2019年度3月議会 広田議員代表質問 3・11

1.新型コロナウイルス対策について

―広田議員

 わたしは日本共産党金沢市議員団を代表して質問を行います。

まずは、新型コロナウイルス感染対策についてです

世界で猛威をふるう新型コロナウイルスは、ここ石川県でも感染者を発生させ、本市でも対応が行われています。まずは、感染された方々やご家族へお見舞いを申し上げます。

 9日に、国の専門家会議が開かれ、「このコロナウイルスは暖かくなると消えてしまうものではなく、半年、1年を超えて対応を続けなければならないと考えている」など長期化する見通しが示されました。翌日10日は、政府が特措法の改定案を閣議決定し、政府の緊急対策第2弾が出されましたが、緊急事態条項を含む特措法の改定案は撤回を求めますし、今やるべきはさらなる予算措置の具体化、国民の暮らしや自治体の検査体制整備への支援です。

政府の対応について

これまでの政府の対応は遅く、と思ったら、突発的に専門家や現場の意見を聴かずに進められてきたことに批判の声があがっています。本市の新型インフルエンザ等行動計画においても国の役割として「医学・公衆衛生等の専門家を中心とした学識経験者の意見を聴きつつ、対策を進める」と書かれています。今、行うべきは「政治決断」ではなく、専門家の知見を踏まえ、現場のみなさんを信頼し、現場の意見聞き、進めるということではないでしょうか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 27番広田議員にお答えをいたします。

まず、新型コロナウイルス感染症のことについて何点かお尋ねがございました。

政府の対応についてですけれども、私は、政府はこの様々な状況を把握をし、専門家の方のご意見もお聞きをしながら対策についての基本的な方針を定めてきているというふうに思っております。もちろん、最終的なご判断は総理であります安倍総理が責任を持ってご判断をされたものだというふうに考えています。

休校について

―広田議員

 このような場あたり的な「政治決断」で行った全国一律休校要請について、本市でも不安と混乱が広がっています。首相は、専門家の意見を聴かず独断であったことを明らかにし、政府の結論としては各自治体の判断を尊重するという立場となりました。

 市長は、首相が要請した当初は判断を見送りました。市長が会見で述べた「市民に説明ができない。エビデンスがない」というお考えはわたしも同感であり、全校一斉に休校にする科学的な意義がなく、休校によって生じる影響に無策のままでは、判断に戸惑うのも無理はありません。

しかし、その後市長は首相の記者会見のあと休校を決断しましたが、本市対策本部で決定したプロセスについてあきらかにしてください。

―山野市長

また、一律休校要請につきましての金沢市の措置につきましてお尋ねがございました。本市は国内での感染者が確認された時点で危機管理連絡会議を開催し情報の共有を図ったほか、県内での感染者確認後は新型コロナウイルス感染症対策本部を設置をし、対応を協議してきたところであります。市立小中高校の一斉休業につきましては、当初私は2月28日朝のこの対策本部におきまして、まずは3月2日からの休校はしないと、そして国からの通知、県の対応をみた上で判断をするということを対策本部の皆さんに申し上げた後、記者会見でその旨を伝えさせていただいたところであります。そしてその後、総理の強い思いをお聞きをし、そして総理が政府だけでは対応できない、与野党の協力、国民の皆さんとともにやっていきたい、断腸の思いで決断したということをお聞きをしまして、その総理の思いを受けて施策に取り組んできたところであります。可能な限り現場であったりだとか、学校現場だけでなくて働くお父さんお母さん、企業への影響を少なくすべく、時間的な猶予も持たせながら取り組んできたところであります。そんな思いから今回の市としての休業措置等を決定したものであります。

関係機関や保護者への支援について

―広田議員

5日からの休校で、現場は対応を迫られています。本市は、学校においては特別支援学級や特別支援学校、低学年の受け入れなど柔軟な対応をとりました。学童保育も多くのところが開所や見回りをし、子どもたちのために精いっぱい対応をしていただいています。

しかし、ご家庭によって事情は異なり、学校への送迎ができない、小4でもお留守番がむずかしいなど、さまざまな保護者のみなさんのお声もあります。第一義的な目的は感染を広げないことですが、さらに工夫をし柔軟な対応ができないか求めるものですがいかがですか。

-野口教育長

 学校において、様々な事情があるご家庭へのさらなる柔軟な対応が出来ないかとのお尋ねでした。本市の小学校におきましては、希望に応じて1年生から3年生までの児童を受け入れておりますが、ご家庭の状況等に応じて4年生から6年生の児童を受け入れたり、送迎を保護者以外の方も可とするなど、柔軟に対応しているところでございます。これからも様々なご事情から保護者等からのご希望があれば柔軟に対応して参りたいと考えております。

―広田議員

そのためには、もちろん補助や支援が必要です。学童保育について本市は、通常通りの開所を求めました。しかし、午前から開設した施設もあります。国は、午前中から運営する学童保育への補助額を、全国からの声によって、国が全額負担することとしました。本市もこの補助を使い、午前中からの開所分も含め、満額の財政補助や人的配置を含めた運営支援を行うべきではないですか、見解を求めます。

