長はどのように感じておられますか。そして、市民の仕事確保という面からも、また要介護の市民を守る上において、介護職員の確保のためにも具体的にどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。

 

この質問の次に、介護保険制度の『改正』に伴う、介護予防・日常生活支援総合事業化を進めるにあたって、おたずねします。

本市は、来年4月から『新しい総合事業』を始めるとしています。これは、要支援1と2の人への専門職による訪問介護と通所介護を、予防給付の対象から外し、自治体が行う新しい総合事業へ移行するというものです。

市は『新しい総合事業』として、人員基準を緩和して、現在の報酬より低くして実施する生活支援型訪問サービスと、通所サービスを始めるとしています。

これでは明らかに現在のサービス水準が下がり、必要な介護が受けられなくなるのではありませんか。市長の答弁を求めます。

事業所は基準緩和した生活支援型訪問サービスや、通所サービスは、今より低い報酬で運営が迫られることになります。

結果的に、事業所の経営困難あるいは、廃業に拍車をかけることになりませんか。お伺いいたします。

全国老人福祉施設協議会が意見書を出しました。

その要旨は、家事援助は単純に調理・買い物のみを行っているのではなく、ケアプランに基づき、訪問介護計画で目標を掲げて、実施している。食べ残しの状況から体調を観察したり、買い物の内容で、認知症の症状の進行を把握したりと、専門職による支援をしています。しかし、家事援助を民間サービスにゆだねると、上記の支援が期待できず、在宅生活の維持が難しいという内容のものです。

ヘルパーは、単に家事援助をしているのではなく、専門的な支援で、重度化させない介護予防者としての役割を担っています。

しかしながら、事業所などからは、「利用者が、経済的理由で、専門職の必要性の有無よりも、安上がりのサービスを選ぶしかないという事態が出てくるのではないか」と懸念の声が上がっています。

昨年4月から要支援者の総合事業への移行を開始した東京都国立市は、緩和した基準による訪問型サービスを導入し、ヘルパーによる生活援助の時間を1回45分に、15分短縮し、報酬を23%カットしました。ヘルパーさんは実働時間が減り、収入が落ちたと言います。

事業所は、平成27年度からの介護報酬引き下げで、経営が厳しい上、新しい総合事業で市は「低い報酬のサービスを始めよ」ということですから、『新しい総合事業』は、利用者、介護事業所ともに疲弊をもたらすだけではありませんか。市長にそのような懸念はないのか、また、対策は考えておられるのか、お尋ねします。

今、自治体は住民の願いにどうこたえるか、が問われています。事業化によって、これまで受けていた必要なサービスが、後退することがあってはなりません。

要支援の方、すべてに、現行水準の訪問介護・通所介護を保障し、安上がりなサービスに置き換えるのではなく、現行サービスを維持したうえで、さらに充実させることを求めます。市長の考えをお聞きします。

2016.3大桑2

 

公共交通の整備について、おたずね致します。

 

公共交通の充実は、全ての市民が安心して豊かな生活と人生を送るために欠かせない、極めて重要な事です。

 福祉の充実とともに、最も力を入れてほしい市民の願いの中に、公共交通の充実があげられます。公共交通を充実させることは、金沢市にとって重要な課題でもあります。

 新年度予算では、新しい交通システム検討調査費として1500万円の予算が計上されています。また新聞等では、LRTやBRTの策定を検討している、と報道もされています。

 2月に発表されました第2次金沢交通戦略の概要版を見ましても、金沢港から金沢駅、そして「まちなか」を結ぶ路線に新しい交通システムを導入すると書かれています。しかし、それらが市民の望む公共交通なのか、そして市民の願いにこたえるものになるのか問われています。

 本市は、旧城下町の街並みが色濃く残っているため、大幅な車線はとれません。そして交通システムを導入するとなれば、ばく大な予算を投入していかなければなりません。まずは、現行のバス路線を拡充し、コミュニティバス路線を新規に創設し、バス路線とバス路線とが、つながっていない地域を結んだり、交通不便地域などへの乗り入れを検討したりするほうが、現実的ではないでしょうか。新しい交通システムの導入には広く市民の声を聞き、大型開発につながるものとしないよう、強く求めたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせ下さい。

