質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下数点質問致します。
まずは、台風10号の被害にあわれたみなさまに心からお見舞いを申し上げます。
・安倍首相の辞任表明を受けて
それでは、最初の質問に移ります。
安倍首相が先日辞任を表明しました。
退陣の根底には、「安倍政治」が、経済、外交、コロナ対応、憲法改定などあらゆる分野で行き詰まった実態があります。
20年続いたデフレに『3本の矢』で挑み、400万人を超える雇用をつくりだした、と安倍首相は誇って見せますが、その実態は、異次元の金融緩和で円安を加速させ、株高を演出する一方で、非正規雇用など不安定な働き方を増やしたにすぎません。しかも、安倍政権のもとで行われた2度の消費税率引き上げは、個人消費を冷え込ませ、実体経済を痛め続けました。
こうしたアベノミクスや新自由主義的政策の破綻が、今年の新型コロナウイルスの感染拡大によって一気に露呈し、多くの人々を苦しめています。保健所や医療機関が疲弊したうえ、中小業者や労働者は苦境に立たされ、文字通り“生きるか死ぬか”の瀬戸際に直面しています。
しかし、自民党総裁選を見ても、その訴えの中身は新自由主義路線、自己責任路線の継承でしかありません。
市長におたずねします。市長はこれまで、アベノミクスや2度の消費税増税について、進める立場でしたが、このような行き詰まりを前にどう評価しているでしょうか。また、経済を再生するために、何より必要なのは暮らしを応援することです。消費税を、増税前の5%に戻す減税の議論もありますが市長はどのようにお考えでしょうか。
ー山野市長
28番広田議員にお答えをいたします。
まずアベノミクス、また消費税のことについてお尋ねがございました。やはり一連の経済施策が株価の上昇であったり有効求人倍率の上昇につながったという評価もあり、景気回復・雇用の改善という面で私は、大きな効果があったというふうに思っています。消費税につきましては国会での議論を得て、税率の引き上げが行われたものであります。国家財政の再建、少子化対策への対応を進めていくうえで、私は一定の理解というものをいただきながら進めてきたものだというふうに思っています。必要不可欠な財源のひとつであると考えています。
ー広田議員
・市政方針、中期財政計画について
今こそ、市民本位の経済政策への転換が重要です。
そこで、本市の市政方針、中期財政計画について伺います。
先日、本市が発表した中期財政計画では、コロナの影響で税収が減ることによる収支不足について、多い年では33億円にものぼる試算が出され、その不足に対応するため、公共事業費の抑制や一般行政経費の削減も行う方針を示しました。
しかし、公共事業費の抑制といっても、230億円以上は維持し、そのうちの経常フレーム58億円を70%に抑えるだけのものです。
もちろん老朽化するもの、市民の身近な生活に関わる事業については必要です。
しかし、全体事業費100億円、Jリーグ基準にあわせた10000席対応のサッカー場や、経済界からの要望で一転した事業費が200億、300億も予想される歌劇座のオペラ座への立て替えは見直すべきです。サッカー場と歌劇座については予定通り進めるつもりなのか、方針やスケジュールなどあきらかにしてください。
ー山野市長
サッカー場のこと、そして歌劇座のことについてお尋ねがございました。まずサッカー場は、第一次スポーツ施設整備計画の記載の通り、城北市民運動公園で収容人数一万人規模のサッカー場を移転整備をしたいと考えています。今年度実施設計を行っているところでありまして、2023年度中の完成を目指し準備をしているところであります。歌劇座につきましては、金沢歌劇座あり方検討会から答申・報告をいただいたところであります。今年度は懇話会の報告にありますように現地での建て替えも念頭に置きながら、高さ・敷地・財源の確保などの課題解決に向けて技術的な検討などを進めているところであります。まずはこうした課題解決のための方策を検討し、その上で具体的なスケジュールについて考えていきたいというふうに思っています。
ー広田議員
