私は日本共産党市議員団の最初の質問者として、当面する市政の2つの課題と山野市政2期8年を振り返って、その市政運営について伺います。
最初に熱中症対策と小中学校普通教室へのエアコン設置についてです。
この夏、命に関わる危険な暑さとの警告があったように、これまでにない猛暑となりました。私どもは、7月23日市長に対して5項目の緊急対策を申し入れました。その中で、市民に熱中症対策をあらゆる機会で呼びかけること。公共施設に熱中症防止シェルターとして市民が利用できる休憩所を設置すること。高齢者障害のある方々の見守りと安否確認に取り組むことを提案いたしました。市としてどのような対策を講じたのか。明らかにしていただきたいと思います。
―山野市長
私の方からは市民への呼びかけ、熱中症防止シェルターに対してお答えをいたしたいと思います。ご指摘ありましたように、命に関わる災害といっていいほどの暑さだという報道もなされたところであります。35度を超えることが予想される日には、市のホームページや庁舎前デジタルサイネージで市民等への情報提供を早い段階で行うとともに、庁内放送を通じ来庁者等に熱中症に関する注意喚起を促したところであります。また学校におきましては児童生徒に、各種イベントでは参加している市民に熱中症に関する注意喚起を行ったほか、健康福祉センターに専用窓口を設け市民からの相談に対応してきたところであります。引き続き平成25年度から県が指定をいたしました公共施設や商業施設等からなるクールシェアスポットの利用なども市民に呼び掛けていくこととしており、今のところ仰せの熱中症防止シェルターを整備するところまでは考えてはいません。
―山野市長
高齢者や障害のある方への見守りのことについても私の方からお話させていただきます。毎年5月から6月にかけまして民生委員・児童委員などが行う「高齢者福祉保健台帳調査」をはじめとした戸別訪問の際、夏季の暑さに対する注意を促しているところでありますが、本年の記録的な猛暑を受け、今年は7月中旬以降改めて民生委員・児童委員や障害者団体、社会福祉施設などに対し熱中症対策のリーフレット及び注意文書を送付したほか、民生委員・児童委員協議会において見守りを強化するようお願いをしたところであります。
―森尾議員
高齢者と生活弱者対策について伺います。生活保護において、7月よりエアコンの設置が認められました。しかし、これまでエアコンのなかったアパートなどで生活してこられた方々には、適用されませんでした。市としてどのような対応がされたのが、具体的な内容を明らかにしていただきたいと思います。
―山野市長
国からの通知により、今年の4月1日以降生活保護の受給を開始した世帯で冷房器具などがなく熱中症予防が特に必要とされる方がいる場合、冷房器具の購入・設置にかかる費用の支給が新たに認められるところになりました。本市はこれまでのところ3件支給をさせていただいたところであります。
―森尾議員
そこで、申し入れの中でも提案をいたしましたが、高齢者や生活弱者への取り組みとして、現状の制度利用でエアコンの設置ができない場合は、本市独自の法外援護制度を適用すること、エアコンの設置・電気代相当額の支援などが求められるとして提案をいたしましたが、市長からその見解を求めます。
―山野市長
生活保護費で冷房器具の購入等の費用が支給されない方に対しましては、従前通り生活福祉資金の活用により対応をしているところでありまして、法外援護による冷房器具購入・設置費や夏季の電気代相当額への支援は今のところは考えてはおりません。
―森尾議員
小中学校普通教室へのエアコン設置について伺います。これまで設置しないとしてきましたが、3カ年計画で設置するという方針を打ち出しました。今回の補正予算では、調査もなしでいきなり実施設計との方針も異例です。小学校8校から実施するとしていますが、すべての学校の普通教室に早く設置することを求めている市民にどのように説明されるのか伺います。
―山野市長
冒頭に森尾議員もおっしゃったように、異常とも言える高温が続きました。トレンドを見ていくと決して異常ではないというふうに思われるところでもあります。またここにきて、国の方から支援を充実するという方向性も示されました。そういう方向性をもってエアコン設置に取り組んでいきたいというふうに思っています。ただやはり来年度から早急にという思いもありましたので、国の方向性はまだ確定をしているわけではありませんけれども、本市としてもできうるかぎり対応をしていきたいということで、国の支援や予算の動向を見極めなければいけませんけれども、3年程度で全小中学校に行き渡るようにしていきたいというふうに思っています。現時点でなしうる最善を尽くすべく、エアコンのある特別教室等での対応が難しい700人以上の大規模小学校8校について、市単独費で実施設計を一部前倒しすることとした次第であります。スピード感を持って取り組んでいかなければいけないと思っています。
―森尾議員
