金沢市でのLRT導入について、
先日の行政視察での国土交通省との勉強を経て、金沢市へ申し入れをおこないました。
2017年2月23日
金沢市長 山野 之義 様
LRT(次世代型路面電車システム)をめぐる国の政策について
日本共産党金沢市議員団
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
去る2月20日 わが党市議団は、井上さとし参議院議員の紹介で、LRT(次世代型路面電車システム)について、国から説明をお聞きしました。
対応されたのは、新屋千樹・国土交通省都市局街路交通施設課街路交通施設企画室企画専門官、山影一茂・国土交通省鉄道局鉄道事業課企画調整官など国土交通省の担当者です。この中で、
1 国としては、新たな都市交通としてのLRT(次世代型路面電車システム)は、まちづくりとしてしっかり位置付けることと、都市交通の体系の中で具体的構想を進めていただきたい。
2 国としての財政支援は、国土交通省として、整備構想事業を進めるために社会資本整備総合交付金として、10分の5.5の財政支援。地域公共交通確保維持改善事業(平成29年度から訪日外国人旅行者受け入れ環境整備対策事業との名称に変更)で、事業者に対して、車両購入経費の3分の1ないし、2分の1の財政支援があるとのことでした。
3 LRT(次世代型路面電車システム)導入にあたっては、軌道法に基づき、安全性と採算性の確保が必要であり、必要な審査を経て許可されるものです。
4 宇都宮市、前橋市、豊島区、葛飾区などでLRT(次世代型路面電車システム)導入が検討されているが、あくまでも、それぞれの地域で検討されるもので、国としては、率先して導入を推進しているものではありません。
以上の点が国からの説明でした。
5 去る2月16日金沢市の新しい交通システム検討委員会が山野市長に提言書を提出しました。この中で、金沢港から北鉄石川線野町駅のルートに地上走行方式の機種を整備することが望ましいとの内容が提言されました。これを具体的にLRT(次世代型路面電車システム)導入を検討すると新聞報道にあるように、路線1キロを整備するのにBRT(バス高速輸送システム)は、10~20億円、LRT(次世代型路面電車システム)は30~50億円が必要で、約7.8キロのコースで検討するとBRT(バス高速輸送システム)は、最大約160億円、LRT(次世代型路面電車システム)は約400億円が必要とのことです。LRT(次世代型路面電車システム)を導入するとして、国から220億円の財政支援があったとしても、残り180億円をねん出しなければなりません。さらに、車両の購入費が必要です。そして、運行する事業者はどうするのか。安全性の確保、採算性に至っては見通しがないのが現状です。
6 わが党は、LRT(次世代型路面電車システム)導入について、本市の財政負担が大きく、ルート設定や利用者の見通しなど諸課題が多く、市民的な理解は得られない。と考えるものです。今求められているのは、市内全域を対象に、公営の地域密着型コミュニティバス運行計画を策定し、実施することであり、その実現を強く求めるものです。