金沢市議会・2016年9月一般質問(一問一答)
2016年9月16日 日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭
私は、日本共産党市議員団の一員として、以下の質問を行います。
最初の質問は、第二庁舎建設と通路建設についてです。
質問1-1
市長は、今議会の提案説明の中で、この件について議会の特別委員会において本庁舎と第二庁舎を結ぶ上空通路を設置することで了承得られ、その後、景観審議会の建物部会においても、その方向性について基本的な了解を得られたと述べ、上空通路で第二庁舎建設に向けての実施設計を進めていくと述べました。
これまで、地下通路を進めてきたはずが、基本設計と実施設計の段階を迎え、上空通路に変更されました。これまで説明されてきたことを大きく変更されるわけですから、第二庁舎建設計画そのもののやり直すことが必要ではありませんか。市長の見解を伺います。
回答
質問1-2
昨年の12月議会で私は、第二庁舎建設について議会棟と地下通路建設はやめるべきとの質問に答え市長は、「地下通路は有効な手段の一つである」と述べました。今年6月議会では、「景観への配慮から連絡通路につきましては地下を基本に基本設計をまとめた」と答弁しました。市長は、第二庁舎建設にあたって、市内の各方面の方々から意見をお聞きしたと述べてきました。それが、庁舎等整備再編検討懇話会です。3回の懇話会が開かれ、最後に開かれたのが昨年2月10日です。この中で、通路についてどんなやり取りがあったのか。6人の委員のお一人である丸口副市長から伺いたいと思います。
回答
質問1-3
この懇話会の8か月後の今年2月18日に「本庁舎周辺施設再編整備基本計画」が議会の総務常任委員会に提示されました。そして、公募型プロポーザルが示され、この中にも本市庁舎との地下通路を確保。事業費約65億円が明示されました。応募には12社があり、第二次審査で4社となり、8月26日1社の選定がされました。そして、当初地下2階地上3階であったものが地下は1階となり、さらに、景観上問題があるとして地下通路が検討されたもののこれを断念し、上空通路へと変更するわけです。こうした経過からして第二庁舎建設計画を見直し、議論をやり直すことが必要ではありませんか。市長がたびたび市内の各方面からの意見を伺ったとする懇話会の議論とは異なった上空通路の建設を進めようとしています。
市長。市民的な理解と合意づくりがされていないまま、建設をすすめわけにはいかないのではありませんか。市長の見解を伺うものです。
答弁
質問1-4
景観上問題だとされてきた上空通路は、指摘されてきた問題が解決されたわけではありません。市当局も3つの課題を指摘しています。第一は、景観審議会の了承。第二に、周辺に調和した意匠。第三に、樹木の移植等。です。上空通路を建設するには遺跡に連なる樹齢300年余とされるケヤキがあります。この区域は、本市が誇る伝統環境保存地域であり、本市が率先して守り継承していく歴史的責任があります。この点について、どのように検討されたのですか。
回答
質問1-5
8月30日本市景観審議会の建物部会が開かれたとのことです。ところが、こうした公的な建物について審議するというのに非公開で、会議録も示さないということは、どんな議論が交わされたのかわかりません。この建物部会の委員には、石川県建築士事務所協会会長が名を連ねています。この方は、この建物の基本設計業務に係る公募型プロポーザルに対して選定され、実施設計業務の委託先(随意契約平成28年5月20日契約締結。株式会社五井建築研究所)である建築研究所の取締役ではありませんか。都市景観審議会を主管する都市整備局長に伺います。
回答
質問1-6
市長。これでは、まっとうな審議を経て了承が得られたとは到底いいがたいと思います。プロポーザルをやり直す。実施設計の委託を変更するなど第二庁舎建設そのものをやり直すべきではありませんか。
回答
まとめの意見。
市民から厳しい意見が続いています。
第二庁舎建設をめぐって、市民の税金がつかわれるだけに市民の願いが反映されるものなのかが。問われています。
市民の理解と合意がないまま64億円を投入して、議会棟が主たる第二庁舎建設を強行してはなりません。ましてや、伝統環境区域にある場所で、ガラス張りの上空通路を建設することはあってはなりません。このことを再度述べ
次の質問を移ります。
回答
2 質問の第二に、家庭ごみ有料化ではなく、市民参加でごみ減量化を進めることについてです。
質問2-1
市長は、「市民の皆様の理解が更に深まるように」と述べています。
いったいどんなことが市民に理解されたと考えらおられるのか。伺いたいと思います。
回答
質問2-2
ごみ有料化へ「納得」は遠く。と題して、市民の声が8月7日付けの地元紙に掲載されました。この方は次のように指摘しています。「願わくばこれをもって『町会に対する説明会は無事終了』と金沢市長へ報告されないように。ごみの減量や資源化は誰も反対ではないが、ごみ袋有料化が唯一最良のものかどうか、まだまだ『納得』にはほど遠いものだった」この方の率直なご意見です。
こうした市民の声をどのように受け止めておられるのか市長の見解を伺います。
回答
質問2-3