今補正予算で中学校普通教室のエアコン設置の前倒しが示されました。我々がかねてから求めてきた通り当然必要ですが、来年の夏までに設置することになったとは言え、昨年も今年も多くの子どもたちが健康を奪われてきました。市長は整備時期が適当だったか問われ、「批判は甘んじて受け入れる」とお答えになったそうですが、批判は受け入れるだけではなく、今後の教訓にしなければ意味がありません。
市長、不要不急の大型公共事業は見送りや中止をし、明日のくらしや経営が立ち行かない市民、病院や介護施設への支援など、市民の命と暮らしを守ることを優先する予算方針に転換が必要ではないですか。お答えください。
ー山野市長
公共事業の見直し、政策を転換すべきではないかということでした。このコロナ禍、いろんな考え方があります。あと1年・2年続くのではないかというご意見もあります。感染症拡大防止と社会活動の両立が、私はこれからの課題になってくるというふうに思っています。国・県と一体となって市民生活の安全・安心の確保のため、全力で取り組んでいかなければいけないと思っています。また、老朽化が進む公共インフラの整備、さらには都市の発展基盤の整備は、市民のくらしを守り豊かにし、まちの拠点性を高め、活力と賑わいをもたらす、本市の将来に欠かせない投資であり、またコロナ禍で大変厳しい状況にある地域経済を下支えするためにも、一定の公共事業費規模を確保していくことが大切であるというふうに思っています。
ー広田議員
・PCR検査の拡充について
次にPCR検査の拡充について伺います。
県内、市内で新型コロナウイルス感染者が再び増加をし、感染者受け入れ病院からもクラスターが発生するなど深刻な事態です。
県のモニタリング指標4つのうち常に2つがオーバーする状況であるにも関わらず、これまで具体的な対策や方針が示されないまま、インフルエンザ流行期を前に市民は不安に陥っています。
石川県では現行の検査機関にPCR検査機器を追加配備し、さらに民間病院230施設や民間検査機関の協力なども得て検査数を1500まで増やすとしています。来月からはかかりつけの病院もしくは、コールセンターに相談する流れへの変更も予定されています。
病院の負担が心配ですが、
まずは、どのような仕組みに変わるのか明らかにしてください。
そして、このことによって、これまで症状があって保健所に問い合わせても検査が受けられなかったようなケースでもスムーズに検査を受けられるようになるのでしょうか。あきらかにしてください。
ー山野市長
PCR検査の受診・相談体制につきまして、どのように変わっていくのかということでありました。国では10月中をめどに身近な医療機関での相談、受診、検査体制の強化を目指しているというふうにお聞きをしています。ご質問されました「どのように変わっていくのか」ということは、詳細が分かり次第、市としてしっかり対応をし、広報周知を図っていきたいというふうに思っています。ただこれは拡充されることにより検査数は増加するものだというふうに思っています。
ー広田議員
次に、検査数の増加とともに必要なのが、対象を点や線だけではなく面的に位置づけることです。
わが党はこれまで、感染震源地に対する集中検査や医療、介護、障害者福祉、保育、学校などの職員などへの定期的検査によって、無症状感染者も含めて把握・保護することで感染を抑え込む戦略を明確にして実行すべきだと国にも地方自治体にも求めてきました。
先日本市のグループホームで起こった事案は、コロナとは別の原因で入所者2名が別々に救急搬送されたところ、2名ともに陽性が確認され、検査の結果、入居者や職員あわせて14名が陽性という結果です。このコロナウイルスが、無症状でも知らず知らずに感染させていく怖さを物語っています。
病院や高齢者施設、保育施設などの定期的な検査を行い、無症状感染を食い止めることが必要です。
ご存知の通り、世田谷区では、「いつでも誰でも何度でも」を基本におく、「世田谷モデル」を宣言し、現在1日300件のPCR検査を大幅拡充する方針を打ち出し、第1段として有症者などへの検査を600件に倍加し、第2段として介護施設や保育園などの職員などへの定期的な社会的検査を1日1000人程度行うことを目標としています。