―山野市長

 放課後児童クラブのことについてお尋ねがございました。臨時休業期間中の各学校において、まずは希望する児童を受け入れ見守っていただくということを小学校低学年でさせていただきました。放課後児童クラブにつきましては原則、通常通りの時間で実施をしていただいているところであります。ただ、これは広田議員もご指摘がありました、地域によって事情がいろいろありますので、児童や保護者等の事情等に応じた開所時間の前倒しについても柔軟に対応していただくよう各クラブに依頼を行っているところであります。午前から開所をしている放課後児童クラブに対しましては、まずは保護者負担を徴収しないということにしたうえで、春休み夏休みなどの長期休業期間中に準じた運営委託費を追加交付することにしているところであります。

ー広田議員

次に、臨時休校で休まざるをえない親御さんへの助成制度が発表されましたが、独自の有給休暇を設けたところしか適応できない、中学生以上は対象外など条件が厳しいものです。またフリーランスの方については、4100円とほぼ半額であり、不十分だと批判の声があがっています。増額と同時に必要な方すべてに行き渡るよう制度改正を求め、また市としても支援する考えはないか伺うものです。

―山野市長

フリーランスの方に4100円、これは余りにも少ないのではないかと、国に働きかけるべきではないかというご指摘がありました。昨日取りまとめられた国の緊急対応策第2弾の中で、雇用調整助成金の対象事業主の拡大、企業や個人との間で業務委託契約を結んで働くフリーランスや個人事業主の保護者に対する給付制度など、各種支援策が示されたところであります。それを受け、本市としてはまずはこの国等の関係機関と連携を図り、情報収集をしっかりと行っていきたいと思っています。そして制度が効果的に活用いただけるように周知広報を行ってまいりたいと思っています。

保健所の体制について

―広田議員

保健所の相談体制について伺います。保健所の相談窓口は、相談センターもあわせて1日100件近くの対応をされ、これまで2000件以上の相談が寄せられています。現場のみなさまには敬意を表すものです。そうした環境から、一般の窓口相談を今週月曜日からコールセンターに委託したとのことです。こちらも丁寧な対応を求めておきます。

しかし、帰国者・接触者相談センターでは本市の保健師が対応を続けていくことになりますが、これまで土日や夜間も対応されてきており、現場の疲弊が心配です。申し入れもしてきたところですが、さらなる人員配置や支援を求めますがいかがですか。

―山野市長

職員が疲弊をしているのではないか、定数の在り方も含めて考えるべきではないかということでした。専門的な知識が必要となる相談には、保健所の保健師等の医療職に加え、福祉健康センター等の保健師が当たり、その他の業務には事務職員等を従事することにより、局をあげて対応する体制を構築しているところであります。保健所内の電話相談につきましては、これまでの職員による対応に加え、新たに委託によるコールセンターを設け、相談体制を強化したところであります。

―広田議員

そして、改めて定数改善を求めたいと思います。本市の保健師数は、中核市の中で人口あたりの数がもっとも少ない状況です。通常の業務でもめいっぱいなうえに、こうした感染症対応となると休日も夜間も返上でのぞむことになりますが、本来の力が発揮できるのでしょうか。保健師の定数を増やすべきです。

―山野市長

保健師の人員配置につきましては明年度以降の人員計画の中で検討させていただければというふうに思っています。

PCR検査について

―広田議員

次に、PCR検査との関係を伺います。保健所での相談はPCR検査の判断が行われるものでもあります。全国的にも検査を受けるのが厳しいと言われ、本市でも相談センターに相談しながら複数の医療機関を受診している例もあり、その背景には各自治体で行われるPCR検査の能力に限りがあると報道されている状況です。石川県では3月6日までに、153件の検査を行ったとされていますが、どのような実態なのでしょうか。

―山野市長

PCR検査のことについてお尋ねがございました。PCR検査は県内分を一括して県の保健環境センターで実施をすることとなっており、その検査能力に余裕があることに加え、今後検査体制が拡充される見込みだとお聞きをしています。

―広田議員

いよいよ6日以降は保険適応で、医師からの検査依頼を行うこともできるようになりました。本市においても、疑いのある場合はスムーズに検査が行えるよう求めますが、どのような状況なのかもあわせお答えください。

―山野市長

保険適用による検査につきましては今後県と連携をしながら体制を整えてまいります。

マスクや衛生資材の不足について

―広田議員

次に、医療現場などで最も切実なのが、マスクなど資材が入荷されないことです。国が生産ラインへの補助を出し供給を増やすとしていますが、いまだ現場ではほとんど供給がありません。医療機関や介護福祉施設など必要なところに行き渡るよう、国や県に働きかけるべきですがいかがですか。

―山野市長

 マスクにつきましては、国が製造や流通関係の業界に増産と流通の円滑化を要求しているとお聞きをしています。今後受給が好転することを期待しているところであります。また、市長会等を通じて国にマスク等の適正な市場供給が図られるように要望をしていきたいというふうに思っています。

―広田議員

  さらに、市が備蓄しているマスクはどれほどあるのか。活用方法を検討するべきではないでしょうか。

―山野市長

 マスクや衛生資材のことについてですけれども、本市では感染症指定医療機関である市立病院分を含め、サージカルマスク29000枚を保有しています。その使途につきましては、未だ供給が安定した状態となっていない状況でありますので、緊急度に応じ慎重に対応していかなければいけないと思っております。

市民の命を守る取り組み

―広田議員

次に、市民の命を守る取り組みとして、低所得者や無保険者、在留外国人を含め、すべての方が必要な検査や治療を受けられるようにすべきです。本市では、国民健康保険においておよそ830名の方が資格証明書となっています。本市は、通常から、資格証であっても受診した際は短期証へ切り替えるよう取り組まれています。しかし、資格証による受診抑制は続いています。今回この緊急事態に鑑み、短期証明書を発行して郵送するよう求めますがいかがですか。 

