私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、議会議案第9号今からでも消費税10%増税を中止し、複雑な軽減税率を撤回するよう求める意見書の提案理由の説明を行います。
第4次安倍内閣が発足し、安倍内閣が真っ先に実施するのが、10月からの消費税10%増税です。
実質賃金は、7ヶ月連続マイナス、商業販売額は、8ヶ月連続マイナス、百貨店の売り上げは9ヶ月連続で減少、スーパーマーケットも4ヶ月連続でマイナスとなっています。駆け込み需要さえ起きないほどに深刻な国民生活の実態が続き、まさに、消費不況に陥っています。
こんな時に、消費税10%増税は、「最悪のタイミング」であり、消費税増税は、中止すべきです。この意見書は、このことを国に求めるものです。
財界からも、「消費意欲が伸びない点が心配だ」との声が出されています。
ある経済関係者の方は、「日本の景気は失速寸前の状況」と分析し、「これまでの消費税増税の時期とくらべても今回の経済状況は厳しい」と指摘しています。
こうした不安の声は、世論調査にも示されています。
9月11日12日に共同通信社が実施した全国緊急電話世論調査によると10月からの消費税10%へ引き上げられた後の経済が「不安」「ある程度不安」との答え方が81%にのぼりました。したがって、こうした状況で消費税増税を強行すれば、国民生活にも日本と世界の経済にも悪影響と混乱をもたらす事は必至です。いまからでも消費税増税は中止すべきです。
安倍政権は、10月からの消費税増税と同時に導入するとして軽減税率、キャッシュレス決済によるポイント還元、さらに、幼児教育の無償化などで万全の対策をとったと述べています。しかし、時限的な対策のうえ、限られた方々が対象となっており、その対策も混乱と不安を広げています。どんなものにどんな買い方で8%か10%か。その混乱は深刻です。業者にとっても、軽減税率対応のレジ導入などその対応に苦悩し、対応に混乱が広がっています。プレミアム商品券についても、プレミアムがつく商品券を買わなければなりません。そんなお金をどうやってひねり出すのか。日々の生活でめいっぱいという悲鳴の声が出されています。
第一生命経済研究所の方による試算では、消費税増税が実施された場合、一世帯当たりの負担額は、この10月からの半年で、2万円。2020年度は、4万円となり、2012年度には4万4千円、2022年度には、4万7千円と段階的に増加するとしています。
国民の負担を増やし、更なる消費不況を広げる消費税増税は、中止し、消費税に頼らない別の道を選択するべきです。
私どもは、三つの提案で、7.5兆円の財源を確保すると共に、消費税増税を中止し、くらしに希望をと提案しています。
第一は、大企業が大もうけし、内部留保金は、2018年度末で、なんと449兆円と過去最高を更新しました。こうした大企業に中小企業並みに税金をお願いすれば、4兆円の財源が確保できます。
第二に、所得が1億円を超えると所得税の負担が下がります。富裕層への優遇税制を是正するなどで3.1兆円の財源が確保できます。
第三に、米軍などへ「思いやり予算」や辺野古への新基地建設費など税金の使い方をやめれば0.4兆円の財源が出てきます。合わせて7.5兆円です。これは、消費税3%分に匹敵する規模です。
国民生活を守り、消費不況を打開するために、全力を挙げ、奮闘する決意です。
この意見書は、
1 今からでも10月からの消費税10%への引き上げを中止すること。
2 市民生活に混乱をもたらす消費税の軽減税率の導入を撤回すること。