質問の機会を得ましたので日本共産党市議員団の一員として質問致します。
1.まずは、国際情勢と国内情勢にともなう本市の影響についてお尋ねいたします。
安倍政権は10月1日から消費税の税率を10%への引き上げを強行するとしています。その実施まで、あと1ヶ月を切りました。市民の間からは「8%でも生活が大変なのに10%増税なんてとんでもない」との怒りの声が広がっています。
消費税が8%になってからの国内消費は明らかに低迷しています。本年8月30日に発表された7月の商業動態統計調査を見ても、卸売と小売りを合わせた商業販売は前年度の同じ月に比べて1.5%の減少となり、前年度を下回るのは8か月連続となっています。家計消費は落ち込んだままで、年平均の家計消費は消費税増税前と比べ20万円も下回っています。
消費だけでなく、賃金も低迷しています。6月の毎月勤労統計でも、6カ月連続で実質賃金が前年度の同じ月を下回るという結果が出ています。「給料は上がらないのに、税金だけが上がるので生活していくのに大変」との声が広がっています。
そうした状況に加え、世界経済に目を向ければ米中の2大経済大国による経済摩擦の激化によって、世界経済の先行きにも暗雲が漂っています。日本経済にも輸出を中心に悪影響が及び、日本商工会議所が発表した8月の早期景気観測によると業況指数は、マイナス21と前の月を0.8ポイント下回っています。
消費税は原則としてあらゆる商品やサービスに課税され、低所得者ほど負担が重い逆進的な税金です。その上、本市においてはガス、水道料金、手数料など多岐にわたって10%がそっくり市民の負担となっています。市民の負担はガス、水道、下水道料金が10月から3月までで1億7700万円、年間の影響額は3億5000万円に上ります。本市施設の使用料、手数料が790万円で、さらに、介護サービスの利用料や福祉へも影響が及んできます。物価の値上がりもすでに起こっている中で、このように公共料金にまで値上げが行われば、前回の8%の消費税増税時点で消費不況から、抜け出せずに生活に苦しんでおられる多くの方に、追い打ちをかけることになるのではないでしょうか。
そこで、市長にお尋ねします。消費増税の是非、また増税によって市民の生活や本市の経済状況にどのような影響が出ると考えておられるのか、お聞きいたします。
そして、消費税増税分を、そのまま市民に押し付けることに痛みは感じませんかお伺いいたします。
消費税増税への、国民の怒りに対して、政府は様々な負担軽減対策を打ち出しています。しかし、対策そのものが混乱を招いているのが実情です。
混乱を助長させているものには、キャッシュレス取引でのポイント還元や軽減税率の導入、そしてプレミアム商品券の発行があります。プレミアム商品券は、この販売に関しての予算は国が出すものの、運営は地方自治体が行うことになっています。本市においても事業を所管する商業振興課だけでなく、様々な部局や課が関与することになると思いますが、どのような体制でやっておられるのか、お伺いいたします。
さらに、このプレミアム商品券に関して、政府は子育て世帯を0歳から3歳半の子どものいる家庭と設定しています。そのため消費税10%増税実施予定の19年10月1日以降に生まれた子どもは対象になりませんし、2016年4月2日以前に生まれた3歳4歳5歳といった子供は対象から外されます。
非課税世帯の方については申請が必要で、この点に関してはしっかり周知がされているかが疑問です。本市において非課税の方の周知方法、申し込み状況をお尋ねいたします。
また低所得者対策として「軽減税率」を行うとしていますが、食料品にかかる税率を8%に据え置くだけで軽減とは、とても言えません。しかも酒類と外食は対象外とした事で混乱は必至です。
準備も遅れています。金沢商工会議所が5日発表したアンケート調査によると軽減税率制度に対する準備が「完了した」と答えた企業は26.7%にとどまっています。依然として企業の準備不足が浮き彫りになっています。近所のお店の多くは、出費を抑える為レジはこのまま使うと言っています。さらに問題なのがキャシュレス決済の際にポイントが戻る還元制度で、多くの所から戸惑いと批判が出ています。「とにかく複雑でわからない」と商店の方、負担も大きくこの制度を実施する登録申請した店舗はなかなか伸びません。手間も費用もかかるからで、ポイント還元ができない店が続出します。カードで買い物をする層も限られ、還元される額も高い買い物をする金持ち優遇制度に他なりません。今必要なのは消費税増税ではなく、家計を温める政策こそ必要です。