3カ年計画で実施をすると、全体の事業費が35億円、果たして可能なのでしょうか。一括の入札なのか個別の入札なのか。そして個別の学校施設や普通教室でのエアコン設置は一律ではないと考えます。市長!ここは英知を集め、一刻も早く設置するための方針を検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。
―山野市長
私も森尾議員がおっしゃったように一刻も早くという思いは全く同感であります。35億円のことですけれども、これは特別教室へのエアコン整備の実績に基づきまして全体の概算事業費を35億円程度と想定しているところであります。正確な事業費におきましては今後の実施設計の中で算定をしてまいりたいというふうに思っています。入札ですけれども、学校・施設へのエアコン整備に係る入札方法につきましては、今後、他都市の動向等も参考にし、庁内に設けております入札契約手続き審査委員会の中で入札に関わるマニュアルに基づき決定をしてまいりたいと思っています。英知を集めて出来るだけ速やかに対応をしていきたいと考えています。
―森尾議員
教員委員会に伺いたいと思います。これまで、エアコンの設置は考えていないとの表明から一転設置するとの方針となりました。当面小学校8校からで3カ年計画。中学校は小学校での設置が終わってから、こういう方針です。この点ついて、子どもたちや保護者にどのように説明され、理解を求めていかれるのか、そしてエアコン設置までの緊急対策について、合わせ答弁を求めたいと思います。
―野口教育長
全ての学校に単年度でエアコンを整備することは、財源の面や施工業者の確保の面などからも困難であると考えております。したがいまして、全ての学校の必要な普通教室にエアコンが行き渡るまでの間に今年のような猛暑に見舞われた場合には、全ての普通教室ごとに現在設置されております送風機の積極的な活用や、エアコンが設置されている特別教室の有効な利活用を図りますとともに、課外活動の延期や臨時休業日の設定、教育課程の柔軟な編成を行うなど、学校の暑さ対策になしうる限りの配慮を行っていきたいと考えております。
―森尾議員
次に、本市町会連合会における使途不明金問題の全容解明について伺います。先の6月議会で質したところですが、本市町会連合会で2011年から2017年の7年間にわたって、総額1278万円が不正に支出されていたとの問題です。本日、報道によると町会連合会が元事務局職員を詐欺容疑で県警に告発状を提出したとのことですが、市長としてはどのように把握されているのでしょうか。
―山野市長
町会連合会からは、8月下旬に告発状が警察に受理されたというふうに聞いているところであります。罪名については私は報告は受けておりません。
―森尾議員
具体的に伺いたいと思いますが、本市は町会連合会に対して毎年約2000万円の補助金を出しています。いったいこの補助金はどんな内容なのか、町会連合会の年間事業費に占める割合はどの程度か、担当局長に伺いたいと思います。
―長谷市民局長
補助金は、事務局の職員の人件費、その他会議費等に使われておりまして、年間の事業費のうち補助金の占める割合は、平成29年度決算では83%となっております。
―森尾議員
町会連合会の年間事業費の中で、本市の補助金は8割以上を占めています。町会連合会の事務局長は、本市の幹部だった方が歴代その任に就いてきました。この4月からは、もう1人本市の幹部が事務局次長の任に就いています。今回の問題が刑事告発にまで至ったことは、本市としても責任は重大だと考えます。市長はどのように受け止めその責任を果たされるのか、見解を伺います。
―山野市長
動機や使途を含め全容を解明するため、捜査権限を持つ司直の手に速やかに委ねるよう、改めて助言を行ってきたところであります。ご指摘のように8割以上が市から出ているところでもありますので、私といたしましては重大な関心を持って見ていかなければいけないと思っております。
―森尾議員
本市が毎年約2000万円の補助金を出していることからも、今回の問題について市の責任も大きいと考えます。市民への説明が求められます。市長としては、今回町会連合会が刑事告訴を行ったことを踏まえ、市民にどのように説明し、その全容解明への責任を果たされていくのか、改めて伺いたいと思います。
―山野市長
警察が告発を受理をしたという報告を受けています。である以上、警察が捜査中の案件のため、市としては捜査の進捗を見守って行かなければならないと思っています。
―森尾議員
告発されたという重大な事態をしっかり受け止めるならば、単に見守るというだけではなく、今回の問題についての責任は補助金を毎年2000万円も出している本市にとっても重大であり、自ら市としてはどのようにこの問題の全容解明に努められていくか、これも今問われている問題だというふうに思います。市長自ら、全容解明は必要だという認識を示した点から受け止めると、やはり刑事告訴をさせたという重大な点を受け止めて、市としてもその全容解明への責任を果たさなければならないと考えますが、改めて伺っておきたいと思います。
―山野市長