―山野市長

 国保資格証明書を短期保険証に切り替えることについてお尋ねがございました。本市ではこれまでも資格証明書を交付している者から医療を受ける必要が生じ医療費の支払いが困難である旨の申し出があった場合、特例として短期被保険者証を交付をしているところであります。ただ、緊急に受診する必要が生じたときは、その交付前であっても本来の負担割合で医療機関に受診できることとしているところであります。今回の感染拡大に伴い、医療機関への受診抑制とならないよう、この取り扱いについて資格証明書を交付している方に対し、さらに周知をすることとしており、一律に短期被保険者証を交付することは考えてはいません。

市内経済への対策について

―広田議員

新型コロナウイルスの感染拡大は世界にもそして市内の経済にも大きな影響を与えています。すでに、消費税10%増税が深刻な打撃となり、新型コロナウイルスの影響が加わりました。

本市では新年度、中小企業振興特別資金において新型コロナウイルスによる影響分も対象としました。国の特例貸付同様、無利子、無担保の支援を行うべきですがいかがですか。

―山野市長

中小企業、また雇用調整助成金の拡充のことについてですけれども、まずは国の特別貸付制度につきましては、売り上げが急減した中小企業や小規模事業者向けに政府系金融機関が実質無利子・無担保で融資をするものであり、本市としても市の公式ホームページや金融企業支援相談窓口で周知を図ってまいります。ご提案いただきました、市の制度融資を無利子・無担保で行うことにつきましては、当該制度が市内金融機関と協調して運用しているものであり、金融機関が独自で行う貸付に影響を与えるところから、今のところは考えてはおりません。

―広田議員

雇用調整助成金については、雇用保険に入っていない非正規やフリーランスは対象外でしたが、国会での追及により、生活福祉金貸付に特例を設けることになりましたが、あくまでも貸付であり給付にすべきです。本市独自の給付制度も検討するべきですがいかがでしょうか。

ー山野市長

 生活福祉資金貸付の特例、さらには本市独自のことについてですけれども、これも昨日国の緊急対応策第2弾でフリーランスや非正規労働者などに対し、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減った際、無利子で最大20万円借りられる生活福祉資金貸付制度の特例措置が設けられる他、フリーランス等の保護者に対する給付制度が示されたところであります。本市としては当貸付制度の実施主体である石川県社会福祉協議会や、受付窓口の金沢市社会福祉協議会など関係機関と連携を図り、まずは制度が効果的に活用されるよう周知広報を行うとともに、引き続き国の動向を注視して対応して行きたいと考えています。

―広田議員

 そして、すでにこのような制度を使わず、本市でも雇止めが起こっている状況です。着実に行き渡るよう早めに周知していただきたいですし、市内業者の実態調査や特別相談窓口を設けるよう求めますがいかがですか。

―山野市長 

 実態調査を把握すべきではないかということでした。本市では先月末から今月初めにかけまして、機械・金属・食品・繊維等の製造業、さらには商店街などに対しまして、新型コロナウイルス感染症に関する影響等について聞き取り調査を行っているところであります。その聞き取りの中では、もうすでに影響を受けている業者、さらには今のところ影響は少なくとも先行きを心配するという不安の声もお聞きをしているところであります。これを機に、企業内の業務改善や人材の確保に積極的に取り組むなど、中期的な視点で捉える企業もありますことから、現在設置しています経済局の金融企業支援の相談窓口等において企業に寄り添ったきめ細やかな助言や支援に取り組んでまいります。

―広田議員          

ホテルや旅館なども深刻です。

市長、宮城県や奈良市では、新型コロナウイルスの影響による経営悪化に配慮するとして、宿泊税の導入を見送りました。市長、本市も宿泊税は一定期間中止するべきではありませんか。

―山野市長

 宿泊税をこの際一旦中止すべきではないかということでした。仮に宿泊税の課税を一時的に中止したといたしましても、宿泊者の増など私はこの段階で見込めるものではないと思っています。加えて、課税の停止及びさらに再開をする際に料金システムの変更、予約済みの宿泊者への対応など、宿泊事業者に多大な事務負担を結果としておかけすることにより、一定期間であったとしても課税中止は私は考えるべきではないというふうに思っています。

―広田議員

これらの経済支援や、一斉休校に伴う支援、保健所の相談窓口へ充実のために、予備費だけではなく、緊急に補正予算を組むべきですがいかがですか。

―山野市長

 補正の緊急予算を組むべきだというお尋ねがございました。同感であります。昨日制度は放課後児童クラブや放課後等デイサービスへの支援を含めた追加の緊急対策を決定されたところであり、市が取り組むべき施策について迅速に対応していかなければいけないと思っています。地域経済の活性化になし得る最善を尽くしていきたいと考えており、宿泊業や飲食業など一部の業種で影響が危惧されますことから、市として必要な対策をできるだけ速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

2.新年度予算案について

ー広田議員

続いて、新年度予算について伺います。

市長は、提案理由説明の中で、政府の月例経済報告「景気は緩やかに回復している」を引用しました。

しかし、先月17日発表のGDPは大幅なマイナス成長となり、内閣府の景気動向指数は12月の景気の基調判断を「悪化」とし、8月以来、5カ月連続です。景気動向指数の基調判断は雇用や消費、生産などの指標の動向から機械的に割り出されるものであり、政府の思惑で、「景気回復」に固執しても、実態経済は深刻で、市民のくらし、地域の事業者は見通しがない状況に陥っています。