政府の対策本部でも先月28日に、感染流行地域での「医療、高齢者施設などへの一斉・定期的な検査」「地域の関係者の幅広い検査」について、政府として都道府県などに「実施を要請する」と決定をしています。
行政検査こそ抜本的に増やし、世田谷区のように広く検査すべきです。
もちろん、世田谷区では現在の保健所や保健師の体制ではむずかしいので、保健所の外側に体制をつくり保健所は保健所にしかできない仕事に専念していく考えだそうです。検査方法については、数人分の検体をまとめて検査するプール方式をとるそうです。これら世田谷方式に学び、病院や高齢者施設、地域など幅広い検査を行うべく、県とともに具体化するよう求めますがいかがですか。
ー山野市長
面的な検査というものも大切ではないかということでした。今般国は、新型コロナウイルス感染症に関する今後の取り組みを発表し、その中で感染者が多数発生している地域等において、その期間は医療機関や高齢者施設等の職員、入院・入所者等全員を対象に一斉定期的な検査の実施を都道府県に対し要請をしているところでありまして、今後の動向を注視していきたいというふうに思いますし、ここは方向が決まりましたら県としっかりと連携をしていきたいというふうに考えています。
ー広田議員
市立病院についてです。今補正予算で、PCR検査機器を追加配備するのであれば、院内クラスターを防ぐためにもすぐに職員や入院患者などの定期的な検査を行うよう求めますがいかがですか。
ー山野市長
市立病院のことについてお尋ねがございました。今議会にお諮りいたしました補正予算案においてお認めをいただきましたならば、市立病院にPCR検査機器を配備したいと考えておりまして、患者や職員に感染が疑われるなど医師が必要と認めた場合には院内でただちに検査をし、早期に診断できる体制を整えたいというふうに考えています。市立病院では来院患者の出入口を一か所に限定し、検温・咳などの症状の聞き取りを行い、感染が万が一疑われる場合には一般患者と別にして診察を行うとともに、入院患者への面会制限を継続することで、院内にウイルスが持ち込まれることがないように感染防止対策を徹底しているところであります。加えて、職員に対しては日頃から適切な行動を取り、日常的な健康観察や標準的な感染予防策に努めるよう指導を徹底しており、今のところ患者や職員に対し定期的にPCR検査を行うことは考えてはおりません。ただ、今後も国・県の動向を注視をし、連携を取り、必要な施策が出ましたらしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
ー広田議員
・保健所の機能強化、保健師の増員について
感染症対応の要である保健所について伺います。
日本では1980年代、中曽根内閣によって「民営化」と「規制緩和」を柱とする新自由主義が本格的に導入され、国鉄・電電公社などの民営化が果たされたのち、コスト論の見地から公衆衛生分野の要である保健所、医療分野では公立・公的病院の統合・廃止路線が進められ「平成の大合併」がこれに拍車をかけた中で今回の事態を迎えました。
保健所については、1994年の保健所法の改悪により、設置基準が人口10万人に1か所から2次医療圏に1つとされ、全国では1992年に852か所あった保健所が2019年には472か所へ、石川県全体では96年まで11あった保健所が97年には半分以下の5か所にされました。その中で本市は、当時新規結核患者が130名という状況であるにも関わらず、3か所あった保健所がひとつにされてしまい、保健所保健師についても数名という配置が続いてきました。
こうした保健所統廃合など公衆衛生政策のつけが今回のコロナ禍で全国的にも、保健所の崩壊寸前を招いています。