あわせて、交通不便地域への地域主体のバス運行支援策についても、おたずねします。

私たち市議員団は、再三にわたり地域密着型で誰もが気軽に利用できるコミュニティバスの運行を求めてきました。

それに対して市長は、「まちなか以外の交通不便地域については、地域が主体となるバス等の運行を支援する制度を既に設けており、その制度を活用されている地域もある」と答弁されています。しかしこの制度は、限られた地域の運用となっており、利用者や町会連合会などの負担が大きく、継続が困難となっています。これでは、公共交通の充実とは言えないのではないでしょうか。まして、高齢化が進む地域にあっては負担が大きいため、活用したくても活用できなくなるという事態におちいるのではないでしょうか。どのように支援の充実が図られるのかを伺います。

公共交通が手薄な地域、また交通空白地域を現状のままにしておくわけにはいきません。市民の要望に応え、市内の各地域に地域コミュニティバスを運行する計画を作り、それを実現することこそ進めるべきではありませんか。

改めて、地域密着型で誰もが気軽に利用できるコミュニティバス創設を求めますが、市長のご見解はいかがですか。

市営住宅について、お尋ねいたします。

 

 

今、市営住宅の多くは、建ててから40年を経て、さまざまな問題をかかえています。

当時入居者の年齢層や家族の形態が同じようであったため、団地全体の構成は似かよったものになっていました。数十年前は、子育て世帯が多く、子どもの声であふれていましたが、そのまま住み続けた人々は、高齢期を迎え、年金生活になるなど、世帯収入も低下し、コミュニティの衰退など、さまざまな問題を抱えるようになりました。

市営住宅は、政府による政策で、低所得者しか入居できなくなっています。収入が少しでもあがると、民間並みに家賃が高くなり、一定の収入になると、高額所得者として退去を求め、結果として低所得の世帯だけが住む事態を作り出しています。

今回、新年度予算の中で、緑住宅再整備計画策定費が計上されています。

単身高齢の入居者が多く、将来的な配置を見据えた計画をということですが、住み続けられる団地再生を行う上において、住民参加で住民の声を生かした団地づくりを行うべきです。

市営住宅にお住まいの皆さんから、

「玄関や風呂のカビがすごい、なんとかならないか」

「新しい畳でも、掃除機をかけただけで、畳表がボロボロになってくる」

「浴そうが深くて、入りにくい」

「耐震工事をしたんだけど、雨漏りがするようになった」

など、改善してほしいという声が多く聞かれます。

本市の市営住宅の改修や改善について、新年度予算の中でどのような対応がされるのかお聞きします。

なかでも、緑市営住宅については、どのような対策が考えられるのですか。お聞きしたいと思います。

 

 

また、市営住宅の空き部屋対策についてお聞きします。

空き部屋が全部で何戸ありますか。

各地域の市営住宅別に明らかにしてください。

年4回、市営住宅の募集が行われていますが、西部地域にあたるいくつかの市営住宅で応募が少ない状況が続いています。

しかし、単身者用は公募数も極端に少ないので、すぐに埋まってしまいます。

そうであるなら、単身者用を増やす、シェアハウス用にするなどの手だてが必要ではないでしょうか。おたずねします。

 

 

 

市営住宅の空き部屋が増えると、育まれてきた隣人関係も弱まり、コミュニティの維持が難しくなります。

また、隣人関係がとぼしくなった高齢者は、外出する機会が少なくなり、ケガや病気をしていても、発見が遅くなる、体調不良や認知症の発見も遅くなるなどの懸念もありますが、市として、このような現状にたいして、その方策を考えておられるのか、お尋ねします。

緑市営住宅でも、近所のスーパーなどの利便施設が閉鎖するなど、生活環境の悪化が進んでいます。こうした事態から古い建物を全面建て替えを進めるとともに、大規模な再生をも含め空き部屋解消をはかるべきだと思います。

2戸を1戸にし、若い人向けにリフォームをし、子育て世代の入居を促すだけでなく、2戸を3戸にするなど、規模を縮小し、一人暮らし用にするなど多様な工事を行ったらどうでしょうか。

そして、例えば、洗濯室やコーヒーコーナー、談話室など多様な共用スペースを新設し、高齢者の居場所づくりをと思いますが、市長のご見解をうかがいまして、私の質問といたします。

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