こうした状況で消費増税を行えば、市民への負担と混乱を招くばかりであり、市長は国に対して、市民の生活を悪化させる消費増税を中止するよう求めるつもりはないのかお尋ねいたします。
そして何よりも、消費増税は社会保障の充実のためとは言っていますが、増税すれば消費が落ち込み、結果的に税収が減り社会保障には当てられないと、元財務省官僚だった高橋洋一氏も指摘しています。
混乱を拡大し、景気を悪化させるだけの消費税の増税に一片の道理もありません。「消費税に頼らない別の道」で財源を確保し国民の暮らしを応援し、日本経済を再生させることが求められます。
日韓問題についてお伺いいたします。
日本政府が輸出管理の手続き簡略化の優遇措置を受けられる対象国から、韓国を除外する法令改定を閣議決定したことによって、日韓関係のへの深刻、重大な影響が懸念されています。今回の事態は日本政府が韓国を対象に半導体材料の輸出管理を強化する措置を発動したことで、大きな問題に発展しました。安倍首相は「徴用工の問題で国と国との約束を守れない国であれば、安全保障上の貿易管理をちゃんと守れないだろうと思うのは当然だ」と「徴用工」問題の解決の手段として輸出規制を上げました。
今回の問題の根本的な要因として1990年代以来積み上げられてきた「植民地支配への反省」の過去の歴史にまともの向き合おうとしない安倍政権の態度に問題があります。わが党は、徴用工の問題では冷静な対話による解決を求めてきました。日本政府は、徴用問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだとしていますが被害者の個人請求権は消滅していません。日本政府も、この点は認めています。したがって、民間訴訟を政治問題に拡大せず被害者の尊厳と名誉を回復する事こそ大事であり、話し合いの解決が求められています。
韓国に対する輸出規制によりすでに民間交流にも影響が及んでいます。本市においても韓国の全州市への文化交流としての、工芸家派遣の延期や、本市議員団の訪問の受け入れの見送りを求めてきています。市長は提案理由の中で「朝鮮半島での緊張の高まりなどの中、国際秩序が揺らぎ始めている」とし、「こうした時代に求められることは、人権の尊重や国際法の導守といった基本を守りつつ多様な価値観を認め合いながら、対話と強調を進めていくことである」として「国際社会が直面する諸課題の克服に向け軌を一にして国際間の連携を図られたい」としています。
日韓関係は国と国との外交問題はあるものの、本市は全州市と姉妹友好都市関係を結んでいます。日韓関係の改善に向けて、本市としても最大限の努力を図っていくべきだと考えます。少なくとも観光都市金沢で開催する文化、スポーツ行事においては、人と人との交流ができるよう尽力すべきと考えますがいかがでしょうか市長の見解を求めます。
2、金沢市子どもの貧困対策基本計画について質問いたします。
今、子どもの7人に1人が経済的に困難な状況にあり社会問題となっています。子どもの間に広がる貧困の連鎖をどう断ち切るかは、社会にとっても重要な課題です。
国においても、子どもの貧困対策推進法に基づき対策大綱の見直しの議論が進み、子どもの貧困対策推進法の改正も行われました。家庭の経済的困難が子どもの現在と未来を閉ざしている現状を打開することは待ったなしの課題です。
国は法改正で、「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右される事のない様」とした条文の前に「現在及び」を書き込みました。これは、子どもの貧困対策が「将来」のための学習支援だけではなく、「現在」の子どもの生活改善のためにも力を入れることを明確にしたことになり、大変意義深いものだと考えます。
本市においては、「子どもの生活実態調査」が取り組まれ、「金沢市子どもの貧困対策基本計画」が制定されました。市長は本市の貧困基本計画の中で「子供は何物にも代えがたい大切な存在であり、社会に大きな活力もたらす源であり未来への希望でもある」と書いていらっしゃいます。昨年実施した子どもの生活実態調査の結果から見えてきた子どもの貧困の特徴的な課題は何だったのでしょうか。おうかがいいたします。