アベノミクスは破綻し、消費税頼みの税制をすすめ、軍事費などは突出する一方、自然増すらも切り捨てる社会保障、地方交付税も減らす、そうした中で、地方自治体は厳しい状況です。

市長も、当初予算については、歳入全体に大きな伸びは見込めず、厳しい財政環境下での編成だとしています。

しかしながら、公共事業には271億円の公共事業規模を維持、ごみの有料化の基金や、宿泊税の基金も取り込んで一般会計で過去最大の1741億円にものぼりました。

過去最高の予算を組みながら、その中身は、大型公共事業、観光についても大手資本誘致と一体となったインバウンドや富裕層目当ての呼び込み型施策であり、市民のくらしや、持続可能な観光、地元の商店、中小企業対策など、地に足のついた予算とはなっていません。

大型公共事業については、老朽化や耐震化に伴うものは必要です。しかし、全体で100億円ものサッカー場建設、クルーズ船誘致に伴う金沢港整備、まだ使える建物を壊し立て替える学校、図書館建設、そして市民の声なき歌劇座の立て替え検討など、不要不急の事業であり、見直しが必要です。

呼び込み型事業のほころび

そして、呼び込み型事業にはほころびが見られます。

金沢駅西口では、市長自らが市民の土地を安く大手企業に売り渡しました。6月オープンとのことですが、富裕層向けの外資系ホテルやマンションが中心なのかと思っていたら、大規模な商業施設がセットで、1階2階で飲食や物販など計34店舗もある複合開発プロジェクトであったのだと知りました。北陸3県や観光客をターゲットにした集客が見込まれます。

しかし、本市は都心軸活性化と称し、片町や香林坊の出店に多額の補助金を出し、竪町を中心に各商店街にも家賃補助をして、商店街とともに取り組んできたのではないですか。片町の再開発では数十億もの市税を投入しています。市長、市長自身が誘致した事業がそれらの脅威となっていきますが、見解を求めます。

―山野市長

現在整備中のクロスゲート金沢のことについてお尋ねがございました。ホテルを核とする複合施設、クロスゲート金沢の開業には、国内外の富裕層を始めとした多くの方々にお越しいただくことで経済効果ももたらすこともできますし、本市のブランド、ステータスも高まっていくものと考えています。その効果は広域からの集客や買い回りなど街中商店街や店舗へも波及をしていくものと期待をしており、今後とも商店街の方々と意見を交わしていきながらまちの魅力を高めるとともに、受け入れ環境の整備、回遊性の向上など積極的に取り組んでまいります。 

ー広田議員

ほかにも、観光客を目当てにホテルや飲食店の出店が続いていますが、これらも県外資本が多く、利益が外に出てしまうと専門家からも懸念がされています。

本市は、県外の大手資本、チェーン店で塗り固めた町になりつつあり、本当に市長の言う「個性際立つまち」と言えるのでしょうか。「元気で活力あふれるまち」ではなく、富裕層と観光客を目当てに大手資本がもうけるためのまちと化してしまったのではないでしょうか。

市民のくらしや地元企業応援への転換を

その一方で、市民生活は大変です。実質賃金の減少、少子高齢化は止まりません。地方創生と言っても、移住相談会は「さくら」の存在が報道をされ、首都圏への若者流出は止まりません。旧市街地は空き家が増え、コミュニティが保てなくなっています。

大手資本誘致と一体となった呼び込み型施策や不要不急の大型建設予算ではなく、地に足のついた予算編成、市民のくらし、地元企業応援で、市民一人一人が経済力をもって豊かに過ごせる市にするための方向に転換すべきではないですか伺います。

―山野市長

 もっと地元事業者を応援すべきではないかという主旨のご提案をいただきました。本市の公共事業は将来に向けた街の発展基盤、生活に身近な社会資本として整備してきており、地域の活性化や市民生活の向上に繋がる必要不可欠な政策であります。一方、地元の中小企業者に対しましても資金繰り、円滑化、後継者育成、企業支援に努めるなど、きめ細やかな支援に取り組んでいるところであり、市としてどちらの施策も均衡を図りながら積極的に取り組むことが大切であるというふうに考えています。

中小企業支援を

―広田議員

具体的に伺います。まずは中小企業支援です。

本市の企業のうち中小企業は99.6%であり、本市経済の根幹をなしています。しかし、この間、企業数は減り続け、現在は消費税増税やキャッシュレス対応、コロナウイルス、など対応を迫られています。

本市は、昨年中小企業振興・経営強化懇話会を設置し報告書も出されていますが、新年度予算では、あらたな分野や起業については支援を打ち出していますが、これまでがんばってきた中小業者をどう支え、育てていくかが見えません。

とくに、今年度の中小企業の資金繰り支援については、4300万円ほど。昨年度は5000万円であり、消費税増税が通年化されているのに、なぜ減らしたのか。もっと支援を充実すべきではないでしょうか。

