金沢市議員団は7月28日、山野市長あてに「金沢プールでの飛び込み用トレーニング施設での人身事故と今後の安全化対策について」の申し入れを行いました。
(内容)
金沢プール(この4月9日オープン)に設置された飛び込み用トレーニング施設において、去る3月25日、新しい施設の試技と調整を行っている際に、人身事故が発生しました。
わが党市議団は、3月31日施設を調査し、4月3日市長に対して事故の原因究明と対策について申し入れを行いました。その後、6月定例月議会や担当する市議会常任委員会での議論を経て、本市として対策を実施し、この29日にも施設の利用が始まろうとしています。
わが党市議員団は、7月26日施設を訪れ、対策の現状を確認いたしました。
1 施設の改善対策として、ピット内の底に、マットが敷かれ、ネットが設置された上に、20㎝四方のサイコロ型のスポンジだけだったものが多様な形態のスポンジにかえ、施設内いっぱいに設置されました。
2 飛び込み板の正面の壁にマットが設置されました。
3 指導マニュアルがつくられ、施設内にも注意書きが掲示されました。今後の運用についても、指導者の下で運用することが徹底されるとのことです。
こうした改善と運用方針を踏まえ、以下の点について、市長に申し入れます。
記
1 施設での人身事故が発生したことから、専門家を含む第三者からなる調査委員会を設置し、事故の原因と責任について検証することを求めてきました。ところが、こうした検討が行われないまま、先の改善策を講じ、日本水泳連盟による再発防止安全策の確認が行われたとして施設の利用を行うとしています。
国内初めての施設であり、本市が設置した公的施設だけに、果たして安全な施設であるか十分な検証が必要だと考えます。
わが党の森尾市議は、6月市議会でこの施設の改善について、第一に、施設内にあるトランポリン施設は、プールサイドにも設置できることから、この場所での設置をやめて、ピットのある施設を中心に余裕あるものとする。第二に、ピットの深さを現在の1.8mから3m以上の深さに改善すること。スポンジは、サイコロ型から細長いものに変える。スポンジの弾力性を維持するために時々まぜるためにピット内にネットを設置すること。第三に、選手を支えるスパッティングと呼ばれるものは、設置場所が高いことから、これを下げて、選手に近い位置に変更し、ロープで支えるコーチが移動しやすいようにピットの周辺のスペースを十分に確保すること。を具体的に指摘しました。
この点を十分に受け止めると共に、日本水泳連盟が示した「公認プール施設要領」(2014年4月1日施行)に記載されている「ドライランド」並びに、2015年6月28日施行の「プール公認規則」の中でドライランドについて記載されている「FINAガイドライン」を参考に必要な改善を行うこと。
2 このままでは、指導者とその指導内容に安全確保が任されており、公的な施設として本市の責任が果たされるものではありません。
3 この施設は、当初から計画されたものではなく、日本で初めての施設ということからも、十分な安全対策とチェックが行われたものではありませんでした。しかも、指定管理者制度が導入され、本市としての責任ある対応が問われたものです。市長自らの責任を明確にするとともに、今回の教訓に立ち、指定管理者の取り消しを行い、本市が直接、管理運営にあたるよう改めること。
4 今回の事故に遭われた方と家族に対して、市として、補償など責任ある対応をとること。
以上