家庭の経済的事情により生活に困難を抱えている子供が、本市においても少なくない実態が明らかになっています。貧困と格差の広がりはどの世代にとっても大きな問題です。しかし発達・成長の過程にある子どもの貧困は、その子供の可能性を制約するだけではなく、貧困が次世代に引き継がれる危険を作り出す点からも、影響は一層深刻です。現代の子どもの貧困の問題は、家や食べ物がないという絶対的な貧困と同時に、相対的な貧困が問われています。経済的な困難により経験できない、所有できない事で、仲間関係が築けなかったり、又、学力や健康面、心身の発達などにも、大きな影響が与えられると、指摘されています。今回本市の調査においても経済的に困難な層ほど、子どもの成長に必要な学びや経験、人とのかかわりなど、社会とのつながりが薄くなりがち、という状況が浮き彫りになっています。
格差が広がる中で、求められているのは、すべての子どもに生きる権利と学ぶ権利を等しく補償する事だと思うのですが、市長のお考えをお聞きします。
本市の子どもの貧困対策基本計画は、本市が実施した調査から現状と課題を挙げ、問題解決に向けた取り組みを、1から5項目の施策としています。その中の、子供の学びを支える教育支援という事でお尋ねいたします。今どの地域でも、両親が共働きで学校の休み期間には一人で食事をする子どもたちにと、子ども食堂が開設される動きがみられるようになりました。さらに、「子どもたちの学習支援の場がほしい」、「子どもがなかなか学校にいけない、近所に学校とは別に子どもの居場所がほしい」という地域の子育てしている親御さんの切実な声と願いから、無料の塾が生まれています。西部の地域でも、元学校の教師の方や、塾の講師の方たちが講師に携わり、小学生は宿題をしたり友達と遊んだりと時間を過ごしています。中学生は勉強についていけない子、不登校の子など深刻な悩みを持った子が通って来ます。そういう中で、支援をしている方たちは、本当に支援を必要としている子どもたちとどうコンタクトを取ればいいのかと考えながら、子供の居場所づくりに頑張っています。
この地域の子どもの居場所づくりに行政からの補助制度はあるのでしょうか。本市において、7月から学習支援を通じた子どもの居場所作り活動支援する為地域の小学生を含む子どもの学習支援活動へ補助金を出す事業が実施になりましたが、いくつかの制約があり、利用しにくいとの話も聞きます。補助金事業の周知方法、現在までの申請団体件数、今年度どのくらいの申請団体を想定して設立したのかお聞かせください。
困っている子供への支援は、学校の中だけでは限界があり、地域や社会全体で解決することが大切だとしています。
本市においても、子どもソーシャルワーカーの配置が打ち出されました。困難を抱える子供についての情報を集め子どもの背景にある要因に迫ることが出来、教師とも連携を共有することが出来ます。ソーシャルワーカーを中心に、行政を含め子どもの居場所づくりを行う団体のネットワークづくりを進めることはできないでしょうか。そして、この中から出た声を施策の拡充につなげていっては如何でしょうか。
本市でもNPO法人が中心となって子ども食堂など子どもの居場所づくりを開催していますが、子どもの利益を最優先にまずは今ある施策、の拡充をふくめ、生きた支援こそが必要と考えます。
3、教科書採択についてお伺いいたします。
来年度から使用される教科書についての採択がすすめられています。
この間、「子どもと教科書ネット21」など市民から2020年度使用の教科書採択についての意見や要望が、本市教育委員会に届けられています。その中で、教科書は学校教育にとって、きわめて重要な教材で、その内容は日本国憲法に即して次代を担う主権者を育成するものと、なっていなければならないとしています。教科書で学ぶのはこれからの21世紀を担う子どもたちであるという事です。その大切な教科書を選ぶにあたっては子どもの状況をよく把握して、子ども一人ひとりを尊重する視点が重要であると思います。日々子供たちに関わっている教師や保護者の声を大切にする必要があります。選考過程の中でどの様にその教師や保護者の意見が反映されたのかおたずねいたします。
そして教科書採択に関わる審議が非公開で行われておりますが公開にしてほしいという要望が寄せられています。全国的には採択時の公開は5割程度あり広がりつつあるとのことで、本市においても、公開を求めますがいかがでしょうか。
教科書展示会で寄せられた声は、どのようなものがあったのかまたどのように、審議の場で生かされるのかもお聞かせください。