―山野市長

 金融対策のことについてお尋ねがございました。本市では金融に関する相談窓口を開設をし、専門員による相談や助言指導を行っており、その内容に応じ政府系金融機関、地元の金融機関、県の信用保証協会、それらと連携をし、経営安定化に向けた資金繰りの支援を行っているところであります。ご指摘の予算額の減額につきましては、景気の緩やかな回復基調を受け、中小企業が過去に借入した景気対策分等の残高が少なくなったものであり、新規融資分につきましては例年同様83億円を確保していることから、今後とも金融機関等と協調し、きめ細やかな中小企業への金融対策へ取り組んでまいります。

子育て支援を

―広田議員

次に子育て支援についてです。

本市は、第二次金沢版総合戦略の基本目標の1番で、「若い世代に優しく、子育ての喜びを分かち合うまちをつくる」と掲げています。しかし、その中には「市の外郭団体と連携しイベントを開催し、 結婚や子育てに関する意欲の向上を支援する」とありますが、結婚や子育ては意欲で解決するものではなく、経済的な障壁をとりのぞくことが求められています。

地に足のついた取り組みが求められるにもかかわらず、本市は来年度も県内で最低の子ども医療費助成制度を続ける予算となっています。

子ども医療費助成が中学生までなのは県内で本市だけですし、窓口負担が残っている市町もわずかです。この窓口負担は、ひとり親世帯の窓口負担にも連動しています。

対象年齢を18歳まで延長し、窓口は無料にするべきですがいかがですか。

―山野市長

 こどもの医療費のことについてお尋ねがございました。子育てをしやすい環境を作っていくためには、こどもの医療費の助成だけでなく様々な施策を取り組み合わせていくことが大切であると思っております。施策の充実を様々な面から取り組んでいるところであります。こども医療費の助成に関しましては、安定した制度運営と適正な受診を確保するためにも、今のところ助成対象の拡大、窓口負担の無料化は考えてはおりません。

保育について

―広田議員

保育についてです。新年度から通年で行われる保育料無償化によって、これまで本市が保育料を据え置くための費用およそ2018年度17億6千万が、2020年度は5億7千万円と大幅に減りました。その浮いた財源は、保育料無償化のあらたな市費負担分を差し引いたとしても残るはずです。保育士の処遇改善など保育の充実のために使うべきではないでしょうか。見解を求めます。

―山野市長

 子育て応援予算のことについてお尋ねがございました。幼児教育・保育の無償化に関連してご提案もいただきました。国の徴収基準額より低く設定していることに伴います本市保育料の市費負担分は減額となりますが、保育所や認定こども園に係る運営費が増加するとともに、新たに幼稚園や認可外保育施設の保育料、利用料相当分を行政が負担することになることをご理解いただければというふうに思っております。今年度は保育士の負担軽減を図るために保育の周辺業務などにあたる補助者の配置、市内の保育施設への就労促進などを目的とした保育士の宿舎の借り上げに対する支援制度も新設をし、こちらは大いに活用をいただいているところであります。明年度におきましても、施設整備に対する支援制度を拡充をいたしました。潜在保育士の掘り起こしや仕事の魅力発信など、保育人材の確保策も進めていきたいと思っております。そういう様々な施策に取り組むことによって、保育士の処遇改善など保育の充実を図っていきたいと考えております。

学童保育について

―広田議員

学童保育については、新年度予算で施設の改修や指導員の処遇改善など予算の強化がされました。しかし、新年度の事業計画では、市の把握を超えた待機児を見込んでおらず、現場からは待機児を解決できないと不安の声があります。

そんな中、市長は突然、提案理由説明の中で「学校法人とNPOに受け皿を拡大する」と表明をしましたが、委員会で報告された新年度事業計画案に、その方針は一文もありませんでした。

一体、いつどこで運営主体を拡大する方針を決めたのか。先月19日の子ども子育て審議会で議論がされ全体の了承を得たものなのか。なぜ、学校法人とNPOなのか。学童保育は、これまでの運営形態では実務的に難しいことも指摘されていましたが、その解決や求められる支援も行われないまま、突然、あらたな参入を認めるのはあまりに短絡的ですし、競争原理によって既存のクラブが脅かされる心配もあります。具体的にあきらかにしてください。

―山野市長

放課後児童クラブを新たに学校法人やNPOに拡大することについてのお尋ねがございました。待機児童が地域によっては放課後児童クラブにつきましては発生していることに加え、今後も利用児童数が増える見込みであると思われています。施設環境や受け入れ児童数に地域間の格差があるなど課題もこれまでこの本会議場におきましても指摘をされているところであります。ただ金沢市はこれまでも地域の社会福祉協議会や地域の社会福祉法人が地域の実情に即した運営を行っていただいています。こどもたちの保育環境をより高めるために、金沢市児童クラブ協議会と協議を行った結果、利用児童の増加などにより既存クラブでの運営が難しい場合には、地区の社会福祉協議会の了承、皆さんのご理解をいただいた上で、幼稚園などを運営する学校法人、子育て支援事業などを実施しているNPO法人に運営主体を拡大をしていきたいというふうに考えています。

国民健康保険について

―広田議員

国民健康保険についてです。

今年も県が示した標準保険料はあがりました。

本市は今回、全体で4億7千万円の負担の抑制を行ったとしています。しかし、モデルケースでみても、保険料が年収にしめる割合は多く、年収500万円の妻夫子二人では、年間60万5千円と12%もを占める状況です。

