私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、認定第1号令和元年度金沢市歳入歳出決算認定については、認定できない事を表明し、その主な理由を述べます。
ひとつは国民健康保険、介護保険についてです。
国民健康保険は加入者の多くが年金受給者や、非正規等で働いている方がたで、高すぎる国民健康保険料を引き下げてほしいとの声は切実です。令和元年度決算では、国民健康保険費特別会計の実質収支は1億9975万円の黒字となり、保険給付費の払い戻しを行っても1億3704万円の黒字決算となりました。その結果、基金からの繰り入れが当初は11億2881万円を予算化していましたが、決算では2億1206万円と大幅に減少し、その結果、基金残高は27億5600万円になりました。今、国民健康保険財政に求められることは、協会けんぽ等に比べて、2倍にも上る高すぎる保険料の引き下げにあります。基金を活用し、保険料の負担軽減を行う事が求められます。国保加入者には非正規雇用者や年金生活者が多く生活は厳しい現状である事を考えると、基金はため込むのではなく保険料の引き下げにこそ使うべきです。
介護保険については、一部保険料の引き下げがありましたが、本市の保険料は中核市では8番目の高さであることは変わりません。
また一方で必要な介護サービスが受けられない事や、サービスを利用すれば、負担金がかかるなど、保険料を払っても利用しにくい実態があります。令和元年度決算では、6億1459万円の黒字となり、平成30年度の4億9000万円の黒字に続き2年連続の黒字となりました。その結果、基金残高は19億6900万円と大幅な増加となったものです。この基金を活用して保険料の引き下げが求められます。
二点目は市民の暮らしが大変な中で呼び込み型の大型公共事業の開発が進められることです。金沢港の港湾整備事業費はこれまで、国、県、市の総額463億円が投入され、令和元年度の市負担分は18億⒋000万円です。これは、大手企業コマツのための大浜岸壁改良事業や、日本海側のクルーズ拠点校を目指し無量寺岸壁の再整備、および、金沢港クルーズターミナルの整備でクルーズ船入港促進を図るものです。
又、観光政策として欧州の富裕層をターゲットに推進してきた外資系のホテル誘致に関する一連の整備事業、金沢駅西広場周辺歩行環境整備総事業費7億6000万円のうち、元年度は4億8167万円などで、一部の富裕層のために税金を使うのではなく、市民の生活を守り、福祉向上に力を入れることこそ必要です。
さらに城北市民サッカー場の再整備という事で基本設計の費用として4300万円支出されました。建設費が70億円、関連する施設の整備も含めると総事業費が100億円ともいわれ、新しいサッカー場建設には同意できません。
三点目に宿泊税に関してです。令和元年度の決算では7億6900万円余の収入がありました。そのほとんどが20000円以下の、宿泊施設に泊まった方からいただいた税金です。宿泊税を同じく導入している東京では1万円未満、大阪では7000円未満の宿泊料の場合は、課税はしないなど配慮が見られます。また、京都においては、修学旅行生には課税をしないとなっています。本市においては、修学旅行生に関して、いろんな特典はつけたものの、宿泊税そのものに改善を求める声が大きく上がっています。地元の中小の宿泊業者から宿泊税は止めてほしい、死活問題だとの切実な声が届いています。今後コロナ禍において、ますます厳しい宿泊業者の生業を杞憂するものです。
家庭ごみ有料化については、市民の皆さんの協力により家庭系のごみが減少しています。市民は、ごみ袋の購入の負担があります。この有料ごみ袋の販売収益はコミュニティ基金に積み上げられていくのですが、ごみ出しサーポート事業への広がりが少なく、対象の要介護の方を要支援の方や、ごみ出しが困難な方にと対象を広げるべきです。
職員定数についても賛成できません。
令和元年度の本市正規職員は定数が3343人のところ3241人で、非正規職員が1328人となっています。非正規職員の割合は29.1%となっており、その割合は年々大きくなっています。正規職員の割合を増やし職場の働く環境を守り市民の要望や負託にこたえることが大切です。
以上の点から、認定第1号令和元年度金沢市歳入歳出決算について認定できない事を表明し討論といたします。