2018年度12月議会 最終本会議討論 広田みよ

12月議会 最終本会議 広田みよ

 

わたしは日本共産党金沢市議員団を代表し討論を行います。

わが会派は、ただいま上程されました議案のうち、議案第41号「平成30年度金沢市一般会計補正予算」の一部および、議案第44号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について」、議案第46号「金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正について」、議案第47号「金沢市学校設置条例について」、議案第53号「屋内交流広場の指定管理者の指定について」に反対です。

まず、議案第41号と44号については、特別職の給与に関するものです。

市長、副市長、そして私たち市議会議員など特別職のボーナスが0.05月分の引き上げとなるもので、一般職員のボーナス引き上げについては賛成ですが、特別職については、今の大変な市民生活に照らし、反対をするものです。

議案第46号については、本市に、東京23区から本社機能を移転させると、固定資産税が軽減される制度を、実績もないのに延長し、しかも税率ゼロとするものです。これは国の地方創生の「地方拠点強化税制」のメニューで、都市部と地方の格差是正のために始められたものですが、これまで本市に進出企業はなく、実態のない名ばかりの制度となっています。一部の大手企業への便宜を図るのではなく、地元企業の支援にこそ使うべきと求めておきます。議案第47号については、小学校の統廃合に係るもので、新竪町小学校と菊川町小学校の建て替え場所について拙速に進められ保護者や住民の合意が得られていない他、犀川の増水時の影響についても十分な検討がされているとは言えず地域から心配する声があがっています。議案第53号は、城北市民運動公園内の屋内交流広場について、指定管理者が指定されたものです。しかし、この指定管理者は金沢プールのオープン前に事故を起こした経緯があり、民間委託ではなく、本市が直接運営するべきです。

次に、請願と陳情についてです。

請願第31号「地方ローカル線の維持・存続に関する意見書」提出を求める請願であり賛成です。

住民の生活にも、地域社会にも大きな打撃となる鉄道路線の廃止が相次いでいます。鉄道路線の廃止が相次ぐ根本には、国鉄分割民営化の矛盾があります。「本州3社は黒字、北海道、四国、九州は赤字」という大きな格差をもたらすことを前提とした分割と、鉄道事業を利益優先、市場まかせにする民営化によって、鉄道事業の公共性、鉄道会社の社会的責任は後景に追いやられました。“市場まかせ、民間まかせ”では、全国的な鉄道路線廃止に歯止めをかけることもできません。

 しかも分割民営化から30年が経過し、大都市と地方の格差が大きく拡大するなど、わが国の社会、経済情勢は大きく変化しているにもかかわらず、政府は、1980年代に描いた「分割民営の設計図」に固執し“民営化したから市場にまかせる”という無責任な姿勢をとり続けています。人口減少や地域経済の衰退で苦しんでいる地方鉄道へのまともな支援も行わず、2000年には、鉄道路線廃止を認可制から事前届け出制に規制緩和し、国が鉄道路線廃止を加速させています。

 鉄道事業の公共性にふさわしく、国が公的に支えることが求められます。鉄道路線の維持は、住民の足を守り、「移動の権利・交通権」を保障するとともに、地方再生の資源を守り、大都市と地方の格差拡大に歯止めをかけるうえでも重要な課題です。全国鉄道路線網を維持し、未来に引き継ぐことは、今日の政治の重要な役割であり責任です。

請願第32号は、「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願であり賛成です。

安倍政権の与党、自民党と公明党が、2019年度の税制改定の大綱を決めました。2019年10月からの消費税の10%への増税を「確実に実施する」前提で、売り上げに影響するとされる自動車や住宅への減税措置などで、業界やメーカーの要望に応えています。自動車や住宅を買わない人には関係なく、庶民には消費税増税に加え、「増税対策」と称して行われる負担ものしかかります。消費の落ち込みが心配というなら、大企業いいなりのばらまきでなく、増税そのものをやめるべきです。日本共産党の試算では、消費税を増税しなくても、大企業に中小企業並みの負担を求めるだけで4兆円、株式売却益への低い税率などで年収1億円を超えれば負担率が逆に下がる、所得税の不公平を正すだけでも1.2兆円の財源が生まれます。消費税に頼らない税財政の実現が必要です。