基金も予算上25億円以上残っており、保険料を減らすために使うべきですがいかがですか。

―山野市長

 国民健康保険料のことについてお尋ねがございました。財政調整基金につきましては、これまでも子育て世帯等に配慮をし、保険料負担の軽減を図るための繰り入れを行ってきたところであります。今後の国保の財政は、被保険者の高齢化の進展に伴う1人当たりの医療費の増加などにより、厳しい状況が見込まれます。保険料の引き上げが必要となった場合におきまして、急激な引き上げとならないように、負担緩和の財源として効果的な活用を図っていくこととしており、さらなる保険料の引き上げに使用することは考えてはいません。

―広田議員

そして、本市は来年度もまた法定外繰り入れを減らしています。国は保険者努力支援によって、自治体の法定外繰り入れをやめさせようとしますが、それに従うのではなく、国の負担こそさらに求めるべきです。ほかの保険にはない赤ちゃんにもかかる「均等割り」をなくすため、国へ強く声をあげていただきたいと思いますがいかがですか。

―山野市長

 こどもの均等割り保険料の軽減についてお尋ねがございました。これは被保険者の保険料の負担を緩和するには、国の責任ある財政措置が不可欠であります。今後とも引き続き全国市長会、さらには国民健康保険中央会を通じ、国庫負担の拡充、こどもの均等割り保険料を軽減する支援制度の創設などを国に強く働きかけてまいります。

介護保険、高齢者施策について

―広田議員

介護保険など高齢者施策についてです。

介護保険料は低所得者層の保険料は消費税による影響緩和で引き下げられましたが、本市の介護保険料は依然として高い水準のままです。年金も目減りし、高齢者の暮らしは深刻です。引き下げるよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 介護保険の保険料についてですけれども、介護保険料につきましては法令に基づき3年間のサービス給付費を推定して算定をしているところであります。来年度までの今期介護保険事業計画中の引き上げを行うことはありません。

―広田議員

次に新年度予算でついに、県が65歳以上心身障がい者医療費の窓口無料化を打ち出し、10月から実施するとしたことについてです。市民のみなさんと求めてきたことが実現しますが、本市はどのような実施計画をもっているのか、あきらかにしてください。

―山野市長

 また、心身障害者医療費助成の県の対応についてのお尋ねがございました。障害のある65歳以上の方への医療費助成の現物給付化につきましてはこれまでも石川県市長会を通しまして県に要望をしてきたところであります。県は明年度の当初予算において、本年10月からの現物給付化を決定をしていただいたところであります。本市といたしましても、今後県と連携、歩調を合わせながら、導入に向けた準備を進めてまいります。しっかりと取り組んでまいります。

3.公的な役割の維持を

ガス・発電事業について

―広田議員

まずは、ガス・発電事業についてです。市長が昨年の6月にあり方検討会に諮問をし、わずか4回で、「民間への譲渡が適当だ」と答申が出されました。その方向性でパブリックコメントが行われ、議会の議論も経たとして、先月の常任委員会でパブリックコメントの結果とともに、「民間譲渡する」と記した基本方針案が出されたわけです。

しかし、公営事業である以上、拙速なやり方は許されませんし、市民の声をしっかり聴くことが大前提です。

その点でまずは、パブリックコメントについて伺います。

パブリックコメントは6万件の世帯や事業所に直接送付したこともあり、701件もの返答がありました。

その回答に対して本市は、推進、維持、不明と分類をし、推進派が公営維持派を上回ったというような説明をしたのです。しかし、パブリックコメントは賛否を問うものではありません。市は、数が多く意見を整理するためと言いますが、過去5年間の結果をすべて振り返っても、一度もそんなケースはありませんでした。そして701名分すべて拝読しましたが、賛否を判定できないものが大多数です。市が民営化の方向に議論を誘導するために使ったとしか考えられません。もし賛否を問いたいのであれば、再度、市民全体に周知し賛否も含め問い直すべきではないですか。

さらに、このパブコメで気づいたこと。それは、企業局に対して、民営化への批判はあっても、日頃の業務に対しては「本当にいつもよくしていただいている」「このままでいてほしい」と公営企業への期待と感謝の言葉が並んでいます。市長、お読みでなければぜひこれらすべてに目を通してください。そして、一度方針を撤回し、まずは市民に説明からはじめることを求めますがいかがですか。

―山野市長

 公的役割のことについて、まず、ガス発電事業の民営化についてお尋ねがございました。ガス発電事業は市民生活や産業活動の発展を支えてきた大切なライフラインでありますことから、あり方検討委員会からの答申に基づく検討内容につきまして広く意見を聞く必要があると考え、パブリックコメントを実施いたしました。多くのご意見をいただいたものでありまして、参考までに、検討案推進と両事業とも公営維持とする意見者の状況を合わせてお示しをしたところであります。いただいたご意見はいずれも私も拝読いたしました。真摯に受け止め、事業譲渡に向けた基本方針に反映をしていきたいというふうに考えています。パブリックコメントは今ほど申し上げましたように、市の広報やホームページだけでなく、すでに都市ガスや簡易ガスの利用者にも呼びかけ、広い意見をお伺いしたいということで努めてきたところでもあります。検討委員会からの答申、これまでの議会での議論、パブリックコメントの結果等も踏まえて、ガス発電事業に合わせ新設の株式会社に譲渡をすることが、市民サービスの向上に資するものと決断をしたところであります。