先程申し上げましたように、警察が告発を受理をいたしました。捜査中の案件でありますので、答弁には気をつけなければいけないと思っていますし、市としては捜査の進捗を見守って行かなければならないと思っています。
―森尾議員
市民への説明をしっかり行うと共に、今回の問題の全容解明が行われるよう、市としても、また市長としても、その責任を果たされるよう強く求めておきたいというふうに思います。
次に、山野市政2期8年を振り返って、市政運営と施策について伺いたいと思います。
まず市長の政治姿勢について伺います。第一に指摘しなければならない点は、市長の公約が次々に破綻してきていることです。市長は市政刷新を掲げ、マニフェストで市民に公約し、市政のトップとして登場してきました。ところが、民間・経済界から副市長を登用するとの公約は実行できず、政令指定都市に向けての協議会の発足、固定資産税・市民税の見直し等の公約は破綻しました。市役所庁舎前広場のイベントホール化は大幅な修正を余儀なくされました。障害者雇用の促進も、その水増しが発覚する事態となりました。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設などの待機者をなくすとの公約は果たされず、特別養護老人ホームの待機者は、未だ本市で約500人に上っています。市長は自らの公約についてどのように考えて市民に対し掲げられたのか、まず伺いたいと思います。
―山野市長
1期目の市長選挙のときに、細かい数字は覚えていませんが30数項目、掲げさせていただきました。今森尾議員がおっしゃっていただきました4項目については、見直しますということで報告書をまとめて、4年前の7月、全議員にお配りさせていただきました。◎、○、△、-で、-は見直しますということで、この本会議場であったと思いますが、私の力不足、そして認識が十分ではなかったということも申し上げてお詫びをしたところであります。そしてその後の私の選挙におきまして、そのことも率直に申し上げて、その4項目については撤回をさせていただきたいと、力不足であった、認識が足りなかったということで率直にお詫びを申し上げながら、新たな15項目の施策を公約として掲げて、選挙選に臨んで皆さんのご理解をいただいて今日現在に至っているところであります。できなかったことにつきましてはお詫びを申し上げたいというふうに思いますし、それは選挙の洗礼を受けているところでもあります。ご理解をいただいた施策につきましては引き続き、実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えています。
-森尾議員
第二に指摘しなければならないのは、競輪の場外車券売り場の設置・認可をめぐってです。業者や一部市議会議員との密室での協議や市政をゆがめたやりとりと対応に厳しい批判が集まり、市長自ら辞任しました。市長はこの教訓をその後どのように生かされてこられたのか伺いたいと思います。
-山野市長
私の軽率な言動におきまして、議会の皆さんをはじめ市民の皆さんに不信感を与えてしまったことは心から反省をしているところであります。今おっしゃっていただきましたように、その反省も踏まえまして議会の皆さんとも意思疎通を図るように私なりに取り組んできたところでもありますし、自分が手が及ぶ範囲の行動につきましては慎重を期した形で行動に及んできたところでもあります。まだまだと厳しいご指摘を受けるとするならば謙虚に反省し、ご理解をいただけるような活動に引き続き取り組んでまいりたいと思います。
-森尾議員
第三に指摘しなければならない点は、家庭ごみ有料化導入や、宿泊税の導入と来年4月からの実施についてです。いずれも市長、あなたの公約にはありませんでした。市民の理解と合意作りという点でも市民の厳しい批判が続いています。市長はこの点、市政運営の基本的な問題があると指摘されていますので、その点、見解を伺いたいと思います。
-山野市長
家庭ごみ有料化の件はこの本会議場でも何度も申し上げておりますので少し簡潔に申し上げますけれども、平成5年以降、国においても全国市長会においても、そしてこの金沢市議会においても何度も議論されてきました。そして平成22年3月、ごみ処理基本計画の中で家庭ごみの有料化を5年間かけて検討するということが明記をされました。私も議員ですから、森尾議員も当然議員ですからそのことは理解をしていたというふうに思っています。私の選挙は平成22年の11月でありました。すでにごみ有料化に向けての検討が5年間かけてなされるということになっておりましたので、私も一議員としてそのことに注視してきましたし、関心を持って取り組んできました。2期目の選挙もその渦中にあったところでありまして、平成27年3月に今度は施策として明らかになって具体的な取り組み・説明会等々を重ねてきたところでもあります。ご理解をいただければというふうに思っています。また様々な施策はその時代の流れの中でスピード感を持って求められることが多々あります。今ほどお尋ねになりました学校のエアコン設置においてもそうでありますし、それ以外の施策においてもそうであります。2015年春に新幹線が来て、多くの方が金沢にお越しいただく、それは大変ありがたい、嬉しいことではありますけれども、私はこの本会議場で市民生活にさざ波という表現で申し上げています。喫緊のテーマだと、その喫緊のテーマに対応すべく様々な施策を打っていくためにも、安定をした財源が必要だということで、宿泊税のことにつきましてこの議会でも議論をしながら取り組んできたところであります。公約・マニフェスト以外のこともいろいろ取り組んできているところでもありまして、そういう中で説明を重ねていきたいというふうに考えています。