本市では4月時点で、地域保健課の感染症対策係である保健師7名、看護師1名が本来の担当でしたが、人口46万、20万世帯にこの体制で今回のコロナ対応が可能なはずはなく、会計年度任用職員を7名採用し、4月のピーク時には本庁や福祉健康センターから18名の保健師、17名の事務や消防OBが応援に入りました。朝から晩まで電話がなりっぱなし、相談件数は多い時で1日320件を超え、本市では第1波の感染者はおよそ130名、その方々のPCRの検査関係、陽性者の行動歴や接触者調査、濃厚接触者については、2週間毎日電話をして確認する、クラスターが発生すれば対応というすさまじい状況でした。それでも、通常業務であるエイズやクラミジア、肝炎の相談や検査は門戸を閉ざすことはありませんでしたが、件数など縮小せざるを得ませんでしたし、4月の残業は、過労死ラインの100時間以上が医師や保健師で10名、もっとも多い保健師では257時間という結果でした。
市長、本市が保健所を統廃合する際、わが党は当時の山出市長への質問に保健所所長会の佐藤氏の言葉を引用し反対しました。当時0-157が発生していた中で佐藤氏は警鐘をならし、「仮にこの全国に張り巡らされた保健所網がなく、医師である保健所所長が先頭に立っての臨機応変な諸活動がなかったなら、日本列島は新しいこの感染症にじゅうりんされ、もっとひどい混乱がもたらされていただろう」。
このコロナ禍で、当時佐藤氏が警鐘をならしていた通りのことが起こっています。これまでの政策によって公衆衛生分野が縮小されてきた結果が、現在の混乱を招いている点についてどのように思われますか。
ー山野市長
国の方針として、公衆衛生分野が縮小されてきたのではないか、そのことについてどんなふうに考えるかということです。平成6年、保健所法が地域保健法に改正され、住民に身近な母子保健サービスなどが都道府県の保健所から市町村に移譲されるなど、保健所と市町村保健センターの役割が明確化されたことから、すでに保健所設置市であった本市においても平成9年度に3保健所から現在の1保健所3福祉保健センターに移行をし、より身近な保健と福祉のサービス拠点として機能してきているところであります。こうしたことにより、保健と福祉の連携が強化されるとともに、これまでも保健所機能に必要な人員を配置してきており、公衆衛生分野を担う保健所として十分役割を果たしてきているというふうに考えています。
ー広田議員
新たなウイルスの脅威は今後も予想されています。
保健所がその役割を果たし、市民の命と健康を守るためにも、保健所の機能と人員体制を抜本的に増強する必要があります。
保健所の機能については提案ですが、これから泉野福祉健康センターの建て替え工事が始まります。これを機に泉野にも保健所の機能を増やす検討をしてはいかがでしょうか。
ー山野市長
泉野福祉保健センターについてお尋ねがございました。今回、新型コロナウイルス感染症の拡大に際しましては、法的権限の強い感染症対策業務を保健所に集約化したことにより、一元的な対応が可能であったと考えています。保健所機能が一時的に逼迫をしたことも事実でありますが、全庁あげての応援職員の派遣、新規採用による増員により対応をしてきたところであり、この体制の変更は考えてはおりません。
ー広田議員
人員体制については、本市は、昨年度5月時点での保健師数は57名。中核市の人口当たりでは最下位です。8月から定数を2人増やしましたが、抜本的に増やす必要があります。現在中期人事計画の見直しが行われておりますが、保健師を計画的に増員していくべきですがいかがですか。
ちなみに、アメリカでは接触者などの調査をするトレーサーは、人口10万人に最低30人という基準であり、本市に置き換えると120~150人必要です。
ー山野市長
保健師の配置のことについてお尋ねがございました。新型コロナウイルス感染症への対応により、保健師の業務量が増大してきているということは十分認識をしておりまして、これに対応するため直ちに議会にお諮りをし、8月に3名の増員、10月にも1名を前倒しで配置を予定しているところであります。保健師の数のことについてお尋ねがございました。本市の保健師の場合は、他の自治体では保健師の業務になっていることの多い介護保険の新規申請の認定調査を本市の場合は健康福祉財団に業務委託をするなど、仕事の分担を行ってきたこともあるというふうに考えています。今後見直し予定の中期人事計画におきまして、今般の新型コロナウイルス感染症の感染状況、他の中核市の保健師の担当業務、配置状況、本市の職員数全体の状況を十分に見極めながら検討していきたいというふうに思っています。
ー広田議員