市立病院について

―広田議員

次に市立病院のあり方検討会についてです。出された提言では独立行政法人化、現地からの移転が求められています。しかし、独立行政法人化は、独立採算を要求され、サービスの引き下げや職員の勤務条件を引き下げるものであり、自治体病院の機能を維持するうえでは行うべきではありません。また現在地からの移転は地域住民や患者さんに大きな影響を与えます。患者さんや地域住民のご意見をしっかり聴くよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 市立病院のことについてですけれども、今後の方向性につきましては、昨年度から2年間に渡り今後の在り方検討会でご議論をいただき、提言を先般いただいたところであります。建て替え場所や独立行政法人化につきましては、その提言の内容も踏まえ、課題も合わせてご提示いただいたところであります。その課題点等を整理して行く中で、市民、そしてなんといっても現場で働く病院職員の声にも耳を傾けていきながら、さらに検討を重ねていきたいと思っています。

市立保育園のあり方について

―広田議員

新年度予算ではじめて「市立保育園のあり方検討費」が盛り込まれました。この間の「あり方検討会」と名がつくものは、「民営化」につながるものが多いので大変心配です。公立保育園も民営化ありきで議論が進められるとすれば許されません。まずは、どのような検討が行われるのか、あきらかにしてください。そして、公立保育園の役割について市長はどのように受け止めておられるのか、あわせてお答えください。

―山野市長

 市立保育所の検討会ですけれども、金沢市立保育所の多くの築年数は、45年を超える施設が半数を占めるなど、老朽化が進んでいる状況にあります。将来を見据えた改築や移転等についての方針を定めていきたいというふうに思っています。私は毎年、金沢市立の保育所全て回らせていただいて、いろんな意見交換をさせていただいているところであります。多くの保育士さん、園長先生とお話するんですけれども、やはり老朽化のことについて言及をされる方が多くいらっしゃいます。あわせて、場所によっては周辺道路や河川の状況など、地理的条件についても不安をお持ちの園長先生、所長先生が多くいらっしゃいます。地域毎に様々な保育事業の推移を踏まえた対応も必要と考えており、学識経験者や保育関係者に加え、地域の声を聞くなど、幅広く意見を聞きながら進めていきたいと思っています。公立保育所の役割のことについてですけれども、一般的に統合保育の実施や、配慮を必要とする家庭のこどもの受け入れなど、セーフティネットとしての役割が求められていると思っています。民間施設が多い本市において、市立保育所が果たす役割は私は極めて大きいと思っています。また市立保育所での保育業務等を通じ、職員を継続的に育成することで児童相談所や幼児相談所における相談支援業務の他、明年度開設いたします幼児教育センターで行う幼児教育・保育の質のさらなる向上のための取り組みに対応できる人材の養成にも繋がっていると考えています。

4.ごみ処理、環境施策について

東部環境エネルギーセンターの延命化について

―広田議員

第6期ごみ処理基本計画の中で、これまでごみ有料化の目的としてきた、東部エネルギーセンターの建て替えが突如「延命化」と打ち出されました。

市長は29年の3月議会で、「この時期に家庭ごみ有料化議案を提出したのは、何といっても東部環境エネルギーセンターの立て替えのことがある。基幹的改良工事によって平成39年度までもたせる手立てをとっているが物が物だから」とし、市民の中にはそれなら仕方ないと思った方もいるはずです。

ところが、平成39年度に新施設へ移行するには、来年度は環境アセスメント調査が必要でしたが、環境アセスどころか延命化が打ち出されたのです。

12月の答弁では「今ある施設を少しでも長く大切に使ったうえで建て替えを検討することは将来世代の負担につながる」としました。それでも、39年度に使えなくなるのにどうするのだろうと思い調査したところ、家庭ごみが減り、西部環境エネルギーセンターのほうへ多めにごみを運んだ結果、東部の焼却炉の痛みが少なくなり、延命化できるとしたそうです。であるならば、それはごみの有料化以前に計画できたことではないですか。方針が変わったことについて具体的に説明を求めます。

そして、もちろん焼却炉が減ることは環境にとってもよいことですが、今後東部環境エネルギーセンターをどう位置付けていくのかあきらかにしてください。

―山野市長

 東部環境エネルギーセンターのことについてお尋ねがございました。第6期ごみ処理基本計画においては、第5期同様、ごみ量やごみ質に合わせた、適正で効率的なごみ処理体制の再構築を掲げており、その方針は変わっていません。東部環境エネルギーセンターの将来的な建て替えの必要には何の変わりもありません。ただ、ここにきて、市民の皆さんが大変真摯に取り組んでいただきました。当初見込んでいたごみ量の平均削減率14%という全国平均は、ここで何度も申し上げていますけれども、今のところまだ2年あまりではありますけれども、現状約20%となってきました。またこれは広田議員からもこの議会で何度も、事業系ごみの減量のことについてもご提言もいただいているところであります。全く同感でありまして、明年度から事業系ごみの減量化・資源化にさらに重点的に取り組むことによって、焼却炉の運転負荷がさらに軽減することができるのではないかというふうに思っています。東部環境エネルギーセンターのより一層の延命化が可能となってくるのではないかというふうに思いますし、そのことが将来世代に対する負担を減らすことにも繋がってくるものだと思っています。東西ふたつの環境エネルギーセンターで効率的な運転に努めながらごみ処理を行っているところであります。第6期ごみ処理基本計画におきまして、東部環境エネルギーセンターは必要な施設であるとも捉えています。今後とも、市民・事業者と協同により、減量化・資源化に取り組むことによって一層ごみ量を減らし、施設のコンパクト化を図ることで将来世代の負担軽減に努めていきたいと思っています。