教科書採択にあたっては憲法を守り生かしていく立場を貫くよう求めて私の質問を終わります。
-山野市長
7番大桑議員にお答えいたします。
消費税増税のことについて、何点かお尋ねがございました。
市民生活への影響のことですけれども、景気の後退というものは想定をされうるものではありますけれども、可能な限りこれを回避することが肝要であると思っています。低所得者及び子育て世帯へのプレミアム商品券の発行、キャッシュレス決済のポイント還元制度の周知に努めると同時に、国の施策に呼応した取り組みを進めているところであります。市としても今回お諮りした補正予算におきましても、学校の改修、道路などの生活基盤の整備に加え、工業団地の拡張、私立保育所等への支援、地域経済の活性化や市民生活の安定に資する経費の積極的な予算化に努めることによって、その対応策にしているところであります。
公共料金のことについてお尋ねがございました。使用料及び手数料は算定基礎に基づき設定しているものであり、消費税率の引き上げ分を反映しない場合には、税でこれをまかなうことになります。また公共料金につきましても適切な転嫁を怠るということがあれば、返って後年度に急激な費用の負担の増加をもたらす結果となりますことから、国からも消費税率引き上げに伴う負担の円滑かつ適正な転嫁を求められているところでありますし、私はそれは正しいというふうに思っています。それらを踏まえ、適正に反映をさせたものであり、ご理解を願いたいと思います。
プレミアム商品券のことについてお尋ねがございました。まずその体制ですけれども、本市プレミアム商品券事業におきましては、村山副市長を本部長とし、関係部局の局長で構成する実施本部を設置するとともに、商工業振興化を事務局とし、税や福祉など関係課の兼務職員が事務局員となり実務を行っているところであります。個人情報は大切です。個人情報につきましては限定職員しか取り扱うことができない体制としており、慎重を期しているところであります。非課税者への周知のことについてお尋ねがございました。本市では7月31日に対象となる住民税非課税者79198人の方にプレミアム商品券の購入引換券交付申請書と合わせて制度案内を送付し、周知を図っているところであります。8月31日現在で20570人から申請がありました。申請期限は11月30日としているところであります。まだ間がありますけれども、引き続きポスター・チラシ・ホームページでの周知のほか、新聞の広報、テレビ広報番組などを通じまして申請を呼びかけてまいります。
消費税の見直しを国に求めるべきではないかということでした。国家財政の現況、少子高齢化の急速な進展を考えますと、これまでも申し上げてきましたように私は消費税率の引き上げというものはある程度は避けることができないのではないかというふうに思っておりまして、国に見直しを求めることは考えてはおりません。
韓国との関係についてお尋ねがございました。現在姉妹都市である全州市との交流事業の中で影響が生じているものもありますが、本市としては国家間の関係に関わらず、今後とも都市間の友好事業を進めていくこととしているところであります。竹島問題のときにもいろいろ課題がありました。石川県も多くの自治体も訪問を取りやめましたけれども、私は取りやめませんでした。予定通り先方の全州市の受け入れ態勢が整っているならば、ぜひ訪問をして交流をしたい、むしろこういうときだからこそ地方でしっかり交流をさせてほしいということをお伝えしまして、当時の全州市の方も温かく迎え入れてくれました。それ以降さらに信頼関係が私は構築できたと思っておりますし、民間の交流、特に子ども同士の交流もより一層活発にできたと思っています。今も同じ体制であります。今も金沢市側はその体制で準備をしているところであります。今回残念ながら、第18回の金沢市伝統工芸展に関しましては、主催者の方から「中止ではありません、延期で」ということでお話をいただきましたので、対応をさせていただいたところであります。もう一度申し上げます、金沢市側はしっかりとした体制を取っているところであります。ぜひ全州市の皆さんもご理解をいただけて、良い交流がこれからも続けていくことができればというふうに思っています。