請願第33号および、陳情第14号ないし陳情第17号について賛成です。

これらは、本市の宿泊税に対し導入の見直しを求めるもので、請願33号「金沢市導入の宿泊税の導入見直しを求める請願書」は宿泊税を考える会から出されており、独自の調査結果で宿泊事業者の80%は導入に反対であり、市長が本会議の中で語った「事業者はおおむね理解している」とはかけ離れた状況であること。また、条例の問題点として、客の他都市へのシフト、料金の値下げ合戦、仲介サイトで宿泊税込みの値段設定をすれば、手数料もその分負担しなければならない、など挙げておられ条例の見直しを提案しています。非課税枠を4500円以下にしても、税収が大幅に減ることはないなど、具体的な提案であり、このような議論をするための協議会の設置も求めています。

陳情第14号「金沢市導入の宿泊税見直しの陳情書」は、簡易宿泊所のみなさんから出され、簡易宿泊所は小規模であるがゆえ経費の負担が大きいこと、外国人客への説明は難しく、不払い客がいた場合、市への立替払いは強制的なものであり、認められないなどの内容です。陳情第15号「金沢市導入の宿泊税の除外を求める陳情書」は、ラブホテル経営者有志から出されています。そもそも、施設利用者は観光客ではなく市民であることや、郊外立地のため周辺自治体との競合の不利、さらに、自動精算機のシステムが宿泊税に対応できないなど、困難な状況が出されています。陳情第16号「金沢市導入の宿泊税再考に関する陳情書」は金沢旅館経営者有志の会から出されたもので、旅館特有の問題として、すでに入湯税をお客さんからいただいておりご理解をいただくことが難しい、また夕食提供を含めパッケージで売っているので、宿泊税課税のために料金を分けて算出するのは容易ではないこと、すでに一部旅行代理店から宿泊税の負担増加の拒否が出されている深刻な実態も書かれています。陳情第17号「宿泊税実施延期に関する陳情書」は、ビジネスホテル有志の方々から出されたものです。本市に宿泊される方は、観光だけではなくビジネスも多く、長期で何名も滞在する場合は経費を抑えるために近隣都市のホテルへ移動する可能性があり、結果、逆に市に入る税収が下がる可能性があること、また宿泊業はあらゆる産業とつながっており、多くの人々の雇用や賃金などに影響が出てしまう、として非課税対象の拡大や見直し期間の短縮を求めています。

これらの、請願、陳情いずれもが現場からの切実な訴えであり、来年4月から宿泊税が導入されれば最前線でお客さんから税を受け取らなくてはならないみなさんの訴えです。そして長年本市の観光やビジネスを支え、頑張ってこられた方々の訴えです。この方々の、このような不安や懸念、問題点を払拭せずして、宿泊税導入に踏み切ることは認められません。現場のみなさんを入れた協議会の設置を行い、今あげたような問題点についての対策の検討や、提案についての検討など改めて行う必要があります。

陳情第18号「金沢市内の小中学校の普通教室エアコン設置早期実現を求める陳情書」は、新日本婦人の会金沢支部から出されたものであり、普通教室へのエアコン設置を早期に行うことや、2019年の夏までに間に合わない学校への対策を求めたものです。

12月補正予算で大規模校8校に加え18校へのエアコン設置が予算化されましたが、それでも2019年の夏に間に合わないほうが多く、学校数では72校、90.4%、教室数は1064教室、83.4%、児童生徒数では28381名、82%の子どもたちにまた猛暑が襲いかかる可能性があります。少しでも早く設置を急ぐことが求められますし、間に合わない場合もさまざまな対策と工夫を行う必要があります。よってこの陳情に賛成です。

以上の議案については各常任委員会で可決し、請願、陳情は各常任委員会においていずれも否決されました。そのことに反対をするものです。以上で討論を終わります。

 

 

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