「弾道ミサイル防衛体制の整備を求める意見書」に対する反対討論 広田みよ議員
わたしは、日本共産党金沢市議員団を代表して、議会議案第3号弾道ミサイル防衛体制の整備を求める意見書への反対討論をいたします。
この意見書は、政府が配備しようとしている陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の整備をすることは急務で、着実に整備を進めよという意見書です。
しかし、その候補地である、秋田市の新屋、山口県萩市では、計画が持ち上がった当初から、「周辺には学校がある」「有事には攻撃対象になる」など、住民から不安や反対の声が出されています。
さらに、相次ぐ報告書や説明資料の誤り、しかも誰でも見られるグーグルアースを用いたため誤差が出てしまったなどという配備ありきのずさんな対応があきらかとなり、住民の批判がさらに巻き起こっています。
とりわけ新屋に関しては、データの誤りや二転三転する説明で、「適地」とする根拠が崩壊。それでも防衛省が「新屋ありき」の立場を変えないのは、「米国防衛」のための「適地」だからという可能性が指摘されています。
一連の経過で、秋田県、佐竹知事も記者団に対し、新屋への配備について「白紙だ」と強調しました。
また、秋田市に近接する能代市の市議会は25日、「防衛省が秋田市の新屋地区へのイージス・アショア配備計画の撤回を求める請願」を採択しました。
請願では、防衛省の説明は納得できず、「周辺住民に対する日常生活への重大な悪影響に対する不安が増すばかり」と指摘。「そもそも住宅密集地に隣接してミサイル基地を配備すること自体、常識で考えてあり得ないこと」としています。
山口県萩市に隣接する、阿武町(あぶちょう)の花田町長は以前から「まちづくりが壊される」と反対を表明しています。
このように、現地の住民や長、議会が、理解どころか、相次ぐ誤りもあり、批判や異議を訴えている渦中に、本市議会がこのような促進する意見書をあげるべきではありません。
また、新屋を適地とする報告書に誤りがあった問題で、18日、わが党の井上議員はイージス・アショアの配備撤回を求め、「少なくとも住民合意がないまま来年度予算の概算要求に関連経費を計上しないと明言すべきだ」と迫ったところ、岩屋防衛大臣は「地元の理解がない状況で配備先を前提とした予算計上はしない」と認めました。
よって、政府自らも、配備よりも、まずは地元への説明や、誤ったデータや資料の調査を優先しているのであり、整備促進を求める意見書はふさわしくありません。
武力ではなく、対話と交渉によって、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をめざす動きが起こっています。その動きにこそ呼応することこそわたしたち、政治に携わるものの役割ではないでしょうか。
よって、この意見書は可決すべきではないことを訴え討論をおわります。