-森尾議員
市民からは、家庭ごみ有料化導入の問題にしろ宿泊税導入の問題にしろ、市民生活に直接関係のあることであり重要な課題であるからこそ、市民の審判と判断を仰ぐべきだということで、公約に掲げたんですかという点が指摘されているんです。この点は今後の市政運営の基本的な問題でもありますので、改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
次に市民の税金の使い方について伺います。地方自治体は住民の命を守ることを最優先することは当然です。そして地方自治体の役割は、そこに住む住民の福祉向上に努めることです。したがって、住民のくらし、営業を守る課題を第一としなければなりません。市長、あなたの示された重点にはこのことが欠落していませんか。この間の施策についても、このことが問われていると考えます。介護保険料の基準額は月額6590円となり、負担感が大きく市民からも悲鳴が上がっています。さらに、今年度から予算削減されたものが2つあります。1つは生活弱者に対して、施設入居した場合、歳末見舞金3000円の支給が削減されました。もう1つ、在宅生活を支える配食サービスへの補助金1食150円だったものが一世帯150円に削減されました。本市の介護保険料が中核市の中で高い方から何番目に位置するのか。指摘した二つの施策の年間予算と削減額について明らかにしていただきたいと思います。
-山野市長
本市の第7期介護保険料につきましては、施設サービス、施設の充実であったり今後3年間のサービス利用料を適正に見込んだ上で基準額を6590円としたものでありまして、中核市54市中、金額の高い方から数えて8番目の額となっています。ただ今ほど申し上げましたように施設サービスというものが大きく影響をします。65歳以上の人口に占める特別養護老人ホームの整備率は、これまでと引き続き中核市中第2位を維持するなど、介護サービスの拡充に努めてきているところでもあります。適正な高齢者支援体制を確保していくために、必要な保険料であるということをご理解ください。見舞金のことですけれども、今年度夏季・歳末見舞金のうち、老人施設の入居者への歳末見舞金支給を廃止をしたところであります。今回対象から外れる方は約2100人、金額は630万円と見込んでいるところであります。また配食サービスのことについてですけれども、今年7月から見守りのための委託料、150円ですけれども、1食当たりから1世帯当たりに見直したものでありまして、今年度当初予算において4100万円を計上をしているところであります。今年7月、前年7月の実績を比較いたしますと、委託料で約28万円、8%の減となっています。なお提供食数はわずかではありますけれども前年度より増加をしているところであります。
-森尾議員
本市の水道料金についても高いと、引き下げを求める声が続いています。県水受水契約が改善され、本市の水道会計は黒字が続き、平成27年度・28年度・29年度の三カ年で当年度純利益は41億円にのぼっています。その全額を積み立てにまわし、水道料金を引き下げの市民要望には答えませんでした。その一方で、第二本庁舎建設事業には60億円が投じられ、金沢港建設事業費は約500億円規模に膨れ上がっています。そこで伺いたいと思います。金沢駅西での外資系ホテルの誘致に関連して、周辺の環境整備だとする事業について、今回補正予算に6100万円が計上されました。この事業内容と事業の総額について担当局長から明らかにしていただきたいと思います。
-木谷都市整備局長
本事業は金沢駅西広場との一体性を考慮した、安全でにぎわいある歩行空間を創出し、駅利用者の利便性の一層の向上を図るために実施しているものでございます。本年度シェルターの設置やライフラインの移設などで約2億円の工事を予定しているところであり、全体事業費につきましては実施設計中であるため、現時点で詳細を示すことはできませんが、概ね3倍程度になるものと見込んでおります。
-森尾議員
この事業の中で建設するとしている大屋根、キャノピーの整備事業について、今年2月26日総務常任委員会で担当課長は、ホテル事業者と駅の商業施設の事業者、市の3者で負担する形で協議を進めていると答弁されました。その結果は、どうなりましか。
-松田都市政策局長
先程議員がおっしゃられた方向で、今現在も協議しているところであります。
-森尾議員