一方で、保健所についての財政措置は地方交付金も出ていますが、保健所にどれほどどう使うかや保健師の配置については地方任せになっている実態です。本市では、統廃合後の2000年と現在を比較すると、保健所費で2600万円、人件費では1125万円もこれまで減らされてきました。保健所の機能強化や保健師の増員については、国からの財政支援とその裏付けとなる基準が必要です。これらの要求を本市としても国へあげるべきと考えますがいかがですか。
ー山野市長
保健師の配置基準を設け、国への財政的な支援のことについてお尋ねがございました。保健師業務は母子保健、成人保健、感染症対策など、多岐にわたるところでありますし、自治体によって市民の年齢構成等が異なるところであります。先の答弁で申し上げましたように、仕事の担当業務の違いもありますので、全国一律の保健師配置基準を設けるということはこれはなかなか難しいというふうに考えています。今回の新型コロナウイルス感染症対応につきましては、感染症対策・地域経済対策など、多くの予算も必要となりますので、引き続き国に財政支援を要望していきたいというふうに思っています。
ー広田議員
・地域経済対策について
さいごに、今補正予算に出された地域経済対策について伺います。
今補正予算では、「五感にごちそう金沢宿泊キャンペーン」という金沢市版のGOTOトラベルともいえる事業が8億3千万円の予算で打ち出されました。
しかし、GOTOトラベルについて、そもそも政府は『感染症の流行収束後に行う』としてきましたし、本来、感染拡大を抑えることが最大の経済対策だと考えるものです。
全国で第2波が起こっている今、議会においても本市を含め視察の受け入れを断っている都市も多い状況です。本市のこのキャンペーンは、10月分は北信越、11月以降は全国に拡大するとしていますが、新型コロナウイルスに加え、インフルエンザ流行時期とも重なりますが、感染防止の観点から、保健所と経済局の間でどのような議論を行い、この時期での実施に至ったのかあきらかにしてください。
ー山野市長
五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンのことについて、保健所との連携についてお尋ねがございました。本事業においては、新型コロナウイルスの全国的な感染状況がクラスターを除き抑制されつつあるという認識のもと、地域社会経済活動の振興のため、補正予算の承認を得て、事業に取り掛かっていきたいと考えています。まずは北信越地域に限定した形で10月から行っていきたいと考えています。感染拡大防止・社会経済活動の両立を進めるべく、保健所を含めて全庁一体となり、今補正予算を編成したものであることをご理解いただきたいというふうに思っています。
ー広田議員
次に、GOTOトラベルでは、「旅行者に対して37.5度以上の発熱があった場合は、保健所の指示を仰ぐことになる」など明記されています。一方で、GOTOトラベル参加の長野のホテルで陽性者が出ましたが、いくら感染が出ても“GoTo”を止める仕組みがないことも明らかになりました。
市長、旅行者について、保健所との連携や入院先などの確保、感染者が出た場合の事業継続の判断について、どのような計画か伺います。
ー山野市長
万が一、宿泊者に感染を疑われる方が出た場合のことについてお尋ねがございました。感染症を疑われる宿泊客が出た場合は、宿泊業界のガイドラインに基づき、宿泊施設が本市の帰国者・接触者相談センターである金沢市保健所に連絡し、その指示に基づき適切に対応することになっており、このことを宿泊事業者等に対し周知徹底をしていくところであります。全国的に爆発的に感染が広がるという状況が確認されるような事態になれば、事業の一時的な休止についても検討しなければいけないというふうに考えています。ただ、地域経済活動の振興のためには、継続的に事業を実施することが肝要でありますので、宿泊事業者等の感染対策を支援をしながら進めていきたいというふうに思っています。
ー広田議員
もちろん、宿泊施設や飲食店などへの支援策は必要です。しかし、感染拡大さなかでアクセルとブレーキを両方踏むような矛盾した施策ではなく、事業所への直接支援を再度行うべきと考えますがいかがですか。