子どもの貧困対策のことについてお尋ねがございました。本市が取り組んだ調査についてですけれども、昨年度「子どもの生活に関する実態調査」を行いました。ひとつには、貧困世帯では学習塾や家庭教師を利用していない割合が一般世帯と比較して2割程度高いなど、学校以外での学びの機会が不足をしているということが明らかになりました。2つには、保護者の相談相手がいないという割合も一般世帯よりも高く、困りごとを発信することができず、また相談する機会も少なく孤立しやすい状況にあるということもわかってまいりました。このことから、子どもの貧困対策基本計画において、経済的な面のみならず、子どもの育ち・教育・家庭への支援、相談体制に関することなども課題として捉えたところであります。しっかりと、これから施策の中で取り組んでいきたいと考えています。
すべての子どもには生きる権利、学ぶ権利がある、それを等しく保障することは行政として大切ではないかということでした。まったく同感であります。いつの時代におきましても子どもは社会の宝であります。無限の可能性を持つ子どもたちが夢と希望をもって将来に向け安心して成長できる環境を作っていくということは、私たち大人の責務であるというふうに思っています。このことから、子どもの貧困対策基本計画の中にも学びを支える教育支援、重層的な支援体制の構築を重点施策に掲げ、今年度から子どもの学習総合支援事業の実施、子どもソーシャルワーカーによる相談・支援に取り組んでいるところであります。子ども食堂を始め、子どもの居場所づくりに取り組んでいる団体のネットワーク作りが大切ではないかということであります。午前中の議論にもありました、特に子ども食堂というものは多くの市民の皆さんが自発的に子どもたちの居場所づくりのために、さらには地域でお困りの方たちのために、そういう思いからでてきたも動きであります。私は大切にしていきたいというふうに思っています。いずれも子どもがキーワードになっているんだと思っています。地域から切れ目なく繋がる支援体制の構築に向け、子どもの生活を支援する団体等のネットワーク作りに取り組んでいきたいと考えています。施策の充実に繋げるため、これらの団体と連携を図ってまいります。
-山田福祉局長
地域の学習支援に係る補助制度の周知方法、並びに現在の申請件数等についてお答えをいたします。子どもの学習総合支援事業の一環といたしまして今年度創設いたしました学習支援を通じた子どもの居場所づくりに対する助成制度につきましては、7月から8月にかけて市内8会場で行いました子どもの貧困に関する市民説明会で制度について紹介をさせていただいたほか、児童館・NPOなど関係団体への案内や新聞広報、市のホームページでの周知を図っておるところでございます。この助成制度にこれまで2つの団体から申請があったほか、現在複数の団体から相談を受けているところでございます。
-野口教育長
教科書採択につきまして、3点ご質問がございました。
はじめに、教科書採択の選考過程の中で、どのように教師の意見が反映されているのかというお尋ねでございました。教科書採択に係り、教科用図書選定委員が教育委員会へ答申する報告書は、各学校の教員で構成する教科用図書研究委員会、及び、各教科の専門性の高い教員で構成する教科用図書調査委員会が調査・研究した内容を踏まえ審議し、まとめられております。教育委員会はその答申をもとに採択をするものでありまして、現場の教員の意見は反映されていると考えております。
次に、審議過程を含めて教科書採択を公開していただきたいがいかがかとのお尋ねでございました。教育委員会等における教科書採択の審議経過につきましては、意思形成過程でありますし、静謐な採択環境の中で自由闊達な議論を行うことや、公平性、また中立性を保つ必要があるということから、会議の公開につきましては考えておりません。なお、開かれた採択を推進するという観点から、採択方針、採択基準、議事録、また研究資料等につきましては、積極的に公開をしているところでございます。
最後に、教科書展示会で寄せられた市民の意見にはどのようなものがあったか、また審議過程でどのように活かされたのかというお尋ねでございました。教科書展示会で寄せられた市民の方々、この中には保護者の方々からの意見も含んでおりますけれども、各種目合わせまして117件ございまして、主なものでは教科書の学習内容や構成に関すること、また教科書採択の制度についての要望が寄せられたところでございます。これらの意見全てにつきまして、教科用図書選定委員会、また教育委員会議に資料として示されており、採択に活かしております。