この事業が今年度の当初予算で1億円の予算が計上されました。これが大屋根の整備事業と。しかし今後さらに屋根つきの道路の整備、周辺道路に融雪装置を含めた道路整備として、総額5億3500万円という規模に膨れ上がっています。駅西からホテルの入り口まで屋根つきの歩道を整備する、周辺の道路には融雪装置付きで整備する、一体外資系ホテルの誘致をするために、これらの事業は本来行政がやるべきことでしょうか。市長に見解を伺いたいと思います。
-山野市長
この事業は新幹線開業以降不足を指摘されてきました送迎用の乗降スペースの拡充、歩行環境の向上を図るなど、高い公共性を有する事業であります。むしろ隣接に建設される高級ブランドホテルとの間で相乗効果が生まれることにより、一層の賑わい創出につながるものと期待をしているところであります。
-森尾議員
次に、よびこみ型企業立地や新たな工業団地造成を進めることで、地場産業の振興につながるのか伺いたいと思います。本市の事業所数の推移と伝統産業の推移について担当局長から明らかにしていただきたいと思います。
-吉田経済局長
平成8年と平成28年、この20年の比較となりますが、地場産業の事業所数につきましては製造業が3126から1911、卸売業が3107から2436、小売業が6427から4492となっております。また主な伝統産業の事業所数につきましては、加賀友禅が355から193、金沢箔が225から92、金沢漆器が50から20、金沢仏壇が59から32となっております。
-森尾議員
本市の事業所は、この20年間に約5000社が減少しました。製造業は4割減少、卸売業が2割の減少、小売業も3割の減少となっています。伝統産業に至っては、加賀友禅がこの20年間で4割の減少、金沢箔と金沢漆器が6割の減少、金沢仏壇が4割の減少と。こうして見ると、伝統産業の存続自体が危ぶまれる事態となっています。市長は、こうした20年間にのぼる数値を振り返ると、本市の事業所、そして伝統産業の実態についてどう受け止めておられるでしょうか。
-山野市長
後継者不足であったりだとかライフスタイルの変化であったりだとか、様々な要因があった上でこういうご指摘の数字になっているんだというふうに思っています。私自身も大変な危機感を持っているところでありまして、行政としてもなしうる限りの施策に取り組んできたところでもありますし、引き続き思いを持って取り組んでいかなければいけないと思っております。
-森尾議員
そこで市長、こうした本市の事業所数の減少傾向が続き、伝統産業に至っては存続が危ぶまれる事態となっているという本市の実態があります。まず地場産業の振興ということであるならば、こうした事態にしっかりと向き合って対策を講じることこそ第一の課題としなければならないと考えます。しかし、新たな工業団地の造成を進めるというのは、こうした本市の地場産業の実態と考えると、今本市が優先してやらなければならない課題なのでしょうか。市長の見解を伺います。
-山野市長
これまでも金沢はユネスコのクラフト部門において創造都市に認定をいただきました。そのことを受けて様々な施策、現在行っている「東アジア文化都市」事業もその一環でありますし、引き続き取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。ただ一方では、企業誘致ということも大切なことだというふうに思っています。本市産業に厚みが加わりますし、地元企業の受注増・雇用の創出にもつながります。地域経済に大きな影響が、私はあるというふうに思っています。また多くの企業も新たな投資意欲があるところでありまして、本市において取り組んでいきたいというニーズもよく聞いているところでもありますので、工業団地を整備することによってその受け皿となって本市の企業経営がさらに隆盛になるように努めていかなければならないと思っています。
-森尾議員
最後に、平和と憲法を守り、市民生活にいかしていく点について伺いたいと思います。核兵器禁止条約締結と批准に向け、賛同署名が広がっています。この賛同署名について見解を伺うとともに、さらに、憲法9条の改正を含む憲法改正について、安倍首相はこの秋にも国会に改正案を提出するとしていますが、最近の世論調査では賛成が2割、反対は5割を超えています。憲法9条の改正を盛り込んだ憲法改正についての見解と合わせて、最後に市長の見解を伺いたいと思います。
-山野市長
核兵器廃絶につきましては、私もそうですけれども日本国民全員同じ思いであるというふうに思っています。戦争を2度と起こしてはならない、平和の大切さをしっかりと認識するということは大切だというふうに思っています。しっかりと後世に伝えていくことが大切だというふうにも思っています。核兵器廃絶への思いの伝え方は人によって様々であるというふうにも思っています。憲法改正のことについてお尋ねがございました。憲法は国の姿を現すもので、国の根幹に関わるものでもある極めて重要なものであり、我が国の反映と国民の生命・財産を守り、日本の進むべき進路を見定めていくためにも、国民的な議論が深まることを期待をしているところであります。