ー山野市長
この3月・4月・5月と、特に大きな影響を受けた宿泊・飲食などの事業者に対しましては、これまでも国の持続化給付金等の支援策に加え、宿泊施設魅力向上等奨励事業を始め、事業継続のための給付金など本市独自の支援策を講じてきたところであります。感染症に関しまして様々な知見が蓄積されてきました。感染防止の徹底を図っていくなかで、ウィズコロナの時代がこれから1年とも2年とも言われているところであります。感染防止対策を徹底するということ、そして社会経済活動の両立を図っていく、私はそういう局面になってきているんだというふうに認識をしています。本来的な経済活動を後押しすることによって、持続的な形での雇用を維持していく、そして様々な業種への波及効果を生み出していくということが、私はもう必要なフェーズであるというふうに思っています。事業者へ直接給付金等を支給するという段階から、継続的な施策に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。
ー広田議員
さいごに、金沢の元気回復商品券支援事業費についてです。実施するプレミアム商品券については、その対象店舗について気になるところです。小規模な事業所や商店街に加盟していないところも含むべきではないでしょうか。
金沢市の感染拡大防止、地域経済にとってよりよい施策になるよう求めて質問を終わります。
ー山野市長
小規模な事業者や商店街に加盟していない店舗も該当するのかということでした。本事業では、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛等により、大きな影響を受けた市内の商店街を支援するために、まずは各商店街に自助努力を行っていただきたいというふうに思っています。地域のお客様のことは地域の商店街が一番ご存知でありますので、独自の施策を組んでいただきたいというふうに思っていまして、その中で応援をさせていただきたいというふうに思っています。それぞれの特徴があり、対象となる店舗もいろいろとまちまちであります。もちろん、複数の商店街との共同実施もあると思っています。地域住民の皆さんが利用しやすい、創意工夫をしてほしいというふうに思っています。できるだけ多くの店舗等に参加いただくよう、各商店街に働きかけていきたいというふうに思っています。
(再質問)
ー広田議員
2点、改めて伺います。
ひとつはPCR検査の面的な検査のことについてですが、政府の感染症対策本部も県に要請すると決定したと市長も述べておられましたが、やはり金沢市は一つ保健所を持ち、金沢市民の命と健康に責任を持つ立場であるということから、ぜひ保健所所長が医師として、専門家会議に出ておられますから、そのときにぜひ面的な検査を石川県でも行うべきではないかと発言していただきたいということがひとつ。
もうひとつは、保健所の統廃合についての見識についてはちょっと残念です。やはり私はこれまでの政治の責任で今のコロナ禍の混乱を招いているというふうに反省すべきだと思っております。保健所と、昔の保健センター・今の健康福祉センターは、機能がわけられています。感染症を扱うのは今保健所しか法的にはないんですよね。昔は、保健師が保健所に数十名まとめていましたけど、今は7名です。増員されまして9名、前倒しっていうのは来年採用の人を1名入れただけですから、今結局9名の定数で、また新たにウイルスが来たら対応ができるのかという局面です。ですから、ぜひ保健師の増員をと求めたところです。その点、再度お願いいたします。
ー山野市長
1点目のことですけれども、保健所長とはまだ具体的なお話はしておりませんので、意見交換をさせていただきたいと思っています。
2点目の件ですけれども、先程申し上げましたことの繰り返しになってしまいますけれども、いろんな担当業務なんかもきちんと見直していく必要があるならば見直していきたいと思いますし、配置状況も確認をしていきたいというふうに思っています。十分見極めながら検討していきたいというふうに思います。しっかりとした対策を取っていかなくてはいけないというふうに思っています。