有料ごみ袋の基金について

―広田議員

つぎに、市民が購入した有料ごみ袋のお金を積み立てた基金についてです。

市はごみ有料化の説明時には、地域の負担をへらすためごみステーションや環境整備に使うとしてきましたが、それがコミュニティ基金へと拡大し、さまざまなことに使われてきました。そして、今回は公民館の整備などに拡大するというのです。もちろん、市民の負担を減らすために必要な項目ですが、一般財源で行うべきです。

そして要援護者ごみ出しサポート費は3500万円から1000万円に削るとのこと。利用実績が低いからだと思いますが、実績が低いのは基準が厳しいからです。受けられる基準を要介護から要支援1以上などに引き下げ、もっと多くの方が使える制度にすべきですがいかがですか。

―山野市長

 要援護者ごみ出しサポートのことについてですが、本市におきましては良好な地域コミュニティにより家庭や地域の支え合いで円滑なごみ出しが行われているケースが多く、これまでの実績をもとにごみ出しが困難な世帯への予算を十分確保しているところであります。この事業の対象となる世帯の要件が他都市と比べ利用しやすいものになっていることや、基準の引き下げがかえって地域コミュニティの阻害に繋がることなども懸念されますことから、今のところ制度の見直しは考えてはいません。

―広田議員

ごみ有料化の基金は新年度予算で6億1千万円にもなり、その使い方があらゆるところに及んでいますが、なぜ環境やごみ施策に使わないのかと、疑問の声がひろがっていますし、市民が努力した分、ごみ袋の値段を下げて還元してほしいというのは当然の願いです。

ごみ有料化の目的としてきた焼却炉の状況も変わり、基金もこれだけ多いのですから、いったん有料化制度や袋の値段を見直す議論が必要だと考えますがいかがですか。

以上伺いまして質問を終わります。

―山野市長

 手数料の引き下げなどが必要なのではないかということであります。目的は歳入を増やすことではありません。この活動を通すことによって指定袋制を通すことによってごみの減量化を図り、さらに資源化を高めていくということが目的であります。私は市民の皆様のご理解をいただきまして大きな効果が出てきているというふうに思っていますし、実務的には対応しなければいけないことはその都度対応して行きながらも、私はこの制度が市民の皆様の間で定着しつつあると思っています。引き続き、先程来申し上げております、家庭系だけではなく事業系のごみのさらなる減量化・資源化にも、明年度は積極的に取り組むことによって、金沢市全体の環境施策に寄与する、そういう仕組みを作っていきたいというふうに思っています。制度の見直しは考えてはおりません。

-広田議員

 再質問いたします。

 まず、新型コロナウイルスへの経済的支援ですけれども、今聞き取り調査をされているということは大変良いことだと思います。ただそのもう雇い止めという話が出てきてしまっているというのが実態で、ぜひこれからまだ聞き取りをするのであれば、そのときに雇う側に対してこういう支援があるんだと、雇い止めしなくても大丈夫だということをぜひもう一度周知をいただきたいということがひとつと、もう回ってしまったところには、ホームページに載せても伝わらない可能性があるので、ぜひ再度丁寧なお知らせなりを送っていただきたいと思います。そして、やはり国の支援から漏れる方というのはもうだいたい明らかになっているので、もう自治体として上乗せを検討しているところもありますから、市も待ったなしの状況だと私は思うので、すぐ対策を検討するように再度求めたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 ・・・・ホームページだけでは十分浸透しないかもしれません。様々な形で国の制度の周知、徹底を図っていきたいと思っています。2点目ですけれども、昨日国の方で発表になったところでありますので、それをしっかりと受け止めて、本市として出来る限りの対応を速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

-広田議員

 ぜひ速やかな対応をお願いしたいと思います。私たちは補正予算で緊急対応も、それについては賛成をいたしますのでよろしくお願いいたします。

 次に国保証ですけれども、先程資格証明書の人には周知を今一度していただくということはわかりました。ただやっぱりそれでも、資格証明書を持っているということだけで受診抑制になるんですよね。今みたいに感染が広がっているときは命の危険につながるし、他の方に感染をさせてしまうということにも繋がります。さらに昨日の専門家会議でも感染症の長期化の可能性が示されました。となると、多くの国民健康保険に入っている高齢者は外出を自粛しているので、長期にわたって納付相談にもいけないという状況にもなるわけですよね。なので、やはり郵送で短期保険証を、今は緊急事態だということで郵送してほしいと、そういうことを求めているのですが、再度検討だけでもお願いいたします。

そして確認ですけれども、ガス発電のパブリックコメントの何が問題だったかというと、当局側が賛否で、建設企業の常任委員会なんかでも推進と維持とで推進が上回っているというような表現を持って賛否でこの結果を返してきたということが私は問題だと思うんですけれども、1点だけ一般論としてパブリックコメントは賛否を問わないものだということで、市長の認識はそれで良いか伺っておきたいと思います。

-山野市長

 資格証明書のことにつきましては、申し訳ないですが同じ答弁になりますが、この資格証明書を交付する者に対し、さらに周知することによって対応して行きたいと思っています。これも答弁でも申し上げましたけれども、緊急に受診をする必要が生じた場合には、その交付前であったとしても本来の負担割合で医療機関に受診できるものでありますので、ご理解をいただければというふうに思っております。

 パブリックコメントのことにつきましては、いろんな方からそのテーマについてのご意見をお聞きをするものであります。

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