燃やすごみを減らし、資源化・分別収集に多くの市民が心をくだき、町会あげて努力を続けています。こうした中で、市は平成24年度から硬質プラスチック等を埋め立てごみから燃やすごみの回収に変更しました。新しい西部の焼却施設が稼働したことによるものと説明されました。ところが、この方針変更によって、プラスチック類が燃やすごみに出されるなど資源化・分別に混乱をもたらしました。資源化率を引き下げる要因とも指摘されています。
去る7月22日校下婦人会連絡協議会との意見交換会において、市長は、このことに触れ、「ペットボトルも出していいんじゃないかと誤解を与えてしまった」と陳謝したと報じています。だとすると市として、誤解をとき、対策を講じなければなりません。市長から説明を求めるとともに、今後の対策について伺います。
回答
質問2-4
市長は、説明会の中で、ごみ処理にかかる経費は年間40億円にのぼり、この経費を少なくして将来に備えるためにも家庭ごみ有料化が必要だと述べてきました。
一方、ごみ焼却に伴う売電収入が年間約9億円にのぼる事には触れようとしません。市民の協力によって、こうした財源を生み出しているだけに、本市の一般財源に入れてしまっている現状について、改善を求める指摘があります。
平成26年度3月議会において、経済環境常任委員会の要望事項につぎのように取り上げています。
エネルギーの地産地消の一層の推進に向けて、環境エネルギーセンターの売電収入の活用等による再生可能エネルギーの導入促進に資する基金の創設を求めるとともに・・
というものです。その後、どのような検討がされているのか伺うものです。
回答
質問2-5
先月、地元紙の声の欄に次のようなご意見が掲載されました。
生ごみを減らすために取り組んでいる自らの実践。ごみステーションの管理のために努力している様子などをつづり、最後に「有料化の前にやることがある」と結んでいます。
市長。市民からの率直なご意見です。真摯に受けとめねばなりません。
この項の質問の最後に、家庭ごみ有料化ではなく、市民参加でごみ減量化を進めるよう求めるものです。市長の見解を伺います。
回答
次の質問に移ります。
3-質問の第三に、公共事業のあり方と入札、検査、工事成績評点についてです。
まず、公共事業の在り方についてです。
質問3-1
木越団地と木越町の間を流れる馬渡川があります。この拡幅と合わせ、武者造橋の建設が行われ、橋は、一昨年6月に完成しました。この工事の目的と事業費について明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-2
この橋の建設工事は大変なもので、馬渡川の拡幅とともに、橋の建設では、地中深く固い地盤までの48mまで杭を打ち、河川の右岸に4本、左岸に6本をリバース工法という方法で下部工事が行われました。上部工事も専門的な技術が必要で、延長30mの橋の建設工事が行われました。現場に行ってみると何回か工事の手直しが行われた結果、隣接する家屋への用排水路や隣接する畑との間の用排水路などが寸断されたり、直線でなかったりしている現状でした。
工事完成後の検査はどのように対応したのか。その工事成績評点について明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-3
この橋の上流約250mには中道橋があります。逆に下流90mに馬渡橋があり、この馬渡橋から90m下流にみずき二の橋があります。さらに、このみずき二の橋から約180m下流には5号橋があります。直線で約600mの間に5本の橋が建設されたことになります。馬渡川の拡幅工事もこの区間では半分が残ったままです。完成した武若造橋の付近の住民からは、1億5千万円もかけて作りくり、橋だらけになっている。川も水が流れないし、ため池のようだ。役所はどんな計画だったのか。との声が出されています。市長からこの地域の全体計画と馬渡川の拡幅工事の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-4
ところで、完成した武者造橋の近くの民家に、この工事によって家屋への被害が発生しています。今後の対策についてどのように取り組むのか明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-5
次に、公共工事の入札、検査、工事成績評点について伺います。
まず、昨年の本市公共事業で最低制限価格を導入した入札件数と最低制限価格での落札件数・そのうち、抽選によるものの件数を明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-6
最低制限価格での落札が293件で全体の41%と平成25年度の1.5倍となっています。そのうち77%が抽選によるもので227件となっています。入札全体の32%にのぼっています。公平公正な入札の在り方に問題はありませんか。市長の見解を伺います。今後の改善を向けて、公契約条例の導入、談合の防止、小規模工事登録制度の実施など検討が求められます。今後の対策についても、市長の見解を伺うものです。
回答
質問3-7
公共事業が適切に行われているか。検査が実施され、工事成績評点が付けられます。ところが、この検査体制が7人で、その内建築、電気の担当が1人ずつとなっています。現状では十分な検査体制とは言い難い状況です。
また、本市は、公共事業の品質確保のために工事成績評点について65点以上を確保することなどを入札の条件に付与してきました。ところが、こうした条件を見直す検討がされているとのことです。
今後の対策と対応について、見解を伺いまして質問を終わります。
回答